裏窓

02.裏窓(Rear Window  1954年 アメリカ)

監督はアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)。主演はジェームズ・スチュアート(James Stewart)とハリウッド映画スターからモナコ公国の王妃となったグレース・ケリー(Grace Kelly)。あらすじは、取材中の事故で片足を骨折したジェームズ・スチュアート扮するカメラマンが、退屈しのぎに向かいの建物の室内を覗き見していた事から、殺人事件に巻き込まれ、部屋に押し込んできた殺人犯に窓から突き落とされ、遂に両足共骨折してしまうというものです。殺人犯は駆け付けた警官に取り押さえられたのはいうまでもありません。ユーモアを含んだスリラー。ヒッチコック監督の傑作中の一つであることは間違いないと思います。


裏窓風景


上の写真一つみただけでで、ヒッチコック監督の裏窓の1シーンだと気付く人は多いと思います。ジェームズ・スチュアートが向かいの窓を覗こうとして手に持ってるのが、望遠レンズを装着したこの映画の主人公エキザクタ・バレックス(Exakta Varex)です。エキザクタは、第二次世界大戦で壊滅的な空襲を受けた東ドイツのドレスデンに本社を置くイハ-ゲ社の製品です。レンズの前面をみていただきたい、覗いている向かいのビルの窓が写し込まれているでしょう。当然とおっしゃる方もいるかもしれませんが、ヒッチコック監督はそこまで気を配っているかと感心します。

このカメラは左利き用に設計されています。ジェームズ・スチュアートは左利きじゃないと思いますが、右手でカメラを保持し左手でレリーズする構えを器用にこなしています。カメラの保持は右手で行うよう設計すべきだと主張していたプロのカメラマンがいましたから、その人には理想的構えかもしれません。左利き用カメラは日本でもサムライという名前で売り出されたカメラがありましたが、爆発的に売れたという話は聞いていません。逆に左利きの人でも右利き用カメラで、なんの不自由なく使っているということでしょうか。なお、エキザクタはいわゆる一眼レフカメラですが、バヨネットマウントで、スクリュウマウントに比べレンズ交換がしやすいという利点があリます。しかし、マウントの口径が小さいため明るいレンズは設計しにくいという欠点がありました。日本でもトプコンという名前の類似品がつくられていました。ただし日本製は左利き用でなく、右利き用ででした。その後、日本製カメラは質、量ともにドイツ製カメラを凌駕していったのは周知の事と思います。


この映画は、グレース・ケリーが画面に現れる度に、鮮やかないかにも高価格にみえる二度と同じでない服に変わります。ヒッチコック監督はそれも見せ場にしたかったらしい。それで、ここでも2,3枚載せなければならないと思います。


グレースは、満面に笑みをうかべてジエームズの部屋を訪れました

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今日はゆっくりしようかなというグレースに、真向かいのアパートの殺人事件が気になって、全くその気のないジェームズ

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あまりにも向かいのアパートの事が気になるジェームズに、引き連れられだしたグレース


マッサージ師を加えて3人で向かいのアパートに注目


歩けないスチュアートは、 押し入ってきた殺人犯を撃退しようと、近くにあったフラシュガンでバルブを発火させ目くらましをくわせようとしてるところです。3発ほどたきますが、効果はあって何秒間かは時間かせぎできました。しかし両足骨折の憂き目にあってしまいました。映画の中に、写真のある所業が使われるというのが面白いじゃありませんか。また、眩しければ目を閉じればいいんでしょうが、映画ですから見てる人によくわかるように手で目をふさぐんでしょうね。


ヒッチコック監督のチョイ出は、向かいのアパートの作曲家の部屋で、時計のネジを巻く人の役としてでています。この時ヒッチコック監督は55歳。油ののりきった時といえるでしょう。お頭の方も、我々にとってはなじみ深い様子にみえます。

(未完成)

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最終更新:2015年06月25日 05:27