聖槍院 九鈴幕間その2
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dangerousss3
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幕間SS・残された者達
「ひさしぶりです。雨弓先輩」
食堂で知り合いを見つけてしまった九鈴は意を決して話し掛けた。
雨竜院雨弓は九鈴より一学年上で、以前は雨竜院家と聖槍院家の間でそれなりに交流もあった。
「おう、九鈴じゃないか。久し振りだな。いつ以来か――」
そう言いかけて、雨弓はしまったという顔で固まった。
それは核の落ちた日。
九鈴の両親が亡くなった日以来であることを思い出したからだ。
九鈴の弟と親族も、新黒死病で亡くなったと聞いている。
雨弓も、大切な人を喪った悲しみについてはよく理解できる。
(だが、なんと切り出すのが良いか――)
雨弓の手が、無意識に胸のロケットペンダントを掴んでいた。
その手の動きを見た九鈴は、雨弓の考えていることをおおよそ理解した。
九鈴もまた、雨竜院家で起きた悲劇について知っているからだ。
しばしの優しい沈黙の後、二人は近況を述べ合い、お互いの一回戦の健闘を祈って別れた。
食堂で知り合いを見つけてしまった九鈴は意を決して話し掛けた。
雨竜院雨弓は九鈴より一学年上で、以前は雨竜院家と聖槍院家の間でそれなりに交流もあった。
「おう、九鈴じゃないか。久し振りだな。いつ以来か――」
そう言いかけて、雨弓はしまったという顔で固まった。
それは核の落ちた日。
九鈴の両親が亡くなった日以来であることを思い出したからだ。
九鈴の弟と親族も、新黒死病で亡くなったと聞いている。
雨弓も、大切な人を喪った悲しみについてはよく理解できる。
(だが、なんと切り出すのが良いか――)
雨弓の手が、無意識に胸のロケットペンダントを掴んでいた。
その手の動きを見た九鈴は、雨弓の考えていることをおおよそ理解した。
九鈴もまた、雨竜院家で起きた悲劇について知っているからだ。
しばしの優しい沈黙の後、二人は近況を述べ合い、お互いの一回戦の健闘を祈って別れた。
(――どうやら俺を避けてた理由があるみたいだな)
雨弓の顔が魔人警官の表情になった。
九鈴の持つ黒いトングから漂う血の匂いに気付いていたからだ。
だが、今の雨弓は魔人警官ではない。
雨弓は素の顔に戻り、ザンバラ頭をわしわしと掻いた。
トング道の殺人術としての側面はまだ見せてもらったことがない。
九鈴と戦うことになったらば、それは楽しい戦いになるだろう。
その前に、倒すべきは第一回戦の相手――黄樺地セニオとハレルア・トップライト。
激戦の予感に熱くなる体を鎮めるため、雨弓は冷たいアルコール飲料を一気に飲み干した。
雨弓の顔が魔人警官の表情になった。
九鈴の持つ黒いトングから漂う血の匂いに気付いていたからだ。
だが、今の雨弓は魔人警官ではない。
雨弓は素の顔に戻り、ザンバラ頭をわしわしと掻いた。
トング道の殺人術としての側面はまだ見せてもらったことがない。
九鈴と戦うことになったらば、それは楽しい戦いになるだろう。
その前に、倒すべきは第一回戦の相手――黄樺地セニオとハレルア・トップライト。
激戦の予感に熱くなる体を鎮めるため、雨弓は冷たいアルコール飲料を一気に飲み干した。