その他幕間その14

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dangerousss3

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復讐者の誓い その6

「ええと、次の裏トーナメントから三人で出場したい…ですか」

運営の受付係員は山田達の頼みに対して困惑した表情で答える


「まあ、そんな感じです……けど…やっぱ無理ですよね…?」

「いやいや!元々さ、山田って名前は魔人賞金稼ぎとして活動するときに使ってた名前でさ!
そんときにはいつも私と穢璃ちゃんがサポートで支援した訳だからさ!これもう実質共同の名前じゃない?」

「そしてその名前で登録してるのだから三人で出場したい…無茶苦茶な屁理屈だとは分かってる。
けどそもそものこの大会自体、参加者のあらゆる武器の持ち込みが許可され
料理対決にバラエティ番組じみた戦いなんて物で勝敗を決めたり挙句の果てには
試合場に予め第三者を持ち込むなんて事までやっても反則にならないからには
この程度の事も許容されるべきなんじゃないかしら」

「あ、そうだ!そもそも第二回戦で淀輝ちゃんは穢璃ちゃんに向かって
対物ライフルを当てた訳じゃない?ならその時点で淀輝ちゃんは
『試合中、対戦相手以外の観客等に危害を加える行為』によって反則負けになってるはず
そしてもしそうならその後、偽原のオッサンは淀輝ちゃんに思いっきり攻撃をしてた訳だから
『勝敗確定後の戦闘行為』によって偽原のオッサンも反則負けで勝者はオーウェンに
なるはずだと思うんだけど?もしこれが覆らないのであればそれってつまりは
私達も『山田』の一部って事になるんじゃないの~?どうなのどうなの?」


「…はあ、分かりました。ちょっと上層部の方に確認しますね」

係員はそう言うと窓口の備え付けの受話器を手に取る



「……本当に戦うんですか…?」

山田は心配そうに兎賀笈澄診と兎賀笈穢璃に尋ねる

「ハハー!君はいまさら何を言ってるのかねえ?」

兎賀笈澄診が芝居がかった低い声で架空のカイゼルヒゲを弄りながら答える

「澄診ちゃん、ふざけないでよ」

「…あのねえ、淀輝ちゃん、ふざけてるのはどっちよ!
何度も言うけど私達はもうとっくに覚悟決めてるのー」

「私達の事を心配してくれる気持ちは有難いわ…
でも、二回戦の事を考えれば私達は裏方に徹するという考えが強すぎたと思うの…
これからの戦い、そして本命の復讐の事を考えたら今まで通りのやり方や気持ちでは
また二回戦の二の舞になってしまうんじゃないかって思うの…」

「澄診ちゃん…穢璃さん…」

山田は二人の返答を聞いてしばし沈黙した

「分かりましたよ……そのかわり、二人とも
自分の事はしっかり自分で守って下さいよ?助けれる時は助けますけど
いつでも余裕があるとは限りませんからその事は覚悟して下さいね」

山田は本当は「二人を絶対守って見せる!」くらいの見栄を張りたいところであったが
二回戦で自分はなにも出来ずに偽原の成すがままにされ
自らの手で穢璃に危害を加えてしまった事を思うととてもそんな
勢いだけの都合のいい事を言う気分にはなれなかった


「まあ、でも実際に三人で戦えるかは運営の判断次第ですけどね」


穢璃がそんな事を言い終えた丁度その時
係員は受話器を置き山田達に話しかけた


「あ、三人での参戦についてOKだそうです、ただし
条件付きで、次の試合ではちょっとしたペナルティが課せられるそうです」

「ペナルティ?どんな内容の?」

「それは実際に戦いが始まるまで秘密だそうです。
もし決勝戦に勝ち上がれた場合、決勝ではペナルティは無しで戦えるそうです。
また、翅津里淀輝さん一人で戦うという場合でしたらペナルティは無しになります」


「ペナルティか…どうします?俺はいいですけど」
「まあ私もオッケーだよ!どんな事が起きるか分からないのが人生!」
「二人が良いのなら私も大丈夫です」

「じゃあ決まりだね、次の戦いから三人で戦うって事でお願いします」

「了解しました」


「しかしペナルティが課せられる上に実際に戦いが始まるまで
内容を伏せられるとかなんかバラエティ番組みたいだよなあ」

「ホームセンターでの戦いといい、裏は結構軽いノリなのかもねー」

「ところで…これから三人で『山田』として戦うというのでしたら…
私も『山田』になるって事ですよね…?それなら私も山田さんの事を
淀輝さんって呼んだ方が良いかしら?」

「……っ!!当然ですよ!むしろそう呼んでもらえる方が大歓迎って言うか!」

翅津里淀輝はそう言いながら兎賀笈穢璃の手を両手で掴み軽く上下に振った

「淀輝ちゃん名前で呼んでもらえるってだけではしゃぎ過ぎっしょ…」

おわじ








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