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第一回戦【硫酸風呂】SSその1 - (2013/04/15 (月) 03:40:23) のソース
#divid(ss_area){ *第一回戦【硫酸風呂】SSその1 暗く沈む部屋がある。 大会関係者のために用意された個室である。 部屋に灯る光源は、トーナメントの様子を中継するモニタから漏れる光のみ。 それは今まさに、ひとつの結果を伝えていた。 『――ザ・キングオブトワイライト第一回戦最終戦、勝者、&ruby(じゅらくだい){儒楽第}選手っ』 ――やはり、そうなるか。 部屋の主、森田一郎は、そう独りごちた。 お嬢様のための最強の駒、儒楽第。その力は、勝負の結果をもって証明される。 "力"。 すべては、その言葉ひとつに集約する。 わたしは、あの暴虐の魔人を力にてねじ伏せ、支配しなければならないのだ。 「――フッ」 鋭い呼気が漏れる。 モニタから差す光によって生まれる影が、上下に揺れ動く。 暗闇のなか、森田は身体を動かす。 腕立て伏せと呼ばれる動作である。 しかし、それは一般的に想起される単純なそれではなかった。 手の構えが違う。 床に当てるべき手を、彼は、掌ではなく握り拳に構えていた。 拳立て伏せである。 「――フッ」 再びの呼気。 拳立て伏せは、握りこむ拳の握力と手首の力、何より上体を支えるバランス感覚を強く要求する。森田は、常人が30と続けること叶わぬそれを、繰り返し繰り返し行なっているのだ。 ――強く。あの魔人より、なお強い力を求む。 執念が森田を駆り立てる。 この、奇跡のような均衡を越える一手を生み出すためのタイムリミットまで、そう時間は残っていない。 ―――― 目高機関、森田一郎、そして儒楽第を巡る陰謀の駆け引きは、非常に微妙な均衡の上でなんとか保っているに過ぎぬタイトロープである。 目高機関にとって儒楽第の大会参戦は、いわばただの広告塔。 ブラックマーケットを支配していた暗黒存在が目高機関に従い、その影響下にあって唯々諾々と見世物になっていること。あるいは尖兵として、首輪に繋がれた運営の犬が如く振る舞うことそのものが、機関の威信を内外に示す何よりの広告塔となる。 ヤツが参加者の前に立ち塞がり、その圧倒的な力を誇示するだけで良い。 先日のブラックマーケット掃討作戦の成果をこうして衆目に晒すことで、機関による支配はより盤石なものとなるだろう。 そして用済みになれば、機関は儒楽第を抹殺する。 ――それではダメなのだ。儒楽第にはお嬢様の役に立ってもらわねば。 森田一郎は目高機関に対し、死刑囚・儒楽第の処遇に関するひとつの提案をした。 死刑執行を取り止め、儒楽第を傘下に引き入れてはどうか? と。 これには勿論、大きな反対があった。 曰く、儒楽第は犯罪者である。 曰く、機関の理念に反する。 曰く、暴虐の魔人を取り込むことで機関のイメージが悪化する。 &ruby(そもそも){抑々}、アレが、いったいどれほど役に立つというのか。 ならば。 それならば。 この度開かれる、魔人同士の殺し合いの祭典。それに、あの男を参加させてはどうか? ――と。 あの男の実力のほど、直接渡り合ったわたしにはよく解かります。 &ruby(ヤツ){儒楽第}の有用性は、&ruby(ヤツ){儒楽第}自身に示させればよろしい。 わたしにすべてお任せください。 悪性の魔人めに首輪を嵌め、光差す世界に引き摺り出してご覧にいれましょう。 ―――― 拳立て伏せのカウントは、300に到達しようとしていた。 薄暗い室内に、ゆらゆらと蒸気が立ち昇る。 森田の筋肉に込み上げる熱量が、流れる汗を掻き消していく。 突如、部屋を照らすモニタの光量が落ちる。 中継が終了したのだ。 周囲の変化に気づいた森田は、姿勢はそのまま、左腕を床から離し、横に伸ばす。 その先にあるものは、モニタのリモコンである。 片手による操作が行なわれる。 モニタに光量が戻る。 映しだすのは、再び、ザ・キングオブトワイライト第一回戦最終戦。 &ruby(いかりまこと){猪狩誠}と、儒楽第の試合である。 記録の再生だ。 部屋に差す光と影の文様が上下する。 「――フッ」 と、鋭い呼気が漏れる。 床から離された左手は、今、彼の腰に当てられている。 片腕。 右腕一本で、拳立て伏せは続いているのだ。 新たなカウントが始まる。 「――フッ」 と、鋭い呼気が漏れる。片腕となっても、そのペースが変わることはない。 『ザ・キングオブトワイライト第一回戦も、いよいよ最終戦となりまーす』 モニタから聞こえるのは、大会実況者の声。 ―――― モニタに映し出されるのは、最終戦の試合会場【硫酸風呂】である。 実況者により、中継視聴者向けのバトルフィールド解説が入る。 半径100mのドーム状施設に硫酸が満たされ、 足場となるのは、ところどころに突き立つ柱のみ。 足を踏み外せば凄惨な死が待ち受けるデスマッチ。 『まずは、選手のご紹ー介ー』 ブンッ! と、空間がズレ動くような音と共に、中空から少年が一人飛び出す。 空間転移能力による現象だ。 中継では、実況者が少年・猪狩誠のプロフィールについて語っている。 モニタのなかの少年は、素早く目を走らせ、周囲を観察する。 硫酸風呂に突き立つ柱群は大小さまざまであるが、 視界の通りは良く、敵がどの柱の上に立とうが見渡すことが可能である。 『続いては~』 その直後、猪狩少年から50mほど離れた柱の上に、瞬間、空間の歪みが現れる。 現われ出るのは、蒼白のコートを背負った黒髪オールバックの男・儒楽第だ。 視線は、出現と同時、少年を射抜く。 そして、 ニハァ、と不敵に笑った。戦いの予兆を喜ぶかのように。 儒楽第が蒼白のコートを翻すと、 それを合図にしたかのように、全身に巻き付き拘束していた帯が解かれ落ちる。 コートを羽織る。 そのタイミングを見計らったかのように、実況者は高らかに宣言する。 『それでは皆様お待ちかね、魔人同士のデスマッチ。果たしてどちらが勝つのか』 『猪狩誠選手、ヴァーサス――』 蒼白色がモニタから消える。 『儒楽第選手。――今、開始です!』 ゴン、ゴン、ガーン。 対戦開始を知らせる鐘が対戦会場に響き渡る。 その一瞬を、認識できたものがいったいどれほど居るか。 対戦相手を見失い、動揺する少年。 瞬く間に肉薄している儒楽第。 ――そして。 戦闘開始の合図から17秒後。 『――ザ・キングオブトワイライト第一回戦最終戦、勝者、儒楽第選手っ』 実況者の慌ただしい声が、結果を告げる。 儒楽第が消えたと思わしきあの一瞬から数えるなら、正味20秒程度の出来事である。 あの瞬間、試合会場で何が起こっていたのか? モニタは、録画された映像をループで再生する。 ―――― 魔人同士の殺し合いの祭典。 あの男の実力のほど、直接渡り合ったわたしにはよく解かります。 &ruby(ヤツ){儒楽第}の有用性は、&ruby(ヤツ){儒楽第}自身に示させればよろしい。 わたしにすべてお任せください。 悪性の魔人めに首輪を嵌め、光差す世界に引き摺り出してご覧にいれましょう。 その結果がこれか。 詭弁だ。 あの場で森田が話したすべてが詭弁だ。 儒楽第の恐ろしさと危険性を一番に理解し、主張すべきだったのは他でもない、森田一郎のはずではなかったか。 欲しかったのは、"力"。 武力であり、権力。 森田の主たる目的は、機関内部における七葉樹落葉の足場を確保すること。 七葉の長として、まことの力を振るわれるようになるその日まで、無残に刈り取られることのない、本当の功績が必要だった。 【裸繰埜病咲風花】討伐という、功績が。 儒楽第には、それが可能である。 森田はそう信じている。 否、信じるなどという正の感情は、真実とは程遠い。 それは、畏怖という負の感情だ。 一対一の白兵戦闘技術において、儒楽第を越える魔人がどれほど居るというのか。 多くの犠牲を払い、やっと封じ込めたはずのそれが、今、勝鬨の哄笑を上げる。 七葉樹落葉の手に、裸繰埜病咲風花の討伐という最大級の功績を齎す。 そのために、あの男をねじ伏せ、支配する。 儒楽第には、機関のためでも、ましてや人類のためなどではなく、 お嬢様のために、働いてもらう。 お嬢様のみの命に従い、 お嬢様のみのために力を振るい、 お嬢様のみのために身体を滅ぼす、最強の駒になってもらわねばならない。 だからわたしは、魔人と取引した。 ―――― &ruby(こちら){森田一郎}が示した条件は、 その身の自由と引き換えに、七葉樹落葉の駒として、裸繰埜を滅すること。 &ruby(あちら){儒楽第}が求めた条件は、 ――従うべき主人、七葉樹落葉の身柄。 ―――― それは、予想してしかるべきものだった。 森田一郎は、当然それすら予想していた。 儒楽第の目的は、復讐。 悪意と殺意。 &ruby(ファミリー){家族}を殺し、楽園を壊したことへの意趣返し。 唯々諾々と、従う素振りをして近づき、殺す。 何のことはない。 儒楽第は、機関の尖兵となることを受け入れたわけでもないし、 広告塔など、屈辱以外の何物でもない。真っ平御免だろう。 だが、殺すために。 確実に、より確実に、殺すために。 七葉樹落葉を。 お嬢様を。復讐のために。 ――取引を飲んだ。 儒楽第は、生き残ることを望む。 &ruby(ファミリー){家族}を建て直し、楽園の続きを見るために。 儒楽第は、殺すことを望む。 復讐のために。 だから、ヤツは、 お嬢様の命のみに従う。機関の目を欺き続けながら。 お嬢様のみのために力を振るう。科せられた死の運命から逃れるために。 お嬢様のみのために身体を滅ぼす、最強の駒となる。 そうせざるを得ないように、わたしが、状況を作り上げた。 ――タイトロープ。陰謀の綱引き。その上を歩くのは少女。 わたしは、 一番大切なもののために、一番大切なものを差し出す矛盾すら、許容する。 ―――― あの瞬間、試合会場で何が起こっていたのか? モニタは、録画された映像をループで再生する。 『それでは皆様お待ちかね、魔人同士のデスマッチ。果たしてどちらが勝つのか』 『猪狩誠選手、ヴァーサス――』 蒼白色がモニタから消える。 ――このとき儒楽第は、 実況者の開始の合図に先んずることで猪狩誠の不意を突いたのだろうか? その解釈は正しくない。 実況者と解説者の音声は、試合会場には届いていない。 あれは、中継映像用なのだ。 ではなぜ。 何を契機に、彼は動いたか。 モニタは、録画された映像をループで再生する。 猪狩少年から50mほど離れた柱の上に、瞬間、空間の歪みが現れる。 現われ出るのは、蒼白のコートを背負った黒髪オールバックの男・儒楽第だ。 視線は、出現と同時、少年を射抜く。 そして、 ニハァ、と不敵に笑った。戦いの予兆を喜ぶかのように。 儒楽第の笑みを見た少年が、呼吸を乱す。 緊張が走り、吐息が荒くなる。 しかしそこは少年とはいえ、彼も場数を踏んだ魔人だ。 乱れた呼吸を落ち着かせる。 深い息。 ――吸って。 ――吐く。 ――吸 蒼白色が消える。 "呼吸"だ。 儒楽第は、はじめから戦闘開始の合図など気にしていなかった。 その類稀なる戦闘センスにより、50m先の対戦相手の呼吸を読んでいたのである。 人間にとって、五感を常に緊張させておくというのは、非常に難しい。 必ず、そこには無意識の波が存在する。 吐いた息を吸い込む瞬間、――人間の五感は無防備となるのだ。 その一瞬、儒楽第がとった行動は…… モニタは、録画された映像をループで再生する。 猪狩も場数を踏んだ魔人だ。 乱れた呼吸を落ち着かせる。 深い息。 ――吸って。 ――吐く。 ――吸 蒼白色が消える、その一瞬。 儒楽第は硫酸風呂に突き立った柱から、飛び降りている! ゴン、ゴン、ガーン。 対戦開始を知らせる鐘が対戦会場に響き渡る。 ―――― 薄暗い個室。 右腕のみで行なわれる拳立て伏せは、腕を替え左腕一本に変わっていた。 「――フッ」 鋭い呼気と共に、繰り返し映し出される映像を見ながら、森田は考察する。 儒楽第の戦闘スタイルは、 己が持つ魔人能力とは裏腹に、先手必勝を基礎としている。 もし猪狩誠が儒楽第の防御能力を、"どう攻略するか"と考えていたのならば、 それは失着である。 最初の一手を間違えている。 儒楽第は&ruby(そもそも){抑々}、敵の攻撃を受け止める気が一切ない! 儒楽第の魔人能力【攻性変色】は、高速の肉弾戦闘において最高の力を発揮する。 相手を殴り、相手を弾く。 その瞬間瞬間の接触でさえ、 彼の【共感覚】は、「一から八千を読む」究極の解析機能を十全に果たす。 儒楽第の狙いは、対戦開始より前に、敵の視界から脱出すること。 呼吸を読むことで、それは達成された。 しかし、呼吸による五感の無防備は、それこそ一瞬のことである。 硫酸風呂に満ちたドーム。 足場は、突き立った柱しか存在しない。 硫酸風呂に突き立つ柱群は大小さまざまであるが、 視界の通りは良く、敵がどの柱の"上"に立とうが見渡すことが可能である。 だが、柱の上でなければ。 何の器具も用いることなく、ただ筋力のみで、柱の側面に張り付くほどの身体能力を儒楽第が持っているとするならばどうだろうか。 眼下は即死の湖、硫酸風呂。 ましてや、あの一瞬の交差。敵の姿が突然消えるという衝撃による動揺。 柱を飛び降りるという儒楽第の選択に、猪狩少年が気付かなかったのも仕方のないことだろう。 試合会場を映すカメラからも死角となった柱の陰を伝い、彼我の距離50mを瞬時に詰めた儒楽第が、ヌゥと、顔を出す。 猪狩の完全な意識の外、足元からである。 痛恨の先手必勝が炸裂する。 ―――― モニタが、戦闘終了を決定づけた最後の一撃を映し出す。 正味20秒程度の出来事である。 あの瞬間、試合会場で何が起こっていたのか? 足元から現れた儒楽第が、猪狩の足首を掴み引き摺り倒す。 続けて右拳が、意識を奪うほどの勢いで鳩尾へと叩き込まれる。 ダメージにより吐き込み、蹲る猪狩。 そして、それを見下ろす儒楽第。 ズズズ…… ズズズズズズ…… 儒楽第の姿が、モニタ越しでも判別できるほど、黄色く発光していく――! 「&ruby(イエローギロチン){黄色の断頭台}」 ――儒楽第の魔人能力、攻性変色<カメレオン・オーラ>は、オーラに触れた魔人能力を解析し、オーラを、それを阻む性質を持つ色と形に、変色変形させる。 「オーラが黄色に変わるのは、てめぇの能力が常時加護型である証」 「その脅威を断ち切るために、相応しい形状こそ断頭台」 「残念だったな、てめぇはここまでだ。小僧」 ハッハハハハハハハ!! 今、勝鬨の哄笑を上げる。 蹲る少年の首を目掛け、足が踏み降ろされた。 オーラは、猪狩の肉体を切り落としたりはしなかった。 ただ、猪狩を守る、魔人能力を断ち切った。 骨が砕ける音が響く。 『…………』 実況担当が声を詰まらせる。 しかし、すぐ己が役目を思い出したのか、 『――ザ・キングオブトワイライト第一回戦最終戦、勝者、儒楽第選手っ』 慌ただしい声が、結果を告げた。 ―――― よくできた状況じゃあないか。 オレは小娘に従う振りをする。 途中で裏切り、飼い主に牙を剥こうものなら、 機関は即座にオレを危険分子と見做し殺処分する。 だからオレは小娘に手を出せない。 しかしそれは、てめぇも同じこと。 オレを機関に殺させるわけにはいかない。 裏切らないよう、餌を吊るす。 機関に痛む腹は無いから、てめぇの独断専行を許す。 果たして仇敵は倒され万々歳。 しかし、そんなに上手くいくか? 非常に危ういバランスなんじゃあないか? 目高機関が、オレのような存在を自由にすることを許すか? てめぇの思惑に気付き、先手を打ってオレを殺せばそれで終わり。 そしてオレが、本当に大人しく小娘に従う保障はあるか? 周囲の監視を振りほどき、オレが小娘を殺して満足してしまえばそれで終わり。 そうなったとき、てめぇはどうするつもりなんだ? えぇ? ハッハハハハハハハ!! 儒楽第の哄笑。 オレは勝ったぞ。 てめぇはどうするんだ? えぇ? ―――― (そうなったとき、てめぇはどうするつもりなんだ? えぇ?) そうはならない。 そうは、させない。 モニタの光も落ちた個室。 森田はひとり、暗闇のなか独りごちる。 拳立て伏せのカウントが止まる。 伏せた森田は、動きを止め、息も止める。 左手を前に出しつつ、握っていた手を開き、掌を床につけた。 五指を開き、爪を立てるよう突き立て、上体を十点で支える。 そのままの姿勢で、つま先を蹴る。 足が浮き上がる。 腕を上手く曲げ、天に向って振り上がる両の足を制御する。 倒立だ。 両の五指だけで、姿勢を保持する。 しかし森田はそれだけで満足しない。 30秒を数えたと同時、両の中指を握りこむ。 身体を支えるのは、合計八指。 再び30秒を数えたと同時、両の人差し指を握りこむ。 また30秒。今度は薬指。 これで、支える指は四指のみ。 だが、森田の身体は倒立を維持し続ける。 握力と、全身のバランス感覚がそれを実現する。 ボディビルダーのように不必要な筋肉をつけた身体では決してできぬ芸当。 おもむろに小指を外す。 握り拳から突き出された親指のみで、身体を支える。 ……30秒。 森田は、一瞬だけ腕を深く曲げ、伸ばし、その反動で飛び上がる。 着地。 ――やはり、そうなるか。 お嬢様のための最強の駒、儒楽第。その力は、勝負の結果をもって証明される。 "力"。 すべては、その言葉ひとつに集約する。 儒楽第の心の核。 それは、自らの強さに他ならない。 ヤツを真の意味で屈服させ、 従えるため、 わたしは、 あの暴虐の魔人を力にてねじ伏せ、支配しなければならないのだ。 「そのときは必ず、わたしがお前を手ずから殺す」 その宣言を違えぬために。 もはや後戻りは効かない。 ザ・キングオブトワイライトの火蓋は切って落とされた。 欲しいのは"力"。 暴虐の魔人を調伏するための"力"。 この森田一郎が、儒楽第を力でねじ伏せ、支配する。 ザ・キングオブトワイライトの開催は、 世界の実力者を集め、&ruby(ふるい){篩}にかけ、吟味し、味方に付けるためか? 否。 真実は違う。 ただひとりの、儒楽第という男を殺し得る"力"を見出し、 この&ruby(わたし){森田一郎}が、それを手に入れるための、遠大な舞台装置。 機関の判断。 儒楽第の裏切り。 すべてのタイムリミットは、ザ・キングオブトワイライト決勝戦――!! } &font(17px){[[このページのトップに戻る>#atwiki-jp-bg2]]|&spanclass(backlink){[[トップページに戻る>http://www49.atwiki.jp/dangerousss3/]]}} ---- #javascript(){{ <!-- $(document).ready(function(){ $("#main").css("width","740px"); $("#menu").css("display","none"); $("#ss_area h2").css("margin-bottom","20px").css("background","none").css("border","none").css("box-shadow","none"); $(".backlink a").text("前のページに戻る"); $(".backlink").click(function(e){ e.preventDefault(); history.back(); }); }); // --> }}