バロネス夜渡

最終更新:

dangerousss

- view
管理者のみ編集可

バロネス夜渡(ばろねす よわたり)

設定

近くのバーで働く男性店員兼バウンサー。店の改装費用の為に出場を決めた。
セクシーなドレス風衣装と首元の赤いスカーフ、巨大なアフロヘアーが特徴的。
吸血鬼に憧れ、いい年こいた今でも努力次第で本当になれると思っている。
見た目はムチムチ美女風といえないこともないこともないかもしれない。

バロネス夜渡というのは源氏名。本名は千歯車 炒二(ちばぐるま しょうじ)。

【飛行Lv.4】
人間であるはずの彼の主な飛行原理は気合い。
端から見ると優雅に飛んでいるように見えるが実際体力を物凄く使う。

「身体スキル」:【強靭な肉体Lv.4】【代謝Lv.2】
「知的スキル」:【老獪Lv.3】【怪しさ満点Lv.-2】
「固有スキル」:【ブラディ・シージ[魔]】【飛行Lv.4】
「オプション」:【ナイフLv.2】【スカーフLv.1】

魔人能力『ブラディ・シージ』

吸血鬼の使役の力っぽい力。
自らの血を付けた対象を自在に操る。
飛び回らせたりも出来るが速度は重量に反比例するので重いものは超鈍足。
元々意思を持って動いている者を操るにはかなりの付着量を必要とする。
同時操作可能数に制限はないがあまり多くを同時に操作すると処理しきれないと思う。

実はぶっちゃけ血である必要はなく、体液ならOK。
(このことは秘密にしている)

プロローグ

バロネス夜渡・プロローグSS「男爵夫人、参戦す」

場末のオカマバー、「カーマラ」。
何故か店員がヴァンパイアコスという、ニッチすぎる店だが、店内にはそれなりに客が入っている。

「いらっしゃーい。あら、アナタ見ない顔ね。ハジメテかしら」
ドレスにアフロ姿が奇妙な女装男、バロネス夜渡(源氏名)が客を迎え入れる。
最早ヴァンパイアとしての面影は薄い恰好なのだが、誰も突っ込めないためそのままである。

一人の男を迎え入れては見たが、どうも様子がおかしい。
息を荒げ、視線は焦点を結ばず、手には――ナイフ!

「ハァ、ハァ……ヴァンパイアは皆殺しだ……女王様の命のままに……」
「こいつ!」
「ヒアッ、ハァー!」
狂ったように雄たけびを上げて突っ込んでくる男。狙いはバロネス夜渡!

向けられた刃が彼女(?)の頬をかすめると同時、男の身体が宙を舞った。
筋肉質な脚から繰り出された、強烈な蹴りの一撃。
テーブルがひっくり返り、グラスが一斉に破壊音を奏でる。

「全く、またこの手のバカが……おねーさん嫌になっちゃう」

頬を流れる一筋の血を拭い、舐め取りながら相手の起き上がりを待つ。
迂闊に近付いてガラス片を踏むのは御免なのだ。
それに、あまり備品を壊してもまた――

「動くな!」
意外と早く復帰したようだ。
手にはナイフ、もう片腕に人質の客を抱え、男が叫ぶ。

「はいはーい。みんなー動いちゃダメよ、言う通りにしなさい。
『ブラディ・シージ』一本入りまーす」

飄々と言ってのけるバロネスの目が、妖しく光る。
同時に男の持つ血のついたナイフが動き出し、男の手から逃れる。

「は?」
呆気に取られる男を尻目に、ナイフは浮き上がり、切っ先を男に向け、じりじりとにじり寄る。
「アタシ達は何もしてないわ、でもナイフが勝手に動くんだからしょうがないわねー」
「クソッ、このアフロ野郎――ギャアアアア!」

男の肉を散々に引っ掻き回したナイフが、術者の手元に納まる。
これがバロネス夜渡の能力『ブラディ・シージ』――血のついた対象を使役する力である。

「あら、これなかなか上等ねー。貰っちゃおうかしら」
血塗れで逃げ出す男を一瞥しながら、呟く。

「――全く、これじゃあいつまで経っても客が寄りつきゃしない」

店内に残っているのは騒動には慣れっこの、むしろそれを肴に安酒を呷るような常連客ばかり。
一見さんなどはとっくに逃げ出してしまった。
――どれもこれも、近くにあの店が出来てからだ。

「アタシ達の客を奪い、そればかりか唆されたバカが突撃してくる始末……!」
「全部あの店のせい……ニューハーフSMパブ「バンパイアハンター」!」

「夜渡姐さん相変わらず強いね! 折角だからこれ出ない?」
常連客の一人が、チラシを手渡してくる。

「アンタ、まーたスカウトじみたバイトやってんの? もっとまともな職見つけなさいって、アタシがいつも――」
ブツブツ言いながらも、受け取ったチラシに目をやると。

「『SNOW-SNOWトーナメントオブ女神オブトーナメント 第一回結昨――長ったらしいわねー。
ふーん。バトルトーナメントねー。おねーさんそういう野蛮なのはニガテ……おい、今笑った奴出てこい」
左手で客の胸倉を掴みながら、なおも読み進める。

「なになに賞品は……1000万!? こりゃあ出るっきゃないわ!ここはおねーさんが、一肌脱ぎますか!」

「やったれー!」「頑張れー!」「流石姐さん!」「キモーイ!」「応援するぜー!」
にわかに盛り上がる店内。皆お祭り好きなのだ。

――お金さえあれば、店ももっと大きく出来る。ホストだって、本物のヴァンパイアだって雇える――

「よーし、おねーさん頑張っちゃうからねー。あとさっきキモイっつった奴は出てこい」


目安箱バナー