熊野ミーコ

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dangerousss

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熊野ミーコ

設定

熊野田権現様を裏本尊として祭っている裏熊野本宮の「隠れ熊野巫女」で活発で元気な女の子。
ペットの大宇宙イソギンチャクのヰ・ソノ君と共生状態にある。

性別:女
年齢:17歳
身長158cm 体重51kg
髪型・髪色:セミロング・黒
瞳の色:赤
所持武器:ヌンチャク
服装:ブルース・リーの着ていたようなオレンジに黒と白のラインが入ったジャージ上下。
所持品:裏熊野本宮秘典「影盆の書」
学力:成績は平均点だが生物・英語・国語あたりは割と得意
部活:映画研究会。ホラーや香港アクションを好む。
運動神経:クラス上位ではあるが学園トップクラスではない。
戦闘力:ブルース・リーの動きを真似たヌンチャク&ジークンドー使いだが腕前は街の不良にタイマンなら余裕で勝てる2~3人相手だとギリギリ勝てる、5~6人以上だと普通に負けるレベル。
趣味:格ゲーが得意で技も見た目重視である。全国大会レベル。
特技:裏熊野田権現を崇める「影盆の書」を持ち秘術に精通しており独学で大宇宙イソギンチャクのヰ・ソノ君を召喚したほど。
体質:クマノミ少女なので高度な触手耐性があり触手に対しては無敵。
交友関係:ペットの大宇宙イソギンチャクのヰ・ソノ君。いつも一緒に居る。関係はプラトニック。

大宇宙イソギンチャク ヰ・ソノ君
性別:不明
年齢:不明
出身:外宇宙
体長:3.68m 体重2.1t
触手の長さ:10m程度
色:虹色蛍光色

巨大なイソギンチャク「テケリ・リ、テケリ・リ」と啼く。
熊野ミーコとのコンビネーションに優れており連携した戦いも得意だが、
何故か内部にジョイパッドがあり格ゲーの得意なミーコを内部に搭載して戦うと格段に動きが良くなる。
動きは鈍重だが非常にタフネスで触手や謎の粘液により中々のリーチを誇る。
触手で殴ったり、目とか体が光ったり、体から宇宙イソギンチャクを分離して投げてきたりする。
うにょうにょ動く触手が敵の攻撃を防いでくれる。

魔人能力『隠れクマノミーコ』

宇宙パワーで姿を消せる。
宇宙パワー的な光学迷彩的な何かなので当然の如く水に弱く水を浴びると姿が見え
水には姿が映るのさ。
水がない所で再起動すれば姿は消せる。
音や体温は消せないので気配は察知される。
継続持続時間3分。3分使いきると3分のチャージが必要。
ヰ・ソノ君は消せない。

プロローグ


いあいあ くとぅるー ふたぐん…
いあいあ くとぅるー ふたぐん…

闇の中に、呪文がコダマする。

地の底、深き場所で私達は出会った。
ぐちゃり… するり…

「てけり… てけり・り…」

光の中から、光の中の暗黒の底、果てなき深淵から…

ぐちゃり… ずるり…

あの子がやって来る。
暗闇の中から這い寄ってくる。

これが初めての出会い。
この神社に伝わるともだチの儀式。
だから私は明るく大きな声で挨拶すル。
「ようこソ、私のともだチ!!貴方の名前は今日から、ヰ・ソノ君よ!!仲良くしようネ?」
「いあ いあー!!」
私の挨拶に、ヰ・ソノ君も元気に答えてくれた。
そして一冊の取扱説明書。
何だコレ?格闘ゲームのコマンド表?

コマンド 技名 効果
無し アリガトう そして アリガトウ 触手オートガード 何もしない状態で発動 ダメージ軽減率は低め
キキキキキモチイイ!! 触手によるガード ダメージ軽減率が非常に優秀
P アアアアアナタのご意見をお聞かせ下さイ リーチの長さと出の速さが特徴の触手攻撃 ↓で下段にも
P ワワワワワタシの眷属(トモダチ)になりませんカ? 隙が大きいが威力と射程に優れた触手攻撃
K コンニチわオハヨうコンバンわ 触手による中距離牽制攻撃 連打が効く ↓で下段にも
K サササササヨウナら 最高3段ヒットする触手攻撃 リーチは短め
↓強P ソソソソソラのお星様がきれイですネ 触手による対空攻撃  硬直時間が長いが対空性能は高い
↓強K ドドドドドウゾお座り下さイ 触手による下段足払い ダウンをとれる
P+→
or  P+←
ゴゴゴゴゴ一緒にダンスを踊りませんカ? 投げ技 触手で絡め何か変な液体を注入する
必殺技
←溜めK U星からの物体X ヰ・ソノの体から分離した小宇宙イソギンチャクを投げつける ヒットすると徐々に体力を奪う
↓→↘P 光るeye ヰ・ソノ君の目が光り目くらましをする
↓↘→P すぴーしーず 中宇宙イソギンチャクがヰ・ソノの体から分離してノロノロと敵に向かっていき触手攻撃
←↙↓↘→K ニューヨークの東の方の奇跡 ボディが光り輝きジャンプしてからのボディプレス
超必殺技
←溜め PK E&T ヰ・ソノ君が光る触手で殴る 普通に殴るより痛い
←→←→PK いあいあ ふぐたくん こんやいっぱいどうだい? 祭神クマノ・ダゴン・ゲン様による宇宙的恐怖的な応援 今夜一杯どうだい?と誘われるけど特に意味は無い
二回転P 星辰は正しい 触手による全方位攻撃

あれは、もう10年以上も前、私が5歳の頃の話。


十二年後。
熊野ミーコ17歳。

「もう、今日は朝練あるかラ、5時に起こしてっていっタじゃなイ!!」
「てけり・り…」
オクラ納豆卵かけトーストを咥えながら自転車で学校まで疾走する。
自転車の前カゴには恥ずかしそうに小さくなったヰ・ソノ君が言い訳がましい啼き声をあげた。
「言い訳はしなくていいワ!!ゆっくりご飯を食べられなかっタけど、間に合いそうだもン!!」
ヰ・ソノ君は4m近い巨体と2tにもなる体重だけれど、頑張れば小さくなる事もできる。
ふだんはヰ・ソノ君に乗ってゆっくり登校しているが、こういう急ぎの用事の時は自転車で走った方が実は早い。

ぎゃりぎゃりぎゃり!!
カーブをドリフトで曲がれば、この先DANGEROUS!!
希望崎学園に到着だ。

私の実家は和歌山県の熊野本宮の裏社「裏熊野本宮」。
所謂、隠れ熊野巫女というやつだ。
今は遠縁の親戚にあたる九頭竜愛奈さんの紹介で此処で学生をやってる。
神主でもあるお父さんから広く世間を知る必要があるから、と言われてやってきた。
最初は心細かったけど、ヰ・ソノ君もいるし
何より意外と「ともだチ」は多かった。
クラスメートとも友達になれたし、わりと気楽にやっている。


ガラガラ!!
勢いよく部室の扉を開け、いつものように挨拶をする!!
「やっほー!!おはよウ!!今日も冒涜的な良い天気だねエ!!」
「てけり・り!!てけり・り!!」
私の横には2mほどのサイズになったヰ・ソノ君も一緒だ。

「やあ、おはよう。朝のミーティングにはギリギリ間に合ったね。相変らずジャージ姿が眩しいねー」

私は映画研究会に所属している。
映画研究会と言っても希望崎では演劇部や歌劇団などもある為に、役者希望と言うよりは映画フリークの集まりに近い。
更に言えばジャンルによって幾つかの集団に分かれている感じだ。
私が主にいるのはホラーや香港アクション映画を好むメンバー達。
いま挨拶してくれたのは映画研究会H&H(ホラー&香港アクション)支部長ということになる。
他にも5~6人の男女のメンバーが揃っていた。

「それでも遅刻は遅刻だ。一番遅れてんぞ熊野、もうちょっと早く来いよ」
「だってサ!!いきなり呼びだすんだもン、いつもと違うから起きれなかったノ」

「まぁまぁ、間に合ったから良かったじゃない、ミーコもさっさと謝っときな」

同学年の男子との口論になりかけたが先輩の女生徒が間に入ってくれたのでなんとか収まった。

「てけり・り てけり・り」
「はははっ、流石はヰ・ソノ君は礼儀正しいな」
「もウ、支部長それはないでしョ。あ、みんな遅れてごめんなさイ」

「まあ、みんな集まったな!!それじゃ始めようか!!朝早く緊急にみんなを呼び集めて悪かったね」

支部長の話は簡単だった。
映画研究会は深刻な部費不足に悩まされているらしい。
映画をみて雑談するメンバーも多いが一応撮影なども活動に含まれているし、文化祭などで自主製作映画はやはり映画研究会総力をあげての活動になる。
まあ、ようするに機材には金がかかるのだ。

「そこでだ、まあラッキーというかなんというか結構な企業がスポンサーになってバトル大会を開催するらしいんで、そこに参加しちゃどうかと支部長会議で決まったんだ。映画研究会として出せるメンバーは一人。映画研究会内部で予選をするなりなんなりして代表を選ぶんで、各支部からこれはと思える魔人を推薦して欲しいとの事だ。代表枠に選ばれた支部には予算を優先配分するし代表者は賞金をある程度研究会に寄付してくれればあとは好きにして良いそうだ。」

支部長が話を一区切り終える。

「それってさ、ウチから出せるのミーコしかいねーじゃん」
先輩の女生徒が、当たり前みたいな顔で呟いた。

「え?私ですカ?」

「そーよう。大体にしてウチらでアクションできるのミーコか副支部長くらいっしょ?ヰ・ソノ君込みなら実質の戦闘力持ってる魔人はアンタだけよ」

「で、でも先輩も、番長グループの…」

「あー、アタシはダメだわ。そりゃ、一応攻撃能力ではあるけどさ。私はどっちかってーと術者タイプなのね。集団戦でならともかくタイマンではある程度武闘派じゃないとね」

「うーン」

「街の不良相手に暴れた事もあるし、ヰ・ソノ君のパワーならまあ良いセン行けるでしょ、ねえ支部長?」

「そうだね、ここは熊野君に任せるのが良いんじゃないかなぁ」

「ほらほらァ。支部長もこー言ってる事だし決まりね!!応援するわよ?ミーコ!!」

「わ、わかりましタ!!熊野ミーコ大会に参加します!!」

「まあ、まずは映画研究会内の予選を勝ち抜いてからだなぁ」

「てけり・り!!てけり・り!!」

こうして私の長い、
いや長くなるかもしれない戦いが始まったのだ。



一週間後。
希望崎採掘場。

ちゅどーん!!

「くっ!!流石リアルな特殊効果で定評のある特殊アクション支部代表!!リアルすぎル!!っていうカ!!ホントに爆発してル!!」
「てけり・り!!!」
どちゃどちゃどちゃ!!
辺りは一面の岩場。
映画撮影に良く使う希望崎採掘場。
その真ん中を本来の姿である巨体のヰ・ソノ君が走る。
どちゃどちゃどちゃ!!と。
遅いけど。

「はーッはッはァ!!アクションはッ!!爆発だッ!!遅いッ!!遅いぞッ!!ハハハハハァ!!」

映画研究会予選決勝。
準決勝までは圧勝だったけれど、これは手ごわい。
爆発を操る魔人がいたとは。

ちゅどーん!!

「うわっ、だ、だいじょうブ?」
「てけり・り!!」

派手さ重視で威力は控えめという事だが普通に岩を砕く威力、直撃すればダメージはとても大きい。
ヰ・ソノ君の内部まで結構な衝撃がくる。

ヰ・ソノ君だから耐えられるがこのまま何十発も受け切れるかどうかは不安だ。

「熊野ミーコ君とそのペット!!中々良い動きだッ!!今度我々が撮る映画にぜひ出てくれたまえッ!!」

「あ、ありがとウございまス!!考えときまス!!」「てけり・り!!」
ジョイパッドを操作しヰ・ソノ君を反転させる。
逃げるのは終わりだ。

「ハッハァ!!そりゃ楽しみだ!!そして覚悟は決まったようだなッ!!まあ今回は私の勝ちだッ!!安心したまえッ!!部費は私が必ず獲得してこよう!!喰らえッ我が能力ダイナミックエクスプロージョン・マスト・ダイ!!フルパワーだッ!!ごへ?」

バキッ!!

ヰ・ソノ君が全力で私をブン投げての蹴りが
特殊アクション支部代表 ダイナマイト黒沢の顔面に突き刺さった。

「な、ナイスアクション!!ナイスコンビネーションだッ!!ぐぶあ!!」
「ありがとウございまス!!でも口上はもうすこし短めのほうが好みでス!!」


こうして映画研究部内予選も突破した私は本戦へと出場する事になった。
あんな滅茶苦茶な大会だとは思いもよらずに。

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