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bbb第3号 小説企画

宇賀持



タイトル

パーソナルポイント括弧仮




あらすじ


「パーソナルポイント」というものが導入された世界。簡単に言うとその人を数値化すると何ポイントかということ。能力とか性格とか嗜好など(いわゆる就活の適正診断的なもの)などを総合的にポイント化することによって、就職活動が劇的に効率化した。つまり、応募者は志望する企業に「パーソナルポイント」をメールするだけでいいし、企業側もそのポイントを単純比較するだけでいい。

 主人公はそのシステムに疑問を感じ、実際にあってほしいと企業に申し込むがことごとく門前払い。落ち込む主人公を励ます友人。主人公は自分とそんなに変わらない友人のことを感謝も込めて気にかけるが問題ないと返される。

 その後友人は大企業から内定を得る。実は彼の父は厚労省の重役で、「パーソナルポイント」を不正に操作してもらっていた。



テーマとの関連性


 現在の雇用は大まかに新卒か既卒かに分けられる。既卒は言うまでもなく新卒の場合でも様々な条件を満たしていなければならない。もちろん全てではないが、中には個人の努力ではどうしようもないものも存在する。たとえば4年生大学卒業見込みとか(つまり短大や専門でもそもそも受けることもできない)の理不尽さを数値というもので表し、主人公はそれに意を唱えようとするが、社会という大きな枠組みに対しては意味をなさない。また、一見すると数値化することで相対化されたように見えるが、結局コネも何もない凡人にはまともに働く価値なんかないということを示している。


みんなのコメント&コメント返し

名前:
コメント:



加藤さんより


パーソナルポイントというシステムを、どういう風に描くかで捉え方がすごく変わると思う。読者に「これは便利だ」と思わせたいのか、「ちょっとそれ違くない?」と思わせたいのか。

たとえば、学校で良い子にしているだけで高いポイントもらえるなら先生達を騙せばいいわけだから「それどうよ?」ってなるし、本当に頭の良さやその人の考え方を正確に分析

できるシステムなのであれば、点数が低い主人公はただの自業自得として映る。


→確かに、これについては詰め切れてませんでした。たとえば数字に還元させてしまうことで主人公は公平になったと思って、がんばって合格点(その会社に入るのに必要なポイントみたいな感じ)を目指すのだけれど、コネであっさり就職を勝ち取ってしまう友人を描くことで、それさえも不公平であることを描き、就活において公正さはないという流れではどうでしょう。ただ、これで「疑う」要素が描けている感じが弱いかもしれません。


あと、ちょっと話が違うかもしれませんが、大学卒じゃないと就職できない会社というのは、学歴というより年齢を重視しているんだと思います。短大や専門卒のほうが当然大卒より若いので、入社してすぐ仕事を任せるにはちょっと荷が重いというか、無理だろうってことらしいです。なのである意味合理的ではあるので、短大卒では受けられないとかっていうのは理不尽ではないと思います。

うちの父がずっと学校の先生で今は大学で教えてるので、そういうのたぶん普通の人よりちょっとだけ詳しいので、私が就活してるとき言ってました。


→確かに、高校からのストレート(あるいは一浪程度)が大多数を占める日本では割合的に合理的かもしれません。しかし、実際にはイレギュラーな人間(私自身そうなので)もいるわけで、年齢を前提にしてしまっている時点で、日本の教育と就職の関係性は旧時代的だと思います。年齢という要素を判断材料にするのは間違いだとはもちろん言いませんが、年齢と学歴をイコールにするのはちょっと短絡的かと。


川尻さんより


  数値って残酷です。そういうところは読者をゾクゾクさせる。ワクワクとは違います。

針が思ったより、遠くに進んでいるような、怖い感じです。数字の張り付いた時計とか、怖いですよ。特に進むたびに音がなる奴とか。これ、書いているのが、深夜だから、余計そうなのかも。

反面、これはかなりページ数を食う作品だと思う。酷な話だけど。主人公がこのシステムに疑問を持つのかというエピソードもいるだろうし、システムと世界観の説明にかなり持っていかれそう、かと。


→これについてはあまり明確に書く予定はありませんでした。たとえば就職活動を公平透明にするために導入したとか、効率化のために導入したとか、その程度の理由にとどめる予定でした。


しかも、これは一旦、作った世界観を壊すという過程をとらなくちゃいけない作品。

数値の世界に、人間関係を途中で持ち込むのは、世界観を崩しているんじゃないでし

ょうか。

{→これはあくまで仕組みなので、人間が完全に数字に支配される世界といったようなレベルまでは行っていないので、人間関係(コネってことだと解釈して書きます)は普通にあります。

加藤さんのところで書きましたが、それによって公平透明だと思っていた仕組みでさえ、不公平不透明であるという書き方はどうでしょう。「疑う」感が弱いですかね。}


宇賀持さんは数値がお好きですね。(前回の『黒いまんじゅう』を見てそう思いまし

た)そういう人が数値の話を書くのは楽しみです。

→川尻さんのコメントで気付かされた感じがありますが、ある種のテーマ的なレベルで「数字」というのがあるような気がします。多分、これ以外の作品でも何かしら用いると思いますし、実際他の課題(習作)で使ってみています。今回のものとはズレますが、ありがとうございました。

テーマとの関連性のほうについては、「コネがないと結局就職活動をする意味がない」

というのが、宇賀時さんの考えですよね。なんだか、コネでもいいから、就職してぇって感じが伝わってくるのですが。

就職活動、大変なんですか?


→コネがないとと言うよりは、今回は新卒採用について扱っているのですが、それに限って言えば、前提条件にあう人間(22〜24くらいでしょうか、この年齢で大卒という基本)でなければ意味がなく、そのレールに乗れなかった人間はただ放り出されるしかないという感じでしょうか。就活は大変ですね。先述のように新卒であれば、その暗黙の前提条件をクリアしていなければ内定を取る取らない以前にエントリーも無理ではないかと思います(これは実際に無理というのではなく、システム上では可能だけれど、企業側としては該当しないという意味)。なので、新卒のレールに外れた人間は、その時点でヒエラルキーのある階層に入れられてしまい、特別なことがなければ抜け出すことはほぼ困難というのが実情なんじゃないかと。その一つがコネですね。もちろん他にもあるとは思いますが。



サライより


この「パーソナルポイント」を好意的に描きたいのか、それとも欠陥のあるシステムとして描きたいのか、はっきり伝わってくるとよいかも。


→加藤さんのところで書きましたが、主人公的には好意的だけれど、実情は欠陥(不公平不透明)なシステムであるというのはどうかなと。「疑え」てますかね。


また、パーソナルポイントというシステムの画期的なポイントはなんだろうか?


→就活している学生からすれば、公平透明になるということでしょうか。企業側からすれば採用に関する手間が省ける(極端な話、エントリーした人の中でポイントの高い人間を選べばいいだけ)ということかと。


厚労省なりなんなりが、その人が人材として使えるかどうかを数値化して、たとえば「TOEICの点数だけでその人の英語力がわかる」みたいに、「PP(パーソナルポイント)を見ればそれだけで社員として使えるかどうかわかる」ということになるなら、それは単にひと昔まえの学歴偏重主義や、SPIテストの点数を重視する現在の就活、あるいはストレートにテストの点数がものをいう司法試験などと、さしてちがわないのではないか。

いやむしろ、「その点数だけをみて合否を決める」というのなら、面接での印象というあやふやで主観的なものに頼っている現代の就活よりも、かえって平等でわかりやすいものに、読者の目には映るかもしれない。


→これは人によって捉え方が変わるかもしれませんね、確かに。ただ、現在でも(特に大手は)全員が面接を受けられるわけではない(もちろん例外があるのは承知しています)ので、ある意味その人物を別の何かに置き換えたものだけで評価している一面はあるので、そういう意味では今も一部では一昔前から何も変わっていないとも取れるかと。PPはある意味そういう効率を極端に求めた結果の産物と言えるかもしれない。なので、下記の皿井さんのコメントにあるように、ある意味オープンだとも言える。それを主人公は好意的に受け止めているという設定にしたらどうかというのが、前半に書いたことです。


結果的に、「どの点数ならこの企業にはうかる」と、世間にわかってしまうわけだから、むむしろ現実の就活よりオープンなものになる可能性を秘めているようにも思える。

すると問題は面接そのものより、「パーソナルポイントを採点する現場」で、どのようなテストが課されるのか、ということではないだろうか。そこが不公平ならこのシステムは不公平だけれど、企画書を読む限り、きっと努力では覆せないような採点のしかたにも思える。そのへんの設定をうかがいたいです。


→で、友人の方法(コネ)というのが、ある意味システムの不公平さを表している。正直細かい部分までは詰め切れていませんでした。取り敢えず色々なテストなり何なりを大学の就職課や職安で受けて、それを数値化していく。能力的なものはテストだけでも大丈夫かなと。性格や適正系は、テスト+調査員による調査(特別職公務員的な人)で決定するというのを考えてました。ただ、後者についてはプライバシーの問題も絡んでくるので実際には批判や問題が起こるでしょうね。今回は、その辺はみんなが受け入れている社会という特殊な設定でと考えてました。数の原理で一般的にそうだから、結局はそれに迎合しなければそのシステムでの就活ができないからというような。