マンムー

登録日:2011/07/28 Thu 09:46:45
更新日:2024/02/17 Sat 23:40:01
所要時間:約 12 分で読めます




1万年前の氷の下から発見されたこともあるほど大昔からいたポケモン。



出典: ポケットモンスター ベストウイッシュ、91話『パワーバトル! アイリスVSヒカリ!』、
2010年9月23日~2013年10月3日まで放送。
OLM Team Kato、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon




■データ


全国図鑑No.473
分類:2ほんキバポケモン
英語名:Mamoswine
高さ:2.5m
重さ:291.0kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50♀50

タイプ:こおりじめん
特性:どんかん(「メロメロ」「ちょうはつ」「ゆうわく」と特性『いかく』を無効化する)
  /ゆきがくれ(天候があられの時、回避率が1.25倍になる)
隠れ特性:あついしぼう(ほのおタイプとこおりタイプの技で受けるダメージを半減する)

HP:110
攻撃:130
防御:80
特攻:70
特防:60
素早さ:80
合計:530

努力値:攻撃+3


進化:ウリムー(レベル33) → イノムー(「げんしのちから」を覚えた状態でレベルアップ) → マンムー


■概要


金・銀』で初登場したイノムーが『ダイヤモンド・パール』からまさかの進化。

イノムーまではモチーフがイノシシ(イノブタ)だったはずが進化する事により氷で出来た立派な牙を持つ巨大なマンモスのような姿に。
とは言うが、英語名はマンモス野豚という意味であって、結局は野豚、つまりイノシシのポケモンであるコンセプトはちゃんと一貫しているようだ。
イノムー時は深い毛に覆われていたため目がほとんど見えていなかったが、マンムーになるとやや毛がすっきりして目もちゃんと見えるようになっている。

約1万年も前の『氷河期』から生息していたポケモン。
氷河期が過ぎ気温が暖かくなってからは大幅に数を減らしたらしい。
高い休眠能力を持ち、1万年前の地層から凍り付けの状態で発見されたマンムーが復活して騒ぎになった事がある。

他の「げんしのちから」を覚えて進化するポケモン達の例を見る限り恐らく「イノムーの昔の姿」と思われる。進化というより退化?


■ゲームでのマンムー


進化前のウリムーはジョウト地方の「こおりのぬけみち」にのみ登場。
と言うか普通にプレイすると野生でウリムーをゲットできるようになる前にイノムーの姿を見る事になる
登場時期がとにかく遅く、こおり技自体も「こなゆき」の次に習得するのが「ふぶき」(Lv.56)、地面技は自力で習得できないと使いにくいにも程があった。
第三世代でも一切改善されず…。

そんなイノムーに第四世代で追加された進化形がマンムーである。
この世代から地味に習得技が全体的に見直され使いやすくなっている。
なお、DPtではクリア後に217番道路で大量発生する事がある。
ちなみに進化条件である「げんしのちから」は自力で取得しないため「ハートのうろこ」や遺伝に頼る必要があり、なかなか面倒。


主要トレーナーの使用者ではチョウジタウンジムリーダーであるヤナギが進化前のイノムーを切り札として使用。
じめんタイプ持ちなのでほのおタイプは返り討ち…と思いきやじめん技がない(あったところで「じしん」か「どろかけ」だが)のでその辺は安心していい。
リメイク版の『HG・SS』では特殊ながら「どろばくだん」が追加された為要警戒。
HGSSで戦える強化版ではマンムーに進化しており相変わらず切り札。
攻撃力が高いだけでなくユキノオーの『ゆきふらし』と自身の特性『ゆきがくれ』で運ゲも狙うため地味な強敵。

ポケモンファン第15号にはなんと隠れ特性『あついしぼう』持ちのマンムーが付録で付いている。
弱点が多いマンムーにとって『あついしぼう』は非常に有用な特性。
…しかしこの手の限定配布産隠れ特性持ちの例に漏れず♂のみで隠れ特性のまま増やす事は出来ず遺伝技は実質無し。
しかもマンムーに進化済みでほぼ必須技である「こおりのつぶて」が覚えられないため使える物理こおり技は「こおりのキバ」のみ…
イノムーで『しんかのきせき』型も出来ない等かなり残念な仕様でもはやネタに近い。

後に解禁されたPDWのひんやり穴にて♀のウリムーが出現するため、ポケモンファンのマンムーの存在意義は完全に無くなってしまった。


■対戦でのマンムー


130という氷タイプトップクラスの攻撃力を持つ物理アタッカー。
また防御・特防は並以下だがHPが高いおかげで数値以上に耐久は高く、素早さも鈍重そうな見た目の割に平均程度備えていたりと能力値はかなり恵まれている。

こおりとじめんの複合タイプという独自のタイプを持つ。
前述の通り、マンモスの名が付いてもあくまでイノシシなんだという一貫性に恥じないくらい、その一貫性は攻撃能力にも雄弁に表れており
この2タイプは共に攻撃面に優れておりお互いの相性補完具合も優秀なため攻撃範囲はかなり広い。
たとえば、飛んでてじめんが当たらなきゃこおりで撃墜からはじまり、逆にこおりを半減するはがねには揺らせばコロリと落ちる。

なんと全複合タイプ中最多の9タイプもの弱点を突く事が出来るためかなり受け辛い。
ある意味攻撃面で最も恵まれたタイプと言える。

しかし、その代償と言う事なのか耐性面は貧弱を通り越して壊滅的。
弱点はメジャーな物が5もある一方、耐性はどく半減とでんき無効のみと悲惨。
特性「あついしぼう」で多少は誤魔化しが効くが、このせいで耐久ははっきり言って数値程高くはない。
まさにこおりタイプの宿命とも言える欠点であり、御三家のタイプ(くさ・ほのお・みず)の全てが弱点なのはこいつだけ。
そのせいで耐久指数はアタッカーにしては相応にあるにもかかわらず「きあいのタスキ」が第一候補。
攻撃特化な性能はある意味とてもこおりタイプらしい。

そのタイプ故にメジャー狩りが得意で、特にこおりタイプである事と最高威力の「こおりのつぶて」の使い手である事からドラゴンキラーとして有名。
生半可な耐久のドラゴンは簡単に狩り取ってしまう。「こおりのつぶて」はウリムー時にしか覚えないため注意。
これに関しては剣盾で改善されている。

ブラック・ホワイト』からは強力な物理こおり技の「つららおとし」を取得、更に「つららばり」の威力が倍以上に強化された。
これにより、ドラゴンキラー能力が上昇。
特に「つららばり」は『きあいのタスキ』持ちガブリアスは元より、『マルチスケイル』カイリュー対策に需要が急増した。

ちなみに、ポケモンWCS2013のVGCマスターカテゴリでは、Arash Ommati氏がマンムーを採用した構築で優勝している。

タイプ一致で「じしん」が使えるため、こおりタイプながらほのおやはがねが降臨し辛いのも利点。
というか「じしん」は最大のメインウェポン。

プラチナとHGSSの教え技である「がむしゃら」もかなり強力。ただし遺伝の関係上前述の「つららおとし」とは両立出来ない。
他にも一撃必殺技「じわれ」でカイリキーを狩ったりも。

特性『ゆきがくれ』を利用して霰パで活用するのも面白い。
「メロメロ」は使用者が少なくユキノオーは使用が多い事から霰パでなくとも特性は『どんかん』より『ゆきがくれ』推奨。

霰パ以外では『あついしぼう』推奨。
弱点であるほのおが等倍、元々等倍のこおりは半減となり、繰り出し性能が格段に上がる。
特にでんきタイプに繰り出す際もめざ氷にも強くなる。

また、全ポケモン中、霰と砂嵐両方の天候ダメージを特性無しで無効化出来るのはこいつとアマルルガサンドパン(アローラのすがた)のみであり、これもあって『きあいのタスキ』と相性がいいとされている。つまりタスキが腐りにくいということ。タスキ持ちならば「ステルスロック」設置もしやすくなるし。

加えて、サブウェポンが若干相性補完に微妙な物が多いため、攻撃範囲こそ広いものの止まる相手にはとことん止まってしまう事が多いのも欠点。
具体的にはエアームドや『ふゆうドータクン、ウォッシュロトム辺りがかなり苦手。
「がむしゃら」で無理矢理突破する手もあるがやや不安定か。

ちなみに地味ながら「リフレクター」や「ひかりのかべ」といったサポート技が豊富だったりする。
流せる相手が多いので使う機会は以外と多いが技スペースが問題か。

その極端なタイプ相性から扱いには若干癖があると言える。
しかし、第六世代ではランドロスボルトロスといったポケモンが台頭し始め、
それらに対して非常に相性がいいマンムーの数が急激に増加。
あついしぼうマンムーがメジャーポケキラーとしてシングルのPGLランキングにランクインするなど大躍進を果たした。

しかし、ランドロスは『いかく』込みだと「こおりのつぶて」を耐えられて返り討ちに会ったり、
ボルトロスは「いばる」の運ゲー(これはマンムーに限った話ではないが)に持ち込まれる可能性もあるので運用には気を付けよう。

第八世代では特性『どんかん』に『いかく』無効というありがたい変更があった。
が、多くのポケモンの未参加によりこおり4倍のポケモンがフライゴンオンバーンカジッチュ系列くらいしかおらずあまりこおり技が刺さっていない。
しかも何故か今まで基本技にあった「つつく」が没収され強力なダイマックス技である「ダイジェット」が使えない。もっとも「つつく」ベースのダイジェットの威力は90ぽっちしかないので、実用性があるかはかなり微妙だったりする
これにより使用率は第七世代よりも低下、歴代作品で最もマンムーがパッとしない対戦環境になってしまった。

しかしDLC『冠の雪原』ではランドロスガブリアス等のこおり4倍のポケモンが大勢再登場したので、マンムーもまた使われるようになった。
役割対象のうちランドロスやボーマンダは『いかく』持ちなので、先述のどんかんの威嚇無効効果が活きやすくなっており、特性の採用も『あついしぼう』よりも『どんかん』が優先されることが増えた(特に襷型)。「ちょうはつ」を気にせず「ステルスロック」を設置できる点もありがたい。

禁止伝説ポケモンが1体採用できるようになった竜王戦ルールでは、ザシアンを受けられるヌオーが非常にメジャーになったことから、物理型であってもマンムーに「フリーズドライ」を採用するケースも増えている。

SVでは「碧の仮面」で復帰。
新たに「はたきおとす」「きしかいせい」「くさわけ」などの技が増えた。
テラスタルとの相性もなかなかで、貧弱すぎる耐性を改善する事ができるようになった。「あついしぼう」とも噛み合っている。

しかし、環境の変遷により強力なこおり・じめんアタッカーの増加、そのせいで貴重な耐性であるでんきタイプが勢いを失い、耐性がほぼないも同然になっていると言うまさかの事態に。
さすがに「あついしぼう」の恩恵によるこおり耐性だけでどうにかするのは厳しく、どうしてもテラスタルの依存度が高くなりがち。
「ばかぢから」が没収されているため、ふゆう+はがねテラスタル相手に出来る事が限られてしまっているのもマイナス要素。
攻め・守りともにライバルの存在や環境への噛み合わなさもあり、どうにも第9世代のマンムーは元気がない。

■進化前 イノムー


凍える寒さにも耐えられるように厚くて長い毛皮に覆われている。氷に埋まったエサをキバで掘り出す。

全国図鑑No.221
分類:いのししポケモン
英語名:Piloswine
高さ:1.1m
重さ:55.8kg

  • 種族値
HP:100
攻撃:100
防御:80
特攻:60
特防:60
素早さ:50
合計:450

努力値:HP+1、攻撃+1


マンモスがモチーフのマンムーに対してこちらは猪がモチーフ。
元は最終進化形扱いだっただけあり、攻撃と素早さ以外はマンムーに大きく見劣りしない。
そのため、上述のように『しんかのきせき』を持たせて使われることがある。

目は深い毛に覆われているため、前がよく見えずにひたすら突進を繰り返す。
しかしポケモンスタジアムシリーズや第五世代以降ではその毛に隠れていたつぶらな瞳を見ることが出来る。
一部では進化前のウリムーより可愛いという声も。

元々高めの防御は勿論、多少物足りなかった特防もそれなりに。
それぞれ無振りだと防御130・特防100、極振りだと防御146・特防116となる。
役割上マンムー以上に「あついしぼう」によるほのお・こおり半減の恩恵を強く受ける。

基本はガブリアスやカイリューらドラゴンを始めとする物理アタッカーに後出し。
物理耐久に特化すれば『こだわりハチマキ』持ちガブリアスの「げきりん」も低乱数2発に抑える。
対面ならメガバシャーモメガルカリオも「じしん」+「こおりのつぶて」で倒せる。

ただ、流石にメガボーマンダの「すてみタックル」には厳しく、HB特化でも高乱数2発で落とされる。

特殊攻撃に対してはギルガルド(アタックフォルム)の一致「ラスターカノン」がH252振りで確定2発。
一方、イノムーは攻撃無振りでも一致「じしん」でHP252ギルガルド(ブレードフォルム)を確定1発にできる。
『へんげんじざい』+『いのちのたま』ゲッコウガの「くさむすび」(威力80相当)も耐え、こおり技で返り討ちにできる。

耐性こそ少ないが、種族値・特性・技の優秀さにより耐久アタッカーとして高い潜在能力を秘めている。

奇石無しでもマンムーより遅い分、「ゆきなだれ」で火力を出しやすい利点がある。
トリックルーム」下でもマンムーより速く動けるが、攻撃は並程度なので役割をよく考えたい。

アタッカー以外に「どくどく」「ステルスロック」「ほえる」での場作りもこなせる。
この場合は『あついしぼう』ではなく「ちょうはつ」対策の『どんかん』を優先したい。

マンムーの覚える技の内、「アイアンテール」「はたきおとす」「こわいかお」「とおせんぼう」等を覚えないので注意。

第二世代の対戦環境では種族値こそ低いものの対戦環境上位のポケモンとの相性が良いため一定の評価を受けていた
当時から「めざめるパワー(氷)」を備えたでんきタイプが多い中、でんき無効かつこおりが等倍以下で済むのは他にヌオーハガネールのみ。
なおかつ攻撃面でもナッシーゲンガー等の強ポケに致命傷を与えられ、特にガラガラサンダーに同時に対処できる稀有な存在。
こおり+じめんという唯一無二のタイプは当時から低い種族値を補ってあまりある価値を持っていたようだ。


■さらに進化前 ウリムー


いいにおいをかぎつけるとあとさき考えずににおいの方向へダッシュしてしまう。

全国図鑑No.220
分類:いのぶたポケモン
英語名:Swinub
高さ:0.4m
重さ:6.5kg

  • 種族値
HP:50
攻撃:50
防御:40
特攻:30
特防:30
素早さ:50
合計:250

努力値:攻撃+1


猪の子供「うりぼう」と「豚」をモチーフにしたポケモン。
まだ小さく目も閉じている。可愛い。
枯れ草の下に生えたが大好物で、探す内に温泉を見つけるらしい。
ひたすら突進を繰り返す荒々しい進化形と違ってこの時点では行動も見た目も可愛らしい。

しかし、意外な実力を秘めており、一時期レベル1で運用する型が有名になった。
原理はレベル1コラッタと一緒で『きあいのタスキ』と「がむしゃら」「こおりのつぶて」のコンボ。
だが、こちらは「かぎわける」でゴースト対策ができ、天候ダメージが効かないため襷が潰されにくい。
もっとも、この手のポケモンの例に漏れず一発芸でしかないため、今では使用者は少ない。

リトルバトルにおいても種族値は高いとは言えない上、「こおりのつぶて」以外に氷技を持たず、その威力もニューラに負けている。
結局上記のコンボ狙い以外で使われることは少なく、やはり手の内がバレバレになってしまうため、こちらでもマイナーな部類に入る。


ポケットモンスターSPECIALでのマンムー一族


ここではマンムーよりウリムーの方が有名。
何故ならあの仮面の男の主力として使われているのだから。
なんたってこのウリムー。




ポケスペ最強のこおりタイプ

いやそれどころか

ポケスペ最強のポケモン


いやマジで


その辺の伝ポケよりも遥かに強い。
詳細は仮面の男の項目で。

他にも単体でエンジュシティを壊滅できるイノムーもいてこれまた巨大でおまけに強い。
デリバードといいイノムーといいウリムーといい…あんたら一体なんなんだ

ちなみに2019年の元日、作画担当の山本サトシ先生が今年は亥年という事で年賀イラストにウリムーを描いているのだが、その内容は
「ウリムーを中心に置き、周りにウリムーを恐れたような表情の伝説ポケモン5体
を描いた、完全に例のウリムーなイラストとなっている。

一応マンムーはダイヤ手持ち「むー」が登場しているが、
加入時期が最終決戦直前な上、戦いの最中にやたらと強いレジギガスが加わったのであまり活躍出来てない。



追記・修正は氷漬けのマンムーを発見してからお願いします。
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最終更新:2024年02月17日 23:40