Wii プロゴルファー猿

登録日:2011/10/01 Sat 06:25:35
更新日:2023/08/19 Sat 12:49:16
所要時間:約 4 分で読めます




「Wii プロゴルファー猿」とは、2008年10月23日に発売されたWii専用ソフト。
発売元はバンダイナムコゲームス、開発元はエイティング。また、タムソフトの一部スタッフも開発に携わっている。


概要

原作は藤子不二雄Aが手掛けた漫画、『プロゴルファー猿』。1974~80年に週刊少年サンデーで連載され、後にアニメ化もされた有名漫画。
現実離れしたゴルフの描写が特徴的で、主に中高年層から高い支持を得ている人気作。
藤子A氏は他にも多くの漫画を手掛けており、『忍者ハットリくん』『怪物くん』『笑ゥせぇるすまん』等有名なものも多い。


漫画ストーリー

猿谷家に生まれた猿そっくりの野生児「猿丸」は、天才的なゴルフの才能を持っていた。まだ中学生ながらも多くの賭けゴルフを制し、名を馳せる。
しかし、猿丸のゴルフの才能に目をつけた闇のプロゴルファー組織のボス「ミスターX」が、猿丸を闇の組織へ引き込もうと刺客を送り込む。闇の組織と猿丸との戦いを描いたゴルフ漫画。
なぜかヤードをメートルとよぶ場面がある。



漫画は上述通りかなりの良作。
ゲームの方は当時のファミ通のレビューでオール3点の12点という点数を叩きだした。
12点というのは歴代最下位タイであり、また最高点3点というのは他の12点のゲームでも成し遂げていない、現在唯一の記録である。
その内の一人のレビュアーから『現代でこういうゲームに出会えるのはある意味貴重』という名言・・・迷言?をもらった。

通称「猿」。ゴルフクラブを叩きつける音から「ドギャー」とも言われる*1



システム

  • まず、ストーリーモードが存在しない。モードはマッチ/ストローク/チュートリアル/オプションの4つのみ。一応マッチモードがストーリーモードという扱いなのだろうけど。
  • ホールアウトの度にミスターXが出てきて無意味な質問を投げかけてくる。そしてどちらの選択肢を選んでも無視される。
  • マッチモードで勝つとED。早い場合は10分でEDに到達。スタッフロールは飛ばせる。

操作可能キャラ

  • 使えるキャラクターは隠しキャラ2人を含めたった6人のみ。

  • 猿谷猿丸 
本作の主人公。
名前の通り猿のような見た目と、野性的な身体能力を持っており、ゴルフクラブも木から作ったお手製の物で、クラブの使い分けはせずにこれ一本で打ち分けている。
パターも当初はそのクラブをそのまま使っていたが、後に正宗を譲り受け愛用する。
必殺技をいくつも持っており、特にピンの旗にボールを当て、直下のカップに直接ボールを落とし入れる「旗包み」は本作に詳しくない人にも知られるレベルで有名。
賭けゴルフでを稼いでおり、おっちゃん*2は猿のカモ。
その延長でミスターXとは毎度賭けを行っている。(基本、猿が勝てば大金、ミスターXが勝てば猿が影のプロゴルファーとしてミスターXの配下に加わるという内容)

  • 紅蜂
本作のメインヒロイン
(アニメではおっちゃんの娘の若葉ちゃんの方がヒロインだが、こちらはあくまで観戦者ポジション)
元は影のプロゴルファーの一人であり、ミスターXの側近。
試合前の初登場時には素人のふりをして猿のクラブを石にぶつけひびを入れたりもした。
猿との勝負に負けた後もミスターXの側近としての出番は多く、ミスターXの側近としての仕事をこなしながら猿をサポートするような場面も多かった。
また、一度は仮面を被って猿と再試合した事もある。
後に影のプロゴルファーを脱退し、ドラゴンに師事する。

  • ドラゴン竜
猿と死闘を繰り広げたライバルの一人。
凄腕のゴルファーの話を聞きつけ、ミスターX直々に香港までスカウトしに行った程の人材。
その為、ミスターXを介して猿と勝負はしたものの、影のプロゴルファーではない
打球はヌンチャクで打ち、強烈な飛距離を出す他、多種多様な打ち分けも可能。

  • ジェロニモ
コーラの瓶をクラブに使うカウボーイ姿の男。
コーラ瓶に残したコーラの量でヘッドの重さを調整し、球を打ち分けている。減る一方で重くできないとか言ってはいけない。
おっちゃんが賭けゴルフで負けてクラブを奪われ、猿に泣きついた事で出会う。
……が、やはり影のプロゴルファーであり猿と勝負するものの、結局一話であっさり負けた。

目立った活躍もない一話限りのゲストキャラである為、数少ない参戦枠に何でジェロニモが選ばれたのか……。
いや、まぁ、理由は多分コーラ瓶で打つっていう見た目のインパクトだけなんだろうけども。
有名所のコング・拳とかはアニメにパットシーンとかないから省かれたんだろうし。


  • タイタン
ミスターXの組織に所属する氷川博士が開発したゴルフロボット。
ロボット故の計算と正確無比な打球が持ち味だが、ゴルフロボットなのに天候の事が考慮されておらず雨のせいで負けた。
後の劇場版『スーパーGOLFワールドへの挑戦!!』ではスーパーGOLFワールドの中枢機能を担当しており、劇場版ラスボスを務めた。
まぁ暴走したタイタンの機能を停止する為の場所へ猿がゴルフボールを打ち込んだというオチなので、タイタンがラスボスと言って良いのか微妙な所もあるが。
後に氷川博士がパワードスーツのように着込む形の「タイタンⅢ」も登場。
今回も正確無比な打球で猿を追い詰めるが、紅蜂に言われた言葉をきっかけに最終ホールだけ機械制御を切った結果、2打差で勝ってたのに最終ホールで6打も打って敗北。
ぶっちゃけタイタン自体は勝ってたと言っていいんじゃないかな…。

  • 帰って来た紅蜂
隠しキャラ。
上記の通り、影プロを脱退後ドラゴンに師事して修行して帰ってきた紅蜂さん。
モーションはドラゴン竜と全く同じ。ただの手抜きである




操作

基本的な操作の流れとしては、ポインタでショットの方向を決める→右上のドギャメーターにタイミングを合わせてリモコンを振るとショット、という簡単なもの。しかし以下のような問題点がある。

  • ショットが数か所にしか落ちないとまるですごろくのような仕様。方向、威力が大体合えばCPUと全く同じ場所にボールが落ちる。ホールインまでの結果が完全一致することもある。
  • 明らかにOBになる場所には打てない。普通にプレイする分にはまだしも、ネタとして楽しむことができず少々寂しい。
  • 猿使用時のアプローチショットが難しい。タイミング良く振ってナイスショットを出してしまうとグリーンを大きく越えてOBになってしまう。OB連打で+6とかいうスコアを出してしまうことも。
  • パット時はボールのアイコンがホールと被ったタイミングでリモコンを振るだけ。傾斜読み等もちろん無い。もっとも、あったらあったで難易度は格段に上がるのでそこまで求められる事もないだろうが。


PV

  • PVの質は異常に良い。
  • PVには水木一郎氏が歌うアニメ版主題歌「夢を勝ちとろう」が使われているが、ゲーム中では一切使われていない(もっとも、このゲームに限らずPVに出た曲が必ずゲーム本編でも使われるとは限らないが)。
  • 作品の質を一切感じさせない高品質なPVは、原作中の名言をもじって「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と言われた。


その他

  • グラフィック、BGM等は良質で、原作の必殺技も再現できている。
何よりアニメの声優を使っている点は高評価を得ている。
よってメーカー側が自称している「スポーツゲーム」ではなく、「プロゴルファー猿なりきりゲーム」であると認識されている。

それと比べデザイナーはとても多く、17人もいる。

  • 価格は他と比べて安く6090円。

  • また、このゲームにはバグやフリーズといった要素は無い。
逆に、バグやフリーズといった「裏技」を使わず、「ただただキャラゲーとしてもスポーツゲームとしても質が低すぎる」という点でKOTYに殴り込みをかけてきた当作品を称賛する声も聞こえた。
こういった「(恐らく)仕様通りに完成しているのにクソ」なゲームを「ストロングスタイル」と呼ぶのも当作品が発祥と言われる。*3

  • ちなみに、CGはパチスロ版「プロゴルファー猿」の流用である。

  • 週刊ファミ通に連載されていたみずしな孝之作の漫画「いい電子」でも取り上げられていた。
作者は本作の評判を「発売直後でもうある意味伝説のソフト」とある程度知っていたようだが、「ゴルフゲームも原作も好き」「評判だけで実際にプレイしてない読者のためのテストプレイ」とのことでプレイすることにしたようだ。
「キャラが少なすぎる」「タイミング外さなけりゃ毎回同じショット」「ちょっとのミスはすぐOB」とこの項目でも指摘されてるよう難点を挙げつつ、「せっかくヌンチャクドライバー*4を使うドラゴンがいるのにヌンチャク非対応」と落胆したり、「猿ファンおなじみの難コースで遊べるのは嬉しい」と原作ファン視点のコメントの後に総評として「(涙ながらに)軌新すぎる*5」「ゴルフゲームではなく『プロゴルファー猿』という新ジャンル」とまとめていた。

追記
修正

ミスターX「フフフ…さあ…ゲーム開始だ」

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最終更新:2023年08月19日 12:49

*1 3年前の「ローグギャラクシー」が「グギャー」と言われたことや、同年の「神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア」が「ヌギャー」と呼ばれたことが元と思われる

*2 本名不明のレギュラーキャラ。

*3 後にラストリベリオン(通称「スベリオン」)が殴り込みに来てそっちの方が有名になったが

*4 ヌンチャクの鎖の先がドライバーになっている、ちょっとどこからツッコんでいいのかわからないアイテム

*5 もちろん斬新の誤字。作者があまりにも堂々と誤字ったためにスタッフ、編集者共にスルーして出版された