ライラ(鋼の錬金術師)

登録日:2011/01/23 Sun 16:16:17
更新日:2023/10/19 Thu 13:07:16
所要時間:約 12 分で読めます




鋼の錬金術師』の登場人物。






国家に尽くす、立派な国家錬金術師になるのが、私の夢です


【概要】

黒髪のおかっぱと切れ長の目が特徴的な美少女。
黒い衣装が良く似合い、実は意外とグラマラスで。
触媒であるペンダントを使って空気の流れをコントロールする錬金術を使う。



国家錬金術師に憧れているが、実際の所は、その良くも悪くも真面目な性格が災いし、ユースウェルの炭鉱を牛耳っていたヨキにいいように利用されていた。
ヨキの命令で街を破壊し、エドワード・エルリックと戦うものの敗北する。
1話限りのゲストキャラにしておくにはもったいない美貌で、再登場を望む声もあった。


◆その後


その願いが聞き届けられたのか、エド達がイズミ・カーティスの師の屋敷を訪れた際にメイドとして再登場。

数年経ってすっかり丸くなり、お茶目で可愛い性格に激変。乳のサイズもラスト級の巨乳に成長している。

これはこれでと喜んだ人たちがいたとか。


ライラ「あなた方のおかげですわぁ。私に追記修正を教えてくれた///」
エド「お前性格変わってねぇか?」



































…………しかし、グリードがダンテの屋敷に逃れた際に事態が一変。





グリードの出自を知っているかのような台詞を放ち、彼の骨とダンテの死体を見せつける。
そして、仕掛けられていた錬成陣のトラップでグリードが紅い石(賢者の石の未完成品)を吐き出す間に姿を消す。


その後、再びエドの前に姿を現したリオールではロゼ・トーマス傷の男(スカー)に協力し、最後はロゼと共に街を脱出した。

そして迎えた第4クールOP。













そこには冷たく笑う唇がエロいライラの姿が…。

【さらなるネタバレ】









だって…同じ代価を払っても同じものが得られるとは限らない



等価交換というのは、弱者が自分を慰める言い訳なのよ




ホーエンハイムによって暴かれたその正体はライラの肉体を乗っ取ったダンテである。
CV:杉山佳寿子(老ダンテ)/かかずゆみ(ライラ憑依後)

【ダンテとは】

『賢者の石』の情報を匂わす程度に流し、それを作らせては使役するホムンクルスに掠め取らせ、他者の若い肉体を乗っ取りながらホーエンハイムと共に永い時を生き続けてきた。

見た目は美少女、中身はバァさん(全ての黒幕であり元凶)エルリック兄弟が盲信する『等価交換』の矛盾を突きつけて完全に言い負かす様はまさに圧巻。

ゲストキャラからの大出世と思われがちだが、実はスタッフの思惑通り。放送当時の特集インタビューによると、かかずゆみ氏がキャスティングされていたのは最初から決まっていたから

◆性癖

400年も生きてれば楽しみと言えばそれぐらいしかないかもしれないのだろうだがこの人、アッチ方面にはかなり奔放で、ホーエンハイムと若い体を試す気満々だからか


言動がいちいちエロい。

言動がいちいちエロい。

大事な事なので二回言いました。

他人の目を誤魔化すのと寂しさを紛らわす為に、400年の間とにかく男女問わずだったらしいので、プライド・グリード・先代ラストはその愛人がベースであると思われる。

当初は弟子のイズミをストックにしようと思っていたようだが、人体錬成に手を出した彼女が不治の病を患った事で断念*1。ロゼの体を乗っ取った後はエルリック兄弟との恋愛すら楽しみしていたらしい。

なお、軍の独房で凌辱の日々を受け続けていたであろうロゼを拾ったのは、完全に善意
ハクロ将軍を除いた軍人達は全員『紅い石』にしただろうが、最初から肉体のストックとしてキープした訳ではなかった。



◆魂と魂の劣化

ライラのままの声*2や記憶を共有している節もあるため、ダンテは肉体の持ち主を生きたまま乗っ取るのだろうが、ライラの意識が表層化してくることはない。

なお、憑依のタイミングは33話と34話の間で、実は憑依前後で髪の長さが少し違う

彼女の何より恐ろしい(ある意味では凄い)ところは、「『ダンテ』としての自我は全く失わなかった」こと。
原作におけるグリードとリン・ヤオのように自我をめぐる闘争とかもせず、400年の間に恐らく10人前後*3の肉体を手に入れたのにも関わらず、である。

ライラの魂がダンテのそれとは別個に存在しているわけではなく、乗っ取り先の魂と一体化する事でその知識も得ていたものと推測されるが、乗っ取り先の女性と深い信頼関係(あるいは恋愛関係)を築いてから、合意の上でだったのかもしれない。とすると、ライラは「立派な錬金術師になる」ために自分の意思で肉体を捧げたのだろうか…

ただ、既に限界だった肉体は定期的に若く新しい肉体を手に入れてきたが、肝心の『魂』が人間には永すぎる年月を過ごすうちに劣化。生きながらにして肉体が腐敗するという弊害が発生している*4

肉体の腐敗は『紅い石』を使った治癒の錬金術である程度治せるだろうが、それも付け焼き刃。
このままでは『ダンテ』という人格そのものが消滅してしまうかもしれない。正直、ライラ涙目である


そして全くの計算外だった『魂の劣化』で肉体の腐敗が早く進行してしまったことが、彼女の心に焦りを生み、やがて暴走、そして没落をもたらすことになる…。



◆ロゼとの関係

肉体の腐敗と『魂の劣化』で焦る彼女が目を付けたのが、リオールの崩壊後、自身のアジトに匿って二人っきり(+赤ん坊)で過ごしていたロゼ。

尽くした恋人に捨てられ息子に死なれと、かなり不幸で寂しい女ダンテは男性不信になっても無理はないロゼに共感し、

…そしてその結果…




…地下都市で二人っきりで何をしていたんだと小一時間(ry


二人が終盤着ていたドレスは一人では着れないデザインのものであり、最低でもお互い裸になってドレスを着せ合うぐらい深い関係になっているという事になる。

「兄弟はロゼが好き」と言っていたが、この入れ込みっぷりを見る限り、自分の方がロゼにガチ惚れしてる様にしか見えなかった。

果たして二人の中に、本当に『愛』が芽生えていたのか…それは本人同士にしか分からないだろう。


◆ホムンクルス達との関係


彼女に心から敬服しているのはプライド(ブラッドレイ)ぐらいなもので、スロウスとは仮初の主従関係に過ぎず、先代ラスト*5やグリードには逃げられ、雑にあつかってた二代目(本編)ラスト*6や石を勝手に使おうとしたラースは終盤で離反。

元母子関係のエンヴィーとは残忍性でウマが合ったらしいが、全ての思惑を知る彼(?)に至っては、いずれ彼女を出し抜き、世界を我が物にするという野望を抱いている*7

と、「『賢者の石』で完全な人間にする」との口実でホムンクルス達を駒として扱っている割にカリスマ性はゼロに等しい。








◆結末

エンヴィーにエドを始末させるが、『賢者の石』と化したアルフォンスが兄を甦らせたことに動揺する彼女は思わずロゼを置いて逃亡。
脱出するためのエレベーター内で、自らが理性を消したグラトニー*8に襲われる。

ホムンクルス(自分の駒)に襲われて最期を迎えるというのも因果応報で中々皮肉が効いていると言えるかもしれないが、明確に死んだ描写はないので、生き延びた可能性も捨てきれない。

そうだとしても、手駒達はほぼ全滅し、賢者の石を作る手段もない以上は腐敗しはじめたライラの肉体で生き続ける事になる。

グラトニーにあっさり喰われるよりも、その生き地獄の方がから逃げ続けた彼女にとって相応しい「罰」と言えるのかもしれない…



…………「自分自身でホムンクルスになっちゃえば良かったんじゃね?」とかは言ってはいけない。

【余談】

  • ラスボスを主人公以外は誰も知らないのは非常に珍しい。
  • 死んでいた、あるいは門の向こう側に飛ばされたエドはダンテの顛末を知らない。
  • かなり悪辣な所業*9と歪んだ恋愛観をのぞけば、バリー・ザ・チョッパーやショウ・タッカー、DQNな殺人鬼として描かれる*10キンブリー、原作と正反対の極悪人となったバスク等の悪役たちに比べると「救いようのない外道」というわけでもなく、むしろ彼女の発言は極めて正論。その憎みきれない悪役ぶりと美貌から一部ではカルト的な高い人気を得ている。

◆『愛』を求め過ぎた女

欲望に忠実「自分に正直」で、「愛」を求めながら向けられる「愛」に鈍感昔の恋に縛られ過ぎた人間臭い彼女が願ったのはただ一つ。

愛する人と添い遂げること。

少なくとも、死にゆくホーエンハイムを助けたのは、純粋に愛する故の感情からだった筈である。
長い年月の中でホーエンハイムの心が向かなくなった彼女はそれを忘れてしまったわけだが*11400年掛けて培った房中術の成果でロゼの方は彼女を愛していた節も見受けられたのだから、一番欲しかったものを手に入れながらその事に気付かなかったことが、最大の不幸なのかもしれない…。



撮影所の女優として登場。
フリッツ・ラングとエドにお茶を差し入れたが、彼女にビックリしたエドを見てツンツンした態度をとっていた。*12

  • アニメ二期「FA」
終盤に老ダンテそっくりな老婦人がカメオ出演。
入江監督曰く「ダンテ本人ではない」ので、ひょっとしたら人体錬成や『賢者の石』に手を出すこともなく、愛する人と添い遂げたのかもしれない…。



【台詞集】




仕方ないわ、私たち人間は弱いのだから


賢者の石に近づくものは滅びる、それは軍人とて例外ではない


残念だわ。この子の身体に入ってホーエンハイムの息子と恋をしてみるのが楽しみだったのに


国家錬金術師試験ってあったわね?それに通るために何人もが勉強に時間を費やす、それは代価。
でも実際に通るのはほんの一握り。
そもそも錬金術を同じように学んでも実力には大きな差が生まれる…それに人の命もまた平等ではない


そのままじゃ赤ん坊は死ぬわね…本当に簡単に殺すことが出来る。
なら、その子はただ死ぬために生まれてきたの?
その子は努力して必死に生きるための代価を払っている、でもそれで得られるのは死、だけ。
一方で人を殺しても生き延びている者もいるわ。
どんなに生きるための努力をしても人は死ぬときには死ぬ。
何の努力もせず富や権力に恵まれて一生幸福に過ごす者に比べれば随分と不公平ね。
この世は随分と残酷ね。それゆえに美しいとも言えるけれど


これが現実よ、或いは代価が足りなかったのかしら?いつだって代価は少し足りないもの…




ダンテ「生きながらえてWikiを守っていると言ってもいいわ。アニヲタが賢者の石で馬鹿な追記修正をしないように」
エド「ふざけるな! お前もアニヲタだ」
ダンテ「もう、違うわ」

出典:©荒川弘/スクウェアエニックス・毎日放送・アニプレックス・ボンズ・ 電通2003

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最終更新:2023年10月19日 13:07

*1 彼女に延命の薬を渡していたあたり、はそれなりに愛情あったようだ

*2 声帯を含め肉体自体はライラのままなので、声が変わらないのは当然かもしれないが。

*3 老ダンテが劇中で70歳前後としても、当初の候補であったイズミが人体錬成に手を出す前は60歳前後。少しでも老いたらコロコロ肉体を替えてたという訳ではなかった模様。

*4 劇中で乗っ取ったライラの肉体もその影響で急速に腐敗が進行しており、香水を付けて腐臭を誤魔化していた

*5 『翔べない天使』に登場したカミラなのではないかとも言われている。

*6 「紅い石がある限りは死ぬことも老けることもない美貌を保つ」理想の自分そのもの

*7 エンヴィーは彼女の魂の劣化を見抜いていたのか、自分が手を下さなくても放っといても自滅すると思っていたようである。もしくは、かつての母へのせめてもの情けか。

*8 ニンテンドーDSのゲーム版では、ゾロゾロ増殖したグラトニーに追っかけ回されるシュールな絵面。

*9 ハッキリ言ってしまえば、彼女は原作ラスボスである『お父様』とは比べ物にならないほどの小物であり、どちらかと言えば『お父様』の口車に乗って不老不死を目指していた軍高官たちの方がよっぽどダンテに近い

*10 当時まだ2頁しか出番がなく、全く掘り下げられなかった結果このような扱いになった。

*11 しかし、再開したホーエンハイムに若い体を試そうとした場面で彼から「妻がいる」と拒絶された際には一瞬だが目を涙で滲ませている

*12 警戒したのかもしれないが初対面の人間に嫌な顔しちゃ流石に失礼と思われても仕方ないだろう。