霧崎(ウルトラマンタイガ)

登録日:2019/08/20 Tue 00:46:29
更新日:2023/09/22 Fri 01:29:45
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良き旅の終わり…

そして…始まり…!


霧崎とは『ウルトラマンタイガ』に登場するメインの悪役。
ウルトラマントレギアが地球上で活動する際の仮の姿である。
本項目では『ウルトラマンタイガ』での霧崎及びトレギアの暗躍について記載する。

演:七瀬公



【概要】

ウルトラマンが人間の身体に憑依するのではなく、ウルトラマン自身が人間の姿になる、いわば擬態型の人間態。
擬態型と言えるかどうか微妙なウルトラマンジードを除けば、テレビシリーズではウルトラマンメビウス以来であり、なんと13年ぶり。
見た目は白と黒の、ピエロのようなブラウスを着た人間の青年。紳士的だがどこか淡泊で飄々とした振る舞いをすることが多い。
素性を隠しているということもあり、霧崎の姿では露骨に相手を煽るような言動は少ないが、喋り方はどこかトレギアの要素を残している。
基本的にウルトラマンの姿になって積極的に戦うことはなく、陰湿な嫌がらせや、嫌がらせに見せかけた陽動を目的として変身することが多い。
他人を馬鹿にするとき、よく立ったまま大袈裟に反り返るところがある。

物語前半は表立って何かをすることは少なく、至るところに現れては傍観するような振る舞いが多かった。
これはウルトラマンタイガが怪獣と戦うこと自体が彼の計画を進行させることに繋がるためである。
怪獣とタイガを戦わせるため、人間態でも異空間から怪獣を呼び出したり、怪獣を暴走させたり、ある程度の能力を行使することがある。
一方で動かない怪獣を無理矢理暴走させたり、怪獣を指輪の姿にして封印するときは一旦ウルトラマントレギアの姿に変身している。
基本的に怪獣の取り扱いで簡単なことをするときは人間態、高度なことをするときはトレギアになるという使い分けがなされている模様。

全編通して極めてえげつない行為を好む傾向があり、絆を嫌ってバッドエンドを演出したがる傾向が強い。
ギリギリのバランスで平穏を保っていた人物を唆しては、言葉巧みに暴走させ、最後は破滅へと追いやっている。
しかも基本的に出来レースであり、最後はウルトラマンタイガが勝つよう、予め仕掛けを施している。
子供向け番組の悪役として分かりやすく演出されてはいるが、やっていることはかなり陰湿。
ニュージェネの敵役といえば悲しい過去の出来事が原因で闇に落ちた人物やエキセントリックでどこか面白い人物など
どこかで感情移入したくなる連中が多かったが、霧崎に関しては濃いキャラクター性こそあれど性格自体はかなりの外道で真っ黒な人物である。

一方で日常的なシーンに着目するとしょっちゅう地球産のアイテムを手元に置いており、演者の七瀬公が「地球を満喫している」と評するほどである。特に序盤は食べ物を食べているシーンが多い。
食べるものはコーラやポップコーンというオーソドックスなものからタピオカミルクティーのような流行り物など多岐にわたる。
元親友のウルトラマンタロウも食べ物に関するエピソードには事欠かないので、やはり人間の姿になったウルトラマンはトレギアのような者でも美味しいものに心が惹かれるのだろう。
真っ黒な悪役だがクールでユーモラスなので、好きな人は好きかもしれない。
次回作のヴィランはユーモラスのカケラもない為、そういう意味でも霧崎にニュージェネのヴィランらしさが少しはあるといえよう。ホント少しだけだが

なお、監督によると1話で風船を割ったのは子供が発した「ずっと友達でいてくれる?」という言葉を聞きタロウに対してその言葉を言いたくても言えなかった自分自身を思い出して苛立ったからとの事。とことん拗らせた男である……


【霧崎さんの地球エンジョイシリーズ】

第1話 風船。子供に渡して最後は割る
第2話 「チョコレートより甘い」という台詞。食べたことあるの?
第3話 ポップコーンを食べてコーラを飲む
第4話 ビーフジャーキーを食べながら、ホマレと格闘戦を繰り広げる
第5話 嘲り笑いながらタピオカミルクティーを豪快にすする。バロッサ星人だったら巨大化していた
第6話 文字通り人間離れした握力でクルミを砕き、中身を食べる
第7話 霧崎登場せず
第8話 タロットカード
第9話 またもや登場せず
第10話 特になし
第11話 今回も登場せず
第12話 特になし
第13話
第14話 日傘で社交ダンス
第15話 優雅にタクトを振るう
第16話 ポップコーン再び
第17話 なし
第18話 ペロペロキャンディ
第19話 ピリカに壁ドン&顎クイ
第20話 登場せず
第21話 自分の計画をジグソーパズルに喩える発言。遊んだのかな?
第22話 登場せず
第23話 なし、今回は変身しての活動が主
第24話 なし
第25話


【変身アイテム】

トレギアアイ

霧崎が保有するトレギアになるための変身アイテム……というか元の姿に戻るためのアイテム。
普段はX字状の形で、トレギアの胸のプロテクターを模しているが、展開するとトレギアの顔の仮面部分を模した形状となり、
これを目元にかざすことで霧崎が目を赤く光らせながら闇に包まれ、ウルトラマントレギアへと姿を変えてから巨大化する。
ウルトラマンゼロ以来久々となる、ゴーグルタイプの変身アイテムである。

特徴として変身アイテムでよくある特殊なギミックがなく、変身時にはバンクどころかぐんぐんカットさえも使用されない。*1
ウルトラセブンを意識しつつ、昭和期から平成の一時期まで見られた演出を踏襲している。
玩具も開閉とサウンド以外のギミックがなく、平成シリーズ初期並みのシンプルさである。
プレバン限定販売にされる事が殆どの悪役専用変身アイテムなのだが非常に珍しく一般販売がされている。
因みに悪役専用の変身アイテムが一般販売されるのはウルトラマンネクサスのダークエボルバー以来。
悪役なのにお父さんお母さんの懐にはとても優しい仕様である。*2


【各話での暗躍】

『ウルトラマンタイガ』各話における霧崎及びトレギアの活躍は以下の通り。
多少ペースを乱される様子はあるものの、劇場版『R/B』で何度か見せた、面倒くさそうに首を掻くという仕草がなく、全体的に余裕が見受けられる。


第1話『バディゴー!』

冒頭では宇宙のどこかでニュージェネレーションヒーローズ達と交戦していた。*3
ニュージェネヒーローを時限爆弾のある場所へ誘い込み、大ダメージを与えてまとめて追い込む。
ニュージェネヒーローたちのカラータイマーが一斉に赤へと変わり、一気に形成逆転となった。
もっとも今回ニュージェネヒーローたちは全員が基本形態であり、数の利で押そうとしていたため、トレギアも多少痛がる様子はあったが大きなダメージを受けた様子はなかった。

先輩に代わってトレギアを討たんとするトライスクワッドが介入すると、彼らに対しては直接手を出し、3人を光の粒子に変え実体を奪ってしまう。
ニュージェネヒーローとトライスクワッドを退けたあとは元親友のウルトラマンタロウとの一騎打ちになった。
この際、決着がどうなったかは明らかにされていないが、お互い爆散しても復活する体なので、あまり深く考える意味はないのかもしれない。


その後は霧崎の姿で地球に滞在。
霧崎としての初登場シーンでは怪獣出現で人々が逃げ惑う中、その雑踏の中で1人風船を持って怪獣を眺めるという異様さを見せつけた。

ヴィラン・ギルドが召喚したゼガンがマザーザンドリアスと戦っていたところ、ヘルベロスを召喚してゼガンを不意打ちで倒させる。
その後は戦いを傍観するだけだったが、ヘルベロスを倒したタイガが飛び去る様子を見送る際、地面に映る霧崎の影がトレギアになっているという演出があった。


第2話『トレギア』

ヴィラン・ギルドが用意した、コントロールチップ埋め込み済みのキングゲスラに対して人間態のまま能力を行使し、暴走状態に陥らせてコントロールできない状態にするという妨害行為を働く。
ただし今回登場したキングゲスラはヒロユキが幼少期に出会った個体であり、タイガに変身したヒロユキがなだめたことで正気に戻ってしまう。

すると今度はトレギアに変身して戦闘に介入。タイガを煽り、キングゲスラ共々いたぶり、最後はキングゲスラをわざわざ斃した。
この際、キングゲスラがタイガを庇うことを見越しており、わざとタイガへ向けて光線を放ち、自ら死にに行かせるよう仕向けるという陰湿な行為をやってのけた。
ヒロユキとタイガの怒りを存分に買ったところで撤収。直接勝負をつけることはなかった。

この回はラストにも登場。
少女に風船を与え、ピエロのようにお辞儀をして、優しいところを見せた…かと思いきや、彼が指笛のように息を吹くと風船は割れてしまった。
甘やかしてから突き落とすことを好む彼の性格がよく表れている。


第3話『星の復讐者』

船外活動中に宇宙ステーションが破壊されてしまい、酸素が尽きて瀕死状態で宇宙を漂っていた宇宙飛行士・九条レントを唆し、
事故の原因を作ったコズモテクニカ社長・今里光への復讐の手段を与えた上でレントを地球へと送り込む。
地球に戻ってからはコーラとポップコーンを食べながら復習の様子を傍観していた。

その後タイタスが事を概ね片付け、レントが地球へ落とそうとした人工衛星のみが残ったところで変身して介入。
地球へ向かって落ちてくる人工衛星をタイタスが破壊しに行ったので、それを追いかけて攻撃を行い、タイタスを挑発した。
しかしながらタイタスは挑発に乗らず、人工衛星をきっちり破壊したあとで応戦。
わざと攻撃を受けてタイタスへの嫌がらせを試みたが、何度か殴られたところで撤収した。
タイタスによる全力のパンチでそこまでダメージを食らった様子はないが、さすがに痛くはあったらしく、殴られるたびに少しうめき声を上げていた。


第4話『群狼の挽歌』

ヴィラン・ギルドメンバーであったヴォルクを唆し、ヴォルクはギルドから怪獣爆弾を奪って離脱する。
その後ヴォルクが瀕死の重傷を負ったところで姿を表し、「所詮、負け犬は負け犬だったな」「負け犬が一瞬でも夢を見れたんだから良いじゃないか」と嘲る。
瀕死のヴォルクに対する侮蔑の言葉に、ヴォルクを介抱していたホマレは怒って掴みかかるが、ホマレを軽くあしらい「また地獄で」と言い残して去っていった。
この際、食べかけのビーフジャーキーをホマレに出して「食べる?」と言ったり、ホマレが向けた銃をホマレの方向へ向けるという嫌がらせじみたことをしたり、飄々としながら悪役としての余裕を見せていた。

その後怪獣爆弾から起動したデアボリックがフーマに倒されたところで介入。
飛び去ろうとするフーマの足を引っ張って地面に叩き落とし、「最後に会ったときは泣き叫んでいたんじゃなかったか?」と挑発。
カッとなって戦闘を仕掛けてくるフーマを軽くあしらい、必殺技を受けた際の爆発に紛れて退却していった。


第5話 『きみの決める未来』

セゲル星人の召喚士・葵を唆し、地球に毒炎怪獣セグメゲルを送り込ませる。
自身は直接介入せず、タピオカミルクティーを飲みながらゲスな笑いを浮かべていた。


第6話『円盤が来ない』

ガピヤ星人アベルにウルトラマンを倒すように依頼を行う。
…が、アベルに「霧崎」が仮の姿であることを見抜かれ、等身大のまま変身して元の姿を見せて契約を成立させる。
近年はめっきり見られなくなった等身大変身をまさかのトレギアが披露することに。
このとき、アベルに手を長々と握られ、「長いな!」と鬱陶しそうにしていた。
更にアベルの手が機械油と思しき液体にまみれていたため、ウルトラマンの姿のままハンカチを取り出して手を拭くという前代未聞の行為に出た。
なかなか取れずに「取れない…」と呟いており、メンドくさそうな様子だった。

その後は改めて通常活動形態の霧崎の姿へと戻り、アベルとトライスクワッドの戦いを眺めていた。


第8話『悪魔を討て!』

街で暴れるナイトファングを眺めながら「私好みの怪獣だ…」と言ってどこか楽しげな素振りを見せていた。
ウルトラマンタイガがフォトンアースへとパワーアップを果たし、ナイトファングを倒すのを見届けた後、変身してタイガへとちょっかいを出しに現れた。
軽く手合わせをしてタイガが強くなったことを確かめると、あっさり退却して霧崎の姿へと戻っていた。
このとき、人間態に戻って飛び去るタイガを眺めながら「新たな力…そのパワーに酔いしれろ… 今のうちに…」という意味深なことを言って正位置の「愚者」のタロットカードを出していた。


第10話「夕映えの戦士

小田ことナックル星人オデッサが異空間に作った隠れ家へ入り込み、戦いから身を引いていた小田を誘惑する。
そして一旦小田から離れると、今度は変身して巨大化。破壊活動を行ってタイガをおびき出す。
しかしこれは陽動目的であり、小田が持っていたブラックキングのタマゴを目覚めさせること、更にはブラックキングに影響されて小田の闘争心を呼び覚ますことが真の目的だった。
戦いの気配を感じたブラックキングはトレギアの思惑通りタマゴから出てきて巨大化、町中で戦うトレギアとタイガへと襲い掛かってきた。
ブラックキングを目覚めさせるという目的を達成するとトレギアは戦闘を中断し、ブラックキングが放った熱線をタイガを盾にして防ぐと、そのまま姿を消した。
「おっと危ない」と言いながら、たちの悪い嫌がらせを働くあたりがなんともトレギアらしい。

その後はブラックキングに触発されてタイガに決闘を挑むオデッサを愉快そうに眺め、オデッサが倒されるとわざわざ鎮魂のような素振りを見せた。
今回は小田と対面した際、劇場版『R/B』以来久々に「君の願いを叶えにやってきた」と言っているが、前回のようにオスキュロス・ダイナミスは使わず、自発的に行動するように仕向けていた。


第12話『それでも宇宙は夢を見る』

ゼラン星人オショロの隠れ家に現れ、傷を癒していたギマイラを復活させてやると言って協力するかのような素振りを見せる。
オショロが霧崎の提案に興味を示すと等身大で変身を行い、トレギアの姿になってから説明を行なった。
ただし今回の提案は「全てを差し出してトレギアに協力する」or「一人で計画を進めて結局全てを失う」という二択であり、言動の小物くさいオショロを完全に見下した内容だった。
オショロが「どっちを選んでもオレは何も手にできねーじゃねーかよ」と反論すると、光線を軽く浴びせて気絶させていた。
このときの光線の効果は不明だが、オショロはその後姿を見せたときに謎のステップを踏んでいたので、オスキュロス・ダイナミスのような対象物を狂わせる効果があるものと推察される。


第13話『イージス超会議』

物語中盤の総集編回でついにヒロユキとの直接対面を果たす。
ヒロユキがオフィスの屋上でタイガと会話していたとき、タイガスパークを友人と共同開発したという話題に差し掛かったところで、どこかともなく現れて話しかけてきた。
「見ていたよ。ずーっとね。」と怪しげな言葉をかけ、ヒロユキの目の前まで迫ってというか顔を近づけて霧崎の名を名乗り、「忘れられない名前になる」と言い残して姿を消した。
今回、ヒロユキの目の前まで近づくときは掌に息を吹き掛けると見せかけて突風を起こし、去るときは指を鳴らすと見せかけて音波を起こし、ヒロユキが怯んで目を逸らした隙に動いていた。
また、「ずーっとね」と言ったところでトレギア/霧崎に関連する部分の総集編を流すという演出がなされた。


第14話『護る力と闘う力』

序盤から早速登場。日傘を持って社交ダンスを行なっていた。
ただし、道の真ん中で踊りながら道ゆく人の注目を集め、野次馬を沸かせて通行人の邪魔をするという迷惑な条件付き。
社交ダンスはわざわざ練習したらしく、エンディングでは社交ダンス入門の本を持って踊る場面が見られた。
相変わらず地球を満喫しているようだ。

しかし社交ダンスをしながらロボット怪獣の惑星守護神ギガデロスを召喚するなど暗躍も相変わらず。
ギガデロスの生みの親である高次元人イルトは自分の手で全個体を回収すべく、予めヒロユキの変身アイテムを奪って戦わせないようにしていたが、
霧崎はワザとイルトから変身アイテムを力ずくで奪い返してヒロユキへと返し、タイガを戦いへを向かわせるのだった。
ヒロユキの前では「君を助けたくてね」と言っていたが、実際の狙いはタイガであり、ギガデロスを倒す過程で怪獣のリングを使わせることが目的だった。
タイガは日々の戦闘で怪獣の指輪を多用した結果、冷静さを欠いてひたすら指輪の効果を欲するようになり、指輪を使った後には闇のオーラが出ていた。
計画が極めて順調に進行していたため、今回の霧崎は時折満足気に笑う様子が見られた。

また、ギガデロスは本来、宇宙の平和を守る目的でイルトが星々に置いたものだったが、トレギアによって暴走させられていたことが霧崎によって語られた。またやってたのか。
守るはずの星を徹底的に破壊し尽くして滅ぼし、星が滅ぶと新たな星を滅ぼすべく飛び立ち、ときにはギガデロスたちの同士討ちも行われていたようだ。
霧崎はイルトに対して自分がギガデロスを暴走させたことを嬉々として語り、更に怒って掴み掛かろうとするイルトをいたぶってからその場を去って行った。


第15話『キミの声が聞こえない』

冒頭でまずヒロユキの悪夢の中に登場。
鏡に映る自分の姿がピエロの仮面をつけたE.G.I.S.制服姿の霧崎になっている、というものであった。
また、霧崎の策略の影響はタイガのみならずヒロユキにも及ぶようになっており、些細なことで苛立ちを覚える様子が見られた。
この回ではタイガの変調も最高潮に達しており、必要以上に怪獣の指輪を使いたがり、極めて乱暴な戦い方でスカルゴモラを倒していた。

霧崎自身はチブル星人マブゼがスカルゴモラを出現させるシーンで登場。
『歓喜の歌』をBGMに怪獣が街を蹂躙する中、そのBGMに合わせて熱心にタクトを振っていた。

そしてタイガの戦闘を眺めながらタクトを振りかざし「今だ指輪だ…怪獣の指輪を使え!!」と言って不敵な笑みを浮かべていた。
スカルゴモラが倒されたところを見届けると自ら変身してタイガと戦い、タイガが牽制攻撃で指輪を使うように仕向ける。
タイガは狙い通り指輪を使ってしまい、指輪を使い続けた副作用で闇のエネルギーに飲まれてしまった。
トレギアは闇に飲まれて動けないタイガから安々と怪獣の指輪を回収し、闇に飲まれたタイガを目の前にやたらとハイテンションな笑い声を上げていた。
ヒロユキ・タイタス・フーマはタイガから切り離され、タイガは完全にトレギアの支配下になってしまった。


第16話『我らは一つ』

前回の続きから物語が始まる。
冒頭では闇に飲まれて朦朧としながらも足掻こうとするタイガを突き飛ばし、タイガが立てなくなったのを見届けるとその場から姿を消す。
タイガが完全に自我を喪失するのは時間の問題という状況であったため、完全に闇に落ちるのを待つためであった。
そして姿を消したかと思った直後に霧崎の姿でヒロユキの背後に突如現れ、タイガスパークの匂いをかぎ「ほのかに光の匂いがする」ジャグジャグ変態じみた行為に走る。
ヒロユキはその直後、闇の力の影響から意識を喪失し、霧崎はそれを見届けると何もせずにその場を去って行った。
意識が遠のく前後の出来事であったため、ヒロユキもこのときの出来事はあまり覚えていない様子だった。

夜が明けて黒雲も消えて日がさす頃、霧崎はタイガが完全に自我を失って動き出す様子をポップコーンを食べながら眺めていた。
ヒロユキがフーマに変身してタイガを助けようとすると、それを妨害すべく怪獣の指輪からヘルベロスとナイトファングを実体化させて送り込む。
そのままタイガに命令して仲間を攻撃させ、計画を順調に進めていた。
しかし、ヒロユキがタイタス・フーマと連携してタイガを闇から救い出すと、霧崎は目を見開いて険しい表情を見せるようになる。
タイガ・トライストリウムによって召喚した怪獣2体があっという間に倒されるのを見ると、今度は自ら変身してタイガとの戦闘に臨んだ。
このときのトレギアは冷静さを欠いていたこともあってトライストリウムに刃が立たず、咄嗟に放ったトレラアルディガをトライストリウムバーストで押し返されて敗北を喫した。

『R/B』のとき同様に爆散しても死んではいなかったが、今回は周到な計画を立てたにも関わらずやられたというのが相当ショックだったらしく、霧崎の姿でしくしくと泣いていた。
…かと思いきや突然笑い出すなどショックのせいで感情がぶっ壊れ気味だった。
そして今まで散々舐めていた地球人が決して侮れない存在であることを悟り、ヒロユキを新たなターゲットに据えていた。


第17話『ガーディアンエンジェル』

冒頭では追手から逃げるセモン星人ミードにわざと肩入れを行い、彼を追う3人の宇宙人戦闘員をノックアウト。
そしてミードに対し、旧知である佐々木カナが社長を務めるE.G.I.S.に助けを求めるよう唆すのであった。

その後ミードを守るE.G.I.S.と宇宙人戦闘員の乱戦でヒロユキがピンチに陥ると、わざとヒロユキを助けつつ、一方ではミードの持っていた怪獣誘導装置を自身の能力で強制的に作動させてデマーガを召喚。ヒロユキを戦いへと向かわせる。
このとき等身大宇宙人との戦闘に苦戦するE.G.I.S.の仲間を助けるか、怪獣に逃げ惑う街の人々を助けるか、トロッコ問題の二択を迫ってヒロユキに揺さぶりをかける。
ヒロユキは躊躇しつつも変身してデマーガを倒し、E.G.I.S.のメンバーも宇宙人たちをどうにか倒したが、霧崎は皆が安心した隙を突いて物陰からカナを銃で狙撃。
咄嗟にミードが身を挺してカナを守り、ミードは命を落とすのだった。

ミードが盾になることを見越して動いたようなところがあるが、ミードが盾にならなければカナが死ぬので、ヒロユキへの精神攻撃という意味ではどっちに転んでも霧崎にとっては好都合だったことだろう。

ヒロユキが1人先にオフィスに戻ると、霧崎はどこからともなく姿を表し、「私は君に興味を持った。だから君の事をもっと知りたいし、君にも私の事を知って貰いたい」と言って正体を自ら明かすのだった。


第18話『新しき世界のために

宇宙人を拒む地球人に不満を持っていたバット星人小森セイジにゼットンを授け、破壊行為を行うよう仕向けていたことが回想シーンで描かれる。
今回は裏で暗躍する立ち回りで、直接姿を見せることがないまま物語は進んでいった。

しかし事件解決後、ヒロユキと言葉をかわすホマレを不意討ちで攻撃して重傷を負わせるのだった。
前回に引き続き、わざとヒロユキではなくE.G.I.S.のメンバーを狙い、ヒロユキを精神的に揺さぶろうとしていた。
この行為の理由について霧崎は「君にも知ってほしいんだ。絶望の味をねぇ」と、ペロペロキャンディを舐めながら語りヒロユキを煽っていた。


第19話『雷撃を跳ね返せ!』

アバンタイトルから早速登場して等身大トレギアに変身。番組開始から1分も経たないうちに変身しており、ウルトラシリーズ史上最速で変身シーンを披露したウルトラマンとなった。
変身した理由はウルトラマンの能力を行使するためで、ゴロサンダーを召喚するためであった。
いったん指輪にして封印を行ったのち、ヒロユキの近くでこれを解放し、ゴロサンダーにカナを人質に取らせるのだった。

暴れまわるゴロサンダーが力自慢のタイタスをも圧倒する姿を見ると、「期待以上だ!」と大変に満足気であった。

戦いが終わった後はまたもやE.G.I.S.のオフィスにどこからともなく潜入。
今度はピリカに手を出そうと考え、壁際まで追い詰めたが、ウルトラマンの超能力によりピリカを通じて「何か」の存在を察知したらしく、予定を変更。
ピリカ自体は気絶させるだけに済ませ、更に気絶したピリカをわざわざ椅子に戻し、そのままその場を去っていった。
この謎の親切行為により、ピリカは見知らぬ男に襲われたことを夢だと錯覚していた。


第21話『地球の友人

ゼットンの騒ぎで母親が負傷して入院生活を余儀なくされたという若者、田崎修に善意の第三者を装って近づき、彼をE.G.I.S.へ新入社員として送り込む。
地球を守るために宇宙人を片っ端から力ずくで排斥しようとする若者の過剰な正義感を利用し、罪もなきゴース星人に暴行を働かせるのであった。
今回の霧崎の目的は星人が飼っていたパンドンを倒すことで、そのために手の混んだ陰湿な計画を立てていた。
星人が暴行を受けることでパンドンが育ての親を守るべく現れ、パンドンが現れれば地球を守るべくタイガが応戦し、ただ親を守るためだけに現れたパンドンがタイガに倒される…という展開まで読んだ上で修を唆したのだった。
しかし星人の必死の説得を受けて修は自分の過ちに気づいて星人を解放し、星人がパンドンも説得したことでパンドンも戦うことを止めておとなしくなった。

すると今度は霧崎が自らトレギアに変身。
戦うことをやめて引き下がろうとするパンドンにわざわざトドメを刺すという最低最悪の行為に出るのであった。
用を済ませたトレギアは仇打ちに燃えるトライストリウムを軽くあしらい、「お前もウルトラマンだろうが!」というタイガの言葉も「ああ。」と軽く流し余裕を保っていた。
今回はタイガのほうが冷静さを欠いていたためトレギアのほうがやや優勢だったが、必殺の風真烈火斬は受け流さずに実体を消すことで回避した。
トライストリウムの必殺技は前回の直接対決で防ぎ損ねて負けたので、今回は勝負を避ける形となった。
そしてそのままタイガの目の前で霧崎の姿へと戻り、邪魔なパンドンがいなくなった宇宙船に悠々と近づき、宇宙船に装備されていた地底ミサイルを放つのであった。

放たれた地底ミサイルの影響で地球が広大な宇宙へと余波を放つと、宇宙空間を移動していた「何か」は余波に引き寄せられ、地球へ向けて進路を変えるのであった。
目的を遂行したあとは追ってきたヒロユキに「タイガが消えるか、タイガの大事なものが消えるか」のどちらかであると言い残し、姿を消した。


第23話『激突! ウルトラビッグマッチ!

チブル星人マブゼの対ウルトラマン用兵器、ニセウルトラマンベリアルにトライスクワッドが苦戦する場面で霧崎が登場。
トレギアアイを手に準備した状態で現れ、そのまますぐに変身して戦闘に乱入した。

ニセベリアルはトライスクワッドとトレギアをまとめて倒すために作られており、戦闘能力だけは本体と遜色ないレベルであったため、さすがのトレギアも少々苦戦。
それでもニセベリアルを上手く誘導して、チブル星人マブゼをビルごと叩き潰させるなど、仕返しはキッチリ行っていた。

その後タイガが善戦するようになると戦いをやめてその場で見物していたが、ウルトラマンゼロが助っ人として参戦すると再び戦闘に参加。
今度はニセベリアルとタッグを組み、2vs2の戦いを繰り広げる。
この戦いの中でゼロを「問題児様」などといつものように煽っていたが、様々な苦難を乗り越えてきたゼロには全く効かず、トレギアは面白くなさそうにしていた。

必殺技の撃ち合いになるとトレラアルティカイザーを撃って応戦。劇場版R/B以来の本気の必殺技である。
この攻撃自体は相殺されてしまうが、タイガがパワーアップして次に放ったタイガダイナマイトシュートは危ないと判断し、逃げようとしたニセベリアルを盾にして防いだ。
そしてニセベリアルが爆散すると「主催者のおもちゃがなくなったなら今日のイベントは終わりですね」と言ってゼロの追撃を避ける形で姿を消した。

今回は上品さを気取って基本的に敬語で話していた一方、チブル星人マブゼのことは「飼い主」「品がない」などと全力で煽っていた。
人を馬鹿にするときの反り返りのポーズも変身後に初めて披露した。


第24話『私はピリカ』

第19話でピリカを通じて存在を察知し、21話で呼び寄せたウーラーが地球へ到達する。
ここでピリカの正体が対ウーラー用に開発されたアンドロイドであったことが明らかになり、ピリカがウーラーを止めるため街へE.G.I.S.を出ていったところで霧崎も姿を見せる。
ピリカに対し「面白いから」「バッドエンディング」といった理由でウーラーを自分が呼び寄せたことを語り、
「最高の死に場所を用意した」「ウーラーを野放しにして地球が滅ぶか、ウーラーを止めるため君が犠牲になるか」というトロッコ問題で揺さぶりを掛けた。

そして行動の目的を「目的も希望もない」「光も闇も全部ぶっ壊れればいい」「宇宙のすべての答えは虚無」と語ったが、
ピリカからは「あなたの周りになにもない(虚無なのはあなただけ)」と言い返され、揺さぶりが通じることはなかった。

その後は以前奪ったギャラクトロンリングからギャラクトロンMK2を召還して、ウーラーの餌にすべく街へと放つ。
霧崎の狙い通りウーラーはエネルギーに引き寄せられて街に現れ、タイガと交戦中のギャラクトロンMK2を地中に引きずり込んで捕食するのであった。


第25話『バディ・ステディ・ゴー』

今回のタイガはウルトラマン、E.G.I.S.、ヴィラン・ギルドの残党2名による共同戦線を張り、ウーラーの腹と心を満たして消滅させる作戦を実行中であった。
そんなタイガを応援する群衆の背後に霧崎が現れ、彼の一人語りが始まる。
「ウルトラマンも宇宙人なのに怪獣やヴィランから自分たちを守ってくれるから特別扱い」という人間の愚かさを嘲笑っていた。

そして霧崎はトレギアに変身して戦闘を吹っかけ、作戦を妨害する。
途中で交代したフーマやタイタスには撹乱されもたのの、再び交代したタイガには優勢を保ち続けた。
このままタイガを圧倒するかに思われたが、トレギアがタイガを倒すべく放った光弾をタイガは受け止め、自分の光線に重ねてウーラーの口に撃ち込み喰わせるのであった。
タイガとトレギアの光線による膨大なエネルギーを食らったことでウーラーは満腹となり、腹と心が満たされたことで消滅し、ウーラーのコアは光となって降り注いだ。

自分が呼び寄せたウーラーを結果的に自分が救うこととなり、トレギアは降り注ぐ光に見惚れるかのように呆然としていた。
それを見たタイガは「お前がもう一度、光を守護するものとして歩みたいなら…!」と言葉を掛ける。
タイガはタロウから聞いた「光の国を離れたかつての友人」がトレギアであることを見抜いており、手を差し伸べたのであった。
しかしトレギアは「何度も言わせるな…この世には光も闇もない!!!」とこれを拒絶し、トライストリウムと最後の戦いを繰り広げる。
結果的にトレギアは心を乱したまま戦うこととなってしまい、トライストリウムの必殺技連打に圧倒される。
最後は究極の必殺技クワトロスクワッドブラスターを浴びて、爆発四散するのであった。
このとき、タイガにタロウの面影を見ると攻撃の手は止まり、最後は両手を広げて抵抗することもなく倒された。
これでついに決着が付いた…かに思われたが…?



【余談】

  • 名前の由来は「切り裂きジャック」から。
  • タロウと同年代ということもあってかなり強いのだが、『タイガ』では全力での戦いを避け、精神攻撃を仕掛ける傾向が強い。このため、必殺のトレラアルティカイザーを使ったのは第23話のみとなっており、あとは溜めありで打つトレラアルディガが主力技となっている。
  • タイガと1対1での真っ向勝負に出たことは一度もない。実力差があるときは軽くあしらい、タイガが実力を付けてくると自分が有利になるようなマッチメイクを行い、負けたときは二度ともトレギア自身が冷静さを欠く状態であった。
  • ウルトラシリーズの出演者は全体的にウルトラマン愛の強いお方が多いのだが、霧崎を演じる七瀬公氏もその1人。幼少期は変身アイテムを握り締めながらウルトラマンティガ、ダイナ、ガイアの放送を見ていたと語っている。悪役とはいえ、令和初のウルトラ作品でウルトラマンの人間態役に選ばれたことは最高だと放送前インタビューで語っている。
  • 七瀬公氏は工藤ヒロユキ役でオーディションを受け、そのオーディションが縁で霧崎役になったとのこと。井上裕貴氏と共に最終選考に残り、そのあたりで市野監督が七瀬氏を霧崎役に決めたらしい。
  • 七瀬氏はトレギアのスーアクである石川真之介と話し合い、変身後の動きを踏まえた芝居を心掛け、同一人物らしさが出るように心掛けているとのこと。
  • 第23話では人間態がよくやる反り返りをトレギアで披露。実はかなり動きにくいウルトラマンのスーツ*4でこれをやってのけた石川真之介氏には脱帽である。
  • 七瀬氏曰く、霧崎/トレギアは声の内田雄馬氏、スーアクの石川真之介氏と共に作った「トライスクワッド(のような関係)」とのこと。両氏にはオールアップ時にインスタで感謝の言葉を述べている。






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ひとつは今まで通り修正を、ただ与えられるように続けること。

そしてもうひとつは、私の活躍を、勇気を持って追記することだ。


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最終更新:2023年09月22日 01:29

*1 毎回異なる変身シーンを撮る必要があった為他の変身者達から羨ましがられたらしい。

*2 メタいことを言うと、悪役の変身アイテムはどうしても主役の変身アイテムよりも売れにくいことや、主役の変身アイテムは販促の都合上手が込んだものにせざるを得ないことから、近年なかなか出来なかったシンプルな変身シーンをここぞとばかりに導入しているといったところだろう。

*3 流れ的には『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』最終話のラストシーンからの地続き

*4 ウルトラマンのスーツはぴっちりしてるので、実は怪獣よりも動きにくく、マスクの隙間から前を見ているので視界も悪い。更にトレギアのスーツは拘束具まであるため身体を逸らしにくい。