ACE COMBAT X Skies of Deception

登録日:2019/07/21 Son 21:33:07
更新日:2023/08/02 Wed 08:11:34
所要時間:約 5 分で読めます




"The Dawn of a New Chronicle."
("新たなる歴史の夜明け")


ACE COMBAT X Skies of Deceptionとは2006年にPSP用ソフトとして発売された、国内展開に於てはシリーズ初の携帯機作品。
当初は携帯機故の画質の劣化や操作性などの点で疑問や批判の声が上がっていたが、いざ蓋を開けられてみればコンシューマー版と差違の殆ど無いグラフィックと操作性04を彷彿とさせる一枚絵ムービーの数々、5に登場したアルベール・ジュネットが年月を経た姿とはいえ再登場する等、旧来のファンもニヤリとさせる満足のいく内容になった。

現在はPSP共々流石に古さは否めないものの、それでも手に取る機会があれば是非ともプレイして損は無いだろう。

概要


オーシア大陸の南半球に位置する国家・「オーレリア連邦共和国」
オーシア全土でも名実共にトップの技術大国であったその国に、隣国であり同時に一番の友好国であった筈の「レサス民主共和国」が「長年友好国を装い搾取を続けてきたオーレリアへの報復」との大義名分を掲げ侵攻作戦を開始。瞬く間にオーレリアは領土の95%を占領されてしまう。
そして最後の仕上げとばかりにオーレリア領にて唯一残っていた軍事基地、「オーブリー岬空軍基地」に爆撃機部隊を差し向けた。
これに対し、最後の一矢を報いてやろうと基地所属の航空隊「グリフィス隊」が迎撃に飛び立つ。
……それが最後の一矢ではなく、反撃の狼煙となろうとはまだ知らずに。

同じ頃、レサス占領下のオーレリア首都・グリスウォールである一人の記者が先の見えた戦況と、南国故の暑さに辟易しながらも取材活動を続けていた。
アルベール・ジュネット…かつてオーシアとユークトバニアの二国間で引き起こされた「環太平洋戦争」、その裏に隠されていた真実をその目で見届けた男。
そしてまた、ある日を切っ掛けにこの戦争の裏で蠢くに迫る事になる。

登場勢力


  • オーレリア連邦共和国
    • オーシア大陸の南半球側、つまり最南端に位置しそこと周辺の島々を領土とする国家。
      同時にオーシア領随一の技術研究国家という面も持ち、その分野も機械工学だけでなく医療、農業、畜産、生活インフラ、そして軍事等非常に多岐に渡る。
      中でも首都グリスウォールは旧時代の遺構でもある旧市街を囲む城壁を利用・補強する形で建造された超巨大加速器「アトモスリング」があり、最早首都そのものが研究施設とも言える規模。旧市街中心にあるオーレリアの政治中枢にして平和の象徴である超高層ビル「ガイアスタワー」と合わせて、グリスウォールの特徴となっている。
      この様々な最新技術と豊富な地下資源によって、国土の大半が寒冷地という立地ながら繁栄を謳歌していた。
      また日々の研究で生み出された技術の数々も積極的に提供する事で多くの国と友好関係を保っており、特に隣国のレサスとは長年の内戦で国が困窮した時に技術支援のみならず、自国だけでなく他国にも呼び掛け支援金や物資を募って送る等非常に良好な間柄だった。
      …それなだけにレサス側からの突然の宣戦布告という寝耳に水の事態に対し、軍備も決して軽視してはいなかったのだが後手に後手を重ね続ける事になり、結果として国土の殆どを占領下に置かれてしまう事になる。

  • レサス民主共和国
    • オーレリアの東部国境に接する軍事国家。
      その土地柄もありオーレリアとは最大の友好関係にある国であり、また技術力に関しても軍事国家という身の上からか機械工学、特に兵器関連に関してはオーレリアと肩を並べるかそれ以上の水準を誇るものの、長年に渡る内戦で国政は困窮しており上述の様にオーレリアを始めとした各国からの支援を受けていた。
      しかし漸く内戦を集結させたその翌年、同国の事実上の最高権力者ともいえる軍総司令官ディエゴ・ギャスパー・ナバロの掲げた「偽りの友好関係の下で搾取を続けてきたオーレリアへの報復」という大義名分の元、新兵器グレイプニルを始めとした明らかに疲弊しきっていた筈の国の軍備にしては異常なまでの充実さで電撃的侵攻を開始。
      国内外から上がる大義名分への疑念の声もかき消す程の速度で僅か数ヶ月で交通の要所サンタエルバや首都グリスウォール等を次々と占領下に置き、最後のオーレリア軍事施設であるオーブリー岬空軍基地の爆撃作戦に取り掛かる。

主要人物


  • グリフィス1
    • オーブリー岬空軍基地所属の航空部隊「グリフィス隊」の隊長。今作のプレイヤーの分身。
      パーソナルマークは南十字星を咥えたコミカル調のハゲワシ(グリフィス)。
      王手を掛けたとばかりに飛来したレサス軍の爆撃機部隊を隊員達と共に軽く蹴散らしてみせるも、近辺にステルスで潜んでいたグレイプニルからS.W.B.Mの一射を受けてしまう。
      結果彼自身は咄嗟に低空へと逃れた事で辛くも命拾いしたが、それ以外の隊員は何とか彼に続いた一機を除いて全滅。只でさえ爪に火を灯す程度しか無い戦力を失う事になってしまった。
      それでも諦める事無く自ら残存戦力をかき集めるだけ集めた部隊を率いて反抗作戦を繰り返していく内に、次第に神憑り的な戦果を上げ始め消えかけていたオーレリア軍の闘志に再び火を灯し、遂にはサンタエルバでの戦いにてかつての隊員達の仇でもあるグレイプニルに致命傷を与え撃墜に追い込むという大勝利を上げた事で、以降の戦いではオーレリア側からは「希望を招く南十字星(サザンクロス)」、レサス側からは「災いをもたらす凶星(ネメシス)」と称される事になる。
      …どっかのリボン付きと色々被ってるって?気にしてはいけない。

  • ユジーン・ソラーノ
    • 本作のオペレーター。今までのシリーズでプレイヤーのサポートをしてきたベテランなオペレーター達とは違い、ゲーム当初の彼は役職に就いてまだ数時間という新米オブ新米。
      故にオーブリー基地防衛戦での悲惨な結末に涙声でデブリーフィングをしたり、突発的な事態に慌てたりと序盤ではイマイチ頼りない。
      しかし彼も諦めずグリフィス1と共にオーレリア解放の為に戦い抜いて行く内に、次第に見違える程の堂々かつ的確な助言や時には自ら作戦を立案しサポートする様になるまでに成長を遂げる。
      特にアーケロン工場要塞での最終決戦でグリフィス1を始め参加パイロット達に掛ける言葉のシーンは一見の価値あり。

  • アルベール・ジュネット
    • 5から再登場を果たした記者。とは言え今作は5の時から十数年後という設定なので流石にそこそこ老けたが、同時に時にはブラックジョークや皮肉を交えつつ、冷静に現状を見極める渋い余裕ぶりも見せるようになった。
      現在はオーシアの新聞社「World Times」に籍を置いており、特派員としてレサス占領下のグリスウォールに派遣され同地に駐在中。
      当初は先が見えていた戦況と自分含め各国からのプレス相手に連日連夜行われるディエゴ主催のパーティー、そして何より南国故の暑さに辟易し「季節の裏返ったこの国にはどうにも馴染めそうにない」と心中で愚痴り早期の帰国を望んでいたが、ある日のいつものパーティーにて記者仲間がワイングラス片手に通ぶりながら投げ掛けた言葉…「私の手にしたワインの値段、今のレサス国民の何年分の収入にあたるんだ?」という言葉に、そもそも内戦で疲弊しきっていた筈のレサスが何故これだけの軍備を揃える事が出来たのか?と疑念を抱き、記者としての勘から調べる価値があるとあらゆるツテを駆使して迫っていく。
      本作の語り部であり、そしてもう一人の主人公。

  • ディエゴ・ギャスパー・ナバロ
    • 本作の最大の敵とも言えるレサス軍総司令官。
      長年に渡る内戦をその手腕を以て終結に導きレサス国民から英雄視される人物だが、その翌年に突如として上述の大義名分を掲げて国民と軍を扇動し、オーレリアに大規模な軍事侵攻を仕掛け国土の殆どを占領下に置いた。
      その後はグリスウォールのガイアスタワーにレサス軍のオーレリア侵攻部隊司令部を置き、そこで連日連夜豪勢なパーティーを開いてはグレイプニルを始めとするレサス製兵器の有能さを各国に向けて語っている。
      その様子はジュネット曰く「暗記できるほど同様の話を聞かされ続けたお陰で、こっちは食事に専念できる。ありがたい事だ」と内心で皮肉られる程。
      そして最後の仕上げとして行ったオーブリー岬空軍基地への攻撃もそのまま数の暴力で押し潰してしまえば良かったものを、敢えて爆撃機部隊を囮にしグレイプニルを使って攻撃を行った事が、後々の転落へと繋がり始める…






+ そして明かされたこの戦争の「真実」
  • 実はディエゴにはレサス軍総司令官としての顔の他にもう一つ「裏」の顔があった。
    それはレサスの軍需産業を裏で牛耳る軍産複合体のトップとしての顔であり、オーレリアに対して仕掛けた戦争も彼とその取り巻きらが兵器売り込みのためのデモンストレーションとして引き起こしたでっち上げで、両国の軍人らを含む多くの人々が戦渦により住む地を、そして命をも失う傍らで私腹を肥やすだけ肥やし続けていた。
    当然オーレリアを始めとする各国からの支援金や物資も全てディエゴを通して横流しされ兵器の調達費用に充てられるか、そのまま自らの懐に納めながら、最初からありもしなかったオーレリアの搾取への怒りに燃える英雄を演じ続けていた、エースコンバットシリーズの悪役の中でも史上最悪レベルの極悪人である。




追記・修正はハゲワシに咥えられた南十字星を見ながらお願いします。

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最終更新:2023年08月02日 08:11