ブレイド(映画)

登録日:2019/4/22(月)23:10:56
更新日:2023/08/19 Sat 08:03:43
所要時間:約4分で読めます






The power of an immortal.
その肉体は不死身。


The soul of a human.
その魂は人間。


The heart of a hero.
彼は血を流すヴァンパイア。



■概要

ブレイドとは1998年に公開されたアクション映画。シリーズ第一弾。
世に巣食う吸血鬼(ヴァンパイア)と戦う男、鈴木雅之ことブレイドを描いた物語である。
既存の吸血鬼モノにありがちな薄暗くじっとりとしたイメージを根本から叩き潰した激しい刀アクション(チャンバラ)とブレイドのたくましい筋肉が特徴。
彼が刻印付きの剣を振るうと吸血鬼たちはたちまち塵になる
超人的な能力を持つ癖に平気で銃をぶっ放してくる吸血鬼が可哀想になる位のステゴロの強さ……が、息を尽かせぬ勢いで展開され、あまりに小気味良いテンポの戦闘シーンや、テンプレ的ながら新鮮なヴァンパイア像に目が行きがちだが、ストーリー自体も良く出来ている。
世界観も現代を舞台としつつもサイバーパンク風で、クラブで歌うジャパニーズコギャルラッパー等、何処となく近未来的で退廃的な空気を醸し出している。
BGMもテクノテクノしており、ブレイドの静かで熱いキャラクターにマッチしている。
主演のウェズリー・スナイプスは演じるブレイドのキャラクターに対して並々ならぬ拘りを見せており、自身も製作に参加しスタイリッシュなアクションや劇中の印象的なガジェットの数々は彼の提案によるものである。

……実は、本作の人気からシリーズ化されたりTVシリーズなんかまで作られたのに意外に思う人もいるだろうが、マーベル社の同名作品の映画化作品である。
それでも他のアメコミとの繋がりはほぼ0なので、原作に興味の無い人でも楽しめる作品になっている。某蜘蛛男よろしくリブートされてMCUに参加する可能性もあるが。尚、元々のコミックスでは当のスパイダーマンへのゲスト出演が語られる程度のマイナーヒーローであった。*1
そして2019年にマーベルスタジオによるリブートが決定し、MCUへの編入が確定した。

監督…スティーヴン・ノリントン
脚本…デヴィッド・S・ゴイヤー



■あらすじ

人間社会の陰に潜んでヴァンパイアが存在する世界。
産まれる前に母親がヴァンパイアに噛まれたことで、ラヴソングの王様として人間とヴァンパイアのハーフとして産まれた男、ブレイドはウィスラーという老人に拾われ、母親の復讐のためにヴァンパイアハンターとしてヴァンパイア共との戦いに身を投じることとなる…
吸血鬼と同等の力を持ちながらも、陽の光の下を歩ける者、デイ・ウォーカー
しかし、自らが純血種に成り代わり吸血鬼の王となることを企む宿敵のフロストは、自らの野望の為にブレイドの存在をも巻き込もうとしていたのだった。


■吸血鬼

本作の吸血鬼の弱点は銀とニンニクと日光(紫外線)。十字架は無意味。
それ以外の攻撃でも傷はつくものの、かなりの重傷でも死なないうえ腕を切り落とした程度なら短期間で生やすことができる。
弱点の攻撃で急所を突くか、真っ二つにしたり首を刎ねるなどの大げさな程のダメージを与えないと殺すことができない。
また死んだヴァンパイアは一瞬でになって消え、死体や返り血が残らないという特徴がある。
社会的には人間社会の支配階級に食い込んで半ば共存しており、吸血鬼の手下として働く人間たちもいる。


■登場人物


ブレイド/エリック・ブルックス
演…ウェズリー・スナイプス
半分人間、半分ヴァンパイアのヴァンパイアハンター。主人公。
不老を除くヴァンパイアの身体能力を受け継いでいるが、弱点は持たないために日光やニンニク、銀は平気(十字架はそもそも無意味)。そのためヴァンパイア達からは「デイ・ウォーカー」と呼ばれ、恐れられている。だが唯一吸血衝動だけは抑えきれず、定期的に「血清」を注射することで誤魔化している。*2
サングラスを着用し無口なので一見冷たい男に見えるが、いちいち決めポーズを挟んだり、カッコよくキマッた時には「よっしゃ!」と言わんばかりにガッツポーズする等、意外とお茶目さん。流石はシャネルズの元リーダー
装備は豊富で、狩りの時は銀弾の散弾銃拳銃、銀の杭、手裏剣、を駆使して薄汚いヴァンパイア共を血祭りに上げる。余談だが、本作におけるブレイド像は原作コミックにも少なからず影響を与える程の人気を誇る。
日本人にもある理由から非常に親しみやすい印象のキャラクターである。(主にサングラス的な意味で)


アブラハム・ウィスラー
演…クリス・クリストファーソン
親を失くし、獣同然だったブレイドを拾い育てた男。ベテランのヴァンパイアハンターでもある。
かつて家族を目の前でヴァンパイアに殺され、それ以来復讐のためにブレイドの狩りを装備製作という方法で手伝っているが末期ガンを患っており、既に老い先短い。
曰く、2人の関係はビジネスライクな物に過ぎないようだが…


カレン・ジェンソン
演…ウンブッシュ・ライト
ヒロインの美人な女医さん。ブレイドに両腕を切り落とされた上に火を付けられて黒こげで運ばれてきた吸血鬼・クインを検死した際、息を吹き返したクインに噛まれ、なんだかんだあってブレイドに手当てされて、なんだかんだあってブレイドと行動を共にすることに。弱ったブレイドに血を吸わせるシーンが妙にエロい。
本職が医者の割に、なぜ普通に銃でアグレッシブに戦えているかは謎。
続編には全く登場しない。


ディーコン・フロスト
演…スティーヴン・ドーフ
悪役。純血ではないヴァンパイアであり、人類支配の野望のためヴァンパイア界に古くから伝わる古文書「マルガの再臨」を解読し、儀式を行って「血の神」となることを目指す。
実はブレイドの母を噛んだ張本人。
この作品では珍しい細身で色白のステレオタイプなヴァンパイア。原作コミックだとヒゲモジャの爺さん。
クインの様なチンピラを側近の様に使っている反面、上役である純血種のドラゴネッテイには侮られつつも、密かに精鋭部隊を作り上げていたりといった才気ある若手として描かれている。



クイン
演…ドナル・ローグ
フロストの側近で自称兄弟分(ウィスラー曰く『パシリ』)。
キレやすく他のヴァンパイアにも舐められがちだが意外と抜け目なく、カレンを吸血してブレイドと引き合うきっかけを作った。
何度もブレイドと戦っているが、串刺しにされるわ火炙りにされるわ右腕を斬り飛ばされるわと、最期まで碌な目に遭わない。


パール
演…エリック・エドワーズ
記録保管係のヴァンパイア。凄まじい肥満体の持ち主で、一度見たら忘れられないインパクトを醸し出す。
ブレイドに書庫へ侵入されてフロストに助けを求めるもあっさり見捨てられ、その後もブレイドとカレンに紫外線ライトで拷問されて血の神の計画を吐かされる羽目に。
その後はしっかりトドメを刺されたと思われる。


ヴェネッサ・ブルックス
演…サナ・レイサン
ブレイドの母親。実はブレイドを産んだ後も死んでおらず、ヴァンパイアとしてフロストの愛人の一人になり生き永らえていた。
再会したブレイドを完全な吸血鬼の道に誘惑するくらい闇堕ち済み。
最期は息子の手で引導を渡された。


ドラゴネッティ
演…ウド・キアー
評議会を率い人間と共存し続けてきた純血ヴァンパイアの指導者。フロストの野望を恐れ止めようとするが、あっさり日光で焼き殺される


スタン・リー…は出てないよ!製作総指揮だけだよ!



■ブレイドの武器

●両刃の
イメージ図で大体かっこよく構えてるアレ。酸でエッチング処理されたチタニウム製。
実は鍔の下にあるボタンを押さないと柄から奪取対策の棘が飛び出てくる。劇中ではこれで手が吹き飛んだヴァンパイアもいる。

●銀の杭
吸血鬼退治の作品ではお馴染みの武器。主に倒れたヴァンパイアにトドメを刺すのに使用。

●改造ベネリM3
グリップが拳銃並になり、銃身下部に銀の杭射出装置が付いている。

イングラムM11
大型の銃口制退器付き。

●紫外線ライト
ただの強力なUVライトだが、吸血鬼には効果覿面。

●手裏剣
S字型で、一度に何人ものヴァンパイアの首を切断する程の切れ味を誇る。

血液抗凝固剤(EDTA)
元々は血栓を溶かす薬品で、カレンが吸血鬼の治療法を探す過程で武器になることが発見された。
注射器を手裏剣のように投げ刺せば吸血鬼は爆裂する

●ニンニクスプレー
硝酸銀とニンニクエキス入りの護身具で、ウィスラーがカレンに与えたもの。
当然人間相手には(目に入れば痛みはするが)役に立たない代物だが、クライマックスで彼女の命を救った。

■余談

  • 実は別エンディングがあり、その内容は「スパイダーマン」でお馴染みのモービウスの存在を示唆するもの。脚本家は続編に出すつもりだったが残念ながら不採用になった。


  • ブルース・リーの娘であるシャノン・リーがモブ役で出演しており、同年に公開されたアクション映画『エンター・ザ・イーグル』では主役を務めていた。





相手は大群、おまけに不死身、1人で闘うならば、追記・修正あるのみ。

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最終更新:2023年08月19日 08:03

*1 本作の思わぬ大ヒットにより、吸血鬼関連じゃないと出て来ないマイナーキャラクターだったのに原作でも人気が出て後にマイティ・アベンジャーズに参加する等の大出世を遂げている。

*2 長年血清で抑えてきた弊害で徐々に血清に対する耐性が生じており、本編が開始した時点で血清の効果が薄れ始めていた。