真竜(遊戯王OCG)

登録日:2019/04/22 Mon 11:44:05
更新日:2023/12/09 Sat 18:15:21
所要時間:約 36 分で読めます






決戦、来る。





「真竜」とは遊戯王OCGに登場したカード群である。


▼概要

OCG第9期におけるラストパック、「マキシマム・クライシス」でカテゴリ化された。
名前だけなら「シャイニング・ビクトリーズ」収録の「真竜の目覚め」が初出。
竜剣士のストーリーの「第二部」のメインキャスト達で、いわゆる「Pの一族」のうち水晶機巧メタルフォーゼ十二獣とストーリー上の関わりを持っている。
ただ上記のテーマ共々マスターガイドでは解説をスルーされてしまった為、詳しい設定はよくわからない状態となっている。

属するモンスターは「真竜剣士マスターP」を除き全て幻竜族であり、下級モンスターは1体も存在しない。
この名を持つカードとしては「真竜剣士マスターP」と「真竜の目覚め」が存在していたが、マジェスティMや各種最上級真竜によって前者をサーチ可能な程度であり、カテゴリとしてのかかわりは薄い。よって、ここではその2枚については扱わない。


上級モンスターは以下の効果外テキストを共通して持つ。
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、
モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。

これはセット状態でもリリース可能であり、この特性があるがために上級オンリーでありながら手札で腐ることがかなり少ない。
仮に腐ってしまっても、最上級の4体の真竜のうち1枚でも引いていれば展開は可能。
真竜の永続カードは魔法が魔法・罠、罠がモンスターへの除去効果を持つため、真竜永続罠で相手のターンにアドバンス召喚してやればフリチェ除去となる。
マクロコスモス」「王宮の勅命」「手違い」など相手の行動を強烈に縛るが自分にも強烈に刺さる永続メタも、都合が悪くなったらアドバンス召喚のリリースにして消すという鬼畜プレイができるため永続メタカードとは相性が良い。
ただしあくまでリリースのため「生贄封じの仮面」はリリースできず自滅行為になる点には注意。
特殊召喚っぽいがアドバンス召喚であり、リリース要員の確保もモンスターを特殊召喚せず永続魔法・罠をセットするだけで可能なため、普通の展開デッキでは使い難い「命削りの宝札」などの特殊召喚するデッキと相性の悪いカードを採用することも可能。これもアドバンス召喚軸の真竜デッキの強み。
また永続魔法で召喚権を水増しすることもできるので、「魔導書」「召喚獣」などの召喚権を必要とする出張ギミックを組み込むこともできる。


最上級真竜の内、マスターPとダースメタトロン以外は以下の共通効果を持つ。

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、
(自分の属性)属性モンスターを含むモンスター2体を選んで破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、
(自分の属性)属性モンスター2体を破壊した場合、(特定の場所)から(特定のカード)を(特定の枚数)除外する。
(2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。
(特定の場所)から(自分の属性)属性以外の幻竜族モンスター1体を(サーチ・リクルート)。

前半の特殊召喚効果は全ての処理を一度に行うため、タイミング逃しは発生しない。
単純な属性統一デッキに放り込んでも良いが、後半のサーチ効果まで生かそうと思うと真竜デッキが主な職場となる。
また破壊されることで効果が発動するカードを使うために出張することもある。

アドバンス召喚に関する効果を持った真竜と、レベル9の破壊に関する効果を持った真竜皇(鳳)は性質が違いすぎるため相性の良いカードや戦術はかなり異なる。
同じカテゴリだが別物と思っていい。
ただサーチしたり蘇生し合ったりすることは可能なため混合構築自体は可能。

十二獣に隠れがちだが、このカテゴリも登場から約半年弱で禁止カード2枚、制限カード3枚を排出した大概なテーマだったりする。
十二獣が大幅に規制された後の10期初期に純構築、出張共に環境で暴れ回ったのが要因。
十二獣と違い現在はいくらかは規制緩和されている。

バックストーリーは竜剣士の続きだが、あちらが「騎士ガンダムシリーズ」の「ジークジオン編」をモチーフとしていたことから、こちらはキャストの顔ぶれとダースメタトロンの存在から「鎧闘神戦記編」がモチーフと思われる。

▼所属カード

上級モンスター

モチーフは新生アルガス騎士団と思われる。

  • 真竜導師マジェスティ(メイデン)
効果モンスター
星5/風属性/幻竜族/攻2300/守1500
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、
モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
(1):1ターンに1度、アドバンス召喚したこのカードが存在し、
相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動できる。
デッキから「真竜」モンスター1体を手札に加える。
昇竜剣士マジェスターPの力を得た導師。
若干ステータスは頼りないが、打点2300を効果を全く使わず超えるのはほぼ無理。ダメージステップのみの強化か、それこそホープ・ザ・ライトニングにでも殴られない限り、ほぼ確実に1枚はサーチできると考えてよい。
場に真竜の罠があれば、相手ターンにアドバンス召喚する効果を使い奇襲を仕掛けることが可能。
ただ下の2枚と違い手札に加える事しかできない為、サーチメタをくぐりぬけることはできない。
変わったところでは、こいつとマリアムネだけを「真竜剣士マスターP」のサーチのためだけに出張させる手もある。

  • 真竜拳士ダイナマイト(ナックル)
効果モンスター
星6/水属性/幻竜族/攻2500/守1200
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、
モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
(1):1ターンに1度、アドバンス召喚したこのカードが存在し、
相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動できる。
デッキから「真竜」永続罠カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。
剛竜剣士ダイナスターPの力を得た拳闘士。
固有効果は真竜の永続罠のサーチまたは発動。真竜の永続罠はいずれも相手ターンのアドバンス召喚効果を持つため、これを利用して他の真竜面子をアドバンス召喚、ついでにその罠をリリースにすれば壁を増やしつつ除去に走れる。
発動候補の筆頭は「真竜の黙示録」で、攻守半減効果は生き残ることで意味を持つこのカードと相性が良い。
また「真竜皇の復活」をサルベージすれば壁にして粘りつつ、アドバンス召喚から反撃を仕掛けることを狙える。
アドバンテージを稼ぐ取っ掛かりとなっていたためか、日本では2017/10/1で制限カード、海外では17/9/8の改訂で禁止入りしている。
その後、18/5/21には海外でも制限へと緩和され、
日本では19/4/1の改訂で準制限、19/7/1には無制限へと釈放された。


  • 真竜戦士イグニス(ヒート)
効果モンスター
星5/炎属性/幻竜族/攻2400/守1000
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、
モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
(1):1ターンに1度、アドバンス召喚したこのカードが存在し、
相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動できる。
デッキから「真竜」永続魔法カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。
爆竜剣士イグニスターPの力を得た剣士。
固有の効果は真竜の永続魔法のサーチ・発動。上級真竜のサーチ効果はトリガーの関係上相手のターンに発動することが多いのだが、永続魔法は自分のターンで使う効果が多いため、ダイナマイトと比べるとちょいとミスマッチ。
とはいえ真竜デッキでは十分採用圏内だが、特筆すべきは攻撃力2400、守備力1000という、俗称「帝ステータス」。このため帝王カードのサポートに対応しているという独自の強みがある。

  • 真竜騎将ドライアスIII世
効果モンスター
星6/地属性/幻竜族/攻2100/守2800
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、
モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
(1):アドバンス召喚した表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動できる。
デッキから「真竜」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカード以外のフィールドの「真竜」モンスターは
相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
竜魔王レクターPの力を得た将軍。しかし顔に着けているのはラスターPの兜の左半分である。
他の三人と異なり、サーチ効果ではなく真竜への効果耐性を付与する効果と、アドバンス召喚した後にフィールドを離れた場合後続の真竜をリクルートして来る展開効果を持つ。
真竜はアドバンス召喚型の上級、自己SSが可能な最上級で綺麗に分かれており、両立はちょっと難しい。
このカード2体を並べて壁にするのも良いが、後述のV.F.D.と並べるのがもっとも無難だろう。

最上級モンスター

真竜皇/真竜凰

  • 真竜皇アグニマズド(バニッシャー)
効果モンスター
星9/炎属性/幻竜族/攻2900/守1900
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、
炎属性モンスターを含むモンスター2体を選んで破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、
炎属性モンスター2体を破壊した場合、
相手のフィールド・墓地からモンスター1体を選んで除外できる。
(2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。
自分の墓地から炎属性以外の幻竜族モンスター1体を選んで手札に加える。
火のように赤く大きな審判の真竜皇。敵対勢力はメタルフォーゼ。
固有効果は除外による単体除去。対象を取らない除外のため耐性による回避はしにくい。
特殊召喚効果による破壊は、基本的に他の最上級真竜にも共通することだが、同名カードとそれ以外の真竜皇を破壊し、それぞれの効果によってディスアドを補填する、という流れが基本になる。
真竜デッキは属性がバラバラなので、V.F.Dがいない状況では追加効果まで狙うのはちょっと難しいが、炎属性デッキならばむしろ破壊する方がメインとなる。出張先としては炎王が有力。
炎属性がそれなりに多い恐竜でも下記のリトスアジム共々使われた。

  • 真竜皇バハルストス(フューラー)
効果モンスター
星9/水属性/幻竜族/攻1800/守3000
「真竜皇バハルストスF」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、
水属性モンスターを含むモンスター2体を破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、
水属性モンスター2体を破壊した場合、
相手のフィールド・墓地から魔法・罠カードを2枚まで選んで除外できる。
(2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから水属性以外の幻竜族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
海より来る獣の真竜皇。固有効果は魔法・罠の除外。敵対勢力はクリストロン。
一見地味だが、手札で発動する一連の効果なのでスキルドレインに引っかからない(代わりにメンタルドレインに引っかかる)、奈落の落とし穴などを回避できる、という利点がある。
ついでにこれも対象を取らない除外効果である。
ただし、真竜皇の中では打点が悲しいほど低く、単体では壁にしかならない。
出張先としてはガエルが有力。

  • 真竜皇リトスアジム(ディザスター)
効果モンスター
星9/地属性/幻竜族/攻2500/守2300
「真竜皇リトスアジムD」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、
地属性モンスターを含むモンスター2体を破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、
地属性モンスター2体を破壊した場合、
相手のエクストラデッキを確認してその中からモンスターを3種類まで選んで除外できる。
(2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。
自分の墓地から地属性以外の幻竜族モンスター1体を選んで特殊召喚する。
地中より来たりし災厄の真竜皇。固有効果は相手のEXデッキの破壊。敵対する勢力は十二獣。
ボード・アドバンテージを取ることはできないが、相手の戦術にひびを入れることが出来る。その性質上、出来る限り序盤、可能ならば先手でこの効果を使用することが求められる。
同名カードは1枚までしか奪えないので複数採用なら根絶やしにすることは不可能だが、ピン刺しだったり制限で1枚しか入れられないようなカードなら根絶やしにすることが可能。
地属性のモンスターは意外と破壊トリガーが多く、特にベビケラサウルスを有する恐竜族デッキにコイツが出張していることもあった。


  • 真竜凰マリアムネ
効果モンスター
星9/風属性/幻竜族/攻2700/守2100
「真竜凰マリアムネ」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、
風属性モンスターを含むモンスター2体を破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、
風属性モンスター2体を破壊した場合、相手のデッキの上からカードを4枚除外できる。
(2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから風属性以外の幻竜族モンスター1体を手札に加える。
竜剣士を導く聖母たる真竜凰。固有効果は相手のデッキ除去。
除外のデッキ枚数で4枚と多めだが、デッキ破壊は普通のビートダウンではあまり必要とされない要素の上、ランダム除外に過ぎないので他の3体と比べるとわざわざ狙う程の効果ではない。
ボード・アドバンテージが取れないのはともかく、風属性には破壊トリガーが乏しい。そのため、主な職場は真竜デッキとなる。
レベル9であるため他の真竜皇と共に効果のシナジーは強いが、後半のサーチ効果によりアドバンス軸でも十分活躍できる。とくに、アドバンス軸において「真竜皇の復活」の有効な蘇生先を用意できるのが大きい。
出張する場合は幻獣機が候補。オライオンを迅速に墓地に落とすことができるが、その場合マシンナーズ・フォートレスという対抗馬がいることに注意。


竜剣士の系譜

  • 真竜剣皇マスター(ピース)
効果モンスター
星8/光属性/幻竜族/攻2950/守2950
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、
モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
(1):このカードは、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたカードと
元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を受けない。
(2):アドバンス召喚したこのカードが存在する場合、
1ターンに1度、自分の墓地から永続魔法・永続罠カード1枚を除外し、
このカード以外のフィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
真竜の力を得て進化を遂げた「真竜剣士マスター(ピース)」。
上級面子と同じく永続カードをリリースに使用できる他、永続罠の効果を使えば召喚は意外なほど簡単。
簡単な所で言えばリビングデットの呼び声などの蘇生罠を使うだけでアドバンス召喚の準備が整う。
後半の効果はフリーチェーンの除去で、コストはかかるものの、アドバンス軸の真竜なら墓地にコストのカードがない、という事態は多くはない。
永続をリリースして出す前提の効果なため出張先で適当に使っても1,2回は効果を使えるチャンスはあると思われる。
特筆すべきは耐性を得る永続効果で、モンスターをリリースすればモンスターの、永続魔法なら魔法の、永続罠なら罠の効果を受けなくなる。
「破壊されない」や「対象にならない」などではなくそもそも「効果を受けない」なので穴を狙われないかなり強固な耐性。
しかしリリースできるのは2枚なので、必ずどれかに対して穴が出来る……のだが、「ドラゴニックD」がこれを完全に補ってしまっている。
あちらの効果で1ターン1度だけ戦闘破壊耐性を得るため、モンスターと永続罠をリリースしてコイツを呼んでいた場合なんとかフリーチェーン除去を回避しつつ殴り掛かっても1度は耐えられてしまう。
ついでに言えば「ドラゴニックD」の効果で攻守が300アップし3000打点ラインを越えるため、前述のフリチェ除去効果も合わさって一回戦闘に勝つのも難しい。
耐性に穴が出来ると言っても軽いアドバンス召喚条件故に、相手を見てからつける耐性を考えてから出せるため、1個ぐらい穴が空いていてもなんとかなってしまう事も多い。
攻守も共に2950と高く上記の耐性とフリーチェーン除去を持ち合わせているので壊獣を使わないと突破は困難。
直前に壊獣を作ったからと言ってもいくらなんでもやりすぎである。
おまけにこいつ自身も「ドラゴニックD」や「マリアムネ」、「マジェスティM」の効果であっさり手札にやって来るため、召喚難易度は異様に低い。
制限化と同時にドラゴニックDが制限になった際も「幽麗なる幻滝」で穴埋めされたため、あまり意味はなさなかった。
普通のアドバンス召喚よりも簡単な召喚難易度と、それに見合わぬ極悪な制圧能力によって真竜の切り札として君臨したが、それがためにどこのデッキでもコイツが現れ、他の最上級モンスターが「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」状態になってしまったのが運の尽き。
17/7/1で制限行き、そして10月の改訂でついに禁止入りとなった。

  • 真竜騎兵ダースメタトロン
効果モンスター
星9/光属性/幻竜族/攻3000/守3000
このカードを通常召喚する場合、モンスター3体をリリースして召喚しなければならず、
モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
(1):このカードは、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたカードと
元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を受けない。
(2):アドバンス召喚したこのカードが相手によって破壊された場合に発動できる。
地・水・炎・風属性のいずれかの融合・S・Xモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
3体リリースを必要とするもう1つの切り札。要求するリリースが1体増えたが、永続魔法・罠を使えるため三幻神ほどには難しくない。
更に相手に破壊されると属性にいくらか縛りはあるもののエクストラからモンスターを特殊召喚できる。
制圧力の高い「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン」「ナチュル・エクストリオ」が有力候補。
剣皇と異なり、これによって完全耐性を得られるようになった。が、除去効果がないためそれだけだと単なる壁であり、さらに打点3000も今の時代もはや安心できる数値ではなくなったのが悲しい。
上記の真竜剣皇と違って倒されるまでただ殴っているだけで相手ターンは棒立ちのため、後続に繋ぐ効果を対策された上で倒されてしまう可能性もある。
特に真竜デッキが環境トップだった頃は剣皇が暴れていた影響で、壊獣の採用率が高く、無駄にリソースだけ食って犬死にする可能性も高かった。
リリースが1つ増えた割に打点が50しか上がっていない事もあり、真竜剣皇で十分と言われ全くと言う程採用されていなかった。
ただ、このカードが弱いというわけでは決してないので、アドバンス軸の切り札として採用する価値は十分にある。
マスターPにも言えるが特殊召喚には特に制約はかかっていない為、効果なしでも高いステータスで毎ターン蘇生できる真竜皇の復活とは相性が良い。


エクシーズモンスター

  • 真竜皇V.F.D.(ザ・ビースト)
エクシーズ・効果モンスター
ランク9/闇属性/幻竜族/攻3000/守3000
レベル9モンスター×2体以上
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、属性を1つ宣言して発動できる。
ターン終了時まで、フィールドの表側表示モンスターは宣言した属性になり、
宣言した属性の相手モンスターは効果を発動できず、攻撃もできない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分の手札の「真竜」モンスターの効果で破壊するモンスターを相手フィールドからも選ぶ事ができる。
真竜皇の真の姿であり、世界に終焉をもたらす黙示録の獣。
大型のエクシーズではあるが、真竜皇を呼ぶ時にバハルストスやリトスアジムを破壊に巻き込み、その効果でリクルートする、一緒に破壊した方を呼び戻せばあっさり素材モンスターが揃う。
効果は二つで、一つは素材を切っての属性変更&相手限定の攻撃&効果封じ。フリーチェーンであるため相手の動きを一気に止められる。わかり辛いが、発動後にフィールドに出てきたモンスターも属性が変わり、発動制限はフィールド外にも及ぶ。ただし、墓地で発動する効果についてはフィールドを離れた後の属性が宣言したものと違う場合、制限できない。
真価はもう一つの効果とのコンボで、これにより手札の真竜皇を相手のモンスターを破壊しながら呼び出すことが可能。つまり、
  1. 前半の効果で手札の真竜皇の属性を宣言する
  2. その真竜皇を、相手のモンスターを破壊して呼び出す
  3. 追加効果も含めて一気にアドバンテージを取る
というコンボのために設計されたカードであると思われる。
汎用のランク9でもあり制圧性能がかなり高いため、ランク9を出せるデッキではよく使われる。

素材指定が2体「以上」なのは、元ネタに合わせてアグニマズド・バハルストス・リトスアジムの3体でのオーバーレイを想定しているからだろう。
なお胴体側面をよく見るとアモルファージの特徴がみられる。竜魔王の影響だろうか?

ポテンシャルは非常に高かったものの、当初はランク9という重さも相まって「特化型デッキのエース」という立ち位置に収まっていた。
しかし、10期から11期にかけてレベル9のサポートがジェネレイドや星遺物などを中心に増加、ランク9が相対的に軽くなって来たことで採用率が増加。電脳堺や相剣で使われるようになり、21年4月の改定で制限入り。しかしこの手の「EXデッキから出て来る大型」は制限指定では止まらないことが多く、案の定暴れ続けたため、同年10月でついに禁止カード入りと相成った。

凶悪な制圧能力を持っていたのは確かだが、気軽に出せるランク9が実のところコイツくらいしかいないというのも実情であり、ランク9デッキや本家真竜は酷いとばっちりを受けるハメになってしまった。

一方マスターデュエル環境ではなぜか制限に留まっており、配信当初の環境デッキである電脳堺の底力を上げている。
まぁどうせ禁止されるだろう…と思いきや2022年8月現在まで制限カードに留まり続けている。
しかも流石に電脳堺自体が環境に置いていかれ気味なのでなんやかんやこのまま残るのでは?と言われていたが……
2022年8月31日付でマスターデュエルでも禁止カード行き。お疲れさまでした。


魔法・罠カード


永続魔法(罠)はアドバンス召喚を行う効果と墓地へ送られた際にフィールドのカードを破壊できる効果を持つ。
アドバンス召喚を行う効果は永続魔法は自分のターン、永続罠は相手のターンに使う事ができる。
また墓地へ送られた際の破壊効果は、永続魔法は魔法・罠カードの破壊、永続罠はモンスターを破壊する。
そのため効果を止めようとサイクロンなどで除去すると、カウンターを喰らう相手にしたら厄介な性質を持っている。
永続罠は相手ターンにアドバンス召喚する効果を使い、自身をリリースすることでフリーチェーンのモンスター除去に化ける。
禁止前はここから真竜剣皇が出れば2発目のフリーチェーン除去が飛んできた。
また固有の効果もアドバンテージを取ることに長けたカードも多い。

  • ドラゴニック(ダイアグラム)
フィールド魔法
(1):フィールドの「真竜」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
アドバンス召喚した「真竜」モンスターはそれぞれ1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の自分の手札・フィールドのカード1枚を選んで破壊し、
デッキから「真竜」カード1枚を手札に加える。
真竜のエンジンたるフィールド魔法。全体強化の数値は微弱だが、元々打点の高い真竜にとって無視できる数値ではない。
二つ目の効果は、アドバンス召喚した真竜に対する回数限定の戦闘破壊耐性付与。特にホープ・ザ・ライトニングに殴り倒されなくなる、という部分が大きく、ダースメタトロンがやられて後続も出せない、という事態はかなり減る。
ただし、これを狙う場合は魔法をリリースしてしまうと効果を受けられなくなってしまうため注意が必要。
最大の利点は三つ目のサーチ効果で、破壊するカードに真竜皇を選べばさらなるカード・アドバンテージが稼げる。また、破壊できるカードがこのカード以外、という以外全く縛りがなく、手札も破壊できる。
癖のない自分の手札を自由に破壊できるカードはかなり貴重なため、破壊されて効果を発動するカードを使うデッキにも出張していた。
しかしその利便性と、凶悪な制圧力を持つ真竜剣皇をサーチできる、という部分が裏目に出て、出張パーツとして大半のデッキに採用された結果、真竜剣皇共々17/10/1で禁止カード入りとなった。
2年後の19/7/1には多くのフィールド魔法サーチが規制されたのを鑑みてか、制限へと緩和される。
ちなみに海外では未だ無制限。

  • 真竜凰の使徒
永続魔法
「真竜凰の使徒」の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の「真竜」カード3枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
「真竜」モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する。
(3):このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合、
フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
永続魔法その1。
小型の「貪欲な壺」効果を持っている。これにより、サーチ・リクルートして来る真竜カードが枯渇するのを防ぐことが可能。
共通効果として持っているアドバンス召喚効果により、召喚権を残したまま上級真竜を呼んでくることができる。こいつ自体をリリースれば除去効果にも繋がる。

  • 真竜の継承
永続魔法
「真竜の継承」の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このターンにフィールドから墓地へ送られた
「真竜」カードの種類(モンスター・魔法・罠)の数だけ、自分はデッキからドローする。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
「真竜」モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する。
(3):このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合、
フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
永続魔法その2。
小型の「超再生能力」に似たドロー効果を持ち、最大で3枚引ける。
このカード自体は維持することに意味があるため、出来る限り他のカードをリリースしたいところ。
ただし、使えるのは自分のメインフェイズ限定であることに注意。
またミラーでは相手の枚数も数えるため立ち回りには気を付けないといけない。
「ドラゴニックD」が使用可能だった頃は簡単に種類を水増しできたため安定して複数枚ドローを狙えた。
真竜規制の一環で制限カードに指定されたが、やりすぎと判断されたのか最初に無制限まで緩和された。

  • 真竜の黙示録
永続罠
「真竜の黙示録」の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、
(1)(2)の効果は同一チェーン上では発動できない。
(1):このカード以外の自分フィールドの「真竜」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、相手フィールドの全ての表側表示モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。
(2):相手メインフェイズに発動できる。
「真竜」モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する。
(3):このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合、
フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
永続罠その1。他の真竜カードをコストに、相手モンスターを全体弱体化する効果を持つ。
弱体化は永続的に続くのでかつてのゲイルの様に弱らせたままにしたり、重ねかけすることも可能。
このカードを直接デッキから引っ張り出せるダイナマイトKとのシナジーが素晴らしく、真竜剣皇の現役時代にはあちらを戦闘破壊から守る役目も果たしていた。
ただし、真竜カードは破壊によってアドバンテージが取れるとはいえ常にフィールドに用意できるわけではない(サーチして来たカードが手札に溜まっていることも結構ある)ので、考えなしに使うべきではない。
真竜皇を破壊すればディスアドはかなり軽減できる。
ダメステでカードを破壊できるというのがこのカードの真骨頂で、戦闘するモンスターを破壊して相手の戦闘を空振りさせたり、「真竜皇の復活」を破壊してダメステでのモンスター破壊と回避しにくい除去を仕掛ける事もできる。

  • 真竜皇の復活
永続罠
「真竜皇の復活」の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、
(1)(2)の効果は同一チェーン上では発動できない。
(1):自分の墓地の「真竜」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。
(2):相手メインフェイズに発動できる。
「真竜」モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する。
(3):このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合、
フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
永続罠その2。
こちらは墓地の真竜を蘇生が可能で、使い切りではなく毎ターン使用可能でフィールドから離れてもこれで蘇生したモンスターを道連れにするようなこともなく完全蘇生。
真竜は全体的に打点が高く自分と相手のターンの2ターンで2体蘇生できるので、適当に蘇生連打していても強い。
ただし、それ以後の特殊召喚がそのターン不可能になるデメリットがある。
アドバンス軸で輝くカードと言える。
真竜皇軸の場合はバハルストス辺りを壁として置いておくか、相手のターンに蘇生→自分のターンでエクシーズ召喚、という流れがベターか。
特殊召喚できないという一見重そうなデメリットだが、そもそも永続罠のため相手ターンに発動すればほぼデメリットは無いし、アドバンス召喚軸では自分のターンで使っても召喚とアドバンス召喚が主体のためデメリットはほぼないようなものである。
単体でもかなり強力で蘇生連打でもごり押しできることがあったカードだったが、真竜規制の一環で制限カードに指定される。
しかし、環境から遠のいたためか継承の後に少しずつ緩和され現在は無制限カードとなった。


環境において

「マキシマム・クライシス」発売時点でも高いカード性能は注目されていたが、十二獣が強すぎた時代のためちょいちょい居る程度だった。
本格的に始動しだしたのは十二獣が大幅規制を受けた後の10期初期。
アドバンス召喚軸は新ルールによる影響をほぼ受けない事と、カードパワーの高さから純構築・出張共々環境を制圧した。
特に真竜剣皇の対策は必須で、対策を怠るとコイツ1枚に完封負けしてしまうことも珍しくなかった。
また真竜皇は恐竜と竜星と組み先攻展開から制圧を仕掛けに行くタイプのデッキで活躍した。

そのため大幅に規制されて大きく弱体化したものの、環境に刺さる永続メタを扱いやすい性質から現在でも入賞することがある。
インスペクト・ボーダー」「命削りの宝札」採用型なら手札誘発を入れないという開き直りをすることも可能なため、デッキパーツが安くエクストラデッキもあまり重要じゃない事から財布に優しめのデッキとなっている。

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最終更新:2023年12月09日 18:15