SCP-4022

登録日:2019/04/21 Sun 00:00:05
更新日:2023/09/25 Mon 02:12:04
所要時間:約 4 分で読めます




SCP-4022 はシェアード・ワールド SCP Foundation に登場するオブジェクトオブジェクトクラスは Euclid。タイトルは『非常に巨大な無』。

ドキュメントはなんとも言えない不気味な雰囲気に仕上がっており、読み手に色々と想像させるタイプのオブジェクトである。


概要

SCP-4022 は、重度の認知症を患った 60 歳のアジア系アメリカ人男性である。彼の頭の中心には「非常に巨大な無」なるものが存在する。どうやらこいつは危険な認識災害の源であるらしく、感染条件は「彼の頭の中心の非常に巨大な無」について何らかの意識をすること。感染すると、その人物の頭の中心にも「非常に巨大な無」が出現し、重度の認知障害が発生する。

認知障害の内容は、「順序立てられた数字・文字列・形状・色のパターンを認識できなくなる」というもの。あらゆるパターンを「半透明」とか「不鮮明」としか認識できなくなるらしい。症状を緩和する手段は「彼の頭の中心の非常に巨大な無」について言及することのみ。つまり症状を緩和させようとするとそれだけますます症状は悪化していくことになる。そして病状が進行すると昏睡状態に陥り、最終的に死亡する。

なぜ SCP-4022 は「非常な巨大な無」によって死亡しないのか?

それでは、SCP-4022 は「非常に巨大な無」に感染しているはずなのに、なぜ昏睡状態にも陥らず、死亡もしないのだろうか? SCP-4022 の初期収容時、財団は彼にインタビューを試み、その結果、ある一つの結論を得た。「彼の頭の中心の非常に巨大な無」は「感染者の意識」を栄養源にしているらしく、意識を食われることで症状が進行していくらしい。ところが SCP-4022 は重い認知症を患っているため順序立てられた思考ができず、「彼の頭の中の非常に巨大な無」が SCP-4022 の意識を食べようと思っても食べられないのである。

SCP-4022 へのインタビュー記録は非常に生々しく、何とも言えない気持ちになる。また、ドキュメントの冒頭に大きく表示される SCP-4022 の写真が独特の不気味さを演出している。また、比較的新しい 4000 番台の SCP だが、ドキュメントはかなりコンパクトにまとまっている。ぜひ一読していただきたい。

ちなみに初期の調査時、財団は「非常に巨大な無」によって昏睡状態に陥った患者の脳をイメージングデバイスでスキャンする実験を行った。初めのうちは、「前頭葉の減少量 = 83%」などといった具体的な数値を示していたが、スキャンを進めていくと、なんと装置が「非常に巨大な無」に感染してしまい、最終的には「彼の頭の中心には非常に巨大な無が存在しますよ」という曖昧な結果を出力するようになってしまった。順序立てられたアルゴリズムに従って動作するのならば、機械ですら感染対象となるらしい。

また、明確に記述されているわけではないが、インタビュー記録は、SCP-4022 が認知症になったのは「非常に巨大な無」に対する抵抗力を得るため、とも受け取れるような内容になっている。上記のように単純なアルゴリズムで動作する装置ですら「非常に巨大な無」に感染し、正常な動作を停止してしまうのだから、十分な抵抗力を得るためには自分の思考回路を徹底的に破壊しなければならないのだろう。彼は自我を犠牲にしてまで「非常に巨大な無」と闘っているのかもしれない。

著者による解説―「非常に巨大な無」とは何なのか?

本家 SCP Wiki の著者によると、ある晩、夢の中で「great big nothing」というフレーズが登場したらしい。著者はこのリズム感が気に入り、「great big nothing」を基にした SCP 記事を書いたという。

ドキュメントに度々登場する「彼の頭の中の非常に巨大な無」は、原文では「great big nothing in the middle of his head」であり、声に出して読むとなかなか小気味の良いフレーズである。

追記・修正をお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • SCP
  • SCP Foundation
  • SCP-4022
  • Euclid
  • Bluedanoob

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年09月25日 02:12