中忍選抜試験(NARUTO)

登録日:2018/05/20(日) 18:25:00
更新日:2024/03/26 Tue 21:41:20
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中忍選抜試験とは、漫画『NARUTO‐ナルト‐』において行われた試験である。

●目次


【概要】

隠れ里に属する忍のランクは大きく分けて下忍・中忍・上忍であるのはどの里でも共通。
このうち下忍→中忍は「中忍選抜試験」を開催して合格者に中忍の資格を与える。

作中では主催・共催の違いはあれど木ノ葉隠れの里が関わっている試験しか出てこないが、それ以外の里からの参加者もある事、および招待客や後述の選抜試験の開催目的からして、どの里でも「開催する里を問わず、中忍選抜試験に合格すること」が昇格条件で共通しているようだ。

参加者同士が競い合う内容の試験が多く、本選にたどり着くまでは実際に「他の参加者と戦って勝つ事」が求められる。
しかし本選にたどり着けたとして、中忍の資格を認められるかどうかは「勝つ事」ではなく「中忍の資質を示す事」であり、本選始まって速攻で敗退しても中忍になれる場合もあれば、最後まで勝ち残っても中忍になれない場合もある。
ただ、勝てばそれだけアピールの機会が増える事になるし、勝つ実力そのものも中忍の資質の一つには違いないので、本選でも勝つに越したことはないのだが。

実際の試験内容は、本選は観客の前で1対1で戦って忍としての力量を示すトーナメント戦で共通している。
それまでの予選に当たる各試験は前回までの具体的な内容は語られていないが、今年の試験官は誰かと言う話題が出ること、試験官が誰であるかから試験の内容の予想がされる事から、担当した試験官によって内容が違う模様。
第二試験についてはカブトの語った事が本当であれば前回も二種類の巻物を奪い合うサバイバルだったようだが、巻物を開いてしまった時の措置は違うものだった。

参加条件は、
  • 三人一組のスリーマンセルでエントリーする事
  • 担当上忍の推薦を受けている事
  • 任務を8つ以上こなした実績を持つ事
ただし任務数においては、通例ではその倍(16個)以上こなしているのが良いとされる。

選抜試験の開催目的は、もちろん中忍になるべき者を選抜するというのが第一目的ではあるのだが、それ以外に「次世代の戦力を任務依頼主である大名等に示す事で里の力のアピールをする」という代理戦争の側面も持つ。
そのため、本選の観客には一般客や中忍の忍の審査に関わる上忍や里上層部だけでなく、諸大名もいる。

なお、作中では実際にそうなった者はいないが、下忍から上忍に飛び級するという概念は存在しているらしく、アニオリでは上忍相応の実力を持ちながら一生下忍になると誓ったまるほしコスケに対して猿飛ヒルゼンが上忍になるよう言った事もある。
また、里長になる為には忍びのランクは無関係であるようで、我愛羅ナルトは下忍のまま里長になった経緯を持っている。


【作中で行われた試験】

◆木ノ葉主催試験

主人公・ナルトが参加した試験。
ナルトはサスケサクラと参加した。

◆第一次試験

筆記試験。
採点方法が特殊で、「各参加者に予め10点の持ち点が与えられており、全10問の問題を1つ不正解になるごとに1点マイナス」というもの。
さらには合否はエントリーした3人のグループの合計で判定され、一人でも0点の者がいた場合、3人まとめて失格になる。
ただし問題用紙には9問目までしか記載されておらず、最後の10問目は1時間の試験時間のうち45分経過した時点で出題される。
また、カンニングおよびそれに準ずると監視員に見なされた行為1回につき2点の減点を受ける。
つまり5回カンニングを発見された参加者はテストの採点を待たずに0点となりその場で失格、グループの他の2人共々即退場となる。
なお減点回数はいちいち告知されず、0点になった時に対象者の失格を宣告して退席させるのみ。
自身のカンニング行為が発覚しているかどうかを試験中に知る事はできないため、0点寸前だからカンニングを辞める…といったことはできない。

試験官である森乃イビキ曰く「無様なカンニングを行った者は自滅する」「仮にも忍なら立派な忍らしくしろ」「忍者は裏の裏を読むべし」。

肝心の筆記問題の内容は高度な物理計算問題など、下忍レベルでは到底解く事のできない内容*1
下忍の中でも特に勉学に優れていた春野サクラだけは何とか自力で解けていたようだが…。

ナルト等の一部を除いてほとんどの参加者が
  • 普通カンニングなど「発見即失格」なのに、減点で済ませる甘さ
  • まるでカンニングをしろとでも言わんばかりの難易度
と言った点に疑問を感じていた。
案の定試験が始まると、カンニングを行う者が続出する(そして失格になっていく)阿鼻叫喚の事態となった。

そして試験開始45分まで生き残った参加者には、第10問目が出題される。

「問題を出題する前に、第10問目を受けるか受けないかを選んでもらう。
 『受けない』を選んだ場合、3人まとめて失格となるが、次の試験に再挑戦できる。
 『受ける』を選んで正解できなかった場合、失格になるだけではなく、今後永久に中忍選抜試験の受験資格を剥奪する

森乃イビキがこう告げて参加者に自主退室を促す。
何人かがそれで退出し、サクラも「ナルトではまず正解できないから諦めろ」という意味で挙手を願ったが、ナルトは挙手したかに見えてその手を机に叩きつけ、逆に「一生下忍でも火影になってやるから構うもんか!」と盛大に啖呵を切る*5
それ以降は誰も挙手して退出する者はいなかった。

これ以上退出者がでない事を確認したイビキ。

◆第二次試験

受験者全員参加のサバイバル。
木ノ葉の里にある第44演習場、通称「死の森」にて行われる。
半径10km程度の円形をしたフェンスで囲まれた山あり森あり川ありの演習場で、中には猛獣・毒虫なんでもわんさか。
この中で5日間の「なんでもあり」のサバイバル演習が行われる。

受験者はエントリー時の3人でチームを組み、各チームに「天の書」か「地の書」のどちらかの巻物が1つずつ与えられる。
演習所内で他チームから巻物を奪い取り、「天」「地」の巻物を揃えた状態で、演習場中央に位置するゴール地点の塔にたどり着くことが試験の目的。
作中では26チーム78名が第一次試験を突破しており、天地それぞれの巻物が13個ずつ配られた。

失格条件は以下の通り。
  • チームから再起不能者を出す
  • 合格条件を満たしていない状態で「天」「地」の巻物を開く
  • 合格条件を満たせないままタイムオーバー

合格条件の関係上、どうやっても最大でも13チームまでしか合格できず確実に半分以下になる。しかし、
  • 必要数以上に巻物を収集する者
  • 巻物を持ったまま不合格になる者
  • 物理的に巻物が消失するケース
等の存在により、実際の合格者数はさらに減る。

試験が危険な演習場で行われる事、奪い合いによる実戦がある事から死亡事故の発生が想定されており、参加者は全て死亡があり得る事についての事前同意書にサインさせられる(この同意書と巻物を交換する形となる)。

巻物を奪い合うための実戦能力、他チームは何の巻物を所持しているのか・チーム内の誰が持っているかの情報収集能力
そして「見てはいけない」巻物を最後まで見ずに試験を完遂できるかの信頼性を試される複合試験である。

ナルト属する第七班チームは「天」の書を与えられて試験スタート。
サスケが所持してスタートした。
ナルトが野ションに行った隙に入れ替わった、雨隠れの参加者のチームの一人と早速交戦になるも撃退。
巻物は奪えなかったが奪われもせずに済んだ。

このことから「一度でも見えない場所に離れたら仲間でも信用できない、合言葉を決める」と言い出したサスケに従い、ナルトには到底覚えられそうにない、やたら長い合言葉を設定する。

そしてその後、例によってまたナルトが偽物と入れ替わる。
早速合言葉を確認し、サクラもナルトも合言葉を間違えずに言い切った、が…。
実は盗み聞きを見越したサスケがわざと「ナルトだったら言える訳がないような合言葉」を決め、「合言葉を言えるナルトはむしろ偽物」という罠を張っていたのだ。
という訳で、再びナルトの偽物を見破る事に成功。

しかし、ここで正体を現したのは草隠れの里からの参加者……の顔を奪って成り代わっていた大蛇丸
何とか抵抗を試みるものの、あまりの実力差から敵わないと判断したサスケは、巻物を渡して見逃してもらおうとする。
しかし大蛇丸は巻物ではなくサスケ自身が目的であり、戦闘の中でサスケは呪印を刻まれる。
巻物は「渡した後に見逃してくれる保証がない」と理解していたナルトによって一旦は奪われる事を防ぐものの、最終的に巻物は大蛇丸に燃やされて失ってしまう*7
そしてナルトの方は抵抗したが圧倒的な実力差に全く歯が立たず、返り討ちにあってしまい、舌で服を捲られ腹に五行封印を喰らったことであまりの痛みからかチャクラを乱されてしまい気絶してしまう。

その後、目覚めないままのナルトと呪印の副作用で意識を失うサスケをサクラが看病している隙に、大蛇丸の部下でもある音隠れの里のチームが襲撃する。
ロック・リーやシカマル達第十班の援護および途中で覚醒し呪印の力を開放したサスケによって音忍を撃退し、さらに音忍が置いていった「見逃してもらう手打ち」として地の書を1つ入手する。

だがそのままもう片方の巻物が手に入らないまま時間が過ぎていき、最終日を目前に狙う相手自体が見つからない状態に陥る。
ナルトが血迷って巻物を開いて中を見て複製しようと言い出すが、割り込んできたカブトに止められ事なきを得た。
そのままカブトの案内によって「塔周辺で罠を張っている者」を狙う作戦に切り替える。

塔周辺では、最初にナルトに入れ替わってちょっかいを出してきた雨隠れの忍のチームが3人で待ち構えていた。
最初は幻術にハマリ、長い事同じ場所を歩かされていたが、幻術である事に気づいてから攻撃が始まる。
サスケの写輪眼とナルトのごり押し物理作戦…に見せかけたナルトの変化の術による引っかけ作戦により術者を誘い出す事に成功。
そのまま打倒して天の書を手に入れた。
時間ギリギリではあったが、第七班も天地の書を揃えて塔にたどり着くことができたのだ。

塔の中に掲げられていた虫食い状態の格言を見て、「ここで両方の巻物を開くのだ」と気づいて巻物を開く。
中に記されていたのは口寄せの術式であり、アカデミー時代の担任うみのイルカが姿を現す。
彼の口から第二次試験の合格を言い渡されると共に、虫食い状態の格言の意味、および指定条件外で巻物を開いた場合の処遇*8などを教えられる。

第二次試験を突破したのは7チーム21人が突破。
なお、我愛羅属する砂隠れの里チームは前回までの試験の記録を大幅に更新する1時間37分で巻物を入手してゴールしていた。しかも我愛羅に至っては全くの無傷で塔に到着している。

◆第三次試験予選

本来であれば第二次試験を突破したら第三次試験=本選へ進出なのだが、想定よりも多数の受験者が残ってしまったため、中忍試験規定に則って数を減らすために予選を行う事となった*9

ここからは個人戦となり、合否も個人ごとに分かれる。
コンピュータによってランダム選出された2人で1対1の戦闘を行い、勝った方を本選進出とする。
ただし予選開始前にカブトが辞退しており、1人減って20人になっている。

審判は月光ハヤテが行っている。

組み合わせと結果
  • うちはサスケ vs 赤胴ヨロイ
ヨロイはカブトのチームの1人。
チャクラを引き出すと呪印が勝手に動くサスケに対し、チャクラを強制的に引き出し吸い取る能力を持つヨロイ。
相性が最悪だったが、精神力で呪印を抑え込んだサスケがリーからコピーした体術(を元にした技)・獅子連弾で勝利を収める。

ザクは音隠れチームの1人。
第二次試験の時にサスケに腕を折られている。
片腕が使えない状態のザクを蟲との挟み撃ちで追い詰めるシノだが、腕が使えないのはフェイクで、シノ本体と蟲に斬空波の同時発射を見舞おうとする。
しかしそれも見抜かれており、ザクの手のひらにある斬空波発射口には蟲が詰め込まれて塞がれていた。
チャクラが暴発し腕が本当に使えなくなったザクは戦闘不能になり、シノが勝ちあがる。

ミスミはカブトのチームの1人。
関節を自在に外し蛇のように締め技を使うミスミに速攻でホールドアップされてしまったカンクロウだが、実はカンクロウ本体だと思われていた方がカンクロウを装った傀儡人形・(カラス)であった。
ミスミは逆に傀儡人形に逆に抱き着かれ締めあげられ、試合続行不能でカンクロウの勝利。

ハヤテはカンクロウに扮した傀儡人形が締め上げられた所で試合を止めそうになったらしい。

他の班員に比べると戦闘力が低いくのいち同士の対戦。
いのの策略が成功し心転身の術にかかり、サクラは操られて棄権を宣言させられそうになったが、すんでの所でサクラが抵抗し、心転身の術を破る。
心転身の術にかかった後に術者の精神を追い出して術を破る事は本来あり得ないとはカカシの談*10
アスマは「いののチャクラ不足で術が不完全だった」、カカシは加えて「ナルトの声援で呼び覚まされたサクラのいのへのライバル心」と分析していたが、戻ったいの本人は「精神が2つあるなんてどういうことよ!」と憤慨しており、実際にそれまで「内なるサクラ」と称してギャグ描写されてきたサクラの本性がまるで別人格であるかのように内部で抵抗していた。
その後は女の意地のぶつけ合い(と言う名の泥仕合)の結果、ダブルノックアウトで両者敗退。

くのいち同士の試合その2。
しかしこちらは明確に戦闘用の術を修めている忍の対戦。
…なのだが、テマリの方がレベルが相当上だったのか*11ガイが「ここで使うのか」と漏らした奥の手を披露したにもかかわらず、
武器ごとまとめて風遁で吹き飛ばされ、一撃を与える事もできないままテマリの勝利となった。

なお原作ではこの試合描写は完全にカットされている

キンは音隠れチームの1人、くのいち。
鈴の音を使った時間差千本投げと幻術によってキンが優勢になったかのように見えたが、ワイヤーの影に偽装されたシカマルの影に気づかず影真似の術にかかる。
同じ動きをするだけなので手裏剣でも投げれば相打ちになる、とタカをくくるキンに対し、お互いの立っている場所の違いまで把握したシカマルの「背後の壁に頭をぶつけさせる」と言う攻撃でキンは失神。
シカマルの立っている場所は後ろにスペースがあったが、キンが立っている場所はすぐ後ろが壁だった。
シカマルの勝利。

キバと赤丸とのコンビ体術で翻弄されるナルトだったが、赤丸をキバの姿に変化させての体術を逆手にとってナルトまでキバの姿に変化して攪乱される。
変化自体は匂いですぐバレたのだが、そこは意外性ナンバー1。
やられた瞬間「キバの姿から即座に赤丸に変化する」という騙しテクニックによって「間違えて本物の赤丸を殴ってしまった」と勘違いしたキバが自らもう片方=本物の赤丸をKO。
1対1に戻る。
それでもキバの速度にナルトが追いつけず、キバが有利であることにかわりはなかったが、背後を取った瞬間に予想外のをかまされ悶絶。
その隙をついてナルトが勝利。

日向の白眼と柔拳を使う者同士の戦い。
圧倒的な実力差から終始ネジが優勢に戦う。
ネジによって点穴を突かれチャクラを封じられ絶体絶命に陥るもナルトのために必死で食らいつくヒナタだが、宗家への恨みを持つネジはガイから「宗家とのことで揉めるな」と約束させられていたにもかかわらず、一切容赦することなくヒナタが死ぬ寸前レベルのダメージを与えて勝利した。
しかし決着がついても尚ネジがヒナタを攻撃しようとしたため、ガイ、ハヤテ、カカシ、紅が4人がかりでネジを制止した*12

予選の中で最も激しいながらもベストバウトとも言われる試合。
砂の盾のオートガードの前に手も足も出ないと思われたリーであったが、ガイの許可を得て重りを外して圧倒的なスピードを披露、
盾のスピードを上回る高速打撃で我愛羅にダメージを与えていく*13
が、もう一つの防御たる砂の鎧に阻まれ有効打が入らないと悟ったリーは表蓮華を発動するも、技の途中にほんの一瞬痛みで顔をしかめた隙に砂の鎧を身代わりにして抜け出されて回避される。
不利な状況となったが、リーは自身の忍道を貫くため、裏蓮華を発動。
自分の身を犠牲にしつつ、我愛羅も「これが人間の動きか」と驚愕する*14ほどの大打撃を与えるが、背の瓢箪まで砂に変えてのフル防御で我愛羅は辛うじて耐えきり、リーは我愛羅の反撃で手足を潰され戦闘不能に。

最後のトドメの直前にガイが乱入し最悪の事態だけは防ぐものの、これによりリーの敗退が確定。
しかし、ハヤテが我愛羅の勝利を宣言しようとした直前、五門まで開けた反動に加えて手足の粉砕骨折で立てるはずがないリーが立ち上がっているのを見て声が止まる。
慌ててガイが確認するも、リーが意識を失ってもなお立ち上がろうとしていた事に気づき、涙する。

ドスは音隠れチームの1人。
「音攻撃は耳が出ていなければ効果が無い」+「回転していれば耳を狙えない」との理屈に基づいた耳栓状態の肉弾戦車で挑む。
やけに単純な理屈のように思えるが、観戦していたシカマルがその戦術に自信を持っていた様子だったので、こんなんでもシカマル発案の作戦の模様。

しかし実際には、壁にめりこみ回転が止まった隙を突かれ音攻撃を食らう。
7割以上が水で構成されている人体は容易に音を伝えるため、耳栓関係なしに音を撃ち込まれ失神、ドスの勝利。
しかも手加減されていた*15

20人が半分になり、さらにそのうち1組はダブルノックアウトで勝者も残っていないため、最終的に9人が本選出場となった。

◆第三次試験(本選)

諸大名などの招待客の都合や、予選で手の内を明かしてしまった者のための修行期間として1か月後に設定された本選。
ただし、ドス・キヌタは事前に我愛羅を闇討ちしようとして返り討ちに遭い、棄権扱いになった。
そのため、第三次試験予選終了時にくじ引きをして決定された9人仕様で0回戦が1つあった形から、8人の平坦なトーナメントに変わっている。

サスケ vs 我愛羅の試合は当初の予定では第2試合だったのだが、サスケは開会式にも姿を見せず遅刻。
「時を軽んずる者は如何に優秀でも中忍の資格は無し」として失格にされかけるが、「私自身を含めて大名たちは殆どサスケの試合を目的にここへきている」という風影に扮した大蛇丸の提言もあり、特別措置としてサスケの試合は一番後ろに回された。

  • うずまきナルト vs 日向ネジ
ネジの圧倒的強さから消化試合と見られていた試合であり、開始直後はその通りに一方的な試合が続く。
ヒナタへの一件からナルトは食らいつき、凄まじい数の影分身を出して猛攻。
あえて影分身の1体を引かせておくことで「反撃を受けない安全圏にいるのが本体」というセオリーを逆手にとって本体を偽装して逆襲するが、それも日向体術の奥義の一つ・八卦掌回天で全て弾かれてしまう。
そしてついにナルトも点穴を突かれチャクラを練る事ができない状態になり絶体絶命となるが、ナルトが絶対負けられないという思いから九尾のチャクラを引き出したため状況は再逆転。
九尾チャクラを纏ったナルトと八卦掌回天が正面から激突し、ネジが辛うじて耐えナルトは失神したかに見えたが、弾き飛ばされてすぐに影分身と入れ替わり、本体は地中を掘り進んでいたナルトの奇襲でネジがノックアウト。
観客にとっては完全に予想外だった、ナルトの勝利に終わる。

  • 油女シノ vs カンクロウ
「計画」の前に仕込みカラクリを見られる事を嫌ったカンクロウが試合開始前に棄権。
戦うことなくシノの勝利に終わった。

サスケの試合が後回しになったことによるブーイングの中、やる気ゼロのシカマルの試合。
冷静に影真似の術の射程限界を見切り、射程外から風遁による攻撃を繰り返すテマリのペースで試合が進んだが、陽が傾いたことによる影の面積の増加による射程延長に加え、二重三重にも張り巡らした策さえも囮にし、前の試合のナルトの穴を利用した背後からの影真似でついにテマリを捕捉。
勝負は決したかに見えた。
…が、チャクラ不足で追撃が不可能となり、影真似の術で縛っている状態のままシカマルが降参宣言。
試合自体はテマリの勝利に終わった。
そして2人の馴れ初めとなった。

  • うちはサスケ vs 我愛羅
ギリギリで到着したサスケの試合。
リーと同等の体術スピードを身に着けたサスケは砂の盾をすり抜けて我愛羅に打撃を加えていくが、リーとの試合と違って守鶴の力を表に出し始めた我愛羅は砂の殻に閉じこもってしまう。
単純な体術では突破不能になった砂の護りを新術・千鳥で強引に貫くが、それによって傷を負った我愛羅は暴走しかける。
しかし、ここで砂および音の「木ノ葉崩し」作戦が始動され、試合はうやむやに終わってしまった。

◆その後

木ノ葉崩しが始まったことで2回戦目以降が行われなかった本選だが、戦争が落ち着いた所で改めて協議がなされた。
そこで
  • 1回戦で敗退したものの、その戦闘内容は事実上の勝利であった点
  • 高い戦略構築能力、および自身の状態を冷静に見極め、勝利に固執しなかった点
これらを評価されたシカマルのみが、中忍に昇格している。

逆に、高い戦闘力を見せたネジおよびそれに勝利したナルトは(観戦していた中忍のコメントではあるが)「あれは中忍には向いてない、一介の下忍としてはアリだがな」と評されてしまっている。
3年後はネジが上忍に昇格したため立場が逆転してしまった。

ただ、この試験でもっともツイていなかったのはシノだろう。
カンクロウが棄権したために1回戦を不戦勝になった挙句、そのまま試験は中止。
予選を勝ち抜いたにもかかわらずただ一人だけ本選に参加できず、能力を評価される余地自体がロクに与えられなかった事になる。
実際に予選でザク・アブミと交戦したときには、蟲を扱いこなした無駄のない戦いを見せており、ちゃんと試験で戦えば相応に評価された可能性はある*16



◇木ノ葉・砂共同主催試験

アニメオリジナルエピソード
疾風伝において、我愛羅の回想から入る形で描かれた試験。
ナルトが修行に出ている間(第一部終了から2年後)の話であるため、当然彼は参加していない。
なお、序盤の会議でのやり取りから、第一部の中忍試験には総勢153名が参加したことが判明している。
またペイン畜生道(2代目)の素体となった雨隠れのくの一・アジサイや、七尾・重明の人柱力である美少女フウなどが登場している他、ペインと小南及びフウとシブキ(滝隠れの里長)の会話から、原作で一切語られなかった滝隠れが七尾を与えられた経緯や第一部の時点では山椒魚の半蔵が存命だったことが判明した。
アニオリの非常に濃い連中がぞろぞろ登場しており、全部描写すると項目の長さがエライことになるため、ざっくりと説明するにとどめる。
なお、試験官は木ノ葉側からはシカマル、砂側からはテマリが担当。……もはや何も言うまい。

◇開催に至るまでの経緯

木ノ葉崩しにより三代目火影と四代目風影が死亡し、試験そのものも有耶無耶になってしまっていたが、綱手と我愛羅がそれぞれ火影と風影に就任し里も安定してきたため、2年ぶりに中忍試験を開催する流れとなった。
綱手は中忍試験で里を開放することでや表面上平穏を装う五大国の反応を見ようとしていたが、我愛羅は自身の風影就任披露も兼ねて今回の試験を砂隠れ主催で行いたいと申し出る。
ご意見番達は前回の仕切り直しも兼ねた試験のため木ノ葉主催でなければ筋が通らないと反対したが、綱手の裁量で一次試験(筆記)は木ノ葉、二次試験(サバイバル演習)は「これまでの死の森は試験場として知られ過ぎた」ため砂隠れで行うことでご意見番と我愛羅も納得した。しかし我愛羅が砂隠れ主催に拘ったのは自身に対する反乱分子を炙り出す狙いがあり、事実砂隠れでは我愛羅の失脚を目論む砂上層部の上役達がクーデターを企てていた。
その後砂は前回より1チーム少ない8組(計24名)の参加を表明したため、綱手は共同で試験を行っていた里(雨、滝、草)と当時はまだ交流のなかった五大国の隠れ里(雲、霧、岩)に書状を送った。
各里の反応は以下。
  • :木ノ葉の思惑に乗りたくないため、「里内の所用が忙しく準備が間に合わない」と返答し無視を決め込む。ちなみに四代目雷影はこの件は他言無用としたが、ダルイがキラービーに喋ってしまったため、木ノ葉でライブをやろうとするビーの対処にも追われる羽目になる。
  • :既に水影は五代目のメイとなっていたが、四代目水影・やぐら失踪からあまり時間が経っていないのか、血霧の里からの建て直しが急ピッチで行われていたため、余裕がなく参加を辞退。
  • :雲と同じ理由で辞退(書状を突き返してきた)。
  • 雨:ペインの指示で他里に「雨隠れは未だ半蔵が治めている」と思わせるために前回と同規模の下忍を参加させる。
  • 滝:フウが無断で参加申し込みをしてしまったため、里長のシブキから「人柱力であることを秘匿すること」「滝隠れの名を高めること」を条件に参加を認められる。残り2人は護衛兼監視役として下忍を装った上忍が同行する。
  • 草:2チーム(計6名)の参加を表明。

ちなみにサクラはナルトとサスケが不在のため、参加資格がなかったが、同じくシカマルが一足先に中忍となったことで欠員が生じた第十班に入れてもらうことで参加資格を得た。

◇第一次試験

二問構成。
スリーマンセルを三つの部屋に分断し、解答用紙を配布。
書かれている三つの問題から一つだけ選んで解答。各問題の配点は30点・40点・50点となっており、スリーマンセルの点数を最終的に合計。
その時に、
  • 合計点が100点を超過した場合失格
  • 全体の平均点を下回った場合失格
となる。禁止事項は戦闘行為のみ。
ここではネジが頭のキレの鋭さを見せ、戦闘が禁止されているのみでありカンニングすら問題ではない、ということをまず提示。
シカマルの意図は分断された状態での意思疎通・情報共有を図ることとそれを実行できるかを見ることであり、「自分たちがどの問題を解くか」あるいは「仲間にどの問題を解かせるか」を知らせることがキモである。
これに対し各チームの対処は、

  • サクラ・いの・チョウジ:心転身の術で意思疎通
  • 砂隠れのあるチーム:「砂文字」という術で報告
  • 雨隠れのチーム:スイレンの「感知の術」でアジサイのサインを感知
  • 滝隠れのチーム:フウの術(恐らく七尾の能力の応用)で疎通

とそれぞれの方法を使ったが、途中で多くのメンバーが「大声で叫ぶ」手段に訴えたため大混乱。
そこでネジが一旦場の注目を集め、「壁を叩いた回数で自分たちが解く問題を教える」という方法を提示した上で、「妙に思った奴に邪魔をされないため、事情を全部話して全員でクリアする」という理屈を述べる。
ここでネジが仲間に伝えようとしたのは40点の問題=壁を叩く回数は4回だが、代わりに叩くと言い出した砂の忍(砂文字を使用したチーム)は「誰かが落ちなきゃ意味がない」と5回叩いた。
が、ネジはこれも想定済み。曰く、

「別に5回なら5回でかまわない。3回でもよかった。メッセージを出せればどれでもな」

要するにこの方法は「仲間二人に同じ問題を解いてもらい、自分はそれと足して100点になる問題を解く」というものであるため、伝わりさえすれば何回でもよかったのである。*17

続く第二問はシカマルからの質問で、「スリーマンセルで敵に囲まれた。囮を一人残すとしたら、今のチームの中では誰か。なお囮は確実に死ぬものとする」を回答せよ、というもの。
三人の意見が一致しなければそのチームは失格、一致しても囮に選ばれた一人は失格となる。囮の名前を解答用紙の裏に書いて提出する。

ちなみにサクラは「もしナルト・サスケとの三人だったら」とぼんやり想像しており、「その三人ならナルト。絶対自分で言い出す」と思っていた。ちなみにその空想ではナルトの答えが「オレ」だったために×。

サスケ「このウスラトンカチがァ!」
ナルト「うっせぇ! 大体二人揃って答えがオレって何だよ!?」
サスケ「お前こそ答えが『オレ』ってのは何だよ!? お前が自分で自分を選ぶだろうからってオレもサクラもナルトにしたんだろうが! お前が『オレ』と書くなんて読めるかァ!」
ナルト「ひでェよ二人とも!? 仲間を大切にしないヤツは忍のクズだー!」

なんてのは余談。
ちなみに正解は「名前を書かない」こと。仲間を大切にしないヤツは……というわけである。

ちなみに第一次試験と同時刻に綱手とご意見番達は既に暗殺未遂も発生しているにもかかわらず我愛羅が二次試験の試験監督を行うことや砂隠れ側が二次試験の試験官は砂隠れ側からしか出さないといった姿勢に疑問を持ち始める。
更にご意見番達は志村ダンゾウから雨隠れの長である半蔵と連絡が途絶えたことを聞かされたことを綱手に伝え、雨隠れに書状を届けたカカシからの情報も合わせ、雨隠れからの受験者には用心するようなる。

◇足きり競争

ここからは砂が担当。スリーマンセルのチーム戦となり、三人揃っていない場合はここで失格となる。
合格者が多すぎたため足きりとして砂隠れまでの競争を行うことになり、下位30名は失格。
ちなみにルール説明をしたテマリの「以上!」がスタートの合図となっている。

◇第二次試験

砂隠れの難所である「魔の砂漠」での巻物の取り合い。ルールそのものは木ノ葉で行われたものと同じだが、環境の過酷さが比にならないため、2日間をかけて行われた。
ここに来て濃いアニオリの忍達が真価を発揮し始める。主に第十班withサクラ、第八班、第三班の視点から描かれる。

上記の通り試験の裏では砂上層部が我愛羅失脚のためのクーデターを進めており、終盤で分福の流れをくむ「法力」を操る僧・ホウイチが砂の忍を襲って助けに来た我愛羅を罠にはめ、守鶴(と、一緒に助けに来たフウの重明)を引き抜こうとする事件が発生。
これは途中で第三班が割り込み、我愛羅を助けに戻ってきたマツリとフウを追ってきた滝隠れチーム(下忍を装った監視役の上忍)も加勢したことで阻止されたが、結局試験はここで中止。
ここまでの試験結果を各里に送り、合否はそこで判断されることになった。

結果、木ノ葉の受験者はモブを除き主要キャラは全員合格。中でも一次試験での統率力、二次試験での風影救出の功績などが認められたネジは一気に上忍に任命されている。
なお、雨隠れの三人組も合格となったが、アジサイは直後の任務で戦死しており、フウは護衛役の上忍たちと帰還途中に角都飛段に襲撃されている(時系列等からこの時重明を引き抜かれて死亡したと思われる)。


BORUTO‐ボルト‐

木ノ葉隠れの里・砂隠れの里・雲隠れの里・霧隠れの里・岩隠れの里による史上初の五里共同開催で、各里から計32チームが参加(チーム数はアニメ版で判明)。
ただの武器や道具と言うには効果が大きく、しかも本人の実力に依存しない「科学忍具」の普及により、「科学忍具の使用は禁止」というルールが加えられている。
なお、代理戦争という元々の名目はそのままだが、各国が軍縮や平和路線を進めていることもあり、比較的負傷の危険性が低い競技になっているほか、試験を全て別日に実施するなど受験者が十分なコンディションで臨めるようになっている。

◆第一次試験

◯✖クイズ。
「不正解の方は真っ黒になります。」とサイからの説明があり、いざ出題。

【問】
忍軍師捕物帳五巻に登場する忍合言葉。
月と言えば日、山と言えば川、花と言えば蜜である。
◯か✖か?

しかしこの試験問題、〇と✖の穴どちらも不正解で、○✖マークの下には墨汁の池が張られた穴が掘られている。
つまり、穴に落ちて墨汁で真っ黒になったら不正解として失格、工夫して穴に落ちなかったら正解として合格、というルールが隠されている。

なお、アニメ版では試験説明の場所から問題が出題される試験会場までのレースが追加されており、1時間以内に辿り着けなかったり途中のトラップで行動不能になったりしたら即失格となる。
更にルール説明の時点でサイが持つストップウォッチは動いているため、いち早く気付く必要がある。

レースも含めたこの試験で全体の4分の3にあたる24チームが脱落し、木ノ葉4チーム、砂1チーム、霧2チーム、雲1チームの計8チームが合格。
合格チームの落下回避方法は以下。
  • 木ノ葉:第七班(ボルト、サラダ、ミツキ)はサラダのワイヤーとミツキの伸縮する腕を用い、第十班(シカダイ、いのじん、チョウチョウ)はシカダイが壁に掴まり影縛りの術で残り2人を支え、第五班(イワベエ、デンキ、メタル)はイワベエが土遁で足場を作り、第十五班(スミレ、ワサビ、なみだ)は鵺のチャクラに全員が掴まることで落下を防いだ。
  • 砂:シンキの砂鉄に乗ることで落下を防いだ。
  • 霧:撰歌三兄弟は足裏にチャクラを集めて墨汁の上に立つことで落下を防いだ(もう1チームは不明)。
  • 雲:ユルイの巨大風船ガムに乗ることで落下を防いだ。

◆第二次試験

チーム戦での旗の取り合い。
自分達の陣地の旗を守りつつ敵陣地へ攻める攻防戦。
先に相手チームの旗を取った方が勝利。

アニメ版での組み合わせと結果

  • 第七班vs霧隠れチーム(撰歌三兄弟)
第七班の勝利。
序盤は撰歌三兄弟が優位だったが、ボルトがこっそり科学忍具を使用して全員を撃破したことで形勢が逆転した。
(そのため、本来なら失格)

  • 第十班vs霧隠れチーム(モブ)
猪鹿蝶の連携プレーにより第十班の勝利。

  • 第十五班vs雲隠れチーム
雲隠れチームの勝利。

  • 第五班vs砂隠れチーム
シンキが一人で完封勝利。

◆第三次試験

ここからは個人でのトーナメント戦。二次試験との間に数日の準備期間が設けられている。

組み合わせと結果(試合詳細はアニメ版で判明)

一回戦
  • ユルイvsボルト
ボルトの勝利(実際は科学忍具使用による不正)。

  • シカダイvsヨド
シカダイの勝利。
高周波を操る術や心拍数の変化まで聞き取る聴力を持つヨドに苦戦するも、起爆札の爆発音で他の音をかき消した隙に影縛りを成功させたシカダイが勝利する。

  • サラダvsタルイ
サラダの勝利。

  • いのじんvsアラヤ
アラヤの勝利。
起爆札の爆発にも動じずに突っ込んできたアラヤが勝利する(この時点ではアラヤの無反応のカラクリは判明していない)。

  • トロイvsミツキ
ミツキの勝利。
トロイは雷遁で筋肉に送られる電気信号を加速させて超スピードを発揮するが、ミツキは自身の蛇を絡み付かせることでギブアップさせる。
なお、ミツキは当初仙人モードを使用しようとしたが、今後のことを考え使用しなかった。

  • チョウチョウvsシンキ
シンキの勝利。
チョウチョウはこれまで使いたがらなかった肉弾戦車を使用するなど奮戦するも、攻防一体型の砂鉄は破れなかった。

二回戦
  • ボルトvsシカダイ
ボルトの勝利(実際は科学忍具使用による不正)。

映画版ではボルトvsシカダイ戦の直後にボルトの不正が発覚し、大筒木モモシキ&キンシキが乱入したため試験はここで中止となり、合格者は無しだが、アニメ版ではボルトの不正発覚やモモシキらの乱入が決勝後に変更されたことで各試合の詳細が模写されている。
以下はアニメオリジナル。

  • サラダvsアラヤ
サラダの勝利。
サラダは写輪眼でも追いきれず幻術も効かないアラヤに苦戦するも、アラヤから伸びるチャクラ糸を見つけたことで相手が傀儡だと見抜き、傀儡をそのまま破壊した。
なお、闘技場の外から人形を操っていたアラヤ本人は「試合中に闘技場から出たわけではない」ためルールには抵触しなかった。

  • ミツキvsシンキ
シンキの勝利。
ミツキの蛇を使った攻撃は殆ど効果がなかったが、雷遁により初めてシンキの砂鉄のコートを引き剥がすことに成功する。しかし身体に付着した砂鉄にマーキングを施されたため、防御不能の攻撃を受ける前に今後のことを考えてギブアップした。

決勝戦(勝ち残り3名によるロワイヤル)
  • ボルトvsサラダvsシンキ
ボルトの勝利(実際は科学忍具使用による不正)。
シンキが先にサラダを撃破したが。ボルトが科学忍具でカカシの「紫電」を繰り出したことでシンキを撃破する。


◆その後

アニメ版では試験から暫く経った頃に合格者の選定が行われ、サラダ、ミツキ、スミレ、デンキの4名が候補に上がる。
しかしミツキは協議直前の岩隠れでの騒動の中心人物だったことから除外され、残った3名の中で最も能力が優れていたサラダが合格になりかけたが、先の騒動でミツキ追跡のため無断で里抜けしたことなどをサスケとシカマルから指摘され除外。
最終的に、同事件にて「下忍たちの指揮を執りうまく動かした」「敵陣の情報を木ノ葉に伝えた」という実績に加え、「立場上里から簡単に動けないシカマルの『代わり』を務められる」という点を考慮し、シカダイが合格となった。


◇木ノ葉隠れのみの試験(BORUTO)

アニメオリジナル。
上記の通り中忍試験の合格者選定は一度は行われたものの、試験自体は流れたままだったことに加え、謎の組織・「」の暗躍や大筒木イッシキの襲撃もあり、里の防衛体制の見直しと隊長クラスの中忍の増員のためナルトが改めて試験の開催を提案した。
なお、科学忍具の使用も制限付きで解禁されている。

なお、他里でも独自に中忍試験を行っているらしい。

◇第一次試験

筆記試験。試験官はサイ他数名。
合格基準は平均点が70点を超えた班のみで、班員が3名の班なら合計得点210点、2名の班なら140点が合格ラインとなる。

「試験官の目を盗んで協力するのも忍の技術のうち」とカンニング行為も黙認されるが、カンニングが発覚した時点で即失格となる。
試験で行われたカンニング方法は以下の通り、
  • 第七班:ミツキの蛇を使ったカンニング。
  • 第十班:いのじんの超獣偽画でチョウチョウの答案に答えを書き込む。なお、シカダイが先に中忍になった関係でこの班のみ2名で参加している。
  • 第五班:デンキの科学忍具で他の2名がデンキと同じ動きをすることで回答を合わせる。
  • 第十五班:ワサビの忍術によるカンニング。
  • 第二十五班:ハコのぬいぐるみ(傀儡)によるカンニング。

ちなみに発覚したカンニングの中には本体が教科書を持って天井に張り付き、そこから傀儡人形を使って答えを書いていたものもある。

この試験で9組26名*18が合格した。

◇第二次試験

一次試験の翌日に「死の森」で行われる実技試験*19
隊長としての素質をはかる実戦を想定したテストで、敵地と仮定した「死の森」に部下が取り残されたため、受験者は隊長として部下を救出し、スタート地点まで戻ってくることが試験内容。

一次試験と異なり個人戦で、制限時間は45分、森には敵役に扮した中忍も待ち構えている。
更に部下役の数は10名で、合格は先着順となる。
また説明中にフライングで森に入った1組が野生動物に襲われて脱落したため8組23名の状態でスタートした。
なお、森内部の様子はモニタリングされており、ナルト、シカマル、サイが評価を行っている。

この試験でツバキ、ホウキ、いのじん、チョウチョウ、デンキ、ワサビ、イワベエ、ミツキ、サラダ、ボルトが合格となる。
それぞれの通過方法は以下の通り
  • ツバキ:実力は既に中忍クラスと評価されており、野生の巨大ムカデに襲われていた部下役を救出しトップで通過。
  • ホウキ:チームメイトのハコとレンガが敵役を足止めすることで通過。
  • いのじん、チョウチョウ:それぞれが秘伝忍術を用いて通過。いのじんが超獣偽画に乗っていたのに対してチョウチョウは当初走っていたが、転がった方が早いと肉弾戦車で部下役ごと転がっていた。
  • デンキ:発見した部下役はかなりの巨漢だったが、根性で持ち上げてスタート地点まで戻ってきた。元々前回の試験で中忍候補に上がったこともあり、豊富な知識、情報分析力、作戦立案能力も高く評価されていた。
  • ワサビ、イワベエ:当初は部下役をどちらが先に見つけたかで喧嘩をしていたが、最終的にもう一人を発見してほぼ同時に通過。
  • ミツキ:敵役を倒しつつ通過。
  • サラダ:スタート地点に戻る途中、変化の術でミツキに化けたミライと交戦し、残り29秒で通過。
  • ボルト:部下役を救助後に手柄を横取りしようとして負傷した別の下忍を助けたことでタイムロスし、タッチの差でゴールできなかったが、負傷者を助けたことなどが総合的に評価され、通過となる。

当初は三次試験はないと説明されたため、通過者達はこれで中忍になれると思っていたが、「三次試験がないだけで最終試験はある」ため、このまま最終試験が行われる。

◇最終試験

1対1の個人戦で、勝ち残った5名が中忍昇格となる。
  • いのじんvsホウキ
ホウキの勝利。
ホウキは土遁による広範囲攻撃と自身の記憶能力に加えて暗部仕込みの緻密な戦略でいのじんを翻弄し、いのじんは隙を突いて心転身の術を使うもホウキは対精神攻撃用の防壁術*20を修得していたことで術を跳ね返してそのまま勝利。

  • イワベエvsワサビ
ワサビの勝利。
ワサビは当初両親や一族の長老からの期待によるプレッシャーから、大きい夢を持つイワベエと試験中に喧嘩になるが、イワベエの言動により立ち直り、彼がチャクラを出し切り戦意喪失したことからそのまま勝利となった。

  • サラダvsチョウチョウ
サラダの勝利。
サラダは当初無意識のうちに手加減をしていたが、チョウチョウから親友に手加減していることを指摘されたことで覚悟を決め、互いに本気で闘った末にサラダが勝利。

  • ボルトvsミツキ
試合放棄により勝者なし。
2人は試験開始前にたまたまアマド誘拐事件に遭遇したことで犯人達を追跡しそのままアマドを救助したものの、現場から里に戻るまでに試合開始時間となったため、試合放棄として両者失格となった。

  • デンキvsツバキ
デンキの勝利。
試合放棄で棄権になったボルトとミツキの試合の繰り上げでツバキと対戦。カタスケの試作品の科学忍具(パワーアシストスーツ)を使って参戦し、擬似的な雷遁で筋肉を強化しツバキを行動を先読みして優位に立つも仕組みに気付いたツバキに要のゴーグルを破壊される。しかし、奥の手として自力での雷遁を繰り出したデンキの勝利。



◇試験後

この頃になると班の中から中忍昇格者が出た場合、それまでの担当上忍が外れ、中忍昇格者を新たな隊長にしたスリーマンセルとなる規則が出来ている(班のメンバー補充は原則行われない)。







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最終更新:2024年03月26日 21:41

*1 忍者学校を首席で卒業したサスケが「一問たりとも分からない」とぼやくほど

*2 後述のカンクロウの件からすると、能力や創意工夫に見るべき点があったり、試験ではなくて実戦なら逆に有効だと思える点があればある程度は大目に見られていた可能性はある

*3 イビキにはバレていたがお咎めなしだった

*4 恐らく受験生の中でも最もバレる確率が低いカンニングと思われる

*5 事実ナルトや我愛羅は下忍のまま影の座に就いた

*6 他の参加者はカンニング前提である事を見抜いてカンニングに勤しんでいたところ、そこだけはバカ正直にカンニングを拒否している。実際、途中で隣の席だったヒナタに回答を見せる事を提案されるが、断っている。

*7 ちなみにこの時は全く描写されていないが、恐らくこの少し前、別の里から参加していた香燐がサスケと遭遇している。

*8 実際に開いてしまった者たちは一瞬で昏倒させられ、事実上のリタイアとなった

*9 大蛇丸が天の巻物を燃やしたため、本来よりも二次試験の合格者は減っているのだが

*10 終盤ではオビトが実行しているが、本来ならば彼のレベルの実力が必要と思われる

*11 忍具しか攻撃手段を持たないテンテンに対し、広範囲に強力な物理攻撃を与えられるテマリとは相性は悪かった

*12 アスマは面倒だったのか、自分が止める必要もないと思ったのか唯一止めに入らず、シカマルに突っ込まれていた

*13 なおこの時の打撃までカンクロウは「我愛羅に傷をつけた奴は一人もいない」と言っていたため、砂のあらゆる忍を含めてリーが初めて砂の防御を破った人間の模様。

*14 余談だが、第四次忍界大戦でもリーの師・ガイが使った八門遁甲の陣に対しても我愛羅が同じ驚き方をしている。

*15 現実にも人体は水分だけでなく骨が音を伝導するため、仮に耳栓していても直接体に接触して音の振動をぶつけられると音が伝わる。

*16 これについてはシノは能力が強すぎるため、他と比べて活躍させにくいと言われている

*17 つまり3回叩く=叩いた部屋の者が40点で仲間二人が30点、4回叩く=3回叩いた場合と同様、5回叩く=叩いた部屋の者が白紙(0点)で仲間二人が50点の問題を解けというメッセージになる。

*18 スリーマンセルの班が9つのため本来は27名だが、上記の通り第十班は既に中忍のシカダイを除いた2名で参加しているため1名少なくなっている。

*19 「死の森」は長らく使われていなかったため、受験者は森のことを知らなかった。

*20 本来は下忍レベルではかなり高度な訓練で精神崩壊するリスクもある。