地名(クトゥルー神話)

登録日:2018/03/21 Wed 21:28:31
更新日:2024/02/19 Mon 10:00:49
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この項目では、クトゥルフ神話に登場する地名についてまとめている。
作家達が自分独自の地名を作り出して世界観に深みを持たせる手法もまた、クトゥルー神話の魅力である。


インスマス

アメリカ・マサチューセッツ州マニューゼット河河口の寂れた港町であり、現在は疫病と暴動で衰退したゴーストタウンである。

住人は「インスマス面」と呼ばれる魚面をしており、年齢を経るにつれ、体毛が非常に少なくなるなどさらに奇怪な容貌に変化していく。

沖合に悪魔の岩礁と呼ばれる場所があり、夜な夜な人ならぬ者達が現れる。
そう、彼等は「深きものども」と人間の混血なのだ。
「深きものども」はいわゆる半魚人である。
老化では死なず、深海に棲み、クトゥルフを信仰する。

元々人間との混血のため、人間との間に子供を作ることもできる。
「深きものども」の血の影響は非常に強力であり、たとえ少ししか混じっていない混血であってもその影響からは逃れられず、
若い頃は普通の人間とあまり変わらない、所謂「インスマス面」ではない容姿であったとしても、
いずれは「インスマス面」になり、深海に棲むようになる。


狂気山脈

もしかして:女装山脈

南極を横断する最高峰34000フィートの山脈。
かつてこの地は「古のもの」が支配しており、その興亡の歴史を刻んだ壁画や、化石などが残っている。

現在は「古のもの」が作り出した奴隷生物だった「ショゴス」が野生化しており、上記の遺跡はその巣窟となっている。


ルルイエ

クトゥルフの神殿であり墓所。
かつてのアトランティスの一部である、古代の石造都市。

現在は南緯47度9分、西経126度43分の海底に沈んでいる。

ルルイエはいつかまた浮上し、そのときクトゥルフは復活し、人類は滅びる。



「ルルイエの館にて死せるクトゥルー


夢見るままに待ちいたり]


アーカム

インスマスと同じくマサチューセッツ州にあるミスカトニック河流域の都市。
元ネタはかのセイラム

東部にはキングスポート、街道を進めばインスマス、河を遡ればダンウィッチに行き着く結節点のような場所。

クトゥルーの大学関係者がだいたい関わってたりネクロノミコンが保管されてたりするミスカトニック大学もこの地にある。

アーカムハウスの名前の元ネタ。
アーカム計画』やら『バットマン』のアーカム・ アサイラム やら『スプリガン』の組織アーカムやら『デモンベイン』のアーカムシティやら他にも色々な元ネタにもなっている。


ダンウィッチ(ダニッチ)

インスマスと同じくマサ(ryにある農村。

言わずと知れた『ダンウィッチの怪』の舞台であり、つまりヨグ=ソトースの落とし子であるウェイトリー兄弟の出身地。
この事件(1928年)の後はやっぱり衰退してしまったようだが。


ドリームランド(幻夢境)

ぶっちゃけここ全体よりもカダスやレン高原のほうが有名な気がするがとにかく精神世界や夢の世界に存在する地。
そのため銀の鍵ドラッグの力や精神の病理がなければ行くことはできない。

ただし元々は御大としては古代の地球に存在したイメージであったらしい。

「焔の洞窟」「深き眠りの門」を越えればたどり着くという。

門の先にある魔法の森、未知なる山カダス、灰色の荒涼たるレン高原、光の都市セレファイス(とその西部の海セレナリア)、雲の都市セレニアン、
縞瑪瑙の都市インガノック、滅びの都市サルナス
楽園都市ソナ=ニル、やはり滅んだ千の驚異の都タラリオン、犯罪と貿易の都市ダイラス・リーン、
神々の顔が彫られた山ンガラネク、ンガラネクやヤス湖や地下墓地ティルヒアを備えたオリアブ島、蛋白石の玉座にてランドルフ・カーターを頂くイレク=ヴァド、千の白い尖塔の都市トゥーラン、
神々の踊る山ハテグ=クラ、にゃんこ都市ウルタール、などの土地がある。

また地表だけでなく追放された四本腕の巨人ガグのいる地下世界やガレー船で渡れる月世界もある。

主な種族にシャンタク鳥、ナイトゴーント、グール、ガグ、ズーグ、ムーンビーストなどなど。


ブリチェスター/ゴーツウッド

それぞれイギリスの地名。イギリスの作家ラムジー・キャンベルがダーレスに、
「せっかくクトゥルー神話作品を書くんだし独自に架空の土地を作ってみない?」と指導を受けて作ったご当地クトゥルー名所である。

この辺に関してはダーレスも思うところがあったのか、
ラヴクラフトの残した短い遺稿から書き上げた作品群ではニューイングランド地方のインスマスやダニッチを舞台に選んでいるが、
非神話作品である郷土小説シリーズ『サック・プレーリー・サーガ』では地元ウィスコンシンに存在するという設定の架空都市サック・プレーリーを、
神話作品でありニャルラトホテプの有名な三本足の化身「闇に吠えるもの」が初登場した『闇に棲みつくもの』でも地元ウィスコンシンを舞台に選んでいる。

やっぱり自分に馴染みのある土地を舞台にするのが一番だな!


シュトレゴイカバール

ハンガリーのかっこいい地名。
黒の碑と呼ばれる謎の石碑が存在する村。

例によって胸のむかつくような蟇じみた実体が崇拝されていた土地だが、
オスマントルコの侵略でこれらの悍しい信仰は鳴りを潜めたかに見えた。しかし…。


ユゴス

太陽系・海王星の先に存在すると言われる未知の惑星。
メタ的にはラヴクラフトの作家活動中に発見された冥王星をモデルにして創作された星であり、
そういった事情から、後発の作品では冥王星と同一視されたり、似て非なる別の星とされたりと扱いが安定しない。
ミ=ゴと呼称される知的種族が地球で採掘作業を行うために赴くための前線基地を築いている。


夜刀浦

日本の地名。
こっちもご当地クトゥルー名所の一つで、日本の作家が書いた神話作品にも登場したりする。



これらの地名は創作上のもので、邪悪な祭祀との関連性も空想上のモノであることを私は理解している。
だが、ならば、これらの地名の不完全な解説を目にした時に感じる宇宙的恐怖や
名状しがたき追記・修正への衝動はいったい何なのだろうか?

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最終更新:2024年02月19日 10:00