バインド技(ポケモン)

登録日:2018/03/20 Tue 23:50:45
更新日:2023/12/16 Sat 08:33:28
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てきの アーボの こうげきは まだ つづいている



ポケットモンスター』シリーズの技の中には、相手を何らかの方法で拘束状態にする技というものもある。
拘束された相手は、規定ターン数の間は交代したり逃げることができなくなり、「テレポート」も失敗する。
これらの技で引き起こされる「状態」について、以前は呼称としては非公式に「拘束技」や「まきつく系の技」など異例もあったが、『サン・ムーン』以降は「バインド状態」と定義されている。


がいようの せつめいは まだ つづいている

主に相手を拘束したい時に使う技であるが、基本的にこの状態にすると相手にダメージを与え続けるため、
逃げやすいポケモンの捕獲に用いるにはリスキーである。
また対戦環境では一部を除き、ダメージを与えるという点で悠長すぎたりするという点でもあまりアタッカーには好まれる傾向にはない。
旅パでも攻略のテンポが悪くなりすぎる上に相手がポケモンを交換することが稀なので需要がない。

一方で、耐久性能が強いポケモンに対しては、「必ず割合ダメージを数ターン与えられる」技であるため、
ねちねちと攻めることに使われる傾向が高い。一応は攻撃技なのでちょうはつ対策になるのもポイントである。

バインドの詳細

世代ごとにバインドの仕様はかなり変わっている。

第一世代では、バインドにするわざを使用した場合、使用した側はそのわざ以外のわざを規定ターンまで使えなくなる。
じゃああんまり美味しくないじゃんと思うかも知れないが、なんと技を受けてバインド状態のポケモンは身動きが取れなくなる。
つまり、先手を取れれば命中し続ける限り相手は何もできなくなるということ。「はかいこうせん」や急所技、「ふぶき」ほど目立たないが初代特有のぶっ壊れ技である。
しかもコマンドを選択しないと身動きできないことは分からないため(ねむり状態も同様ではあるが)、かなり悪質である。
ただし交代はできるので主に交代を促すわざという印象か。なおラス1に撃つと酷いことになる。
このため、「どくどく」と組み合わせて相手をいたぶり殺す戦法が「インケン戦法」として知れ渡った。
使い手としては高速移動により麻痺の素早さ低下を無視することもできるカイリューファイヤー、「しびれごな」と組み合わせられるウツボットあたりか。
ちなみに、拘束している間に自分で交代した場合も相手は動くことが出来ないため、自分のエースを無償降臨させることにも使用できる。
この時代は1〜4ターン攻撃が持続する仕様だった。

第二世代では自分も相手も他のわざを使えるようになったかわりに、バインド状態のポケモンはターン終了時に
HPの1/16の割合ダメージを受け、交代ができなくなるように変更された。
持続ターン数は2〜5ターン。

第三世代では持続ターン数が3〜6ターンと強化された代わり、
ラストターンは「かいほうされた」というメッセージが出るだけでダメージは出ない仕様に変更された。
更に第五世代では5〜6ターンと持続ターン数も強化されたほか、わざそのものにもテコ入れがなされた。
そして第六世代では与えるダメージがHPの1/8に増大。
流石に第一世代の嫌がらせみたいな仕様ではないものの、それでも十分な脅威としては考えざるを得なくなっている。

その他の仕様については以下の通り。
  • 『しめつけバンド』を持っていると、与える割合ダメージが1/8(第六世代以降は1/6)になる。
  • 『ねばりのかぎづめ』を持っていると、そのポケモンのわざによるバインドは必ず7ターン数持続する。
  • バインド状態のポケモンに別のわざでバインドをかけることはできない。ターンも伸びないしダメージも増加しない。
  • 特性が『マジックガード』ならバインドのダメージを受けない。
  • 特性が『にげあし』ならバインドであっても逃走・「テレポート」ができる。
  • 『けむりだま』を持っていればバインドであっても逃走・「テレポート」ができる。
  • 『きれいなぬけがら』を持っていれば、バインドであっても交代できる。
  • ゴーストタイプならば、バインドであっても交代できる(XYよりゴーストタイプは交代封じ全般が効かない)。
  • 「とんぼがえり」「ボルトチェンジ」「クイックターン」や「バトンタッチ」による交代はでき、またバインドは引き継がれない。
    また「ほえる」や「ドラゴンテール」などの交代も防げない。
  • 「こうそくスピン」、「みがわり」でバインドを解除できる。また「みがわり」を出していればバインドにならない。


バインド技

  • しめつける
威力:15 命中:75→85(第五世代以降) PP:20 タイプ:ノーマル 分類:物理 接触:○ 範囲:単体
  • まきつく
威力:15 命中:85→90(第五世代以降) PP:20 タイプ:ノーマル 分類:物理 接触:○ 範囲:単体

基本的な拘束技。「しめつける」は「まきつく」より命中だけが下の完全下位互換技であるが、
教え技になっているために「まきつく」より習得者数が多い。
いずれも自力習得者は触手を持つポケモンや蛇系のポケモンである。
クイタランは「ほのおのムチ」で縛っているんだろうか。
某イラストサイトでは当たり前のようにR18やR18Gの絵のためのタグになっている。

「まとわりつく」登場以前ではツボツボのメインウェポンとして起用されてきた。
ACが期待できないツボツボにとって、「パワートリック」を使う以外でダメージソースを用意出来たわざとして重宝されてきた。

似たような性能なのだが何故か第8世代でも両方残っている


  • ほのおのうず
威力:15→35(第五世代以降) 命中:70→85(第五世代以降) PP:15 タイプ:ほのお 分類:特殊 接触:× 範囲:単体

第一世代ではバインドの仕様もあって「どくどく」と組み合わせてリザードンファイヤーが使うことはあったようだ。
まあ2匹とも「ふぶき」に弱かった(当時こおり→ほのおは等倍)ので選出されること自体が稀だったが。
第6世代での強化以降、特性『プレッシャー』や「はねやすめ」を駆使する耐久型のファイヤーでメインダメージソースとして採用され、再び脚光を浴びる。

なお初代の本編ではリザードンの「かえんほうしゃ」に上書きしてこれを覚えさせてしまい悲惨な思いをするプレイヤーが多かったとか。


  • うずしお
威力:15→35(第五世代以降) 命中:70→85(第五世代以降) PP:15 タイプ:みず 分類:特殊 接触:× 範囲:単体

「ダイビング」を使用している相手に撃つとダメージが倍加するという特徴を持つ。
かつては仕様が仕様だっただけにいろんな意味でからではさむの下位互換であった。
そもそも「ダイビング」自体環境でそこまで見ない。
心眼地割れ型ニョロボンが相手の交代を阻止する際に使う戦法が最も有名。

ジョウトのみ鳴門海峡をモチーフにしたうずまき島がダンジョンで存在するためひでんマシンに存在しているが、
技の効果とフィールド効果は真逆で、第二世代ではうずしおを消す、第四世代では乗り越える技になっている。
第二世代は逆回転の潮を起こすと納得しなくはないが、第四世代はどういうことなの…?


  • すなじごく
威力:15→35(第五世代以降) 命中:70→85(第五世代以降) PP:15 タイプ:じめん 分類:物理 接触:× 範囲:単体

第三世代から登場。砂嵐を起こして相手を閉じ込めるわざ。
それなら分類は特殊でも良さそうだが、砂粒がダメージを与えるからか物理技扱い。

特にナックラーに合う技であると言えよう。


  • からではさむ
威力:35 命中:75→85(第五世代以降) PP:10→15(第五世代以降) タイプ:みず 分類:物理 接触:○ 範囲:単体

第五世代でのバインド技テコ入れ以前は「マグマストーム」に次ぐ威力の高さだった。
また第三世代以前では「うずしお」の上位互換だったが、現在はこっちは物理技に切り替わったことや「うずしお」の強化もあり差は殆どない。
というか今だと物理特殊を無視すれば「ダイビング」している相手にダメージが倍加するあっちのほうが上位互換なのでは…?

覚えるポケモンはシェルダー系統、パールル、カメテテ系統である。
パールルの進化形であるハンテールサクラビスは覚えないが進化前から引き継ぎは可能である。
…けどどうやって挟むと言うんだお前ら。

ちなみにバインド技の中では唯一第8世代で廃止されてしまった
その為現在のからはこもるか破るしかない。どゆこと?

  • マグマストーム
威力:120→100(第六世代以降) 命中:70→75(第五世代以降) PP:5 タイプ:ほのお 分類:特殊 接触:× 範囲:単体

「ほのおのうず」の実質強化版みたいなわざ(命中はあちらに劣るが)。第四世代から登場。
ヒードラン専用わざであり、バインド技のくせに素で威力100と言う豪快な技。
が、命中率が酷い上に当初は拘束最低ターンが2ターンだったのでぶっちゃけ「だいもんじ」の劣化。
第5世代で命中率上昇・拘束最低ターンが4ターンになりようやく選択肢の一つに収まった。
第六世代では威力が多少下がった。
ただし第六世代は上記のようにバインドダメージ自体は増加したので、
以前ヒードランの技としては強い技であることは間違いない。
ヤードランでも採用できるとして選択肢くらいには上がっており、準伝説の面目躍如である。


  • まとわりつく
威力:20 命中:100 PP:20 タイプ:むし 分類:特殊 接触:○ 範囲:単体

第六世代から登場。
ツボツボの第六世代以降のメインウェポン。ツボツボのタイプと同じむしで威力も5上…というのはツボツボのACが低すぎるのでどうでもいいとして、
ノーマルでなくなったおかげでゴーストタイプ相手にもバインドをかけられることが強み。
ゴーストタイプはバインドを無視して交代できるものの、ダメージを嫌って交代するかダメージを受けると分かりつつ居座るかの二択を迫れるので必ずしも無駄ではない。
地味に特殊技のくせに接触技である(まあまとわりつくんだから接触技なのは分かる。むしろなんで特殊技なんだ?)。
また命中100のバインド技は地味に初登場で、他のバインド技はタイプや特性で何かしら無効に出来ることもあって、
単純にバインド性能だけで見たら最高峰の技である。


  • トラバサミ
威力:35 命中:100 PP:15 タイプ:くさ 分類:物理 接触:○ 範囲:単体

第八世代から登場。ガラルマッギョの専用技。名前通り相手に噛みついているのだろう。
ただし専用技であることとガラルマッギョの性能自体がいまいちな為、あまり対戦では見かけない。


  • サンダープリズン
威力:80 命中:90 PP:15 タイプ:でんき 分類:特殊 接触:× 範囲:単体

第八世代から登場。レジエレキの専用技。
冠の雪原実装前の予想では「マグマストーム」と同等の威力と思われていたが、それより性能が落ちている。
ただし専用特性『トランジスタ』のおかげで威力自体は「マグマストーム」よりも高い。

バインド技としての性能は高いものの、レジエレキが耐久面に不安を抱えていることもありややディスシナジー。
「10まんボルト」や「かみなり」、「ライジングボルト」も覚えるためそちらが優先されるか。

  • キョダイヒャッカ
威力:不定 命中:必中 PP:不定 タイプ:ほのお 分類:不定 接触:× 範囲:単体
  • キョダイサジン
威力:不定 命中:必中 PP:不定 タイプ:じめん 分類:不定 接触:× 範囲:単体

第8世代のみ登場。それぞれマルヤクデサダイジャの専用キョダイマックスわざ。
追加効果で相手全員にバインド状態を付与でき、「キョダイヒャッカ」は「ほのおのうず」を、「キョダイサジン」は「すなじごく」を付与する。
他のバインド技と異なり、技の使用者が交代したりひんし状態になったとしてもバインドが解除されない。



バインドではない技

  • からみつく
威力:10 命中:100 PP:35 タイプ:ノーマル 分類:物理 接触:○ 範囲:単体

いかにもそれっぽい技名だが、ただの攻撃技。一応10%(初代のみ25%)ですばやさを1段階下げる追加効果がある。
全てのわざの中で最低の威力を誇る。
具体的にはマグニチュード4と同値。これ以下は「なつき度最大のやつあたり」など威力変動系くらい。
一致で使えるポケモンはドーブルを除けば一匹もおらず、追加効果も一割、シナリオ攻略にすら使えず、もはやどこからならフォローできるのかわからない。
しかもどういうわけかプルリルのタマゴ技になっている。誰得だよ。
以上のようにあまりに需要がないためか、剣盾では技データそのものが削除されてしまった。
コンテスト技という用途であればそこそこ有用だが、いずれにせよ攻撃技という用途には著しく不向きである。
ちなみにFR・LGオムナイトは、攻撃技がこれしかない(Lv.5)状態で復元される。ひどい。


しおづけ
威力:40 命中率:100 PP:15 タイプ:いわ 分類:物理 接触:×  範囲:単体
ジオヅムおよび進化系のキョジオーン専用。攻撃と同時に毎ターン相手にスリップダメージを与える状態変化「しおづけ」状態を付与するわざ。みず・はがねタイプに使用するとスリップダメージが倍増する。
「ターン終了時にスリップダメージを与える」という効果が共通するため勘違いされやすいが、あくまでも「しおづけ」状態という状態変化を付与する技なのでバインド技ではない。
バインド状態との差異として、ターン制限が存在しない。そのため解除するには交代するしかない。代わりに交代を封じる効果はない。



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最終更新:2023年12月16日 08:33