第9期パック(遊戯王)

登録日:2017/11/17 (金) 02:21:10
更新日:2024/03/05 Tue 14:22:33
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遊戯王OCGのパックのシリーズの1つ。

2014年3月から2017年3月まで展開された。

前期:第8期
次期:第10期

遊戯王ARC-Vの放送開始に伴い、このシーズンの開始と共に商品名が「遊戯王アーク・ファイブ オフィシャルカードゲーム」に改められた。
なお第10期開始時には遊戯王VRAINSが放送開始されたが、商品名は「ヴレインズオフィシャルカードゲーム」ではなく、
最初の商品名である「遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ」に回帰した。

マスタールール3への移行に伴い、新規に実装されたペンデュラムモンスターが収録されるように。
前期では新登場したエクシーズモンスターばかりが収録され既存の儀式シンクロが増えない時期がしばらく続いていたが、
今期はこの時期に放映開始したアニメARC-Vの世界観に合わせてかできるだけ多くの種類のモンスターが収録されるようになっている。

またパッケージのモンスターはARC-Vで設定上重要となるドラゴンがいたためか、
ドラゴン族デッキ使い自体はほとんどいなかったアニメ本編に対して、ほとんどがドラゴンとなっている。

カードテキストの書き方が分かりやすく一新され*1
  • カードの効果テキストに通し番号が付き、どこからどこまでが1つの効果なのかが分かりやすくなった。
  • 召喚条件や効果外テキストには番号が付いておらず、効果として扱われる部分との判別がしやすくなった。
  • 発動条件と効果処理が別々の文章で書かれるようになり、コストや対象をとる効果かどうかの判別がしやすくなった。
と、コンマイ語を改善しようとする企業努力が見られるようになった
新しいカードだけでなく、古いカードも再録される際に全て最新のテキストに直されている。
この変更は、デュエリスト達から歓迎と驚きの声を持って迎え入れられた。
コンマイ語の項目も参照。

また、テキスト以外にも
  • アルティメットレアの加工が全面レリーフ加工から背景のみの加工となり、イラストの視認性が改善
  • 「光天使」「真紅眼」などの既存テーマの積極的な強化
  • OCG化が絶望視されていたアニメオリジナルカードカードのOCG化
など、様々な面での改善が図られていた。

一方で、前期までのデッキを置いてきぼりにするレベルのカードがいくつも登場しては規制という流れを何度も繰り返したため、
凄まじいインフレを起こした時代と認識するユーザーが多い時代でもある。
事実、規制経験のあるカードが収録されていないパックは1つしかない。
とはいえ、トレーディングカードゲームにとってインフレは避けて通る事のできない道ではある……。

最も多くの一般パックが発売されたシーズンであり、12弾までパックが作られている。
また第3期以降パック名は英字をベースとして作られていたが、このシーズンのみカタカナがベースになっている。


1年目

人気だったDTストーリーの新展開の開始、アニメテーマに対する強いオリジナルカードの支給、
そしてワールドプレミアをはじめとする既存テーマの的確な強化などが行われた。

通常パック以外ではコレクターズパックで《ソウル・チャージ》や《狂戦士の魂》などの
OCG化不可能と思われていたカードが拾われるといったファンサービスも行われた。
新シーズン最初の年という事で様子見しているのかペンデュラムモンスターは使いにくいスケールやデメリット持ちが多い。
シャドール影霊衣といった過去の不遇召喚法をテコ入れしつつ、特殊召喚・エクストラのメタを行うテーマの傾向が見られる。


第一弾
 ザ・デュエリスト・アドベント 
2014年4月19日発売。

パッケージは遊矢のエースモンスターであるオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
初登場の「超重武者」、「幻奏」や「EM」を中心にARC-Vの初期にて使用されたカードが多い。
新たに登場した種族である幻竜族に属する「竜星」が登場。
H・C」、「魔人」、「光天使」などアニメZEXALに関連するワールドプレミア枠カードも収録。
また凄まじいアドバンテージ獲得能力を持つ融合テーマ「シャドール」や、
高速でエクシーズ召喚を行う「テラナイト」がこのパックで登場。
高いカードパワーから8期終盤に活躍していた【アーティファクト先史遺産】を大きく突き放して環境トップに。

ランク4の必須枠の座をアークナイトから奪った鳥銃士カステルもこのパック出身。

何故かCMではオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの3Dモデルとパック名程度の登場にとどまり、
どんなカードが収録されているのか一切公開されなかった。



第二弾
 ネクスト・チャレンジャーズ 
2014年7月19日発売。

パッケージはユートのエースモンスターであるダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
ARC-Vのメインキャラ達が使う「EM」、「幻奏」、「超重武者」、「ファーニマル」の関連カードが多め。
ワールドプレミアZEXALの関連カードに加え「HERO」やOCGオリジナルテーマのカードも収録。
初の本格的なペンデュラムテーマである「クリフォート」が登場。高い安定性を持つため環境の一角に。
同時期にストラクチャーデッキが発売された「HERO」も新規モンスターを加えて同じく環境入り。
前弾で登場し猛威を振るっていた「シャドール」、「テラナイト」も順調に強化。

強烈なエクストラデッキ破壊効果を持ち注目された轟雷帝サボルグや、
強固な耐性を持つ融合モンスター始祖竜ワイアーム
強力な効果を持つが、当時はあまり評価されていなかった崇光なる宣告者等も登場。

引き続きCMでのカード情報公開は無し。


第三弾
 ザ・シークレット・オブ・エボリューション 
2014年11月15日発売。

パッケージは久々の融合モンスターとなるルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
ここからアジア版にのみ存在していたシークレットレア仕様が日本でも復活し稀に封入されるようになった。*2
新たに登場したテーマは「インフェルノイド」と黒咲の使用する「RR」。
暗黒騎士ガイアやサイコショッカーなど懐かしのカードのサポートも収録。
ワールドプレミア枠には宝玉獣の強化カードや新たなナンバーズであるスペリオルドーラなどが登場した。
全体的に新規テーマよりも既存テーマの強化が多い。

この弾から再びCMで収録カードの情報が公開されるようになった。


第四弾
 クロスオーバー・ソウルズ 
2015年2月14日発売。

パッケージはユーゴのエースモンスターであるクリアウィング・シンクロ・ドラゴン
前弾で復活したシークレットレア仕様が1箱に1枚封入されるようになった。
新テーマとして「セフィラ」が登場したが、あまり纏まりがよくなかったためしばらく影が薄い時代が続く。
海皇子ネプトアビスサイバー・ドラゴン・インフィニティ帝モンスターのサポートなど、
既存デッキの新たな中核となる強力なカードがワールドプレミア枠で登場。

高い汎用性からシングル価格が高騰した幽鬼うさぎや新たな魔法・罠破壊汎用カードのギャラクシー・サイクロン、
エクストラデッキの固定化を推し進めた問題児、星守の騎士 プトレマイオスも登場。

有用なカードの多さから非常に人気が高いパックであったため、全国的に品薄になったパックでもある。
その後も再販されてはその度に売切れるほどの人気であった。


2年目

翌年の映画のためか、初代のカードのリメイク・カテゴリ化が押し出された年。
公式もペンデュラムカードを作り慣れてきたのか、縛りなしの2-7スケールを持ったイグナイトが登場。直前のセフィラ涙目。

通常のOCG新規テーマは数パックにわたり強化され続けるのだが、
この年の新規テーマは殆どがそのパック単独で完結する、通称単発テーマと呼ばれるものばかりだった(なお後にまとめて新規が来てはいる)。
それどころか一年目の過去テーマテコ入れはぱったりと止み、ワールドプレミア枠も廃止されたりと、
手持ちデッキの強化を楽しみにしていた人たちにとっては辛い時期となった。

あと通常パック以外だとあのヲーに並ぶ原作非再現として名高いアンチホープ死産登場した年でもある。


第五弾
 クラッシュ・オブ・リベリオン 
2015年4月25日

パッケージはペンデュラムとエクストラデッキモンスターの初の複合モンスターとなる、
覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン
1BOXに封入されるスーパーレアの枚数が6枚に増え、スーパーレアのカードの入手難易度が低下した。
第一弾から収録され続けていた儀式モンスターが未収録となった。
新登場した「Em」が注目され、その効果を使いランク4モンスターを展開する【クラウンブレード】が環境に注目される。
面白自殺集団と揶揄された「イグナイト」やライフ回復を得意とする「アロマ」もここで登場。
ワールドプレミア枠はデュエリストセットとして発売された「ライトロード」と「ギアギア」のカードが多い。


第六弾
 ディメンション・オブ・カオス 
2015年7月18日発売。

パッケージはレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト
ワールドプレミア枠が既存の10枚から5枚に減少。
新たに「マジェスペクター」や「グレイドル」が登場。
Emヒグルミの登場により爆発的な展開力を得た「Em」と「EM」が手を組んだ【EMEm】が環境トップを独走。
同時期に登場した「彼岸」とストラクチャーデッキの登場で封殺能力を得た「」がそれを追う形となった。
度重なる規制により9期初期からここまでに台頭していたデッキは殆ど勢いを失っていた事もあり、
環境はほぼこの3つのデッキのみに絞られてた。


第七弾
 ブレイカーズ・オブ・シャドウ 
2015年10月17日発売。

パッケージは覚醒の魔導剣士。
8期から続いたワールドプレミア枠が廃止された。
なつかしのバスター・ブレイダーの強化カードが多数収録されている。
新テーマは「ダイナミスト」と「不知火」。
最速禁止タイ(同率一位は上記のヒグルミ)記録を持つEMモンキーボードが登場したウキ。
凄まじい展開速度に安定性まで兼ね備えたEMEmを止められるデッキは存在しなくなり、
環境はほぼEMEm一色、わずかに「彼岸」が存在するかという一強環境に
そんな環境の中、かつて「枠潰し」「ザル」と揶揄された結界像達が、9年の時を経て再評価され始めた時期でもある。

他に目立つカードはカウンター罠の手札・ライフコストを無くすという凄まじい効果を持つ解放のアリアドネや、
今なお高い採用率を誇るツインツイスター、神の通告など。


第八弾
 シャイニング・ビクトリーズ 
2016年1月9日発売。

パッケージはクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
9期の一般パックでは唯一規制経験のあるカードが無いパック。
新テーマとして「電子光虫」や「アモルファージ」が登場したが通好みのテーマ程度の地位に甘んじた。
他にはセレナが使用した「ムーンライト」も登場。

決して外れパックというわけではなく、この時期の環境の一角となった「ブルーアイズ」の必須カードや、
強力なエクストラメタである浮幽さくら、儀式サポートの儀式の下準備など、
有用なカードも色々と収録されている。

この時点ですでにEmヒグルミとEmダメージ・ジャグラーが禁止になっており、【EMEm】は事実上消滅。
なお「EM」側は主要なカードが残っていたので、新たに「竜剣士」と手を組みなおも環境トップを走っていた。


3年目

過去テーマ強化が復活し、2年目の単発テーマたちにもテコ入れが入るようになった。
スピリットデュアルなどの古いジャンルにスポットを当てたテーマも生まれた。
全体的にカードパワー自体は前年よりも控えめ――かと思いきや終盤になってから弾けた。


第九弾
 ザ・ダーク・イリュージョン 
2016年4月9日発売。

パッケージは涅槃の超魔導剣士。
9弾目パックの発売は第3期以来。
第6弾から収録され続けていた儀式モンスターが再び未収録。
ブラック・マジシャン岩石族の強化カードが多数収録された。
新たに登場したペンデュラムテーマ「メタルフォーゼ」は環境の一角を担った。
フィールド魔法を張り替えながら戦うテーマ「トラミッド」も登場。

豪快なコストを必要とする強欲で貪欲な壺や優秀な効果を持つシンクロモンスターの瑚之龍も人気。

この頃にはすでにEMモンキーボードが禁止カードに指定されている。
モンキーボード以外の「EM」のパワーカード及び同じく環境上位であった「彼岸」・「」にも大きな規制が入ったため、
これらは環境から脱落する事となる。
環境はつかの間の群雄割拠となるが、数ヵ月後にストラクチャーデッキ海馬瀬人-が発売された事で、
ABC-ドラゴン・バスターを中心とするユニオンデッキが環境を掌握する事となった。


第十弾
 インベイジョン・オブ・ヴェノム 
2016年7月9日発売。

パッケージはユーリのエースモンスターであるスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン
10弾目以降のパックの発売は初。
冷遇され続けていたデュアルモンスターにテコ入れがなされ、新規デュアルテーマである「化合獣」も収録。
シンクロテーマである「水晶機巧」やユーリの使用する「捕食植物」も登場。
他にもレッドアイズの強化カードやコレクターズパックで収録漏れとなっていた一部の花札衛カードも収録されている。

パック発売前には公式からTwitter等でカード情報がいくつか公開されたりするのだが、
本パックのカード情報公開に際して餅カエルが紹介され、その強さが話題になったりもした。


第十一弾
 レイジング・テンペスト 
2016年10月8日発売。

パッケージは覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン。
9期終盤の問題児その1である「十二獣」が登場。
凄まじい出張能力により環境を「十二獣」とそれの派生に染め上げた。
結果として規制カードを数多く排出してしまっている。
もう1つの新規テーマ「WW」も高い出張能力を持っており、1枚のみであるが規制を受けている。

自身のデッキを大幅に削る隣の芝刈りも注目され、それまであまりメリットの無かった60枚デッキに明確な意味を生んだ。
他にも花札衛デッキ最大の切り札である花札衛-五光-や、
創星神の名を持つ新規モンスター創星神 tierraも話題になった。


第十ニ弾
 マキシマム・クライシス 
2017年1月14日発売。

パッケージはARC-Vのラスボスを務めた覇王龍ズァーク
9期最後のパック。
9期終盤の問題児その2である「真竜」が登場。
このパックの発売2ヵ月後に「十二獣」に規制が入ったため、その後は「真竜」が高いカードパワーで10期序盤まで環境トップに。
前弾と同様、多数の規制カードを出してしまった。
他の新規テーマは瑠璃が使用する「LL」やズァークが使用する「覇王」カード、
トークンを含む通常モンスターを主軸に戦う「幻煌龍」が登場した。

凄まじく広い無効化範囲を持つ灰流うららはこのパックでの登場以来非常に高い採用率を誇っている。
ご無沙汰となる「巨大戦艦」の強化カードが登場しファンを喜ばせた。
また、ユニークなフィールド魔法サポートである盆回しがノーマルレアで登場、
フィールド魔法を使用するデッキで様々な活用法が生み出された。


〇余談
12弾全てのパックに「EM」モンスターが収録されている。
アニメ主人公の使用するテーマとは言えこれだけ長い期間パックに登場し続けたテーマは珍しく、
ZEXALのキーカードである「No.」と並んで最も長く一般パックに連続で登場したテーマである。

これだけ長く続いたシーズンでありながら、これらのパックでは魚族モンスターがたったの2枚しか登場していない。
魚族使いは泣いていいと思う。

本シーズン末期に登場したVジャンプ付属カードのサイバース・ガジェットは第10期開始のわずか4日前に登場しており、
その当時施行されていたマスタールール3が新種族のサイバース族に対応していない事もあってか、
その4日間はサイバース・ガジェットのカードを公式デュエル上で使用不能にするという前代未聞の措置が執られた。
マクロコスモスなど対応するカードが未登場であるために効果を使用できない時期があったカードは今までに存在していたが、
禁止指定による使用制限ですらない「使用不能」状態になったカードは後にも先にもこれだけである。
カードテキスト等も含めて事実上、10期のカードを先行して発売した形となる。



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最終更新:2024年03月05日 14:22

*1 厳密には「スターターデッキ 2014」から。

*2 ただしこの時シークレットの封入は確定ではなく、確定になったのは次の弾からである。その為、このパックのシークレットレアは、カードにもよるが高価で取引されている。