パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉

登録日:2017/07/20 Thu 23:58:59
更新日:2022/06/18 Sat 08:53:11
所要時間:約 8 分で読めます




『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉(Pirates of the Caribbean:On Stranger Tides)』とは、2011年に公開されたウォルト・ディズニー・ピクチャーズ制作のアメリカ映画。
アクションファンタジー映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの第4弾である。
監督は前3作から変わって、『シカゴ』のロブ・マーシャル。

前作『ワールド・エンド』でウィル・ターナーとエリザベス・スワンを中心にした物語が一旦完結し、今作では狂言回しだったジャックの視点で物語が進行する。
カオス極まった前作とは打って変わり、伝説の宝である「生命の泉」を巡る宝探しや探検が主軸であり、戦闘シーンは少なめ。(なお帆船こそ出るものの艦隊戦は一切ない)
そのため、前作までのファンには「物足りない」「ジャックは主人公であるべきじゃない」という声も。

なおストーリーはティム・パワーズの小説『幻影の航海』が基となっており、シリーズでは初の「原案」ありの作品。




ストーリー

気まぐれに旅を続ける風来坊の海賊ジャック・スパロウ。
またしてもバルボッサに船を奪われた彼は、今日も船はなくとも次のお宝を探して旅を続けていた。
そんな中、海軍に捕まったギブスを助けるために大英帝国首都ロンドンに潜り込んだ彼は、逆に衛兵に捕まって国王の元へと連れて行かれる。
国王はジャックに、今まさに彼が探している、飲んだものに永遠の命を捧げるという「生命の泉」を探せと取引を迫る。
だが、今や何故か海軍専属の海賊となったバルボッサの乱入で交渉は決裂、ジャックは王宮から逃走する。

そんな時、ジャックの名を騙る人物が海賊船の乗組員を探しているという噂を聞くジャック。その人物とは、ジャックの元カノの一人、アンジェリカ。
アンジェリカを問い詰めるジャックだったが、逆に彼女に騙され、件の船、アン女王の復讐号に乗せられ、いち船員として働かされる羽目になってしまう。
その船は、海賊の中でも最も恐れられる“黒ひげ”ティーチの持つ船だった。
冷酷非情で逆らう者に容赦しない黒ひげは、魔法の剣を駆使して圧倒的な力で船員たちを支配している。
そして黒ひげもまた、「生命の泉」で永遠の命を得ることを狙っているのだ。
黒ひげに忠実な顔をするアンジェリカは、ジャックに黒ひげを出し抜く取引を持ちかけるが、実は真意は別のところにあった。

やがて船は、ジャックのコンパスの指す 島へとたどり着く。
二つの聖杯、人魚の涙。それらが指し示す先に、彼らの求める生命の泉がある。
やがてバルボッサ率いる英国海軍、さらにはスペイン海軍までもが島へと乱入。入り乱れる争奪戦、勝つのは誰だ?



登場人物

ジャック・スパロウ
演:ジョニー・デップ/吹き替え:平田広明
ご存じ元船長のひょうきん海賊。
前作ラストでバルボッサにブラック・パール号を奪われ再び「船なし」のいち海賊に逆戻り。
しかし入れ替わりに手に入れた「生命の泉」の地図を基に、ギブスと一緒に気ままな旅を続けていた。
だが、ロンドンでのバルボッサやアンジェリカとの再会を機に、生命の泉争奪戦に巻き込まれる形となり、黒ひげの支配するアン女王の復讐号の下っ端船員として働く羽目に。
それから、アンジェリカから奪われたブラック・パール号の奪還を条件に、コンパスの力を使って生命の泉への道案内役を任されることとなる。
今作では巻き込まれ役のためか、周囲のキャラに振り回される役どころが強い。

●アンジェリカ
演:ペネロペ・クルス/吹き替え:本田貴子
アン女王の復讐号の航海士。
元はスペインの修道学校に通う信仰厚い修道女だったが、ジャックに口説かれ彼の後を追って海賊となり、あれよあれよという間に口八丁で嘘をついて周囲を翻弄する悪党となった。
その狡猾さはジャックすらも閉口するほど。
生命の泉を手に入れるために黒ひげに「生き別れの娘」と言って近づき、さらには昔の男のジャックを引き入れ、泉の探索への下準備をこしらえる。
実は黒ひげの娘というのは本当で、本心では父のためなら泉すら諦めるほどの愛情を秘めている。

●黒ひげ/エドワード・ティーチ
演:イアン・マクシェーン/吹き替え:勝部演之
アン王女の復讐号の船長にして、カリブ海にその名を轟かせる伝説の海賊。
自慢の得物である「トリトンの剣」で風やロープを操り圧倒的な力で船員たちを支配し、また敵対する海賊を次々と打ち滅ぼしていた。
ブードゥー教の呪いにも精通しており、不死の戦士を手下に従え、呪い人形による脅しも使う。
冷酷非情な性格であり、反逆者は即処刑、パーレイなしで敵を駆逐し、危険な作戦で部下や娘すらも使い捨てにするなど根っからの外道である。

●ヘクター・バルボッサ
演:ジェフリー・ラッシュ/吹き替え:壌晴彦
元ジャックの部下にして永遠のライバル。
前作の最後にてブラック・パール号をジャックから再び奪い返したが、生命の泉への航海中ヒスパニョーラ島に停泊していた所を黒ひげに襲われ、右足を自分で斬り落とすことになっただけでなく、パール号をボトルシップとして奪われてしまった。
その後、右足を義足に換え、英国海軍に雇われ似合わない貴族スタイルで英国に忠実を誓うこととなり、国王からの生命の泉捜索命令を受け一個師団を率いる。
そして、同じく黒ひげの命令で泉を探していたジャックと再会し、同じ目的を持つ者として再び共闘をすることに。

●フィリップ・スウィフト
演:サム・クラフリン/吹き替え:高橋広樹
アン女王の復讐号に捕らえられていた宣教師。黒ひげが滅ぼした商船に搭乗していた。
信仰心厚く、黒ひげの残虐行為を目の前にしても、神の教えと人間の善性を彼に説き続けていた。
…しかし、基本悪党である海賊にそれは無用の長物。彼の希望は悉く裏切られ続けることとなる。
黒ひげ一味に捕らえられた人魚のシレーナを不憫に思ううちに恋に落ちる。

●シレーナ
演:アストリッド・ベルジュ・フリスベ/吹き替え:桑島法子
人魚の巣窟であるホワイトキャップ湾に生息する人魚の一人。
運悪く黒ひげ一行に捕まり、生命の泉の力を引き出すための涙の材料として彼らに拉致されてしまう。
涙を引き出すために黒ひげからは虐待同然の扱いを受けるが、その度に庇ってくれるフィリップに惹かれていく。
しかし、涙を流させるための黒ひげの策略でフィリップに騙されたと思い込み、失意の中彼の下を離れるが、最後には彼の下へと戻る、と思いきや…。

●ジョシャミー・ギブス
演:ケヴィン・R・マクナリー/吹き替え:青森伸
唯一ジャックの下に残った忠実な部下。
初っ端からジャック・スパロウと誤解されて英国政府に逮捕され危うく死刑宣告されそうになるが、ジャックの手引きで難を逃れ彼と共に港を目指すが途中でジャックが国王に捕らわれて以降はしばらく別行動に。バルボッサにジャックからくすねた伝説の海図を渡すよう要求されるも、頭の中に全ての方位・進路・場所を瞬時に記憶し海図を燃やしてしまう。その後はバルボッサと共に泉探しの航海に出た後は島でジャックと合流。…が、豚呼ばわりされた挙句、当のジャックからは雑に突き放される始末だった。

●ジレット
演:ダミオン・オヘラ/吹き替え:不明
1作目『呪われた海賊たち』でノリントン提督の右腕を務めていた英国海軍大尉。ノリントン失脚後は母国に戻ったようで、今回はグローブスと共にバルボッサの部下としておよそ10年ぶりに登場を果たした。

●セオドア・グローブス
演:グレッグ・エリス/吹き替え:佐々木睦
バルボッサの部下の海軍。
海賊上がりで破天荒なバルボッサに振り回される苦労人。

●スクラム
演:スティーブン・グレアム/吹き替え:加瀬康之
アン女王の復讐号の船員。
いち船員になったジャックの教育係けん話し仲間として度々絡んでくる。

●ジョージ2世
演:リチャード・グリフィス/吹き替え:富田耕生
フランツ・ザルツブルク・リューネブルク公ならびに神聖ローマ帝国先帝公、大英帝国及びアイルランド国王(前書きが長い...)。カトリック教徒を毛嫌いしており、敵国スペイン王のフェルナンド6世を強く敵視している。
ジャックのこれまでの悪事や活躍を見込み、彼に生命の泉を見つけ英国に献上するように命令する。

●エドワード・ティーグ
演:キース・リチャーズ/吹き替え:小林清志
伝説の海賊であるジャックの親父。
ロンドンのパブで偽ジャックの情報を息子に教えたと思いきや忽然と姿を消した。…本当に生者かは不明。

●ポン・セ・デ・レオン
遺骸で登場。200年前にフロリダにあるとされた生命の泉を探していたスペインの探検家。サンティアゴの崖に船や財宝と共に眠っている。




用語集

◆アン女王の復讐号
黒ひげが所有している海賊船。
赤みを帯びた大型の船体が特徴で、船首はランタンをもった巨大な骸骨、前方には火炎放射器(粛清用)を搭載している。また、船体の飾りである骸骨は設定上は黒ひげが今まで殺してきた捕虜の人骨でできていて、いかに彼が残虐非道かを表している。
黒ひげのトリトンの剣の力で、帆やロープは自在に動かせるためそれも加えると高い戦闘力を誇る。
…ちなみに、映画後半はほとんど陸地のシーンのため出番は少ない。

◆生命の泉
大西洋フロリダの孤島にあるという、飲んだ者を若返らせるという水が湧き出る伝説の泉。
かつてはスペインの探検家ポン・セ・デ・レオンも探し求めていたが、探索途中で遭難し命を落としていた。
単純に泉の水を飲むだけでは効果はなく、まず2杯の銀の聖杯を用意して両方に泉の水を注ぎ、一方の杯には人魚の涙を一滴加える。
それを二人の人間が飲むことで、人魚の涙入りの水を飲んだ人間が、もう一方の水を飲んだ人間の命を生贄として寿命(今まで生きてきた年月+これから先生きるはずだった年月)を奪い取れ、事実上永遠の生命を手に入れられる。

◆人魚
カリブ海のはずれである白い港、ホワイトキャップ湾に巣食う伝説の生物。人間の女の上半身に魚の下半身を持つ。パイカリノの人魚は普段は海底に潜んでいて、魚介類を食しているが、繁殖期になると湾岸を訪れた船乗りを歌と美貌で虜にした後、油断した所を無理やり海中に引きずり込んで餌とする、おとぎ話とはかけ離れた怪物である。



信仰を阻害する遺跡を破壊後、追記・修正お願いします。

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最終更新:2022年06月18日 08:53