SCP-2635

登録日: 2017/03/27 Mon 00:31:30
更新日:2023/12/26 Tue 19:17:43
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SCP-2635はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)。
項目名は『Hot Potato (アッツアツのポテト)』。オブジェクトクラスはEuclid。

概要

このオブジェクトは…まあ名前でわかると思うがジャガイモである。揃「いも」揃ってジャガイモとはね。


…前任者が亡くなったので以後を引き継ぐ。
このオブジェクトは未調理の赤いジャガイモで、このオブジェクトをグレゴリオ暦で一年間持っているだけで、
個人であればそいつが、集団であればそのうちの半分が突然自発的に発火して焼け死んでしまう、という不思議な特性を有している*1

裏を返せば、一年以内に別のヤツに渡してしまえば助かる。
ようするにリアル時限爆弾ゲームジャガイモ、それが2635である。

生なのに腐らない、上記の炎上イベントが起きたことやその結果を世間の大半からは気づかせない反ミーム性など、SCiPらしく基本的なところは抑えている。
特に後者の特性はそのせいで結構やばいことが知らず知らずのうちに起きてしまうわけだが。
前者の特性はカインさんならもしかしたら無効化できるかもしれないが、それで異常性が変質しても困るので多分やらないと思う。一個しかないし。*2

どうやら作った人は要注意団体であるAre We Cool Yet?に帰属しているらしく、
2000年代にチェコの反ロシア勢力に依頼されて、親露派の要人を暗殺するために作られたようだ。でも一年かかるって結構暗殺としては長くないか?
このオブジェクトはGRU“P”部局が後に押収するが、その後AWCY?側の依頼を受けた誰かによって取り返されてしまう。


GoIオールスター!財団闘スナッチブラザーズ

さあここからが問題である。

民間防衛会社”レッドウォーター”社はこのオブジェクトをどういうわけか受け取ったらしく、ある日社員の半分が自然発火して死亡。
財団の見立てでは「届いたオブジェクトを郵便集配室で遺失したのではないか」と推測されている。なるほど、それなら気づかないわ。

これでレッドウォーター社は運営が立ちゆかなくなり、解散。さてこの異常な事態をどうやらマーシャル・カーター&ダーク社は察知したらしく、
一民間企業のレッドウォーター社を買収。無事にジャガイモを発見すると、これをMEKHANEの信奉者とされる人に売り渡したという。

MEKHANEの信奉者ということはつまり壊れた神の教会の一派、『歯車仕掛正教』の信者であろう。
この人、名前はネプチューン・ユーゲント氏というのだが、どうやらユーゲントさんはこれを使って大規模な宗教テロを敢行。

翌年、8300人ちかくの人が自然発火して死亡、彼らは皆「ネオ・サーキック」の信者であったことが判明した。
つまりユーゲントさんは敵対するサーキック・カルト相手にポテトでポテっと逝ってもらったわけである。




…前任者がいなくなったので後を引き継ぐ。

これをMC&D社はどうにかして回収、再び売りつけようとしていた。なんだこの商売フリーク。
だがそこに収容フリークの財団がガサ入れに入る。SCP-2463やSCP-1738といったアノマリー群とともにこのジャガイモを押収した財団は、
これにSCP-2635の番号を与えてSCiP認定、早速調査を試みた。

ところがこのジャガイモをはじめいくつかのオブジェクトがカオス・インサージェンシー(CI)の襲撃で盗まれ、
その後CIの構成員の半数が焼け死んでしまう。CIがジャガイモを調査していなかったのだろうか?
…現実的な話、調査する余裕がなかったのである。
というのも、実はこのジャガイモを追いかけていたのは財団やMC&Dだけではない。
世界オカルト連合もまた、ジャガイモの異常性を知ってCIを嗅ぎまわっており、
CIはGOCとの争いに明け暮れてジャガイモどころではなかったというわけである。

財団としてはGOCに先んじて回収をしなければならない。ところがCI施設内にジャガイモはなかった。
それもそのはず、実はCI構成員のなかに、蛇の手のスパイがいたのである。
蛇の手は財団に先んじてジャガイモを回収、そしてそれを都合の悪い奴の暗殺に使用した。
2つの国家の元首と、――財団の、蛇の手専門機動部隊の隊長、エージェント・マーカス・ローズの。

そしてそのまま財団内に放置されていたらしく(おそらく、財団を半壊させようと蛇の手が試みたものであろう)、
それを表向きは未使用のはずの収容ロッカーでバレット管理官は発見し、無事収容…

といってもだ、どう収容したらいいのか。
一年間持っているだけで組織の半分がいきなり燃え上がるのだ。
ということは、ある一定の期間財団以外の人間が所有していなければならない。

さあ、誰に預ける?

GOCは駄目だ、あいつら絶対ジャガイモを破壊しようとしてやらかすもん。
蛇の手は財団を殺しにかかってたから渡したらアウトである。
MC&Dは売り飛ばす気満々だろうしアウト。
MCFは絶対食わせようとして難民を殺しかねない。

さあどうする。

財団「そういやあいつらがいたわ、無能でもロッカーに鍵くらいは掛けられるだろ」


財団は7/1から12/31までのの下半期は自分たちがこのオブジェクトを所有。
そして上半期はFBIはUIU*3に預かってもらうことにしたのだ。

しかしこんな面倒くさい芋は、もーいーわ、芋だけに。




その後


おいおい、それはズルいよ。あなたたちはそれを誰かに渡して、皆で回すことになってるんだからさ! Coolじゃないね。

上記の事件の後、Are We Cool Yet?は財団が収容手順を確立したことに腹を立てたようで、
ある博士のデスクにあっついヤムイモが入っており、博士は大火傷。
このヤムイモは上記のジャガイモとは違い、温度を420℃に維持する特性を有するようだ。
他に異常性はなかったので、SCP-2635-Bに指定して収容している。

…にしてもCoolなのにHotとはこれ如何に。



Are We Hot Yet?


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最終更新:2023年12月26日 19:17

*1 小数点以下切り上げ。

*2 ちなみに、カインはSCP-445(折った物の特性を持つ折り紙。筒にすると望遠鏡になる)とのクロステストで対象を禍々しいものに変えたことがある

*3 連邦捜査局異常事件課。FBIの部門で、アノマリーを対処するために設立されたが基本的に無能、更に他のFBIからはアノマリーの存在自体を信じられていないせいでX-ファイルごっこと馬鹿にされる始末。キャリアの袋小路と言える