SCP-488-JP

登録日:2016/12/20 Tue 22:40:46
更新日:2023/11/15 Wed 07:20:43
所要時間:約 10 分で読めます





真っ赤な嘘には、真っ赤な真実がお似合いだ。


SCP-488-JPはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトの一つ。
オブジェクトクラスはEuclidからのKeter
項目名は「人
日本支部の収容するオブジェクトの中でも恐ろしく脅威度が高く、今後それが緩む可能性は低い。


プロトコル

オブジェクトなので当然特別収容プロトコルがある……のだが、この内容が大変なことになっている

まず、サイト-81██の低危険度生物収容室に収容するには危険過ぎるため、外壁の厚みを20cm以上に保った5m×5m×5mの高危険度人型実体収容室に収容されることになっている
さらに、機嫌を損ねないように1日に2回適切な食事として生きた人間の子供を与えろという、とんでもねー指令が出されている。
つまりそれほど凶悪なオブジェクトらしい。

そしてコイツの繁殖力も大きな脅威として問題にされている。
コイツの個体数は増加傾向にある。収容を維持するため繁殖活動を機動部隊が出来る限り妨害し、機動部隊以外の人員も妨害行為を補助するよう指示されている……つまり、財団がほぼ全力を挙げるレベルである。
動物系のオブジェクトは色々あるが、コイツはシンプルに凶暴さとその能力が問題となっている。ちなみに現在、財団は総力を以て14体のSCP-488-JPを収容している。

SCP-488-JPに関する業務を行う職員は最低一度、SCP-488-JPの恐ろしく残虐な実体/画像/動画を自身で目視し、それでも気を失わずにいられるか試験する事が義務づけられている。

何なんだコイツ。


ちなみに、コイツに関わる文書の情報については、情報管理チーム「赤ずきん」への連絡が必須となっている。


概要

コイツが何かというと、タイリクオオカミの一種が突然変異を経て人間の姿を得た生物である。
文献の情報によると、強力な現実改変能力を備えており、自身に関する情報の作成者現実改変能力を使用して無惨に殺害するらしい。

あらゆる情報媒体のうち、文書/音声/肉声/画像/動画/その他すべてが情報として見做され、不幸にもSCP-488-JPの殺害対象とされ。さらにはコイツの現実改変能力を使用された人間の情報は明文化する事すら憚られ、この怪物オオカミが客観的な視点から見ても完全に倫理観に欠けた、「凶暴で残酷な人狼」であることを示すようになる。

この現実改変は対象に対して全体的ではなく、身体の一部の改変、機能不明な部位の追加という醜悪な形式を取る。しかし、これはあくまで手加減されている、ということのようだ。
改変された対象は、大抵の場合[データ削除済]。犠牲者の復旧の手段は、財団によって限りなく模索されたものの、講じられた試みはすべて更なる改変という結果に終わった。

発見の経緯は以下である。
SCP-488-JPはある山の周囲で人狼に関する噂が横行し、機動部隊が投入されたにも関わらず、その実体すら見る事が叶わずに機動部隊が全滅した上に、犠牲者や死傷者が発見され、追加で投入された援軍が一人も帰還しなかった事から財団の注意を引くことになった。

そりゃ情報媒体で触れるだけで現実改変攻撃する狼である。
当然、多くの犠牲者が出ることだろう。狙われたら助かるわけがない。

その後行われた更なる調査で、機動部隊隊員が残した情報からコイツの改変能力が明らかになり、大規模作戦で最低100名の犠牲者を出した後、ようやくすべての個体が収容されたという惨事となった

しかもコイツ、タイリクオオカミ種の中に限らず、動物の中では随一の戦闘能力を誇り、クマやシャチですらコイツと比較すると絶望活動能力が劣るというレベルそのため改変能力すら使用せずに全動物を蹂躙出来るらしい。発見された山の周囲の人間はSCP-488-JPに服従し、この怪物中心の文化を築く事によって生存を図っていたと推測されている。

何なのこのモンスター。

実験記録も存在するが、あまりに凄惨な結果となり有効な情報は得られなかったため省略する。



補遺

改変された文書を赤色に着色する試みはデータの更なる改変を招く結果となり、有効な手段と判断されることはなかった。現在、報告書自体を含むSCP-488-JPに関連する情報は、恐怖と混乱を避けるために常に情報管理チーム「赤ずきん」によって改変監視と着色処理が行われている。

追記・修正はオオカミたちに滅ぼされる運命の人間たちの行く末を考えながらお願いします。




CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-488-JP - 人
by me_te_de_ko
http://ja.scp-wiki.net/scp-488-jp

この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

















自動通達

この文書は情報管理チーム"赤ずきん"によって作成されました。
文書の編集権限は"赤ずきん"所属者に限られます。

この文書を閲覧する際、赤く着色された文字だけでなく全体を読むようにして下さい。







本当のプロトコル&概要


上述の内容はほとんどウソである。真のオブジェクトクラスはEuclid。

この通達と、赤い文字の部分だけを見てもらえればわかると思うが、SCP-488-JPの正体は、微妙な情報改変能力を持ったタイリクオオカミである。
コイツは、自身に関する音声や文書の情報を全て改変し、自分が凶暴で凶悪な人狼だとでっち上げることで人間を警戒させ、生存を図ってきたのだ。
しかも、同種のタイリクオオカミと比べて身体能力が低い。この弱点をフォローするためにこんな能力を使用してきたのだ。

これは財団の報告書にも及んだため、情報管理チーム「赤ずきん」は、イヌ科の生物が識別できない赤い色で文面を着色、そこを読むことで真の内容がわかるように細工した、というわけである。



とまあこんな感じ。
大体発見経緯の時点で、「機動部隊が派遣されたが全滅したことで財団の注意を引いた」となっている。
部隊が派遣されてる時点で注意を引いてるよ! 矛盾だよ!

タイリクオオカミには違いないため、個体数減少を防ぐ試みとして繁殖の維持が推奨されているようだ。


余談

情報改変で身を守っているSCP-488-JPだが、コイツらの能力はその特性上人間の文化圏で強く発揮される。
彼らがそこまでするようになった理由は、やはり人間なのだろう。財団が繁殖を補助しなければならないレベルであり、かつ収容されたのが日本であることを考えれば、彼らは日本に住むオオカミの最後の生き残りなのかもしれない。




追記・修正はオオカミたちの行く末を考えながらお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-488-JP - 人
by DocRone
http://ja.scp-wiki.net/scp-488-jp

この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • SCP Foundation
  • SCP-JP
  • SCP-488-JP
  • クソザコオオカミ
  • ハッタリ
  • 情報災害
  • レッドリスト
  • me_te_de_ko
  • DocRone

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年11月15日 07:20