“山の翁”(Fate)

登録日:2016/12/11 Sun 22:18:20
更新日:2024/03/06 Wed 23:01:00
所要時間:約 26 分で読めます




ハサン・サッバーハ。幽谷の淵より生者を連れに参上した。




Fateシリーズ、「Fate/Grand Order」の登場人物。
CV:??

身長/体重:220cm・??kg
出典:中東
地域:中東
属性:秩序・悪
性別:???

◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B A B E E A
※スキル「無冠の武芸」の効果により、実際はこれらのステータスから+1される。

◆クラススキル
対魔力:B
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

気配遮断:A
自身の気配を消すスキル。かつて修得していたものの残滓。
強力な呪いを帯びたこの剣士は、例え隠密行動判定を完全に成功させたとしても“これから殺す相手”に自分の存在を感知されてしまう。

単独行動:B
本来であればアーチャーのクラス別スキルとなる。
肉を削ぎ、内臓をかきだすほどまで純粋な“信仰”に達したこの剣士は、自らの意思だけで自由行動を可能とする。

境界にて:A
幽谷の境界を歩み続けるこの人物の剣は、
全ての攻撃に即死効果を付与するという。
その確率は低いものだが、どのような強敵であれ即死の危険性を与える。
幽谷にあるものは死に慣れ、同化しているため、即死耐性と魅了耐性を獲得する。
サーヴァント化する際、自ら境界から出てきているのでランクがAに下がっている。

◆保有スキル
信仰の加護:A+++
強い信仰心によって肉体と精神面で強い耐久性を誇る。
ランクが高ければ高いほど効果が高まる代わり、人格に異常を来し出す。
ヴラド三世(EXTRA)に並ぶランクの高さではあるが、彼の場合はゲーム中では人格に影響を及ぼしているような描写は見られない。

戦闘続行:EX
戦闘を続行する能力。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負っても戦闘が可能。
もはや自身ですら“生きているのか死んでいるのか”定かではないこの剣士は、たとえ致命傷を受けようが肉体が半分無くなろうが、“五体満足の状態での性能”を維持したまま敵に食らいつく。

晩鐘:EX
葬礼を人々に知らせ、死の訪れを響かせる晩鐘。その儀礼と一体化した結果発生した特殊スキル。
この剣士は自分の意思で殺す相手を選ばない。
その相手が「死ぬべき時を見失った」亡者と化した時、天主に成り代わり救済を与える。
すべては天の意思であり、天の意思であるが故、この剣士と対面してしまった者は運命の終わりを知る。
――――聞こえるか、この鐘の音が。
それこそ汝の天運の果て。
受け入れ、魂を解くがよい。それが、人として安らかに眠る最後の機会である。
ゲーム的には敵全体の即死耐性ダウン&自身のBuster性能アップの効果を併せ持つ。

天性の肉体:A→C
生まれながらに、生物として完全な肉体を持つ。
一時的に筋力のパラメーターをランクアップさせることが可能となる。
さらに、鍛えなくても筋肉ムキムキな上、どれだけカロリーを摂取しても体型が変わらない……筈なのだが、この剣士は自らの信仰のもと、肉体を改造してしまった。よってランクが大幅に落ちている。

無冠の武芸:̠-
様々な理由から認められることのなかった武具の技量。
剣、槍、弓、騎乗、神性のそれぞれのスキルランクをマイナス1し、属性を真逆のものとして表示する。
真名が明かされた場合、このスキルは消滅する。

宝具
死告天使(アズライール)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人


神託は下った。

聴くが良い。晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽———首を断つか、

死告天使(アズライール)』……!!


アズライール。
何の変哲もない大剣。この人物が生涯振るい続け、信じ続けた信仰が染みついている。

この剣の前に落命するものに、
恐怖はあるが痛みはなく、
畏れはあるが苦しみはなく、
懺悔はあるが後悔はないという。

ゲーム中の効果は「敵単体に超強力な攻撃&高確率で即死効果」のBuster属性宝具。
発動すると、その身に闇を纏いながら“山の翁”が相手に歩み寄り、髑髏を模した兜とその奥の眼光がアップになった瞬間に斬撃が一閃。
黄昏時の空を背景に晩鐘の音が響く中、振り抜いた剣を地面に突き立てた瞬間に相手にダメージと即死効果が入り、舞い上がる天使の羽に画面が覆われていく…という痺れる演出。
更に、これでHPが0になるか即死した場合、元の画面に戻ると喰らった相手は撃破演出すら飛ばされて完全に姿が消える。例えその相手が第1部のラスボスであっても。



■概要

髑髏の仮面を被った暗殺者で、暗殺教団「山の翁」の初代首領。「初代にして最後の翁」とも。
暗殺教団がアサシンとして成立した後、『山の翁』という名前が称号に成り代わってから誕生した最初のハサン・サッバーハであるとされる。
しかし他の19人のハサンたちも、教団の信徒たちもこの人物の正体を知らず、また実在したという証拠は何処にもなかったという。
その代のハサン・サッバーハが道を違えた時に現れ、その首を断つという伝説の暗殺者。
従来のハサン達のような隠密行動に適したいかにも「暗殺者」らしい服装ではなく、髑髏をあしらった装飾の黒い甲冑を全身に着込んだ、さながら幽鬼の様な剣士の姿をしている。

2代目以降の襲名により名乗られる歴代の「ハサン・サッバーハ」ではなく、本来の意味で「ハサン・サッバーハ」の真名を持つ者。
ただし、本人の弁では「名はもとより無名」とのことで、自身の呼び名に関しては頓着しておらず、主人公マシュからは「キングハサン」と呼ばれ、それが定着している。*1

ちなみに歴代ハサン19人に彼が含まれるかどうかは不明。
というのも6章終盤では「我ら19人」と自身も19人に含まれるかのような発言をしているのだが、彼のプロフィールには「他の19人」と記述されるなど、作中で描写が矛盾しているのである。
FGO本実装にあたりプロフィール文章が修正され、「他の18人」と記述されるなど、彼自身も19人のハサンの一人であることが明言された。

ゲームのストーリー内では、その存在は『Fate/Zero』とのコラボイベント『Fate/Accel Zero Order』から示唆されていた。
(シリーズ全体では『蒼銀のフラグメンツ』作中において静謐のハサンの回想の際、その存在について言及されている)
山奥にある幽谷の霊廟「アズライールの廟」に住んでおり、次代以降のハサンが役目を終える、あるいは長の資格を失ったと判断された際に現れ、
その首を刎ねる「ハサンを殺すハサン」として、何らかの方法で自らの存在を現世に留め続けている。
歴代ハサンは彼に会いに行くこともできるが、彼に助力を乞うということは「自身の力不足により打開出来ない事態が起きた」と告白することと同義であり、
助力と引き換えに「山の翁の資格無し」と首を刎ねられることを覚悟しての最後の手段となる。


『山の翁』の始まりであった彼は、同時に教団の腐敗を断罪する監視者としての人生を選んだ。
神の教えのもと正しい教団ではあるが、その行いは人としての悪である事は免れない。だからこそ、この人物は教団が腐敗する事を許さなかった。
神の教えを守る者たちが人の欲に溺れる。
それこそが、神への最大の冒涜となるからである。

教団の腐敗とは、即ちトップである『山の翁』の堕落である。
精神の堕落であれ技術の堕落であれ、衰退した者に『山の翁』の名は与えられぬ。
衰退は即ち死。
首を断つ事で罪の許しと、次の『山の翁』に託す希望となる。
暗殺者を暗殺するという破綻した役割に大義を与えるため、この人物は隠し武器・暗器ではなく、正面から戦う大剣を武器に選んだ。

この髑髏を目にした時こそ、その人間の終わり。
教団の教義を違えた愚か者に鉄槌が下された後、髑髏の剣士の姿を見た者はこの世から消え去るのだ。
数々のアサシンを葬り去って来た彼は、暗殺教団が滅びるまでその闇に潜んでいたという。
生きた伝説にして、誰一人として目撃者のいない暗殺者の深淵。
それがこの髑髏の剣士である。



■人物

経歴から見ても分かる通り、性格は超の付く程生真面目な仕事人気質。
好きな物を「首だな」と語り、
嫌いなものとして怠惰、堕落、劣化の3つを掲げる。
マスターに対してもその姿勢は変わらず、マイルームでの会話の際「働け」と短くも分かりやすい怠惰を許さないお言葉を頂ける。
カルデアに召喚されている後世のハサン達に対しては、彼らの生前の苦悩を端的かつ厳しく評した後全員共「――首を出せ」と一喝している。妖怪ハサンの首おいてけ

特に生前の未練は抱えていないのか、自身を召喚した主人公には「我は闇に蠢く亡霊に過ぎぬ。個としての欲望は無い。汝の意思にのみ従う」と答えている。
自身が忌み嫌う堕落や怠惰の元となるであろう万能の願望器の存在は嫌いなのか、「聖杯などというものはない。妄想と狂信を混同してはならぬ」と厳しく酷評。
願望器の存在そのものを全否定している。
無論狂信者と同じ理由で聖杯という概念を認めていないというのもあるのだろう。

「殺し」に関する強固な信条を持ち、「天命によって討たれるべきか否か」で自らの刃を振るうか否かを判断する。
途方もない力を持ちながらも第六章での人理崩壊に対して沈黙を保っていたのは、
「まだ天命によって討たれる時ではない」または「天命を下すのは自分ではない」と考えていたから。
彼が「天命が下った」と判断して自らの刃を振るわんとする際は、どこからともなく晩鐘の音が鳴り響く。
歴代ハサンをはじめ、山の民達はこの音を「“山の翁”が現れて天命の下った者を討とうとする兆候」として考えている。
「天命が下った」と判断した者に対しては一切の容赦なく首を落としにかかるが、
死そのものが具現化したような威圧感こそあれ基本的には寛大であり、常に相手を導く様な形で接している。
主人公や三蔵ちゃんたちが多少失礼な事を言ったりしても怒らずに聞き流したりと器も大きい。
上述したように、身内であり自身の後継者である歴代ハサン達には若干厳しめな気がしなくもないが。

A+++という極高ランク信仰の加護の持ち主であるため狂信者のように思われがちだが、異教徒である主人公に対する姿勢は意外にも穏健で良好。
“山の翁”にとって重要なのは信仰と精神である。例え信じる神は違えども。
故に己の信念に準じ何事にも動じない精神性を鍛え上げた主人公は彼の中では高評価で、
絆を深めたマスターに「何事にも動じぬ精神こそ、我らに必要なものだった…」と静かに語り、レベル5まで上げると己の胸に残る唯一の望みを告げてくれる。

良い旅だ。良い思い出だ。良い…実に良い…我が終わりだ……

この戦いの終わりに、今度こそ、消えたいものだ。我が契約者よ……


尚、おどろおどろしいビジュアルと堅苦しく険呑そうなキャラに思われがちな性格であるが、再臨時に「未だ成長期なり」とコメントしたり、
ストーリーで「骸骨の偉い人」「キングハサン」だのと呼ばれた際は「好きに呼ぶがよい」と寛大な態度を取りつつも、
自身のプロフィールに「キングハサンと呼んでもよい……」とサラッと書かれてたりと、微妙に天然が入ってる疑惑がある。
2019年の正月イベントでは英霊の座でも人気な閻魔亭にハサン達と来訪した際、宴会場で一発芸のつもりなのか呪腕に普段のトーンまんまで首を出せ発言をかますなど、一応その手の芸に理解はあるようだが当然ハサン達は気が気じゃなかった。



■グランドサーヴァントとしての能力

従来のサーヴァントとは桁違いの力を持つ「グランドサーヴァント」の一角・グランドアサシンであるとされる存在。
ガウェインオジマンディアスといったシリーズトップクラスのサーヴァントすら歯牙にかけない実力と、常識外れともいえる能力の数々を披露している。

代表的なものを列挙していくと、
  • 「アズライールの廟」とその周囲一帯は彼の影響圏内であり、正気を失った者でもないか余程の異常事態でもない限り人間・動物等を問わずに廟から響く鐘の音を恐れて絶対に近づこうとしない。
  • サーヴァントの反応を細かく確認できるはずのカルデアの機器でさえ、反応を全く捕らえることが出来ないレベルの気配遮断能力。
  • ただ対面しただけで、攻撃もマシュが防いだにもかかわらず、主人公が一瞬カルデアのモニターに「死亡」したと判断される。
  • 静謐のハサンを支配して凄まじい力を与え、主人公が自分が力を貸すのに足る者か確かめる試練として差し向ける。
  • キャスタークラスでないにもかかわらず、高度な魔術によるカルデアとの通信を剣の一閃で「殺して」遮断する。
    • 上記の通信遮断は初対面のはずのロマニが何か隠し事をしていて信用しきれないことを瞬時に見抜き、情報を与えまいとしたためであったことが後に判明。
  • 宝具そのものであるオジマンディアスの神殿最奥部に全く感知されずに侵入。そのままオジマンディアスに気づかれないまま背後から首を刎ねる*2
    この一件で自身の力に絶対の自信を持つオジマンディアスでさえ戦慄を覚え、獅子王と同等以上の脅威が存在することを危惧して侵攻を躊躇することになった。
  • 上記のオジマンディアスへの攻撃は首を刎ねられた後に、稲妻のような悪寒を感じたオジマンディアスが振り返り、
    そこにいた“山の翁”を視認してようやく事態を理解したという経緯を辿っている。
    『攻撃態勢に入ってランクが下がっても察知されないほど「気配遮断」のランクが高い』
    『そもそも攻撃態勢に入ってもランクが下がらない「気配遮断」の上位互換スキル、あるいはランク低下を補うスキルを所持している』
    『ランクの低下が妨げにならないほどの超高速・精密な剣閃を放った』
    以上のどれか、あるいはそれらが複合して起こったということに加え、
    痛みを感じさせずに悪寒しか覚えさせないほどの鋭さで首を刎ねる剣技を会得しているという、
    身体面でも技術面でも白兵戦主体のサーヴァントに並ぶ技量を保持していることも伺わせた。
    • さらにオジマンディアスの神殿は「光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス)」という宝具であり、
      「オジマンティアスは神殿内部で起きる事象の全てを自動的に認識」でき、「敵サーヴァントに対する宝具真名解放の封印*3」を可能とし、極めつけに「サーヴァントの弱点である霊核を攻撃されても即再生出来る」というチート能力を持っているのだが、
      宝具無しで気配を完全に遮断する事は言うに及ばず、首を切断されたとはいえ本来致命傷を受けても即再生するはずの回復が遅れるというあり得ないことまでやらかしている。
  • 何の魔力も用いず、髑髏が浮かび上がる凄まじい砂嵐を発生させ、聖都の城壁の弓兵を尽く無力化しつつ、
    「聖者の数字」を常に発動させるガウェインの『不夜』のギフトを無効化する。
  • 砂嵐で太陽を隠したとはいえ、最高クラスのセイバーであるガウェイン相手に何の消耗も見せずに1時間に渡り正面から戦い続ける。
    ガウェインはその間、全く付け入る隙が無く、何とか太刀筋に慣れるので精一杯という有様だった。
    • 更に砂嵐が去り、太陽の加護を得たガウェインの渾身の斬撃だろうと軽くいなす実力を持っている。
      ガウェイン自身も、このハサンが神霊化した獅子王に匹敵するような恐ろしく強大な存在である事を悟り、
      その気になれば今の自分を見逃さずにそのまま殺す事はおろか、聖都を築き上げる前に自分達を打倒することすら可能だったとさえ考えていた。
  • 呪腕のハサンがトリスタンを道連れにすべく、最終手段として自らの腕を切り離したことで現界した魔神シャイタンを瞬殺。
    あくまで不完全体とはいえ受肉した悪魔を殺すという型月世界の設定としてはとんでもないことをしれっと成し遂げている。
  • 人理焼却の真相、魔術王の目的についても察している模様。その手がかりを主人公達に与えるため、協力の条件という形にして真実が隠されているアトラス院に調査に向かわせる。
    また、ベディヴィエールが隠していた彼の本当の目的と銀腕の真実、獅子王の聖槍の正体と目的にも気付いていた。



■Fate/Grand Orderでの活躍

ストーリー第六章「神聖円卓領域 キャメロット」にて初登場。
獅子王率いる円卓の騎士たちに対抗する戦力を欲した主人公達一行に、当代のハサンである呪腕のハサンが引き合わせるという形で姿を現した。
試練を潜り抜けた主人公達を自らの力を貸すに相応しいと認め、
助言を与えた上で人理崩壊の根本的な謎などにまつわる知識を得るために秘匿されたアトラス院の廃墟に向かうよう促し、決戦の先陣を務めることを約束する。
その後、前述した理由で彼の助力を求めた呪腕のハサンの首を刎ねようとしたが、
彼が主人公達に“山の翁”に助力を求めた時点で自らは殺されるということを伝えなかったことを知り、
「恥の上塗りは許されぬ」としてこの時代の修復が終わった後に、改めてその首を断ち切ると宣告した。

最終局面での聖都攻略戦では約束通り先陣を務め、正門を護る難敵であるガウェインの足止めを担った。


出陣は能わず。砂塵は諸人を覆い、汝の道をも塗りつぶした。

ハサン・サッバーハ。幽谷の淵より生者を連れに参上した。

天を見よ、粛清を驕る騎士よ。———その頭上に、日輪の陽はあるか

ガウェインが反乱軍たちを聖剣の一撃で薙ぎ払わんと決意した瞬間に登場、圧倒的な実力差で彼をあしらった後「汝の天命はここにはない」と言い残し、
彼に対しても悔いを残さないよう、キャメロットに向かう忠告を与えつつその場から静かに撤退した。
ガウェイン本人も最初は見逃されたと思いながらも、直後にそんなに甘い相手では無く、自分にはもっと相応しい死に方があるので殺されなかったのだろうと判断した。

その後、多くの同胞を虐殺したトリスタンとの決着の為に、呪腕を開放して切り離し、トリスタンに埋め込むという捨て身の策を行った呪腕のハサンの前に現れる。
受肉したシャイタンを一刀のもとに切り捨て、「右腕が魔神の腕でないならお前は呪腕のハサンのはずがない」と言う建て前で任務を果たした彼を「山の翁」から解任、
生者として崩壊した時代を復興させる使命を与えて去った。


おかしな事を言う。呪腕のハサンめの首、たった今落としたところだ。
これなる骸の腕は呪腕のもの。であれば、それは呪腕の翁であろう。
貴様はすでに山の翁ではない。よって、我が剣にかかる道理もない。

……死をもって免責するのが我らの常。
それを……生きたまま任を終えるものがいようとはな。

誇るがいい。いたらぬ暗殺者なれど、我ら十九人の中でただひとり、翁の(くびき)から逃れたのだ。





■ゲーム中での性能

ゲームでは最高レアリティの星5アサシンとして登場。残念ながら恒常ではなく期間限定なので、欲しい方は財布と相談しておはやめに。

ステータスはグランドクラスらしく全ステータスが高水準で纏まっている。
カード構成はBuster×3、Arts×1、Quick×1というアサシンクラスでは初の構成。お前のようなアサシンが居るか
しかしながらArts、Quick、EX攻撃のいずれも性能が高く、ArtsやQuickを混ぜてブレイブチェインするだけでかなりのNPやスターを稼げてしまう。
なのでカード構成にしては、NP・星稼ぎに困ることはないだろう。

クラススキル「境界にて A」の効果で即死無効、強力な魅了耐性、通常攻撃時に低確率で即死付与といった効果を持っている。
即死付与はそのまま殴り倒す事がほとんどなので決まればラッキー程度に考えれば良いが、即死無効と魅了耐性、
「対魔力B」による弱体耐性アップ効果、そしてスキル「信仰の加護A+++」による弱体耐性アップにより状態異常に非常に強い。

スキル構成はバランス寄り。「戦闘続行 EX」は他の同系統スキルと比べても飛び抜けて高性能で、復活時の回復量がLv1の時点で既に3000、Lv10まで上げると5000もの回復量を誇る。これにより、復活しても即相手の攻撃にあって撃沈するといった事態が起こりにくくなっている。
「信仰の加護A+++」の防御大アップ(1ターン)とHP回復効果と合わせれば、立て直しも容易。攻撃力アップ(3ターン)はBuster特化構成と相まって、アサシンのクラス補正で下方補正がかかっている攻撃力を十分に補ってくれる。

代名詞とも言えるスキル「晩鐘EX」は、敵全体に即死耐性ダウン(3ターン)+自身にBuster効果アップ(1ターン)というもの。
自身の宝具の威力とともに即死効果を高めるもので、即死が効く相手にはかなりの確率で即死を通すことが可能になる。
また持続時間が3ターンなので他の即死持ち、呪腕のハサン静謐のハサン両儀式などと組ませると存分に活かせるかもしれない。
とは言え雑魚ならともかくサーヴァント相手に即死を前提とした戦いをするのは得策と言えないので、その場合は単純にBusterアップスキルとして活用するのが吉か。

弱点としては、大体のアサシンクラスが得意としているクリティカルスター稼ぎに向いていないこと。
1枚だけのQuickやEX攻撃の性能は高いが、流石にそれだけでは十分に稼ぐことは出来ない。
むしろ「単独行動B」によりクリティカル威力が微増してるので、彼にスターを集めて強力なBuster攻撃などでダメージを稼ぐ、メインアタッカー的な役割を担ってもらうと良い。
スター稼ぎはジャックちゃんを始めとする他のアサシンなどに任せるのが良いか。
回復量の多いガッツに立て直し用の回復兼火力アップスキルの存在、NP獲得やスター獲得の調整が容易といった点から殿や単騎の適正性能が非常に高いのも特徴。
同じく殿・単騎運用に定評のあるヘラクレスと比較すると、ガッツの回数の少なさ、弱点を付きにくいことおよびクラス補正による火力不足等で劣る代わりに、状態異常(特に行動不能系の一つである魅了)に非常に強いこと、弱点を付かれにくいお陰で素耐えしやすいこと、回復スキルの存在による立て直し性能の高さなどで差別化可能。

なお、プロフィールでの性別は「???」と表記されているが基本的には男性としてゲーム内では扱われ、
男性限定の追加バフなどの対象となる一方、女性限定のバフなどには対象外となっている。



■余談

史実におけるハサン・サッバーハは1050年頃にペルシア、現在のイランの首都であるテヘラン南部にあるクム(現代ペルシア語ではゴム)という厳格な宗教都市で生まれた人物である。
彼は7歳から10年間学問を修め、その後は王に招かれて御用学者となったエリート中のエリートであった。
ある時、宰相は1年かかると主張した王命の調査報告書を、ハサンは僅か40日で完成させてしまう。
日頃から宗派の異なるハサンを疎み、蔑んでいた宰相はこれに立腹して報告書をめちゃくちゃに改竄して提出、結果王から叱責されたハサンは宮廷から姿を消した。
そして突如としてハサンはアラムート要塞を奪取し、以後は弾圧された宗派の庇護者たるべく、暗殺者たちを率いて弾圧に立ち向かい、
山の翁ハサン・サッバーハとして歴史にその名を残した。
やがてハサンの後継者であるラシード・ウッディーン・スィナーンと彼の戦士たちの活躍が「アサッシン」として伝説に昇華されていったのである。

逆にこの御方が敵に回った状況は想像したくないものである。
何しろハサンが最初に暗殺した相手こそ、弾圧の首謀者である件の宰相だったというのだから。




追記・修正は「山の翁」を襲名してからお願いします。

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最終更新:2024年03月06日 23:01

*1 なお、歴代ハサン達からは一貫して「初代様」と呼ばれ、ゲーム内における名前の表記は「“山の翁”」になっている。

*2 幸い神殿最奥部だったため、神殿からの再生力付加によりオジマンディアスは死なずに済んだが、それでもしばらく首が繋がらなかった

*3 神に関連する宝具には無効