自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡(以下省略)

登録日:2016/08/31 (水) 02:31:55
更新日:2023/11/12 Sun 14:04:12
所要時間:約 21 分で読めます。自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述を飛ばしながらだと約15分で読めました。





~8月31日~

             ___
××│|      /__     ヽ〟
××│|  /   |⌒ヽ\|      ヽ
──┘|/     |+  |─l- 、    | 
 ̄ ̄ ̄|     cーU #  ノ   / っ
      |  / ⊂_/ ⌒ヽ\ヘ/   っ
      |/         ⊂j ゙ .へ 
 ̄ ̄ ̄|    (ヽ∩ヽ二二 // ヽ
      |  / 三   j ̄ ̄ ̄ )   l
___|/     ̄  ̄ ̄ ̄|      | ───
      |   /      ,-┼ー──|  ̄ ̄ ̄
      |  /  /´ヽ/ヽ_|.___ノ、_,- 、    ⌒ ヽ
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   /.       \ __ノ          ̄ ̄|ー  !  ̄ ̄(  ノ
  /                    `ー′
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ド、ド、ドラえも~ん!


     ____
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 /   /   `ー ●ー ′ ヽ
 l  /   三.  |  三  |
 |   l  /⌒\_|_/^l l
 l  | l , ─ 、- 、     l /
  ヽ l ヽ ___)__ / /
   〉━━━O━━━´⌒ヽ
  /  /      ヽ   l   l
「のび太くん、きみが今日言うことはだいたいわかるから先に言っちゃうよ
 きみは次に『ドラえも~ん! 宿題がぜんぜん終わってないんだ! 8月を32日までにする道具出して~!』とか言うんだ」

     , ─ 、
   (_l_l_l_ j
   ヽ ⊂ノ , ──- 、
     |   |/ ______ヽ  /^)、
     |   |  | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_)
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     |__|⌒  `ー  o ー| /
     |   |、  /⌒ー──つ/
    |  |ヘ ヽ、(二)ノ</
     |  \/\//
     /       /
「ドラえも~ん! 宿題がぜんぜん終わってないんだ! 8月を32日までにする道具出して~! ……ハッ!

       ( ⌒ ⌒ )   ⌒ )
         | | |    ( ヽ\  ___
       _____          /__     ヽ〟
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    /  , -|/・|<\|-ヽ     |・) |─|_    !
   i   / U `-●-´   i    d -´  )    /
.   |  |    三. | 三.  !   └´⌒)  \ヘ/ ,- 、
   | | /⌒\._|_/^i /     `─┐二二ヽ(  ノ
  ◯ヽ ヽヽ______ノ/◯ i⌒^)  /   )  ヽ| ̄| ))
  \ ━━━━o━━ /  ヽ/\/  /   i   |
    |.    /      ヽ |′   \   /    |─′
「ほらみろ、だからオリンピックの全競技をテレビにへばりつきながら実況するのはやめようって言ったんだ!」
「でも次に夏のオリンピックが来るのは4年後だよ、ぼくその時中学3年生で高校受験じゃないか! ぼくがまいにちオリンピック全競技実況できるのは今年が最後なんだよ!」
「のび太くん、どうせきみは4年後も小学5年生なんだからそんな心配しなくていいんだよ!

                     ____
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    /・ノ- 、       ヽ     |・  |─|__      |
  ●- ′  ヽ      ヽ    c-´   )  /
  | 三    |       |.   └─┐  \/
 (___   |      !      `─┬__´/ヽ、
   \    |      /        /l/\ /  i
    o━━━━━━    _∩_/ |    |  |
    /| ヽ       |   ∈  |   |     |  |
えっ、どういうこと?「……」
ねえどういうこと?「……」

         , -──- 、
     ゝ/ ______\         , ────- 、
      /   | / - 、 - ヽ!       / /⌒ヽ⌒ヽ     \
.      |   |  /     |   |       //| /・|・\ |ヽ     ヽ
     ヽ   |─|    ‘|‘   |      /   `ー● ー ′ \    ヽ
      /⌒` ` ー   ヘ ー l      l ─   |  二     ヽ    i
 ( \  ヽ_   /⌒ー──つ     | 二   |   ─     |   |
  (ヽ ヽ/ ) \ ヽ __//      |     |         l   !
 ( )'   ノ   /` ──く        ヽ  / ̄\       /   /
  ` ー、  ` ┬´ \/ \/ヽ        ヽ /      \   /   /
    \._|_ノ      |_|         >━━O━━━━━┥
         |         | |
「そんなことよりさ、ねぇドラえもん、明日の朝までに宿題をなんとかしないといけないんだ!」
「何が残ってるの?」
「えーっと、工作と、あさがおの観察と、読書感想文……」
「うーん、それじゃあまずこれを飲んでもらおうか」


    ./     /                ┼:        .|、     \
   ./      /     : ー'''゙゙゙''〟   ~~广 i \   =|'l=‐''';;    .\
  ./       \       ._,,,./     /.ir-┼    ‐|| r‐i|ヾ    .l
  !         ヽ              ,, ̄,         ̄´      |,
  l      ._┼_    ..__L, \,,    ./     =||-  \     l
 ,!           i__}      / . !       \     l´}  ∥丶:     |
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   l         ゙ー′   -± .ヽ    ._|_                /
   .ヽ                / ,i-|i...      |、 )               /
    .ヽ                `'"        ̄            /
     ヽ              |   ヽ、    .,.. --¬''''''''― ,,,  .,/
      \          l ,,,  | ,,  ,,-″: : : : : :_.: : : : :__゙゙''ゝ、
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                 ゙゙̄フ: : : : : ¬‐ッ!- ..,,_  .\ -゙.! ・ !゛ ,..-''.l゙゙广
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         (ヽ....ノ,!    !: : : :ー''''ナ'マ''''''''''''―ー    . l    ̄  l .`"
              !  .ヽ,,、   .!: : : : : : :,!  .ヽ..__,,,.... .     !   `''';;vii,゙
         /     ヽ   l: : : : ,,..┼'''"´`!¬--.... ........--―''''''ア .| `゙'‐
           {.l''二二"''/´`''、 .l: : : :  l    ∪ ∨∨∨∨∨ /  /
         !.! |,,,,,,,,| |、  .l..,_..l...:::::::::ヽ  ∪  \ ∧∧∧/ し.,./
       ,  ゙!、―---リ  .,/: : :`''ーv....,,二,゙,゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙'''''゙゙“''''''''ニクl″
     .| .|    ゙''ー-‐''ゝ-./ : : : : : : : : : : : :  ̄`-¨゙゙゙゙二二゙ケ‐、: ::ヽ
     l "          ゙'-、: : : : : : : : : : ./     ヽ.lil/  l: : : .l
      ゙.,│           `ー、、: : : : : :/    _____   /'ヘ,: : !
      .l ヽ                l: : : : : {  ! ̄  . ̄´/    li″
                         l: : : : : ヽ、.\、    ,ノ、,,,_,ノ`\
                      l,: : : : : : :`ー ....,゙,゙,゙二 / : : : : : ::}
                     /  l,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
                    l   .ヽ,,:,: : : : : : : : : : .ノく,: : : : : :.,./
                    !__,,,/ `゙"''''''''''''''"´   `'''''''″
「ドラえもん、眠らなくても疲れない薬なんてさすがに麻薬取締法とかに引っかかりそうだからやめたほうがいいと思うんだ」
「しかたないなぁのび太くんは、じゃあ提出する宿題の質をグッと落としてなんとか今日中に終わるようにしよう!」

      , ───  、
    //⌒ ⌒ヽ   \
   /  |  ヘ|・   |- 、  ヽ
  //  ー● ー ´   \  ヽ___
  l  三  |   三    ヽ .|   |
  .(____|____   l__.|   |
  .ヽ\   , ── 、 ノ  (__ |__|
    ヽ ヽ、/___/  /  /
     >━━,-、━━━′ /
「まずは工作を片付けよう。紙ねんど~!」
「そんな! ドラえもん、今から紙ねんど工作なんかまにあわないよ!」
「だいじょうぶ、ほうっておけばいいの」「かたまっちゃうよ?」
「かたまったら『とうふ』というタイトルをつけて提出するんだ」「さすがドラえもん!」

        , -───  、       , ──  、
     /    /⌒ヽ⌒ヽ\   /____   \〟
    /   , -|  ・|・  |、ヽ  l ⌒ヽヽ |    ヽ
   /   /   ` ー ●‐′ ヽ |ヽ  |─r‐、     |
   |  /    三  |  三  c 、__ ノ   ノ   /
((  l  |  |\____|__ノ |  / |   \_ /
   ヽ  l ヽ , ─-、   /  ノ ヽ、ヽノ  _l
    ヽ ヽ  ヽ、___ヽ/ / (ヽ ` Z二─ ヽ ))
      〉━━━━O━━く 三  | ̄ ̄ )   \
     /    / ____ヽ \  ̄  ̄ ̄ヽ      ヽ
 ((  ◯   | ヽ    ノ | ,◯     , ─┼── ´l
    O-|   `ー─、⌒ヽ─ ヽ    l  __|___.ノ
      ヽ、     |  |__ ノ   __| ̄ |  |  └┬⌒ 、
         ̄ ̄ ̄`ー′      ( __ノ  ヽ.___|__ )
「次はあさがおの観察だね」
「そんなものぜんぜん見てないよ~」
「だいじょうぶ、『夏休み初日にトラックがつっこんできてメチャクチャになったので観察できませんでした』と書けば1日で終わる」
「さすがドラえもん!」


                    . . . - === -. .
                   , : ´.: : : : : : : : : : : : : : : : :` : 、
                   ,:': : : : : : : :x --、: : , --ミ: : : : : : ヽ
              _ /: : : : : : : :7    .Y    V: : : : : :.ヘ
              7:.ト: .__: > {      !     .L_: : : : : ∧
                ,': : : :./`ヽ.人 ー'.人Q  ノ _≧=---:.
            ┼─/----    ̄(:゚:::::) ̄  ´   ∨: : :!
            |: :./  _,.       i   x=ニニヽ.─V‐ |
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                 ',:i   `丶        l  ',:: :: :: }::_:_j_ l`:′
                 ',:,     \     l   ヽ::x '´   ':/
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                    ,':::::::::::::<::::r====t-=ニニ斗::': : : ハ
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                 l: : : : : : :∧        γ´ ̄ヽ>'
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「最後は読書感想文だけど……どうしようドラえもん、ぼくが眠らずに本を読むなんてできっこないよ!」
「だいじょうぶだよのび太くん、今年もどうせこうなるだろうと思ってとっておきの本をとりよせておいたんだ」
「えっ! 見せて見せて!」


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『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述~!!』

        , ──-  、
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    /  三) //⌒ヽ - 、! っ
    / ノ |─|   ((|、   |  っ
  /  /⌒ #ヽ、   |))   !
  |  ヽ_ /⌒ヽ ̄ ヘー く
(( ヽ/\l |   `~~、__ つ
   \  |ヽ` ─~~、
     ヽ \/ (ヽ∩ ̄
     |   三_  \ ))
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「ええ~っ!『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』だって~!?」


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      ゚。:::::\    ∠二二二\_/二二ヽ
       (ニニニニ|         冂      |
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        |:::::::::::: 、_丿   | |=|   、_丿
「そう、『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』という本だ」

          , ─── 、
       ゝ/_________\
      /  | / / ⌒ ヽ ⌒ヽl
       l   |─|   ‘|‘   |
      Y⌒   ` ー  oー ヽ
      ヽ_     ___   ノ
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         ,-` ー── <
       / __l/l ,-、-く ヽ
      /  // ̄ ヽノノノ  |
「へぇ~、『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』なんて本があったのか~!」


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    / ̄ ̄ ̄ ̄\,,      /-、 -、    \
   /_____  ヽ    /  |  ・|・  | 、    \
   | ─ 、 ─ 、 ヽ |  |   / / `-●-′ \    ヽ
   |  ・|・  |─ |___/   |/ ── |  ──   ヽ   |
   |` - c`─ ′  6 l   |. ── |  ──    |  .|
.   ヽ (____  ,-′   | ── |  ──     |   l
     ヽ ___ /ヽ     ヽ (__|____  / /
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「のび太くん、そろそろこの露骨な尺稼ぎやめにしない?」うん


『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』*1は、1717年にイギリスの作家ダニエル・デフォーが書いた小説の正式名称である。
原題は『The Life and Strange Surprizing Adventures of Robinson Crusoe, of York, Mariner:Who lived Eight and Twenty Years, all alone in an un‐inhabited Island on the Coast of America, near the Mouth of the Great River of Oroonoque;Having been cast on Shore by Shipwreck, wherein all the Men perished but himself. With An Account how he was at last as strangely deliver’d by Pyrates』といい、全部で67単語、310文字もある。
とはいえ、この異常に長ったらしい上に結末を思い切りネタバレしているタイトルは初版発行時のものであり、現在はもっと短いタイトルで知られる。
何を隠そう、この本こそかの有名な『ロビンソン・クルーソー』なのだ。

昨今、ライトノベルのタイトルが長大化する向きがあるが、
ラノベに当たる概念すら無かったであろう、およそ3世紀も前にこれほど長いタイトルをつけていたダニエル・デフォーには相当に先見の明があると思われる。
そもそもタイトルが310文字(日本語訳でも129文字)あるライトノベルは未だに現れていない。
2021年現在、出版されているラノベの中で最もタイトルの長い『人脈チートで始める人任せ英雄譚 ~国王に「腰巾着」と馬鹿にされ、勇者パーティを追放されたので、他国で仲間たちと冒険することにした。勇者パーティが制御不能で大暴れしてるらしいけど知らん~』でさえ91文字しかない。ただし、漫画等ではこれを超える作品もいくつかある。余談も参照。

『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』の圧勝である。


ちなみに本作の影響を受けて1726年に出版された人間嫌いで知られるジョナサン・スウィフトの風刺小説、『船医から始まり後に複数の船の船長となったレミュエル・ガリバーによる、世界の諸僻地への旅行記四篇』
("Travels into Several Remote Nations of the World, in Four Parts. By Lemuel Gulliver, First a Surgeon, and then a Captain of several Ships")
も相当に長い(これを短くしたのが『ガリバー旅行記』である)が、本作には到底及ばない。

最近のラノベはタイトルが長すぎてイカンとか、
短いタイトルにどれだけ作品のエッセンスを込められるかに文学的価値があるとか、
中身を全部説明するのは想像力の欠如がどうのとか批判する人には、ぜひともこの本を突き付けてやろう。

この本は実に300年も前に書かれ、これほど長いタイトルを持ち、中身を全部ネタバレしながら、世界的文学作品となったのである。
どんなもんだ、グウとでも言ってみろ!「グウ」
えっ、結局長過ぎて後から短縮されたんだからダメじゃないかって? おっしゃる通りです。

さっきから長い長いと書いているが、これでも世界一長いタイトルではない
2021年現在でタイトル最長の本は、インドで出版された株式市場の予測に関するもので、何と4,558単語、27,978文字もある。市場予測に使うツールの名前を羅列したら長くなったらしい。
なのでギネス記録はその本に譲っているが、小説に限れば本作が最長クラスだろう。

なお『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』とは上記の初版本の原題を訳したものであり、実際にこのタイトルで『ロビンソン・クルーソー』の日本語訳版が販売されたことはないのだが、まあ未来デパートでは売ってるって事で許してね(はぁと)


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    | -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ          ノ_ ー  |     |
     | ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \        \. ̄`  |     /
     ヽ  ` ,.|    ̄  |  |         O===== |
       `- ´ |       .| _|        /          |
.          |       (t  )       /    /      |
「……というのがこの本の事情なんだけど、のび太くん、『ロビンソン・クルーソー』は知っているね?」
「もちろんさ! 愛してるの響きだけで強くなれる気がするやつだろ?」
それロビンソンじゃなくてチェリーだよ

                        ___
                        /rニー 、` ー、
                         /´/'´ _,. l,.....ヽ  ヽ
                        r''ヘ_ _ ,.r' l  lヽ  .i
                      ,r '´l _. リ !    / l.〉 l,r
                  l   、i(._`    `ー-‐'ヽ./   l`
               ,r::'::::l   !ヽ_`ヽ_,..、     '⌒r_'
    r‐ 、       _  i:::::;::;_;l-'´` ‐ ̄._ l   _,、_'ノ- i、._
    l    `-、..-i' ´  ヽ_,.ゞ- 、      r ' ´ ̄       /:::::::::`ヽ
   !     ,..rー、    ヽ.  ヽ     ./     _,...-::'´:::::::::::::_;/
    ヽ、   /     ,ヽ.    i.   ヽ   -r:::::'::::´:::::::::::;::::-‐::':´::::::)
      `‐/ 、__ ./ヽ,入_,ノ     l  ,r'´ ` ー ::::_::::::::::::::_;:::- ' ´
     _,/     /.  ヽ_   _,.. -ヘ-'         ̄
  r' ´      ヽ       ̄
  ヽ、      _ノ
      ` ―― ''´
「うーん、でもこの『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』、だいぶ分厚そうだよ、ぼくにはとても読めないんじゃ……」

       ,  ─── 、         , ── 、
     /    /⌒ヽ⌒ヽ\     /____ ヽL
    /   , -|  ・|・  |、 ヽ   l ⌒ヽ ⌒ヽヽ|  ヽ
.   /  /  `ー ●ー′ ヽヽ  |  ・ |・   |─|   |
   l  /    二   | 二   | (/ー c  ー   ⌒Y
   |  |    ─   | ─   !  l └、──┐  _ ノ
.   l  l \       |    / /  ヽ、 ヽ _ノ /
    ヽ ヽ  `ー──┴─´ /     / l/\ / \
     > ━━O━━━━く     / |     \ /⌒⊃
    /_ /      ヽ  、 __ヽ(\, -/)___| ヽ、_ヽ)
    (__ l ヽ ̄ ̄ ̄ノ l  ( __ )/`UU.´\    l
「だいじょうぶ、きみは『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』を1ページも読む必要がない」「ほんとに!?」
「まず読書感想文のタイトルを書いてみよう」

「えーっと……『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』を読んで……と」
「ウフフ、のび太くん、今何文字書いたかな」

      _____
  ゝ/         \  /
  /  _______ヽ
  |  | : : : : : :\_人ノ: : :|   /
  |  | : : / ⌒ ヽ: :/ ⌒ ヽ
  /^v─ i      |    |
(( |:d: :♯|     ((・|・))   !
  ヽ: : /^ヽ、 _ ノっ _ ノ-、
   |: :|   \_/^\/^\_:ノ
   |: :|               \
 /⌒\ヽ (⌒ヽ⌒)   ))
 |    \\_/^\_/ノ _____
 |     \─┬─ ´ |   | ._ _ _|_
 |.  \.   \ |   \  |   | |i| |!|(_)
 |     \     \./ ̄ ̄)   | |i| |!|(_)
        \   /     ̄)   |┌┐ |
「ああっ! もう原稿用紙の1/3くらいがうまってる!!」
「そう、この『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』はタイトルだけで129文字もあるから、タイトルを書くだけでものすごくスペースをうめられるんだ。
 のび太くん、次は読書感想文1行目のお決まりの文句を書いてみようか」


        , -─── 、   /
     ゝ/ _______\   /
     /   | /       ヽ|
     /    |  / ⌒ ヽ/⌒ヽ|     ̄
     |   |─|     (・|・)  |
      V⌒`  ヽ     |    ノ
   /  ̄ ̄) |\`ー─ ヘー つ
   |  二 | |  `ー─┬─ ´
   |   ノ、 \⌒ヽ⌒)_   ( ⌒\
  /` ー/ヽ ヽ、 二二二ノ  ( _)、  ヽ
 /   /   \/\/\    l   ー ノ
 ヽ_         /  \/ \ _/
「えーっと、ぼくは『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』を読みました……と
 す、すごいよドラえもん! もう原稿用紙の2/3がうまっちゃった! ぼくこんなにスラスラ作文を書けたの生まれて初めてだ!
この行為が作文を書くといえるのかどうかには議論の余地があるけどね

    ,  ──- 、            _____
 ゝ/     ___ヽ        //⌒ ⌒ヽ  `\
 /      |_/ /⌒ヽl       / / ・/・  / 、    ヽ
 l     /| |-|   ・|      // `ー●ー ´   \   ヽ
 l      ヽl j ヽ __ ノo     /^ 三 /  三     ヽ    l
  \ ヘ/         l     ヽ.__ /     __  l    |
.    ヽ       ノ      | ヽ ̄ ̄ ̄ ̄   /  |   l
    |二二 ヽ ̄   ∩/)  ヽ \/  ̄`ヽ/  /   /
    /   /⌒ヽ    /  く   ヽ  ヽ、__/    /  /
    |   ヽ  \/\_ ノ     >━━,-、━━━━┥
    |      ヽ     /        /  / ヽフ /⌒ヽ ̄  l
「でもさドラえもん、ぼくはまだ『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』を1ページも読んでないよ?
 これじゃタイトル以外なにも書けないじゃないか」
「大丈夫、きみはもう『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』のすべてを理解しているんだ。
 のび太くん、『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』の主人公、ロビンソン・クルーソーはどんな人だと思う?」

       , ──── 、
    ゝ/ _______ヽ
     i  | / /⌒ ヽ/⌒ヽ
     | _| _|   ・|・  |__
  , ─i 、    ヽ __ o__ ノ  ヽ
  !  `-、          |  !
  \   ヽ、   ──┘ ノ /
    \   \二二へ二ヽ/
     \ |        |
       |        |
「うーん、なぜだかわからないけど、ヨーク出身の船乗りのような気がするなぁ」
「正解だよのび太くん」

       , ─── 、
    ゝ/ _____\ っ    , ──── 、
    /   |ノ/ ⌒ ヽ ⌒ヽl   っ //⌒ヽ⌒ヽ    \
    l  |─|    ・|∠  |   //|/ ・|・ \|ヽ、   ヽ
((  Y⌒  ` ー  ヘー ヽ  /   `ー●ー ′ \   ヽ
   ヽ_  /⌒ヽ___つ  |   二  |   二   ヽ   l
/⌒)、 ヽ |     /     l   ─  |   ─     |   l
| 、_,(_ノ  >、二二二)     ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  |  l
ヽ__ノ / .l/ \/ ヽ、     ヽ\ __( 二二 ノ   |  /
 |  l   |        \ /⌒ヽ-`━━O━━━━━く
 ヽ_ / |      |\  lヽ__ ノ_\ /    ヽ/   ヽ
「そんなバカな! ぼくはまだ1ページも読んでいないのに!
 ま、まさかこの『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』には表紙を見ただけで内容を理解してしまうミーム的効果が!?」
『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』が持つ異常性*2についてはあとで考えるとして、それじゃロビンソン・クルーソーはどうなったかわかるかい?」

         , ─── 、
          /_____ ヽ〟
        l ⌒ヽ ⌒ヽヽ | ヽ
        |  ・|・   |─|   |
       (/ ーc ー ′ r‐、ノ
       l  (__        _ノ
         ヽ  (._,    /
  ⊂二ヽ、  `_ ,── イ__    ∩
    | ( ! ̄ ̄ |/ \/  ヽ─/ 二⊃
    `─┴──|     \ ___i_(ノ
            |        |
             (____l
           |      j
「決まってるじゃないか、船乗りだから船に乗るんだ。
ところが乗っていた船が難破して自分以外の全員がしんでしまう。でもロビンソンは奇跡的に岸辺に打ち上げられて助かるんだ」
「そうだね」


         , -──- 、
     ゝ/ ______\         , ────- 、
      /   | / - 、 - ヽ!       / /⌒ヽ⌒ヽ     \
.      |   |  /     |   |       //| /・|・\ |ヽ     ヽ
     ヽ   |─|    ‘|‘   |      /   `ー● ー ′ \    ヽ
      /⌒` ` ー   ヘ ー l      l ─   |  二     ヽ    i
 ( \  ヽ_   /⌒ー──つ     | 二   |   ─     |   |
  (ヽ ヽ/ ) \ ヽ __//      |     |         l   !
 ( )'   ノ   /` ──く        ヽ  / ̄\       /   /
  ` ー、  ` ┬´ \/ \/ヽ        ヽ /      \   /   /
    \._|_ノ      |_|         >━━O━━━━━┥
         |         | |
「そしてアメリカのオルーノクという大きな川の河口近くの無人島でたった1人で生活することになる。
 ……あれ? ねえドラえもん、アメリカならアメリカ人がたくさんいるから簡単に見つかるんじゃないの?」
「のび太くん、時は18世紀前半だよ。まだアメリカは独立すらしていない開拓時代で、人はぜんぜんいないんだよ」


                                 ,...::::´::::::::::::::〕iト、
                            ∠::::::::__:::::::::::::::::\
                            |/ ̄ヽ , -- ミー┐:::::ハ
                            ,.|i   i/     ‘, |:::::::: i
            ,...__               { !{  ≧|l9     L_|,r‐ 、|
           {圭}:::::ハ } ̄二ニ=─--┐  7 ゝ-r‐ヘ、   ノ  /i }
.             `゙´L__//___ __,. --ミ_ /} 八     ___   ゞ ノ
                  LL... ---  ` 、   \_ '´ 乂__ノ` _,.r‐'
                    {_,..     Tニニ==──    ヽ∧
                       (__     |           } ∧
                     ゝニ __,ノ         __彡   ∧
                                 ̄ ̄フ ̄マ ̄       ∧
                              /   ∨      _/ハ
                              /    γ´ ̄ ̄`ヽ'´    }
                        ,. '⌒ヽ   / !      }   リ
「あっ知ってるよ! ワイアット・アープやビリー・ザ・キッドやクリント・イーストウッドやフランコ・ネロがかつやくした時代だね!」
「きみのアメリカ観についてはそのうち大幅な追記・修正の必要がありそうだね」

               /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
              ,. ':::::::::::::::::::::::斗 ,、 ̄ ̄、 二_ ミメ、
                 /::::::::::::::> ´ フ^ ヽ、 , ^丶_ \ f
                j:::::::::::// _/     ヘ ′    ー゚,!
             /:::::: Y´_,.i- ´     - _  ! /_, z   ‘,
           ′:::::::i   {      ==ミ ! ゞ'´    .}、
              {::::::::::::|  〉          l〉- 、     人} °o
            V::::::::::l/ 人       ノ  __ノ __彡と_つ
               γ⌒ヽ  て_  z-- ´        ⌒i  }
                {  ト、  o し'´, ⌒ヽ_    _,. 、__ノ  !
                ‘,      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}  ,:'
                 〕iト-ヘ   {::::::::;: -- 、__,. -- 、:::::::リ , '
            _ -- ミヘ、 {:::::/: : : : : : : : : : : }__/ ,.イ
           /   ∧ ≧ト _ー一 ´ ̄ ̄ ̄ ∠=ミ
.           /     ハ  ∨ \ー-  ___ < ∧  ‘,
「そしてロビンソンは、無人島でたったひとりで28年もの時をすごすことになる。
 えっ……28年だって!?
 そんな……28年も1人ぼっちだなんて……あ、あァァァんまりだアアアア!!
「ど、どうしたののび太くん!?」

       _____       _____
    /        \  /       \
   /      - 、-、 ヽ/_______  ヽ
  /     -| /・|・ヽ|- |ノ-、 , ─ \  |  |
  |   /_ `- ●-′ /⌒)|    |_|___/
.  |   |  _ ̄   | 二 | ⊂ノ | └  |  6 |
  |  |     ̄  | ─ |_/-c`─) )  - ′
  ヽ  |   ̄ ̄  |_) |  |‘┬─(、( /
   ヽ |   /(⌒|\  |  |`-`─- ´ノ^\
    ┝━/  /|~| |━l ヽ__|ヽ./\/ l  |
.    |     / | | |  |/ |       |  |
「ぼくは10年間無人島で暮らしたことがあるから、ロビンソンの気持ちがよく分かるんだ。
 さびしかったろう、つらかったろう。
 つめたく光る星空の下で、なんど祖国をゆめみたことか……」
(そうか……のび太くんはひとりぼっちで無人島暮らしをしたことがあったんだ……)
「28年だなんて……ぼくの28倍もの時間を……」2.8倍だよのび太くん


                _   --------   _
                ,.<: : : > ´ ̄`丶: : : : : : : :〕iト .
.            ,. : ´: : : : : :/      ノV: : : : ;:  ⌒丶>、
          /: : : : : : : :../   _ -‐ ´   V: /     ∨: \
          ,:' : : : : : : : : : :′ ̄         !′         ∨: : ヘ
       /: : : : : : : : : : :.{              |            i: : :..∧
.      /: : : : :.>< ̄八        _   |            }: : : : ∧
       ′: :./    \  \      ´  ,.△、ヾ、     /: : : : : : ゚
      i: : : / ̄``丶   `   ー‐一 7:::::::::::ヽ  _  - '-  _: : : :.}
.     |: : /      `         八:::::::::::::ノ≦:::::::::::::::::_::::::::::>.}/
.     |: :.{ ̄ ̄``丶            `T /___,:   >、--、` <:::::::::\
.     | : i     \              l __,ノ ‘,'  `丶ヽ_  \::::::∧
      i: :|     \_                l{   /        }   }::::::ハ
      Ⅵi       `丶 _       /ーr^ ヽヾ     へ  l::::::::::::}
      Ⅵ!           ー-  __/   `    ー一< {  ヽ!::__:::::::}
.        Ⅵ                { └─ フニ=-  _ ヽY  レ´ィ }:::リ
.       Ⅵ                   ‘, ∨: : : : : : : : : :ノ ∪  /:l ル/
         Ⅵ                  ‘,  \: : : : : :/      __/:/
.         寸=--   _  -──--   _ \        ,.: ⌒ヽ}::/
           〉ー一 ´.: : : : : : : : : : : : : : :.` :> ____ ...ィ      \
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/    ヽ′      ∧
        {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{         }          ハ
「でも……でも最後は奇跡的に海賊船に助けられたんだ。
 よかったねロビンソン、本当によかった」「うんうん」

      , ─── 、      _____
   ゝ/______\  / -、 -、   `\
   /  | /  ─ 、 ─ 、! //|/^|^\|- 、    ヽ
    |  |_|     |    |/   `-●-ヽヽ \   ヽ
    |  |  |.   ^ |^   |  二 |  二 ∪   ヽ  i
   V^`  `U- っー |(._─ |  ─  __ |   |
   ヽ_   ヽ───⊃ノ ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  / !   !
     ヽ   ヽ、_//、  \        / /  /
       >───イ   \  ヽ_⌒⌒ヽ/ /  /
      / \/ \/ |⌒ヽ-i ━━6━━━━━i
      |  ───┴┬/⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄      i
      |  _____|_ヽ_ノ────┐     |
「ありがとうドラえもん、ぼくの孤独をわかちあえる本にはじめてであえたよ」「うん」
「1さつの本でこんなに感動したのはうまれてはじめてだ」まだ1ページも読んでないけどね
「一生大切にするよ」中身もちょっとは読んでね


        , ──- 、
    ゝ/_____\             _____
 ̄ ̄| /  | / / ⌒ヽ⌒ヽl           //⌒ヽ⌒ヽ   `\
    | l __|_|   ^| ^  | ∩/) 、     /  |   ^|^  |- 、   ヽ
   ⊂ヽY   ` ー ヘー´ー、 ヽ⊇    // `ー●ー ′  \  ヽ
    |ノ \  |`ー───, ┬´>ー-′   l  二  |  二     ヽ  l
──|\  \ヽ( 二 )_///        |  ─  |  ─   /   |   |
 ̄ ̄  \  ヽー──ィ/        /ヽ \__|___ /  /  /⌒ヽ
       `|  \/ \|          ヽ__ヽ  \ __/    / /ヽ__ノ
          |        |    /⌒ヽ    \ >━━O━━━━/   /
    ((   |ー───┼─┬┘  |     / / ____ ヽ    /
       /、   ___|___|_.   l  /⌒ヽ ヽ      ノ ノ   / ノノ
       /  `/        `ー ′ l    | ̄ ` ─── ´  /
       \ ノヽ- 、   ノノ         |    !           /、
         >    ノ           ` ー ´ ̄ ── _ _/ l
        ( _ /                       \ _ノ
「ロビンソンがぶじに国にかえることができて、ぼくはうれしさのあまりなみだをながしました……できた!」
「おめでとうのび太くん、去年までは桃太郎とかでごまかしてきたけど、ついにまともな本で読書感想文を書いたね」

       _____
    ゝ/´        `\           , ────  、
   /   ________ヽ        //⌒ヽ ⌒ヽ    \
  /   | / / ⌒ ヽ  ⌒ ヽ!       / /  ヘ /ヘ   ノ 、    ヽ
  l    |_l      ヘlヘ     l      // ` ー●ー ´   \   ヽ
  V ⌒`  |     |      |       /  二  |  -─     ヽ    ヽ
  | d   ヽ.__ノ ヘ _ ノ⌒i   l |ヽ ─ |  二二     |     l
  ヽ__  |\ ________ ノ   | l  \ |           |   |
    ヽ |      |   | ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|───,  l   !
     ヽヽ、_(二二)_|_  |       |  |       |    /  /  /
     / ` ー──── ' |       |  |       |- ´   /   /
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.    |    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  二)     |  |    /⌒ヽ       |
「うーん『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』はすごい本だ。
 タイトルが長いからこれを2回書くだけで1枚目をだいたいうめられるし、表紙を見ただけで中身が全部わかってしまうから中身を1ページも読まずに読書感想文が書けるなんて!」
「正直デフォーさんにはいろいろと申しわけないことをしている気がするなぁ」

            ___                _
        / ____ヽ           /  ̄   ̄ \
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    , ―-、 (6  _ー っ-´、}         q -´ 二 ヽ     .|
    | -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ          ノ_ ー  |     |
     | ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \        \. ̄`  |     /
     ヽ  ` ,.|    ̄  |  |         O===== |
       `- ´ |       .| _|        /          |
.          |       (t  )       /    /      |
「のび太くん、これで宿題は全部かな?」
「あとは国語と算数のドリルがあるけど、全ての空欄にわかりませんって書いてバツをつけるだけだから楽勝だよ!
 どうぜぼくはもともと0点だから、先生もあやしまないしね!」
「たまに発揮されるきみのものすごい悪ぢえをなんとか世のために使えないものかなあ……」










   ~翌朝~


       , ─── 、
    ゝ/ _____\ っ    , ──── 、
    /   |ノ/ ⌒ ヽ ⌒ヽl   っ //⌒ヽ⌒ヽ    \
    l  |─|    ・|∠  |   //|/ ・|・ \|ヽ、   ヽ
((  Y⌒  ` ー  ヘー ヽ  /   `ー●ー ′ \   ヽ
   ヽ_  /⌒ヽ___つ  |   二  |   二   ヽ   l
/⌒)、 ヽ |     /     l   ─  |   ─     |   l
| 、_,(_ノ  >、二二二)     ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  |  l
ヽ__ノ / .l/ \/ ヽ、     ヽ\ __( 二二 ノ   |  /
 |  l   |        \ /⌒ヽ-`━━O━━━━━く
 ヽ_ / |      |\  lヽ__ ノ_\ /    ヽ/   ヽ
「た、大変だ! 和歌を作る宿題やってないのすっかりわすれてた!!」
「のび太くん、しょうがないからいま心に浮かんだ文句をそのまま和歌にするんだ!」

   / ̄ ̄ ̄ ̄\
  /  ∧∧∧∧∧
  | //   \|
|/  (・)  (・) |
  (6   ⊂⊃  ヽ
  |  __⊥_) |
  |   \__/  ノ
 /|       /\
「おーいのび太! 夏休み中だけの約束で貸してた漫画かえしてもらうぜ!」
「げっ、ジャイアン!! ジャイアン……ジャイアン……ゴリラ……こ、これだ!」


~後日~

             ___
××│|      /__     ヽ〟
××│|  /   |⌒ヽ\|      ヽ
──┘|/     |+  |─l- 、    | 
 ̄ ̄ ̄|     cーU #  ノ   / っ
      |  / ⊂_/ ⌒ヽ\ヘ/   っ
      |/         ⊂j ゙ .へ 
 ̄ ̄ ̄|    (ヽ∩ヽ二二 // ヽ
      |  / 三   j ̄ ̄ ̄ )   l
___|/     ̄  ̄ ̄ ̄|      | ───
      |   /      ,-┼ー──|  ̄ ̄ ̄
      |  /  /´ヽ/ヽ_|.___ノ、_,- 、    ⌒ ヽ
___|/    ! //ヽ/    \  | |__  l ──    )
   /.       \ __ノ          ̄ ̄|ー  !  ̄ ̄(  ノ
  /                    `ー′
/             ::::::::::
助けて~! ドラえも~ん!

                      ____
    ____           /、       \
 ゝ/_______ヽ       /.ノ─ 、       ヽ
 / | / ─ 、─ 、|      ●- ´   \      ヽ
 | __|─|  / | ヽ  |     __| 二二    i       i
 (    ─ oー ´ヽ    (__  ──   |        !
  ヽ   , ──┘ノ      ( _       !      /
   \ ( _,ヘ_//  /)_   \    /     /
   / |/\//^\/ヽ ∋  _  6━━━━━━、
  / |      、   / ̄  ( )`|  \       ヽ
「どうしたののび太くん、この前の読書感想文、さすがに手抜きだってバレちゃった?」
「違うんだ、それは先生から『ちょっと手抜きっぽいけど君の感動はよく伝わってきた』ってほめられたんだ。
 問題は、夏休みの宿題で作った和歌がコンクールで入選しちゃったことなんだよ!」
「それはすごい!!よかったじゃないか?」

                   ,....:r…=::‐:-:.、
               ,x≦´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/__
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              {r-‐‐、─── 、 ‐─‐‐,‐┐.
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           /ヾr{     (・)}{(・)     }rf゛',
           { {: ! ゝ    _,ノ,r ヾ:.   _彡'¦{: }
           ゝ'ノ  r` ̄  ゝ '   ̄ ,r,  }_,ノ
.         __   :.  ゝ:.=x.. ____,,..:rく⌒/  .,
      (__  `i..r=\  \:::,r:.:.:.:.:.:.:,彡' /-- ..
        (__,  }   \__ `ヾ==''´,.:イ     ∧
        r(__,  }      | \`二二´/  |      ∧
「そんな!『ぼくゴリラ ウホホイウッホ ウホホホホ ウッホホウッホ ウホホホホーイ』をえらい人の前で読まなきゃいけないなんて!!」


                                   _    _
                                / ̄/\ /\\
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                               ....:::::::::::::| ./   r‐‐、ir‐‐、 \}
                       /:::::::::::::::::::::| /    { ◎ii◎ }   |、
                      ,..::::::::::::::::::::::/{    ゝ-' 八--'   / }──
                      /::::::::::::::::::/__ \__ //:::::::::} ̄ ____
                     ,:::::::::::::::/ __       、:::::::ノ  ____ }
                     ,::::::::::::::/ /    ────     }       /
                     |:::::::::::/ /      \───   }      /
                     |::::::::/ /         \ ___}___ /
                     |:::::::i '   { ̄ \  γ─、   /
                     |:::::::||        ̄    }   /
                     人:::::||   \      /   ′
                  /::::::::\{_\   >─ < ̄   |
                  , '::::::::::::::::::::::::::::::::::::{       }___|_
                /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{     /___ ノ__
「ええ~っ!? 『ぼくゴリラ ウホホイウッホ ウホホホホ ウッホホウッホ ウホホホホーイ』だって!?
 のび太くんのバカ! ウカツ! なんでそんなスカム和歌を提出したんだ!

      , ───- 、
    /     -、-\
    /    , ─|/ ・|・ヽ|ヽ  /    \  |  /
  /   /     `ー ●ー  |          , -── 、
  |  /     三  | 三 |_  ─    /____ ヽ〟
  |  |   /⌒\__|___/         |ノ^#⌒\  |  ヽ
  ヽ  |  |     |      \    | ミ|・)  |─|__ ノ
   ヽ ヽ `ー──┴─,            lーヘ ー# u   )- 、
 (( /━━━━O━∠_       (( ⊂~~⌒ヽ  ノ/   \
   l   __◯_ |_◯         ⊂二二..// // )
   |   | ヽ__/ |  ノノ     (/     _/__//__/ \/-、
   ヽ   ヽ、__ ノ )            ∈_∈_ノ、_|__)
   ( ヽ___ ノ── ´
「だって時間がなくて『ぼくゴリラ ウホホイウッホ ウホホホホ ウッホホウッホ ウホホホホーイ』しか思い浮かばなかったんだよ!
 ドラえも~ん! 変な和歌を読んでも恥ずかしくない道具出して~!!」



アニヲタwikiを見ている学生の諸君、夏休みの宿題は終わっただろうか?
終わってない人はこんな項目読んでないでさっさと宿題をしてきたほうが良い。

もし、どうしても読書感想文が終わりそうにない時は『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』をオススメする。
さすがにのび太くんのようにこれをそのままタイトルに使うのは厳しいにしても、『余談だが、この本の初版の原題は……』の様にすればかなり文字数を稼げるはずだ。原題の長さについて少々語れば手抜きと取られる可能性も減るだろう。

あるいは落語の『寿限無』もいい。名前1回につき100文字以上稼ぐことができるから、
何度も『寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝るところに住むところやぶらこうじのぶらこうじパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助』を書くことで大幅な水増しができる。
先生がなにか言ってきたら、『この落語はいちいち名前を全部言うのが面白いので、その面白さを伝えるためにあえて何度も名前を書いたのであって水増しではない』と説明すれば良いのだ。絵本版も出ているので、本の有無について聞かれたら絵本版を見せればいい。


夏休みは計画的に手抜きして、計画的に遊ぼう!


      ,. -――‐- ._
    ,. '´ /⌒ヽ /⌒ヽ `ヽ
   /    !  o l_!o   !   ヽ
.. /  ,. ‐へ_,ノ-ヽ__ノ‐、  ヘ
 ,' / ``'''ー-  ゙、_,ノ  -‐''" ヽ  ',
 ! l  ̄ ̄_   |   _ ̄ ̄ l  |
 l l ‐弋´   |   `~フー ! l
. ', ',    >-、_ | _,. -'"   / /
  VV  {   )  ̄      / /
   ヽ/ `ー'_____,//
   /    /--/⌒ヽ----┘、
   l     /  ヒΤフ  ヽ  \
「あっ、それから、追記とか修正をするときは、のび太くんやこの項目を最初に書いた人と違って、ちゃんと『ロビンソン・クルーソー』の中身を読んでからやろうね!」



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  • ※忘れているだけで実はのび太くんは「のび太漂流記」でこの本を既に読んでいます
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最終更新:2023年11月12日 14:04

*1 Wikipediaの『ロビンソン・クルーソー』の項より引用。初版の表紙を見る限り、「ヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険」が主題で、「自分以外の~助けられた」が副題だと思われる

*2 Dクラスを用いた実験の結果、この本の表紙に15分以上暴露した人間の98%はこの本のあらすじを説明できるようになる事が判明しています。