工藤有希子

登録日:2016/06/27 (月) 17:38:48
更新日:2024/04/20 Sat 18:58:02
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頼りにしてるわよ…新ちゃん!


名探偵コナン』の登場人物。



□概要

主人公である工藤新一(=江戸川コナン)の母親で、元女優。年齢は37歳。旧姓は「藤峰」。
茶色のロングヘアを持つ美女。カールがかった大きな巻髪がトレードマーク。
現在は、時折帰国はするものの、夫の工藤優作と共にアメリカ合衆国ロサンゼルスに在住しており、自宅の留守は息子に任せている。

容姿のモデルは、『ルパン三世』の登場人物「峰不二子」で、名前の由来はパート1の不二子を演じた声優「二階堂有希子」氏から。また旧姓の「藤峰」は、「峰不二子」のもじりである。
作者曰く、有希子は「いい峰不二子」で、「悪い時の峰不二子」はベルモットであるらしい。
(ちなみに有希子役の島本女史は、映画『ルパン三世 カリオストロの城』のメインヒロインであるクラリスを演じていた。)
夫の優作は『ルパン三世』の山田康雄のイメージで作られたため、夫婦で同作繋がりというわけ。


□来歴

小学生の頃は群馬県豊白町で育ち、高校は東京都内の帝丹高校へ進学。
在学中は「帝丹高校のプリンセス」の異名で呼ばれ、愛くるしい顔立ちと天才的な演技力が認められ、在学中に女優デビューを果たす。
ちなみに同じ高校の出身である毛利小五郎妃英理は同級生で、英理とはミスコンで火花を散らした仲でもあった。10年のブランクがあったものの今でも彼女とは親友同士。
久々に会ったときは微妙に張り合ってもいたが、それも仲の良い証で、英理と小五郎の娘であるの事も幼少の頃から可愛がっている。

女優としての人気に火が点いたのは、坂本龍馬の姉の乙女役を演じた時。
この時に「乙女役にしては可愛すぎる*1と評判になった事で世間の注目を集め、19歳の時に日本中の賞という賞を総なめにするという快挙を成し遂げる。

しかし、優作との結婚を期に、弱冠20歳の若さで惜しまれつつ結婚引退を発表。
とはいえ現在でも伝説の女優としてその名が知れ渡っており、引退から10年以上経った今でもその天才的な演技力は健在である。
なので作中でも何かにつけて「まだまだ女優としてやっていける」と豪語し、お忍びで帰国した時には人目を気にして簡単な変装をする事もある。


□現在

アメリカでは、『闇の男爵』の作者である優作の妻として名が知られており、またこのことから闇の男爵夫人(ナイトバロニス)の愛称で親しまれている。
きっかけは、テレビの特捜番組のゲストとして出演した時に推理を披露したこと。その推理を元に難事件が解決した後は女探偵として一躍全米の人気者となったのだ(尤も新一曰く、その推理は「優作が新聞の事件記事を見ながら呟いていた独り言推理の受け売り」に過ぎないらしい)。
一応推理力はある程度は持っているが、流石に優作や新一(コナン)には劣るため、彼らに助言を求める事が多い。
事件の解決編で他に探偵役がいない場合には、有希子がコナンの推理を代わりに披露する事がある。

『赤と黒のクラッシュ』シリーズ以降はたまの週末に米花町の自宅に帰っていたらしく、同シリーズにて表向きには死亡した事にして自宅に匿い、沖矢昴としてコナンからそこの留守を任されているFBI捜査官・赤井秀一と暮らしながら灰原の事を陰ながら見守っていた。
この事実が明かされたのは『密室にいるコナン/謎解きするバーボン』の時で、その時にコナンの口から「昴さんは味方だから」との言葉が出た事で、沖矢(赤井)はコナンの協力者である事が判明した。また、夫婦共々沖矢の正体が赤井であることは知っている。


□人物

一人称は「私」。
二人称は、夫のことは呼び捨て、息子のことは「新ちゃん」。
旧知の相手のことは名前の呼び捨てで、その他の大抵の相手には「あなた」や「さん」付け。

情熱家かつ女優ゆえか目立ちたがり屋で、好奇心旺盛。おまけに優作と同様にかなりのイタズラ好き。
灰原哀は有希子と初めて会った時に、コナンの「推理力」は優作譲りで、「演技力」と「目立ちたがり屋で危なっかしい性格」は有希子譲りだと分析していた。
事実作中では、
  • 『上野発北斗星3号』では、無謀な行動に出た結果、優作の助けが無ければ本当に死んでいた
  • 『工藤新一NYの事件』では、目的のためならば手段を択ばない
  • 『似た者プリンセス』では、わざわざライトアップで派手な登場をする
と言った言動を取っている。

また若さに自信を持っており、「おばさん」と呼ばれる事を非常に嫌う。
『工藤新一少年の冒険』では、たとえ相手が幼い子供であっても青筋を立てながらしっかりと注意し、呼んだのがコナン(新一)の場合は周りに気づかれないように背中をつねって「お姉さん」だと訂正させている。
もしも孫が生まれたら「おばあちゃん」になるので尚更嫌がりそうだが、可愛い孫にだけはそう呼ばれてもいいのか、それともやっぱり許さないのかは気になるところ。


□親族ならびに交友関係について

優作との夫婦仲は良好で、時折夫婦喧嘩をして新一のところに家出(?)して来るが、その度に夫が迎えに来て夫婦仲良く帰っていく。
『追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件』では、偶然か意図的か、たまたま帰ってきたことで息子の窮地を救ったことも。

だが、喧嘩して家出してくる度に母親の腹いせに付き合わされ、そのくせなんだかんだでまたラブラブになる両親を見る羽目になる新一(コナン)としてはたまったものではないだろう。
その心境の現れか、幼少期からの慣れか、有希子からたまにかかってくる優作への愚痴の電話に対する新一(コナン)の応対は非常にめんどくさそうである。

親子仲も良い……というか、20歳で産んだこともあってか、新一とは友達関係のような親子関係を構築している。
息子の事を「新ちゃん」と呼び、スキンシップをしたりからかったり、そのそっけない態度(新一も年齢からいって思春期というか反抗期なのでさもありなんだが)や意地悪な反応に拗ねてみせたりと、どちらが年上か時に分からなくなるようなやり取りをしている。
一方で、新一(コナン)に対し「女とはどんなものなのか?」という普通の親では教えないような事を色々と教え込んでおり、その知識が事件解決の手がかりとなった事もあった。
一応黒の組織に立ち向かう新一(コナン)を心配しているが、コナンとなった新一を見て「一緒にいると私まで若返ったみたい」とその状況を楽しんでいるかのような節もある。

新一の恋愛関係についても興味津々で、彼と蘭の喧嘩を「痴話喧嘩」と揶揄ったり、蘭について「将来の子供になるかも」と期待したりする様子が見られる。

盗一の元に弟子入りした事がきっかけで、同じく彼に弟子入りしていたアメリカの大女優であるシャロン・ヴィンヤードと知り合い、親友となる。
そのシャロンは世間的には死亡した事になっているが、実はそのは巧妙に擬装されたもので、シャロンこと組織の幹部ベルモットは娘のクリスとして活動を続けていた。
その推理をコナンから聞かされると、「アメリカの大女優が相手なら私をキャスティングしなさい」と彼に直訴して組織と対決する事を決意。
『漆黒の特急』でコナンが考えた灰原の窮地を救う作戦にも協力し、ベルツリー急行に乗り込んでいたベルモットと対峙した。


□特技

女優時代には役作りのためにマジシャンの黒羽盗一に弟子入りし、彼から変装術を学ぶ。
盗一から学んだ変装術は今では有希子の特技となっていて、作中でもその技術を生かして自身やコナンなどを全く別の人物に変装させている。

しかしその技術は、同じく盗一から変装技術を習ったベルモットほど高くはなく、『江戸川コナン誘拐事件』での初登場時には、コナンに「あれは変装じゃなくて仮装だな」と酷評されていた。
ただ、誰かに似せるのは得意ではないが、全く新しい誰か(江戸川文代や沖矢昴など)の顔を作るのには十分な技量。
ただしそういう変装にも6時間も掛かるなど、他の黒羽式変装術の使い手に差を付けられている。

身内の変装は得意らしいが、『緋色の序章~緋色の真相』でコナンを灰原に変装させた時は、コナンにも出来が良かったと例外的に評されていた。
(まぁ顔の半分以上をマスクで覆っていたからカツラと目元だけで十分誤魔化せたという事だろうが)

変装以外にもピアノの演奏や自動車の運転、料理も得意。
だが自動車の運転はかなり荒っぽく、スピード違反も平気で犯すようになるという困ったところがある。
前述の坂本乙女の役を演じた際には土佐弁をマスターしており、他にも熊本弁、東北弁、名古屋弁など各地の方言も淀みなく話す事が出来る。ちなみに乙女役を演じた事が縁で、坂本龍馬のファンになった。
また手料理を振舞うシーンは無いが、今まで全く料理をして来なかったある人物に教えることができるほどには料理も得意なようである。


□余談

蘭、少年探偵、英理、FBIのメンバーなどにはコナンの事を「遠い親戚の子供」*2として紹介しており、阿笠博士の話と辻褄を合わせるために「阿笠とも遠い親戚である」という設定で通している。
しかし、故郷で再会した友人にコナンの事を「息子2号」と紹介していたために、その際の事件に駆け付けた山村ミサオにもそう伝わっており、『容疑者・毛利小五郎』で彼がコナンと再会した時に「コナンは有希子の息子」だと蘭と英理に話そうとしていた事がある(寸前でコナンが割って入り、誤魔化したため何とかその場は凌げたが)。

主人公の母親(しかも存命)という立場にもかかわらず長らく劇場版に登場した事が無かったが、連載開始30年目となる2024年に公開された第27作『100万ドルの五稜星』でついに初登場を果たす。優作が明かした衝撃の事実に驚いたり、彼が「マカデミー賞のお祝いにとある人物から贈られた」という貴重な代物を孫の手代わりにしていると話し、夫を苦笑いさせたりしていた。
ただし、本作より前に『ベイカー街の亡霊』では、ホームズの世界観を元にしたゲームの登場キャラクターとして、有希子を容姿のモデルにして作られたアイリーン・アドラーが登場している。



追記・修正は天才的な演技力を持ってお願いします。

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最終更新:2024年04月20日 18:58

*1 坂本乙女は、当時の美人の基準と背もスタイルも性格も完全に正反対の人間であった事が記録されている。

*2 これによれば、江戸川コナンは「有希子の祖父の兄の娘のいとこのおじの孫」。