逆転裁判6

登録日:2016/06/17 (金) 20:47:00
更新日:2024/02/27 Tue 15:23:51
所要時間:約 3 分で読めます





オキテ破りの法廷で、つかめ!逆転無罪!



【概要】

2016年6月9日にニンテンドー3DS用ソフトとして発売された、逆転裁判シリーズのナンバリング6作目。
また、逆転シリーズ15周年記念作品
今作は、成歩堂龍一王泥喜法介が、シリーズ初のW(ダブル)主人公として登場し、
今回新登場の異国の地「クライン王国」と、おなじみの日本、2つの国がストーリーの舞台となる。
また、初代助手である綾里真宵が、ナンバリングシリーズでは12年ぶりに再登場する。
海外版の副題は『Spirit of Justice』で、直訳すると『正義の魂』だが、海外版の王泥喜の名前がApollo Justiceなので『王泥喜の魂』とも取れる。

制作は前作『逆転裁判5』に引き続き『逆転検事』シリーズのスタッフ陣だが、
前作ではシナリオディレクターだった山﨑剛氏は今作で再びディレクターに、アートディレクターの布施拓郎氏は今作ではCOディレクターも兼任している。

基本的なゲームシステムは前作までとほぼ同じだが、
法廷パートでは、裁判長の心証を表す「心証ゲージ」が、初代『逆転裁判』と同じ形式の「心証アイコン」に変更された。
法廷パートでミスをするとアイコンが基本的に1つずつ減っていくが、場面によっては複数のアイコンが一度に消滅することもある。
この他「霊媒ビジョン」などの新しいゲームシステムがいくつか追加され、
「サイコ・ロック」「みぬく」「ココロスコープ」などのおなじみのゲームシステムも引き続き登場する。

今作のテーマは「法廷革命」裏テーマは「継承」


【おもな新要素】

  • W(ダブル)主人公
今作は「クライン王国」と「日本」の2つの国が物語の舞台。
クライン王国では成歩堂が、日本では王泥喜が活躍するというシナリオ構成となっている。
第4話では主人公2人は登場せず、希月心音がプレイヤーキャラとなる。

  • クライン王国
本作の舞台の1つ。アジアの西の果てに位置する、東洋風の架空の絶望の国。
この国では、「霊媒能力」を持つ者が《王》になれるとされている。

本作のストーリー開始時点から23年前に起きたある事件により、
クラインでは《弁護士》という存在自体が忌み嫌われており、さらに《弁護罪(べんござい)》という法律が制定されたことにより、
クラインから弁護士が1人もいなくなってしまったらしい。
そのため、起訴されてしまうとその時点で被告人の有罪はほぼ確定したも同然となり、
このことからクライン王国の法廷は《あきらめの法廷》とも呼ばれている。
言い換えればどうあがいても絶望である。

  • 弁護罪(べんござい)
クライン王国に存在する「王の名のもとに、犯罪者にくみする者は‥‥これを等しく同罪とする」という法律。
たとえば、被告人に有罪判決が下され「死刑」となった場合、その被告人を弁護した人間も死刑となってしまう。
異国からやってきた弁護士の成歩堂も例外なくこの法の対象。作中では、自身の命をかけた弁護を行うこととなる。
勝って単なる無罪判決、負ければ被告人もろとも処刑というハイリスク・ローリターン、しかも弁護側には国民が非協力的。
証拠集めですら困難を極める極限状態となっており、傍聴人も汚いヤジを飛ばしてくる(しかも一部ボイス付き)など、
クライン王国の法廷パートではかなり手厳しい戦いになる。
それどころか第三話では成歩堂と真宵ちゃんが死刑になりかけるほどである。

この法律が制定されたせいで、クライン王国からは弁護士が次々と追放されていき、弁護士を名乗る者は1人もいない状態となっていた。
しかもそれだけではなく、クライン王国の裁判は被告人本人の自己弁護すらまともに聞き入れてもらえない状態であり、要は正義中毒まみれの吊し上げの魔女人民裁判が行われている。
真偽は不明だが作中の描写からは多くの冤罪を生み出していると読み取れる。治安悪すぎだろ!
クライン王国では、裁判は「被害者の魂を弔う場所」とする考え方があり、それを妨げる弁護士は「共犯として罰されるべき」という理屈らしい。
この状況では詐欺や脱税や偽証など軽微な事件でも情状酌量を争点にして争えないという、逆転裁判シリーズ史上最高に滅茶苦茶な設定となっている。
しかし、過去の事件の影響で弁護士を嫌っている国民からはかなり支持されている。
一方《弁護罪》を制定した女王に反発する国民もおり、それらは《革命派》と呼ばれている。

  • 霊媒ビジョン
レイファの霊媒の力により、被害者の《死の直前の数秒間》の記憶が法廷の水鏡(みずかがみ)に映像となって映し出される、クライン王国の法廷のシステム。
水鏡には「被害者が死ぬ直前に見た光景」が映像となって映り、同時にその時に感じたさまざまな感覚が「文字」となって現れる。
これをレイファが読みとき、死者の声を代弁したものを《託宣(たくせん)》という。
現在のクラインの裁判ではこの託宣を真実とし、被告人に判決が下されている。
だが、《死者の記憶》とレイファが読み解いた「託宣」との間にはムジュンがあり、
プレイヤーはそのムジュンを指摘して「託宣」を正しい内容に更新しなければならない。
ムジュンを見つけるには映像と託宣をよく見比べるだけでなく、ときには証拠品のデータも確認する必要があり、
ムジュンの指摘に失敗すると通常の尋問と同様にペナルティを受けてしまう(場合によってはペナルティを受けないこともある)。

近年のシリーズで搭載されたゲームシステムの中では難易度がやや高めで、
東京ゲームショウなどで展示された体験版を時間内にクリアできなかったという声が多く、しばしば話題になることもあった。

  • カガク捜査「3D指紋検出」
本作では過去作にあった「指紋検出」が3Dグラフィックにパワーアップして再登場。
旧作では、証拠品の一部分に粉をはたいて息を吹きかけるだけだったが、今作では証拠品を縦横に回転させて様々な場所を調べることになる。
ただし、これまでと違って、本作では一度にふりかけられる粉の量は有限。
粉を吹くと消費した粉が復活するが、証拠品全体を一度にまぶせるほどの量はない。
至る所に粉をかけまくる総当たり戦法は通用しないため、指紋が付きそうなところを予想して操作する必要がある。

  • カガク捜査「マルチアングル動画指摘」
2つのカメラで同時に撮影された同じシーンの映像を見比べ、2つの映像で異なる場面、すなわちムジュンを指摘するというシステム。
下画面から映像の早送り・早戻し・一時停止はもちろん、コマ送りもできる。
3Dだけあってよく動くので、指摘する際はコマ送りを上手く活用するとよい。

  • 民事裁判
これまでの裁判は全て刑事裁判だったが、今作はシリーズ初の民事裁判を行うエピソードが存在する。
当然ながら相手も弁護士であり、刑事裁判にはない単語(「原告」など)も出てくるので、新鮮な気持ちでプレイできること請け合いだろう。
ちなみに、現実では立派な弁護士法違反なので、真似しちゃダメだよ!


【エピソード一覧】

  • 第1話:『逆転の異邦人』
  • 第2話:『逆転マジックショー』
  • 第3話:『逆転の儀式』
  • 第4話:『逆転寄席』
  • 第5話:『逆転の大革命』
  • 特別編:『時を越える逆転』(※有料DLC・2016年6月30日以降配信)
  • 遊べる! 逆転劇場 ~成歩堂龍一編~(※数量限定特典・後日配信なし)
  • 遊べる! 逆転劇場 ~王泥喜法介編~(※数量限定特典・後日配信なし)


【登場人物】

W主人公の1人。真宵を迎えに行くため、神秘と信仰の国「クライン王国」を訪れる。
「発想の逆転」と「依頼人を信じぬく心」を武器に、弁護士が必要とされない前代未聞の裁判に挑む。
本作では35歳になり、腰に爆弾を抱えているらしいことが判明。

W主人公の1人。成歩堂が不在の日本で事務所を守るために奮闘する。
今作は長らく不明だった、彼の過去や父親の存在が明らかになる。
最終話は、彼が実質メイン主人公。
エンディングではクライン王国の唯一の弁護士となり、レイファ達から滅茶苦茶な量の依頼を受けさせられる。過労死しないことを祈りたい。

ココロを救う新米弁護士。王泥喜と共に、日本で起きた事件の裁判に挑む。
前作は第3の主人公とも言える活躍ぶりだったが、今作は王泥喜の相棒ポジションに落ち着く。
本筋から離れた第4話ではプレイヤーキャラとして活躍する。

クライン王国出身の国際検事。通称「トムライの検事」。
普段は物腰柔らかで丁寧な口調で話すが、犯罪者や弁護士に対しては容赦のない毒舌を振るう。
実は王泥喜とは並々ならぬ因縁を持っており、最初に公開されたPVでもそれが示唆されている。

亜内武文の弟。御剣による検事局の不正分子の一掃により日本の法曹界を追放されたらしく、クライン王国に流れ着く。
弁護士不在と「御魂の託宣」があるのを良いことにクライン王国で幅を利かせ、
わずか3ヶ月で主席検事にまで上り詰めるという、スピード出世を果たす。
一応証人や物証を用意しているため、託宣頼りというわけではないらしい。
実は「ある部分」に関しては、兄以上にヒドい状態になっていることが判明する。

クライン王国の姫巫女。神聖で厳格な雰囲気を持った少女……なのだが、根はかなりのワガママ。
被害者の「死の直前の数秒間」の記憶を水鏡に映し出し、死者の言葉を代弁する「御魂の託宣」を執り行う。
赤面しながら怒る表情はかなりの破壊力を持つ。

クライン王国の見習い僧侶。家の生計を立てるためにツアーガイドもやっている。
第1話の被告人であり、成歩堂が弁護士だと知った時は
「弁護士だと知っていたらガイドなんかしなかった」と成歩堂を拒絶するが……。
9歳にして春美ちゃんを超える身長(144cm)を誇る。

「倉院流霊媒道」の家元の娘で、成歩堂のかつての助手。
2年前からクライン王国で修行しており、
王泥喜のことは「声が大きい割にちょっと頼りない」と成歩堂から聞かされていた。
本編の後日談となる「特別編」では成歩堂とともにある殺人事件の調査を行うことになる。
今作は男性の霊を霊媒するという、ある種の禁忌をやってのけた。
それに限らず、今作ではクラインでとにかく大変な目に遭いまくったせいか、宣伝のわりに本編では出番が少ない。

女性の刑事。逆転裁判シリーズでは『4』以来の登場。今作は見事試験に合格し、正式に「科学捜査官」として活躍する。
長年の夢が叶ったからか、前々作のような職務怠慢な態度はほぼなくなっている。相変わらずミスが多いけど。
これで、かりんとうともオサラバ……にはならなかった。

成歩堂の養子で、「或真敷一座」唯一の後継マジシャン。
前作『5』ではあまり出番はなかったが、今作は彼女がメインのエピソードがあり、彼女のマジシャンとしての「信念」と「本心」が描かれる。
第5話では『4』を最後までプレイした人からしたら、ヒヤヒヤする発言(ジョーク?)をしてくる。
ラミロアさん、早く真実を教えてやるんだ!

前作のライバル検事で、元・囚人検事。
心理操作を得意としており、今作はその実力を遺憾なく発揮している。
そのせいで、検事より弁護士の方が向いているんじゃないかと思われたり。



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