ポケットモンスター X・Y

登録日:2013/10/17 Thu 11:32:47
更新日:2024/03/01 Fri 04:06:36
所要時間:約 11 分で読めます




ポケットモンスター X・Y』(Pokémon X /Y)とは、2013年10月12日に発売された、『ポケットモンスター』シリーズの作品の一つである。
ハードはニンテンドー3DS
ポケモン史上初となる世界同時発売を実現させたソフトでもある(実際は海外で何日も前からフラゲされたが……)

パッケージに描かれているポケモンはXがゼルネアス、Yがイベルタル
第五世代の作品と異なり、パッケージとポケモンのイメージは統一されているので安心しよう。

タイトルの由来はX軸とY軸。
ゲームフリークの増田順一曰く「言葉が違っても、文化が違っても、価値観が違っても、住む環境が違っても、交わるところはきっとある」という意味。
(「うごく社長が訊く『ポケットモンスターX・Y』」より)

今回はフランスをモデルにした「カロス地方」を舞台に68種+αの新ポケモンが登場する。
近年のシリーズと比較してかなり少ないが、後述のメガシンカも合わせると妥当とも言える。
なお、カロスとは古代ギリシャ語で「美しい」を意味する。

対応するアニメに関しては『ポケットモンスター XY(アニメ)』を参照。


◆ストーリー

カロス地方に引っ越したばかりの主人公は、プラターヌ博士の頼みでお隣さんをはじめとする子供たちと共にポケモン図鑑完成の旅に出る。
やがて露わになるメガシンカの秘密と、フレア団と名乗る謎の組織の陰謀に巻き込まれて……


御三家


くさタイプ
ハリマロン(→ハリボーグ→ブリガロン)
ハリネズミと栗をモチーフにしたポケモン。

ほのおタイプ
フォッコ(→テールナー→マフォクシー)
キツネをモチーフにしたポケモン。

みずタイプ
ケツマロケロマツ(→ゲコガシラ→ゲッコウガ)
カエルをモチーフにしたポケモン。

今回はいずれもレベル5の時点で一致技を使える。


新要素、変更点など


  • グラフィックの変更
今回は基本的にグラフィックが3DCGに移行している。分かりやすく言うとポケモンコロシアムバトレボみたいな感じ。
フィールドグラフィックでも太った少年が踊ったり、女性NPCの座り方にバリエーションがあったり、座った状態で本を読んだり、首だけ振り向いたり、今までには出来なかった細かい動作が可能になった。
一部のベンチに座ったときやイベント発生時にはカメラアングルも大きく変わる。
これによりゲーム開始時の主人公がチビキャラ化する部分が扉を通り抜けるような演出に変更された。
一応ポケモン図鑑のアイコンなどでドット絵も使われている。

  • ゲームサウンドの変更
ハードが3DSに移ったことでかなり高音質になった。
オーケストレーションを使ったサウンドが多く、全体的にスタイリッシュな雰囲気を漂わせる曲調が多い。
テクノ調など、従来のイメージを一新するような楽曲が多い。
ポケパルレのミニゲームは第五世代の音源のようだが
本作で新規に作られた音楽や効果音は例えば「図鑑完成」など一部が次回作以降も引き続き使用されている。

ポケモンをなでまくったりお菓子をあげたり一緒に遊んで楽しむ新要素。パルレとはフランス語で「お喋りする」という意味。
ただ遊ぶだけと侮ることなかれ、全ポケモンに別々のリアクションを設定するなど製作陣の変態性ポケモン愛を垣間見れる。どの子も超かわいい。
ここで高めた絆に応じて戦闘時に様々な特典が追加される(技をかわしやすくなる、経験値をより多くもらえるなど)

  • スパトレ
ミニゲーム形式で努力値を上げる新要素。
ガンバロメーターで努力値が見れる上、特定のアイテムで努力値リセットができるため育成に便利。

長らくあまりにも強かったドラゴンタイプかくとうタイプに強い新タイプ。
新ポケモンにフェアリータイプがいる他、既存のポケモンや技の中にも追加もしくは変更されたものが存在する。
その巻き添えを食らったあくタイプが後日環境から誰一人いなくなってしまうということをこの頃はまだ知らない……

進化を超えた進化。
キーストーンと呼ばれる石を埋め込んだメガリングと(ポケモンの名前)ナイトと呼ばれる不思議な石とポケモンとの絆を使い一時的なパワーアップをする。
ただし1回の戦闘で1度しか使えない上、戦闘終了時元に戻る。
メガシンカしたポケモンは姿が変わるが普通の進化に比べ割と穏やかな変化。

  • 経験値の仕様変更
基礎ポイント第三世代以来分配されていなかったが、今作では戦闘に出たポケモンがもらえる経験値も、ポケモンの数で分配されなくなった。
その関係で今作では「がくしゅうそうち」はたいせつなものに分類され、オンにすると戦闘に出ていないポケモンも経験値を50%もらえる。
更に第五世代であったレベル差の補正も無く、オンのままストーリーを進めるとかなり難易度が下がるので、歯ごたえのあるバトルを楽しみたい人はオフにするのがおすすめ。
余談だが、今作の「がくしゅうそうち」は切り替えの有無以外は第一世代と同じである。
初代ではスイッチがないため、パソコンに移さない限り強制的に分配された。
第二世代~第五世代ではポケモンに持たせる道具であり、持っている対象にだけ分配された。

  • 着せ替え
ポケパルレと並んでグラフィック変更の恩恵を受けたであろう新要素。
主人公の髪型や服装、小物等をポケモンセンターなどで変更できる。
カロス地方のあちこちにブティックがあり、売り物のイメージは町ごとに異なる。
そのバリエーションは言わずもがな、女の子の方が圧倒的に多い。(男:102種、女:205種)
なお、残念ながら{女装男装はできない。

  • 裸眼立体視
3DSのツマミを操作すると戦闘画面が迫力の3D映像になる。殆ど使われなかった機能。

  • ボイスチャット
通信中にお喋りしながら対戦や交換ができる。これも殆ど使わなかった機能。


全体的には今回から始める人にはかなり優しい仕様となっている。
ストーリー面では初代を意識した要素もチラホラ見受けられる。

対戦関係ではXYだけで捕獲できる一般ポケモンの数が多く、フレンドサファリにより、出現ポケモンを増やせる。
それどころか、群れバトルやフレンドサファリで隠れ特性持ちが普通に出てくる。


しかも、ハクリューニョロゾヤミラミキュウコンなど前作で猛威を揮った奴からカントー御三家・ゴチミルといった前回の配布ポケモン、
メタモンコロモリといった隠し穴で入手難度が高かった奴まで均等な確率で出る。
加えて、本作で初登場の種は御三家含めて殆どの隠れ特性一般ポケが最初から解禁されている。
XYで入手できない隠れ特性は野生出現する種族がドラミドロ系統のみ、あとは化石ポケモンのガチゴラスアマルルガパンプジンも姿違いを含めれば一部未解禁。
御三家の隠れ特性が最初から解禁されていたのは今のところこの世代のみ。
ただし、他の世代のポケモンも含めると全てのポケモンがサファリに出現するわけではなく、エネコロロペラップなどストーリー中では出会うが隠れ特性は手に入らないポケモンもいる。
アズマオウキングドラサメハダーのような魚類系モチーフのポケモンはサファリに一切出現しない。
また、「がんじょうメレシーのような隠れ特性野生個体捕獲が鬼畜難易度の種族もたまにいる。

また、隠れ特性がメタモン有り・♂が隠れ特性でも遺伝が可能となり、フレンドサファリ産は2V確定、
伝説のポケモンをはじめとしたタマゴグループ未発見のポケモン、即ちトゲピーらベイビィポケモンまでもが3V確定という奮発っぷり。
孵化の方も「あかいいと」の能力追加と育て屋の仕様により、厳選で5Vが最高6分の1の確率で簡単にできる。
つまり第5世代の乱数調整よりも孵化による対戦個体準備の難易度は大幅に上昇した。
流石にやりすぎたのかORAS以降は伝説のポケモンのみ3V確定となったようだが

育成に関してもバトルシャトーという再戦可能なトレーナーだけの集まる施設が存在し、経験値を稼ぎつつお金まで稼げる。
定期的にバトルシャトーへ通っておけばお金が貯まりやすく、ドーピングアイテムを大量に買い込んでも懐に余裕ができる。
ランダムだが経験値を大量にくれるトレーナーも現れるため、お急ぎでの育成も非常に簡単。

更に戦闘背景から石などのアイテムを拾えたり、ランダム出現するおとなのおねえさんから無限にアイテムを貰えたり、
週一で実のなる木からきのみを拾えたり、一部に限られるとはいえアイテム収集の難易度も非常に低い。


キャラクター


男女を選べるのは最早お約束。年齢はDPt以前より高めと思われる。
プラターヌ博士の頼みから始まった旅で様々な事件に巻き込まれる。
友達からはニックネームで呼ばれる(ニックネームは自分で決められる)。

カルムが男の子、セレナが女の子。
あまりライバルという感じではない。
主人公のお隣さん。選ばなかった方の性別の主人公が別デザインで登場する。
親の影響で実力の高いポケモントレーナー。

元気いっぱいの女の子。本人曰くパズルが得意。
戦闘時の登場モーションは可愛いのだが、2度しかお目にかかれない。
ミアレシティのジムリーダーシトロンとその妹のユリーカと仲が良い。

小柄で真面目な性格の男の子。ポケモン図鑑完成を目指している。
ミアレシティに家があり、そこには姉が居る。
小柄なためか、戦闘時はモンスターボールを思いっきり投げる。

ダンスが得意な男の子(ダンスデブ)。バトル中もポケモンの動きを見てしまうとか。
バニプッチが描かれた黒いTシャツを着ている。男主人公ならブティックで同じTシャツを購入可能。

ポケモン図鑑完成の旅をお願いしたポケモン博士
メガシンカの研究をしている。趣味はカフェ巡り。
珍しく最初の町にいない。
シナリオの途中で主人公に初代御三家とメガストーンを渡す。
主人公とバトルする事もあり、手持ちはカントー御三家の3匹。

ミアレ出版に勤めるジャーナリスト。
ハクダンシティのジムリーダーであるビオラの姉。
主人公に「がくしゅうそうち」をくれる。

カロス地方が誇る大女優。羽が生えているような真っ白な衣装が特徴。
実力のあるトレーナーには興味を示すことも。
実はカロスリーグのチャンピオン

プラターヌ博士の友人で、ホロキャスターの開発者。
争いのない美しい世界を理想としている真面目な人物だが…。
フレア団の関連人物。

ハブネークを縦に伸ばしたような大男。名前は「エーゼット」と読む。
主人公の前に現れ、意味深な言葉を投げかけるが…。

シャラシティのジムリーダーにして、メガシンカの秘密を握る人物。
かくとうタイプの使い手で、ルカリオを2匹連れている。
ローラスケーターとしても有名で、ジム戦以外に主人公とはシナリオ上で2回戦う。
彼女のルカリオの1匹は主人公に興味がある様子で…。

自分たちだけがハッピーになれる世界を作るため暗躍する謎の組織。
発売前からしたっぱの真っ赤な髪とスーツとサングラス、シェーにしか見えない謎ポーズ(おそらくFのつもり)でファンの腹筋を襲った。
…のだが、その実態は歴代トップクラスに洒落にならない組織であった。


余談

本作は原点回帰を図っており、やたらと第一世代を意識したような演出が多い。

  • 序盤の町のすぐ近くにポケモンリーグ入口
  • その地方最大の都市を最初は素通りし、中盤になってから改めて訪れる
  • 最後のジムがある町からポケモンリーグに直行できる
  • 初代御三家と一緒に冒険ができる
  • ライバルの手持ちに初代イーブイの進化形がいる。
  • カビゴンとポケモンのふえ
  • 化石を狙う悪の組織
  • モブからラプラスを譲ってもらえる
  • 「ぼくの ポケモン ニックネームは セパルトラさ」
  • 初代準伝説である三鳥の登場
  • 殿堂入り後に入れるななしのどうくつにミュウツー
  • がくしゅうそうちの仕様
  • ポケモンリーグ内に悪の組織のボス(クラスの人物)がいる

他にもORASのリメイク伏線など、小ネタもあちこちに散りばめられている。
ミアレシティのタクシードライバーの1人がホウエン出身なんて普通にプレイしていたらまず気付かない。


一方でグラフィックとサウンドは大幅な刷新が行われ、次回作以降に継承された要素も多い。
カメラの視点を大きく変更する演出、着せ替え、手持ちのポケモンとの触れ合える要素などは本作で一気に導入されている。

また、BGMはピコピコサウンド以外の音がつかえるようになったため、音質・リズムに優れたものとなっている。
図鑑完成のBGMも本作から変更されている。
BWまで使用されていた図鑑完成を評価するBGMは第二世代で採用され、BW2まで使用されてきた。
しかし本作からは図鑑完成のBGMがオーケストレーションによるファンファーレとなり、第七世代以降も引き続き使用されている。

本作を含む第六世代は、マイナーチェンジ版が出なかった唯一の世代となったが、SMのソースコードを解析した海外ユーザーによれば、ポケモンを捕まえたソフトに関するデータテーブルを調べた際、ORASとSMの間にカロス地方を舞台とする2作品分の予約領域が発見されたらしい。
おそらくBW2やUSUMのような2バージョンのマイナーチェンジ版を出す予定だったものが、何らかの理由でお蔵入りになったのだろうと推察される。
えいえんのはなのフラエッテや、なぜかアローラで本気を出したジガルデは本来、マイナーチェンジ版で回収する予定だったのだろう。
ORAS発売からSM発売までの2年間は、GB版のバーチャルコンソール移植、Pokemon GOのリリースに伴うナイアンテックへの協力など、通常のサイクルから外れたメインシリーズ関連*1のリリースが相次いだため、マイチェンを開発する余裕がなかったのかもしれない。

誰も遊ばないからかあまり話題になっていないが、スパトレにも配信トレーニングの没データがある。
全6コースありクチート、ジュペッタ、ハッサム、フーディン、ギャラドス、ミュウツー及びそのメガシンカのバルーンと対峙するものとなっている。海外プレイヤーによれば、報酬のほとんどはおいしいみずかサイコソーダだが、運が良ければあやしいパッチが貰えるとか……

追記・修正はメガシンカしながらお願いします。


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最終更新:2024年03月01日 04:06

*1 実現は結局もう1世代跨ぎになってしまったが、Pokemon GOは本編との連動がリリース当初から計画されていた作品であり、一般的な外伝作品とは立ち位置が多少異なる