ふぶき(ポケモン)

登録日:2010/12/28(火) 22:30:07
更新日:2024/04/07 Sun 18:39:48
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ポケットモンスターシリーズに初代から登場する技。

+ 目次


■データ

威力:120→110(XY以降)
命中:70%(DPt以降は天候「あられ」で必中に)
PP:5
タイプ:こおり
分類:特殊
接触:×
範囲:相手全体
追加効果:命中時、10%の確率で相手をこおり状態にする。
わざマシン14(LPLE・剣盾除く)/わざマシン51(LPLE)/わざレコード06(剣盾)


■概要

大量の雪や冷気を強烈な風に乗せて相手を凍てつかせるこおりタイプの大技。
初代から一貫してわざマシンで習得可能であり、覚えられるポケモンはとても多い。

ただし、同様にほぼすべての世代でわざマシンで覚えられるこおり・特殊技に「れいとうビーム」がある。
こちらは威力が90(XY以降)とふぶきより20%ほど低い代わりに、命中率が100%となっている。
ポケモン対戦においてふぶきの「命中率70%」というのはかなり信用しづらい数字であり、ダメージ期待値でもれいとうビームの方が優れている。
そのため、こおりポケモンの主力技、こおりポケモン以外のサブウェポンとしてはれいとうビームが優先され、ふぶきは使われづらい。

ふぶきの特長として、まず天気があられ/ゆきの場合必ず命中するという点がある。
命中率の低さという欠点が消失し、更に「ちいさくなる」での回避率アップ、「すなかけ」等での命中率ダウンの影響も受けずに必ず当てる事が可能。
このため、特性「ゆきふらし」を持つユキノオーアローラキュウコンの主力技として多用される。
あられパーティ(あられパ)では吹雪砲台を何体か用意し、次々と発射することも。

もう1つの特長が全体攻撃であること。
ダブルバトルでは敵2体、トリプルバトルでは相対している敵2~3体に命中するため、活用の幅が広い。
ただ、それでも命中70を素で撃つのは躊躇われるため、あられと併用する事が多い。

■ゲームにおけるふぶき

このように対戦ではクセのある性能のふぶきだが、シナリオ攻略では結構役に立つ技である。
もちろん、ストーリーでも命中が安定しPPの多い冷凍ビームの方が便利ではある。
だが、多くの作品で「ふぶき」のマシンは中盤〜後半の街で市販されており、よほど金欠になっていなければ入手は容易。
一方、れいとうビームのわざマシンは、ゲームコーナーでコインと交換だったり、最終盤~殿堂入り後の入手だったりと、ふぶきより入手しにくい事が多い。
そのため、終盤に出てくるドラゴンタイプのジムリーダー四天王対策に重宝することが多い。
ふぶきでシロナガブリアスアイリスオノノクスを吹き飛ばした人も多いはず。

ただし、第8世代では剣盾ではふぶき・れいとうビームが共にわざレコード化して入手難度がほぼ同じとなり、BDSPではゲームコーナー廃止に伴いれいとうビームもお金で買えるようになるなど、近作では「入手しやすい」という特長も失われ気味である。

■対戦におけるふぶき


第2世代(ポケットモンスター 金・銀・クリスタル

「ふぶき」の性能が現在とほぼ同じになった最初の世代。
当時は威力が120あり、今日よりも10%ほど威力が高かった。

金銀では「れいとうビーム」のわざマシンがなかったため、スイクン等に高威力のこおり技を覚えさせるにはふぶき以外の選択肢がなかった。
しかしクリスタルバージョンで冷凍ビームが教え技化し、ふぶきにこだわる必要性は落ちた。
まだ「あられ」が存在しないので、命中率を上げる方法も乏しかった。

第3世代(ポケットモンスター ルビー・サファイア

ダブルバトルが初登場し、相手2体に当たるというメリットを得た。
だが、当時は相手2匹に攻撃する技は1体あたり半分の威力でしか通らないためしょっぱい火力に。
実用面では完全に「れいとうビーム」に取って代わられる。

第4世代(ポケットモンスター ダイヤモンド・パール

範囲攻撃による威力減衰が3/4へと緩和され、
さらに天候が霰の状態で必中になる効果が追加され霰パユキノオー単体運用時の主力技としての使われるようになりロマン技から脱却した。
ちなみに09大会の国内準優勝パーティーは霰パである。

HGSSではレッドが、あられ状態で必中となったふぶきを使ってくる。
オリジナル版からエーフィがラプラスに変更され初代ポケモンのみのパーティとなった上、
初代パーティで初代最強技のふぶきを撃ってくるのは非常に感慨深い。

またGSルールではミュウツーと共にふぶきを連打する戦法、「ノオツー」が開発された。
吹雪が次々相手フィールドを襲う様は2割凍結と相まって初代の栄光を我々に思い出させてくれた。

とは言え、第4世代では戦法の一角という程度にとどまっていた…

第5世代(ポケットモンスター ブラック・ホワイト

キュレムの登場により第5世代ではさらに強化。
ホワイトキュレムのC170からの暴力的な威力のふぶきは環境を塗りつぶすのには十分すぎた。
果たしてクリスマスカップはミュウツー(使用率1位)・ホワイトキュレム(3位)・ユキノオー(非伝説では1位)による猛吹雪に包まれた…この大会はホワイトクリスマスという仇名があったとかなかったとか
流行りすぎて雨にするはずのカイオーガすらふぶきを撃ってくるとんでもない環境になっており、
思い出させてくれるどころか、嫌になるほどに初代並のふぶきゲーと化してしまっていた。

対策にあられを変えてしまえばいいじゃないかと思えるが、
実は第4~5世代のダブルバトルのふぶきは霰なしですら威力期待値はりゅうせいぐんと同じであり
天候を変えても威力が落ちないため、天候を変えても避けないと何も変わらなかったりする。
お陰で天候を変えたにもかかわらずホワイトキュレムの素ふぶきの暴力に敗れ去ったトレーナーは数知れず…

ついでにふぶきだらけの環境になったことでこおり弱点のポケモンは余程強くないと人権すらなくなってしまうという弊害も生んだ。

第6世代(ポケットモンスター X・Y

…あまりにクリスマスで大暴れし過ぎたせいか第6世代では
他の特殊技となかよく威力低下という仕打ちを受けてしまった。貴様はやりすぎた
霰に関しても自然発生した天候以外は永続しないように仕様変更となり、ふぶきの使い勝手は更に下がっていった。

さらにORASゲンシグラードンゲンシカイオーガメガレックウザが「あられを無効にする」というチート特性を得てしまったので
禁止級解禁ルール下ではコンボそのものが成り立たなくなってしまい大幅に弱体化するハメになった。

一方で新たなる霰発動要員であるアマルルガも登場。
ゆきふらし一択のユキノオーと違ってもう片方の特性も使い勝手が良く、見せ合いで霰パかどうかを読みづらくなった。
更にアマルルガは弱点が多過ぎて落とされやすいと言う難点があるものの、変化技自体は極めて豊富なので、ユキノオーとは全く違う立ち回りが可能である。

第7世代(ポケットモンスター サン・ムーン

隠れ特性としてリージョンフォームアローラキュウコンと第二特性としてバイバニラが「ゆきふらし」を習得。

ふぶきを使うパーティの戦略自体は多様化していると言えるだろう。

第8世代(ポケットモンスター ソード・シールド

ソード・シールドではガラル地方のそこかしこ(特にワイルドエリア)であられが降りまくっているため、フィールドの戦闘なら多少は使いやすいが、対戦での評価は横ばい。
Pokémon HOME解禁前のダブルバトルでゆきふらしバイバニラがミロカロスインテレオンと組んでふぶきを連発する構築が一定数使われた。

第9世代(ポケットモンスター スカーレット・バイオレット

あられが廃止され、こおりタイプ用の天候は「ゆき」に変更。
あられの「こおりタイプ以外に毎ターンダメージ」の効果が失われた代わりに、こおりタイプは防御が1.5倍になる様になった。
これが強化か弱体化かは環境によるが、ふぶき必中の効果は相変わらず存在するため、ふぶき自体の地位はあまり変わっていない。


↑ここまで人間世界










↓ここから極寒地獄

第1世代(ポケットモンスター 赤・緑






ポケモン史上最強の技。




現代の貧弱なふぶきと初代の最強ふぶきの比較

第2世代以降のふぶきと初代のふぶきは別人と言っていいほどに性能が違う。

第9世代 第1世代
威力 110 120
命中率 70 90
PP 5 5
相性 くさ・ひこう・じめん・ドラゴンに抜群
ほのお・みず・こおり・はがねに今一つ
くさ・ひこう・じめん・ドラゴンに抜群
みず・こおりに今一つ
効果 10%の確率でこおり状態にする
こおりは毎ターン1/4の確率で溶ける
30%の確率でこおり状態にする
こおりは永久に溶けない

1:威力が高い

威力が120であり、現在の110より約10%高い。

2:命中率が高い

同じ威力120のかみなり(70%)、ハイドロポンプ(80%)、だいもんじ(85%)を追い抜いて90%という高い命中率を誇る。
もちろん溜めや反動などもない。

3:通りが良い

当時はほのおタイプにこおり技が今ひとつではなく、更にはがねタイプが存在しない。
よって、くさ・ひこう・じめん・ドラゴンの4タイプの弱点を突け、今一つになるのがみず・こおりの2タイプのみと、非常にダメージを通しやすい。

4:こおり状態の発動率が高い

これだけでも十分に鬼畜な性能なのだが、更に3割の確率でこおり状態にする。
第2世代以降、20%以上の確率でこおり状態にする技は1つも存在しない。

5:こおり状態が永遠に溶けない

初代「ふぶき」最大の問題がコレ。
第2世代以降のこおり状態は、毎ターン1/4の確率で自然に解除されるため、運さえ良ければ即座に治ってしまう状態異常である。
だが、第1世代当時のこおり状態は自然治癒する事はなく事実上戦闘不能と同義。
つまり3割の確率で即死の追加効果を持っていたわけである。
当時は1回でも異様なほどの回避率上昇を見せる「かげぶんしん」を誰でも覚えられたため、交代に1ターン浪費させられその間にかげぶんしんを1回積まれると考えると、ひんしよりタチが悪いとすら言えた。
これでもピンと来ないならこう言い換えれば分かりやすいだろうか。「初代のふぶきはこおりタイプ以外に追加効果としてぜったいれいどの追加効果を持っていた」わけである。実際はひんしよりタチが悪いので更に極悪なのだが。

一応こおり状態はほのお技を受ければ溶けるのだが*1、わざわざ凍らせたポケモンにほのお技を当ててくれるお人好しなんている訳がない。
「くろいきり」でも解除できるが言うまでもなく相手依存。
シナリオなら「なんでもなおし」等で回復できるが、もちろん対戦では使えない。
更に当時は道具をポケモンに持たせることはできないので、今日のように「ラムのみ」で治すような事も不可能。
状態異常を防ぐ「しんぴのまもり」や、状態異常をふせぐ特性ももちろん存在しない…と、こおり状態を防いだり治したりする手段がほぼないのも強さに拍車を掛けた。
もっとも、初代にこれらのような対抗手段があろうが「ふぶき」の格はほとんど落ちなかっただろう。それぐらい異常な効果である。

総評

ポケモン史上最強の技
基礎性能がやたらと高く、当たれば3割で即死であり、たとえ不利な相手でもふぶきを撃っておけば27%の確率で勝ててしまう。
初代特有の壊れ技としてかげぶんしん*2・はかいこうせん*3・バインド技全般*4があるが、それらと比べても明らかに図抜けた性能を誇る。
もはや使えない状況を探す方が困難と言っても過言ではない。
弱点らしい弱点はPPが少なく、「かげぶんしん」を積まれるとPP切れになりうることくらいである。

なお、こおりタイプはこおり状態にならないため、唯一ふぶきを安定して受ける事ができる。
加えて自分がふぶきを使う際にはタイプ一致で1.5倍の威力となるためなお強力であり、初代の対戦において「こおりタイプ不在」のパーティはまず考えられない
他に初代の強タイプとしては「弱点がほぼなくエスパー技を軽減できるのがエスパーしか存在しないエスパータイプ」
「弱点の格闘タイプがほぼ存在せず破壊光線をタイプ一致で撃てるノーマルタイプ」と、タイプ相性面で理不尽な性能を持つ2つが挙げられるが、
こおりタイプはほとんど「ふぶき」のみによって三強の一角の地位を築いたわけである。
ちなみに余談ではあるが、実は初代においては現在で言う「こおりタイプは耐性面で不遇」というのは殆ど当てはまらない。
というのも、そもそも初代においてのこおりタイプというのは複合タイプのポケモンしか存在しない上、現在なら典型的な弱点となる格闘技にはろくなものが存在しないし環境級では使い手がおらず、
炎技も大半の氷ポケモンが水複合なので効かない上で炎に耐性もなかったのでこの技でゴリ押せば勝てる上、
岩技もまともなのはひとつしか存在せずガチ環境のポケモンはあまり使い手がいないという事情があり、むしろ「こおりタイプを持っている方が凍らないので耐性面で優秀」まであったのだ。現在では信じられない話である。

初代における上級者同士の戦いではふぶき対策は基本中の基本である。
研究の進んだ現在では、ルージュララプラスが二大「ふぶき」の使い手として君臨。
最大火力を出せるのはフリーザーだが、技レパートリーが貧弱で同じこおりタイプとやりあうのは厳しいなどの短所もあり、現在のガチ対戦での評価は低めである。
その性能からこおりタイプ以外にも当然のように使用され、スターミーなどは当然として、特殊が低めのケンタロスにまで採用された。
VC版で考察が進んだのち、一線級に入ったサイドンですら、ふぶきを使えるという点が重要で、実質メインウェポンはこの技な辺り察してほしい。
前述のように使えない状況のほうが少ないため、GB環境の対戦だとふぶきを覚えるなら覚えさせない理由が存在しないのである。
この技が大流行していたが故にこおり技4倍のカイリューは冷遇されていたが、上記のように凍る事自体が大損害であるため
凍る前にひんしになってくれるからまだマシ」とか意味不明な扱いを受けることもある。

そして恐ろしいのが、初代最強ポケモンミュウツーもふぶきを覚えるということ。
とくしゅをぐーんと上げる「ドわすれ」*5まで使えるため、ポケモンを超えた殺戮兵器と言うべき強さである。

ハッキリ言って対戦ゲーとしては欠陥技と言わざるをえない「ふぶき」。
だが、実は納期2週間前までポケモン赤・緑は通信対戦の存在しないRPGとして製作されていたため、通信対戦を行う事を前提としたゲームバランスで作られていない。
四天王カンナのラプラスや、ラスボスであるライバルカメックスもこの技を使ってくるが、RPGのボスキャラが使う強力技としては納得できる性能だろう。

わざマシンはグレンタウンのポケモン屋敷に落ちており、シナリオ終盤になってようやく手に入る。
対戦のためには何個も「ふぶき」のわざマシンが欲しいので、中々骨の折れる周回プレイを強いられた。
なおルージュラはLv58で「ふぶき」を覚えられるが、当時の公式対戦ルールはLv50~55のポケモンしか使えないので、公式ルールで使うには結局わざマシンを使うほかない。

一応れいとうビームの方も十分強い上にふぶきと違って命中率も100でPPも10だったのだが、大体ふぶきの劣化版だったので対戦での採用例は少なかった。

その後のふぶき

…しかしこんな壊れ技がこのまま放置される訳が無く、ポケモンスタジアムからはこおりの追加効果は一割に低下。
更に控えに1匹凍ったポケモンがいたらこおり状態は発生しない仕組みとなった。
うっかり凍る事が少なくなったためナッシー等は多少地位を上げたが、ダメージ4倍とあまりに大きすぎるダメージを負うカイリューは相変わらずである。
それでも威力に対する命中率の高さはそのままのため、「れいとうビーム」に取って代わられる事は無く強技の1つとして多くのポケモンに使用された。

金銀ではさらなる弱体化が施され、命中率が90→70%に大きく低下。
更にこおり状態が自動で治るようになった他、「きせきのみ」「しんぴのまもり」等状態異常への対処法が多々用意された。
加えてこおり技がほのおタイプに今一つになり、トドメとばかりに攻防両面でこおりタイプに強いはがねタイプが登場と、こおりタイプ自体も大幅にナーフされた。
「ふぶき」はすっかり冷凍ビームの影に隠れ、天候「あられ」の登場まで不遇の時代を送ることになったのは先述のとおりである。


これで追記終わり、投稿…と
てきの ルージュラの ふぶき!
パソコンは こおりづけになった!
パソコンは フリーズして しまって
うごけない!

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最終更新:2024年04月07日 18:39

*1 厳密には「やけど状態にする技」を受けると溶ける。なので「ほのおのうず」では溶けない

*2 回避率の上昇が現在より急

*3 相手を倒すと反動で動けなくならない

*4 「まきつく」等。当たり続ける限り相手は動けない

*5 当時はとくこうととくぼうが「とくしゅ」で1つになっており、ドわすれは事実上「めいそう」2回分の効果があった