マスタークラウン(星のカービィ)

登録日:2012/02/12 Sun 23:37:50
更新日:2024/04/14 Sun 23:09:14
所要時間:約 4 分で読めます






要注意!この項目には、
星のカービィWiiのネタバレ&考察を含んでいるヨォ!










マスタークラウンとは、『星のカービィWii』に登場したアイテム。
某FEに同名のものがあるが、それとは無関係なのであしからず。

概要

ハルカンドラに伝わる伝説の秘宝。
黄金でできた冠の形をしており、中央には蒼い宝石が付いている。
一見は綺麗な王冠に見えるが、実は無限の力を秘めているという危険な代物である。
そのため、守護神であるランディアの手によって守られていた。

ことの始まりは、マホロアがマスタークラウンを手に入れようと考えたことから。
まずマホロアは古代ハルカンドラ人の遺産である天かける船ローアをデンジャラスディナーで発掘し、改造してランディアに攻撃を仕掛けた。
しかし返り討ちに遭ってしまい、ポップスターへ逃亡。不時着の際にローアが故障したことで、偶然出会ったカービィ達にパーツを集めさせた。

カービィ達の活躍でパーツは集まり、ローアも航行できるようになったためハルカンドラへ帰還。そこをランディアに襲撃されてまたも不時着する。
ランディアにしては、マホロアが再びマスタークラウンを奪いに来たと思った上での行動だったから、道理と言えよう。
二度も同じ手は通用しないと考えたマホロアは、連れてきたカービィ達を騙してランディアと戦うよう仕向ける。


マホロアの目論見は見事成功し、何も知らないカービィ達はランディアを倒す。
ランディアの頭からマスタークラウンが転げ落ちたことで、遂にマホロアはそれを手にする。
マスタークラウンを頭に乗せた瞬間、マホロアの姿は禍々しいものへと変貌。
マスタークラウンの形状もランディアが被っていたときのような神々しい姿から変化し、目玉のような装飾が付き宝石も緑色に変色している。
無限の力を手に入れたマホロアは、宇宙征服の手始めとしてポップスター侵攻を宣言、異空間ロードへ逃げ込む。

だが全ての真相を知り、ランディアの協力を得たカービィ達がその後を追ってきた。
マホロアは闇に染まったローアを召喚するも撃墜され、今度は自らが挑むことになる。
マスタークラウンの力で得た様々な魔法でカービィ達を苦しめるも、スーパー能力を得たカービィのウルトラソードの滅多切りによって敗北する。

その時、マスタークラウンの力が暴走。
マホロアは力に飲み込まれて異形の怪物へと成り果て、被っていたマスタークラウンも原型をとどめていないものと化す。
(エクストラモードでは「マホロアソウル」という名称になっており、うんと禍々しいカラーリングになっている)

自我すら失くし、クラウンそのものと化したマホロアの魂は憎悪と執念のままにカービィ達に襲い掛かる。
死闘の末、マホロアはカービィ達に再び敗北。マスタークラウンは砕け散り、マホロアも元の姿に戻り、
成仏したかのように消えていった。

その後の生死は不明だが、『デデデ大王のデデデでデンZ』発売後の熊崎Dのコメントによると「彼はカービィWiiのクライマックスに消息不明となりますが、こうしてアトラクションの中で元気な姿を見るに、時空を越えるあの異空間で迷いながらも、ひょっこりどこかの出口から脱出できたのでしょうか。」「カービィ達が元の世界に帰って来たあの後に、マホロアもまた世界を旅しながら、本作のような攻略しがいのあるユニークなテーマパークを、様々な世界で作っているのかもしれませんね。」とのこと。海外版『20周年スペシャルコレクション』で登場した際も『Wii』の後日談と取れる台詞が用意されている。

その後の作品では、異次元のランディアがマスタークラウンの力に飲まれたアナザーランディアが登場している。




以下、考察


最終決戦での第2形態(及びマホロアソウル)時、大きな紅い目玉が口の中に存在している。
これは、歴代のシリーズに登場したダークマター族と同じ特徴である。
このことから、「マスタークラウン自体がダークマター族なのでは?」という説が有力とされている。
となると、マホロアもかつてのデデデ大王同様、ダークマターに身体を乗っ取られたことになる。

しかし、アナザーランディアには目は出現していないため、マホロアがもともと持っていた素質とも考えられる。

当初はデデデと違ってマホロアは自我を保っていたが、カービィ達に敗れたことで更なる力を求めたと思われる。
だが、マスタークラウンの力を上手く扱いきれずに暴走させてしまい、結果的には力に飲まれてしまった。
マスタークラウンがダークマター族なのかは未だ不明だが、もしそうならマホロアもダークマター一族に翻弄されたということになる。

一方で、2022年に刊行されたノベライズ版では、マスタークラウンを被っていたランディアが闇に呑まれなかったことから鑑みて、「ローア同様、持ち主の心に影響を受けるアイテムではないか」とメタナイトが推測しており、カービィは口の中にある目はマホロアのものじゃないと感じ取っていた。


因みにエクストラモードでマホロアの口からこれまでのシリーズに登場した夢の泉ギャラクティック・ノヴァも古代ハルカンドラ人が創り出したものであるという事実が明かされる。
熊崎D曰く嘘つきの発言なので真実かどうか怪しいらしいが

もし真実だとすれば、彼等の創り出した物が毎回事件の火種になっているのはどういう因果なんだろうか?

現在の荒廃したハルカンドラの様子からして、彼等も力に溺れて滅びたのかもしれない…。

『スターアライズ』では

+ 『星のカービィ スターアライズ』のネタバレ注意
星のカービィ スターアライズ』に登場する魔神官ハイネス
彼らの一族は魔力を司り、高度な科学力を持つ一族と共に銀河を脅かす悪夢を倒し発展を遂げていたという。

しかし、科学の一族は闇の物質を信奉する魔力の一族を狂っていると見做し、歴史から抹消し銀河の彼方に封印したという。
こちらも狂人の発言なので真実か怪しいと公式からは一蹴にされているが


高度な科学力はノヴァやローアを造ったハルカンドラ人を想起させる……。
そして暗黒物質を信仰する魔術担当……。

ハイネスが蘇らせたは、これまでに登場したダークマター族や、彼らに似たキャラクター達を想起させる特徴を多く持っており、
第三形態では、攻撃の際にマスタークラウンの形状をした光の塊を作り出している。
また、ボスラッシュモードでは、マスタークラウンのような王冠が実体化している。
ノベライズ版の推測はニルを彷彿させる。

『Wii デラックス』にて

2023年2月に発売された『星のカービィ Wii』のリメイク、『星のカービィ Wii デラックス』では追加モード「マホロアエピローグ 異空をかける旅人」によってこのマスタークラウンに関してもさらなる事実が明らかになった。

+ ネタバレ注意!!
カービィたちに敗れたマホロアは、力を失い異空のドンゾコに落下。エレメントボスと戦いながら、果実のカケラや魔力を集めることでその力を集め、力を取り戻していく。そして全ての果実のカケラを集めたマホロアの前に現れたのは、あの戦いで砕け散ったはずのマスタークラウンの力を宿したクラウンドローパーだった。合体した果実「グランドジェムリンゴ」を取り込み、これまで戦ってきたボスの得意とした技を操る黒き翼の覇者を退けたマホロア。しかし、マスタークラウンのカケラは果実を取り囲み…


赤き実の宿り木となり よみがえった 支配の冠、
マスタークラウン。 力と ともに 手にした者の
心にひそむ闇をも ぞうふくさせ、憎悪にそめる
という。 数多の国や 世界を巡り続け、ついには
滅亡をよぶ、王なき樹冠と… 化したのだ!

突然、背景が炎に包まれ隕石が降り注ぐ荒れ果てた都市のような場所に変化。崩壊したエッガーエンジンズにも見える。
そしてそこに現れたマスタークラウンはポップスターのボスの中で唯一マホエピにハブられたアイツ巨大な樹の姿に変貌していた。葉はマホロアが完全に取り込まれた時に現れたような翼の形を成し、その幹にはエンデ・ニルの弱点部分のような隻眼が浮かび上がった姿となりマホロアに襲い掛かる。

戦闘中の解説ページからもうかがえるようにマスタークラウンの正体とは戴いた者に無限の魔力を与える「支配者の冠」などではなく、
無限の魔力をもって戴いた者を支配した挙句、心の闇を増幅して憎悪に染め上げる「冠の支配者」と呼べる恐るべき呪物だったのである。
この事実を鑑みてこれを被ったマホロアを見ると、確かに王冠を被っているというより王冠にわし掴みにされているようにも見えるし、マホロアが被った後はまるでクラウンそのものに意思があるかのように蠢いてもいたので、納得の設定と言える。
またマホロアが嘘つきな性分なのは元々だが、Wiiデラックスで語られた彼の元々の夢は「全宇宙のみんなが楽しめるようなテーマパークを作り、そこの支配人になる」という悪辣とは言えない願いだった。
それがクラウンを被った直後に「この星の支配者」ひいては「全宇宙の支配者」となるまでに巨大かつ危険な願いに変貌している理由は悪意の増幅による可能性が高い。
しかしマホロアはエクストラモードにて「きっと、セカイをシハイできるような、モ〜ットスゴイアイテムもあるハズ!」と発言しており、恐らく「世界の支配者」までは素のマホロアの願いだったのだろう。それでも危険?…それはそう*1
またマホロアはローアを見つけるまではハルカンドラに関する書物の内容をでたらめだと思って信じていなかったため、このマスタークラウンの本性に関しては知らなかった可能性が高い。
こんなシャレにならない呪物を頭にいただいておきながら洗脳されず暴走もしていないランディアはマジもんの守護竜である。
しかし別時空のIFではクラウンの魔力に飲み込まれ闇に落ちてしまった姿も見せているため、さしもの守護竜とはいえ永劫に渡って外敵から冠を守り、そして冠の魔力に抗い続けることは不可能だったのだろう(実際カービィたちに敗北した上、マホロアにクラウンを強奪されている)。
だがクラウンの性質上、どこかに捨て置いたとしても自律駆動して暴れまわる危険性があったため、ランディアはこれを被り続けてクラウンを求める者からこれを守護し、そしてそんな大小さまざまな悪意をもった者をクラウンから遠ざける役目を遂行するよりほかはなかったのだろう。
カービィたちがクラウンを打ち砕いたことは彼らにとっても救いだったのかもしれない。
でもクラウンがないとしっくり来ないのかは知らんが「マホロアエピローグ」よりも後の時系列と思われる「わいわいマホロアランド」に遊びに来るランディアは普通にクラウンを被っている。レプリカだとは信じたいが、果たして……

ところで、『トリプルデラックス』以降の作品ではキャラクター毎にセリフのフォントが変わるという法則があり、例えばハルトマンを乗っ取った星の夢のように、セリフのフォントが変わることで別人格に変化したことが分かる演出が取られている。逆に、レオンガルフとフェクト・フォルガのように、2体のキャラクターでフォントを同じものにすることで同じ人格が喋っていることを表現していたりも…
マホロアが裏切るシーンを見ると、マスタークラウンを被り姿が変わった時点でセリフのフォントが切り替わっている。これはリメイク前も同様。
これらを踏まえると、クラウンを被った時点でマホロアの意思がクラウンに乗っ取られていた可能性もある。


戦闘におけるマスタークラウンはディメンションホールからの召喚を主な攻撃手段としており、基本的には画面奥にいる。ディメンションホールを通じて伸ばしてくる攻撃「異空の根」の根が弱点。他にも、時間経過で膨らんで爆発するリンゴ「禁断のマルスプミラ」*2や、葉を飛ばす攻撃双葉(もろは)の舞」*3、種を撒いて伸びるツタで攻撃するマルクのような攻撃、地面を焼き爆発を起こすガード不能のレーザー「ダフネの絶叫」*4を用いてくる。

後半に突入すると、エンデ・ニルがマスタークラウンを用いて行った「巨悪と執念の冠」に酷似したガード不能のレーザー攻撃「憎悪と執念のミストルティン」を行うようになり、より関連性を強調している。
当然他の攻撃も強化されており、「禁断のマルスプミラ」は巨大化し「禁断のグラン・マルスプミラ」に、「双葉の舞」は数が増え、八枚の「双葉乱舞」、十六枚になった上上空から追撃してくる「双葉円舞」になっている。
加えてラーパやリーパといった異空間に住まう生物を呼び出すこともあり、攻撃チャンスはなかなか少ない。
地面に影が見えたらジャンププレス「王亡き帰還」。影の範囲外にも、ワンテンポ置いて地割れを起こしてくるためプレスを避けたらすぐに空中に避難しないとダメージを受ける。
幸い、攻撃チャンスが少ない分体力は低めに設定されている*5

戦いの中で背景にあった近未来的な都市は崩れていくが、この中にエッガーエンジンズにあるものとよく似た建物がある。先述したハルカンドラ滅亡の原因がマスタークラウンにあるということを示唆しているのかもしれない。

かつていくつもの世界を滅ぼしたのも納得の大技揃いだが、マホロアも負けてはおらずついにマスタークラウンを追い込んだ。怯んだマスタークラウンを前に、マホロアは近くに落ちていた剣を拾い上げ、それに全魔力を注ぐ。


支配の じゅ縛から あの樹を 解きはなち、
この滅亡の れんさを 断ち切るには…
自らの悪事ケジメを つけるには…
コレしかない! 手にした剣に 全魔力をそそぎ、
一・刀・両・断… Pay For One's Sin!


次の瞬間マホロアはウルトラソードを手にし、マスタークラウンに斬りかかる。
マホロアの全てをかけた一撃により、マスタークラウンは樹共々真っ二つに両断された


戦いの余韻が残るフィールドに、ディメンションホールが開く。
マホロアはクラウンの支配から逃れた赤い果実、ジェムリンゴと共にとある王国へと飛び立っていくのだった。


専用BGMは「王亡き樹冠のミストルティン」。
樹冠とは樹木の上部の枝葉の集まった部分、ミストルティンとは北欧神話に登場するヤドリギのことを言う。
実に的を射た曲名だが、そのミストルティンには「バルドルが死ぬ夢を見た母フリッグは、万物に対してバルドルを傷つけぬよう誓いを立てさせた。しかし、新芽であったヤドリギ(ミストルティン)だけは非力だったため脅威にならないだろうと誓わせなかったところ、それを知ったロキがバルドルの盲目の弟ヘズを騙してヤドリギを投げさせ、矢の形に変わったミストルティンによりバルドルは貫かれ、ラグナロクを引き起こした」というエピソードが存在する。
「弱者だと舐め腐った相手に討たれる」「他者を騙し利用したところ最悪の結末を招く」といった部分にはマホロアに通じるものがあり、なんとも皮肉な曲名といえる。
曲としては、「すくえキングダム!しれんクエスト」をベースとした荘厳な前半パート、「CROWNED」をベースとした明るい曲調の中盤パート、再び「すくえキングダム〜」をベースとした勇ましいメロディの後半パートの3つに分けられる。
アレンジにあたって二つの曲をリミックスし、途中でベースにする曲が入れ替わるのは、カービィハンターズシリーズのキングD・マインド戦のBGMと同様の構成になっており、そういう意味でも繋がりを感じる一曲。


また、「マホロアエピローグ」以外にも「真 格闘王への道」でも20戦目の相手として登場。マホロア以外の操作キャラで対峙するのはここが唯一となり、更に事前に19戦もこなしているためカービィ等を使った練習がしづらく、おみやげアイテムを使わない限り体力的にもかなりカツカツなタイミングで相手することとなるのでかなりの苦戦を強いられる。おまけにこの次の最終戦の相手はシリーズでも屈指の難関ボスとも言われるほどの強敵なので、休憩所のトマトに余裕でもない限り無駄な消耗は許されない。
タイムアタックで記録を縮める際もあからさまにこちら側の攻撃の機会が限られるため、根をフィールド上に出現させた時にいかに多く体力を削れるかがタイム短縮の鍵を握る。

ちなみに、ランディアのシューティング面で登場するラーパ達が能力を持たないスカキャラであることがこの戦いで10年越しに判明した。






クックク…
コレでボクは コノ項目の…

いや!
全Wikiの 支配者とナルのダ!

そう、まずハ
手ハジメにキミらのWiki…

アニヲタWikiから 追記・修正してアゲルヨォ!


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最終更新:2024年04月14日 23:09

*1 ただし、ストーリーモードをクリア後解放のモード=プレイヤー視点では裏切ることが分かっている状況での発言なので、どちらを正史と捉えるかでマホロアの本音は変わってくることは留意。

*2 マルスプミラはリンゴの学名。神話においても「創世記」の禁断の果実にリンゴが当てはめられることもあるなど、伝承には事欠かせない果実である。なお、本モードのメインテーマの曲名にも「断罪のマルスプミラ」としてその名が用いられている。

*3 京都の賀茂神社の葵祭で用いる冠帽の装飾であるフタバアオイの別名「両葉(もろは)草」からか。葉の形も共にハート型である。

*4 ダフネはギリシャ神話の女神であり、アポロンに求愛され続けたダフネは自身の身を変えることを父親に望み、それを受け月桂樹に変わった。それを悲しんだアポロンはダフネの月桂樹から月桂冠を作り、被り続けたという物語がある。それと共にダフネはギリシャ語で月桂樹のことを指す。

*5 これは他のエレメントボスにも共通する