SCP-2013

登録日: 2017/04/27 Thu 01:22:56
更新日:2024/02/17 Sat 12:01:09
所要時間:約 5 分で読めます




あなたはレプティリアンというものを、ご存知だろうか?
ヒト型爬虫類とも呼ばれるが、地球上でヒトに紛れて潜伏し、進化したと言われる爬虫類人のことをいう。
…といっても、まあぶっちゃけ陰謀論のたぐいなんですけどね。

ところがどういうわけか、このレプティリアンというものを、財団の頭のいい科学者たちが
こぞって研究していたんだそうで。なんかの認識災害かミームなんだろうか?

というわけで、SCP-2013はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
オブジェクトクラスは当初KeterだったがSafeに。

項目名は『The Reptilian Meme(レプティリアン・ミーム)』。

概要

もともとは、財団の一部ではレプティリアンというのがいる、という謎のミームが広まっていた。
なので、SCP-2013が指し示していたのは当然そのレプティリアン個体群であった。
財団はそれを探し出し、速やかに無力化(つまり殺すってことだ)することがプロトコルで定められていた。

ひとたびレプティリアンだとわかれば、たとえどんな犠牲を払ってでも殺せ、というわけだ。恐ろしい話だ。
更にこのレプティリアンについて情報を世界中に知らしめんとまでしていた。財団理念もあったもんじゃない。
信じていた職員たちはレプティリアンは人間になりすますためのスキンスーツを着て、ちょっと整形して生きていると仮定し、
それらは人間が実在を認識することで殺せる程度に弱まると主張していた。だから情報を拡散しようとしたわけである。

レプティリアンはりゅう座アルファ星系に由来する地球外生命体であり、
人間の血を2週間に一度摂取するだけで生き延びられるというまあ…化物だ、聞く限りでは。
大統領家族や俳優、ミュージシャン、はては要注意団体のメンバーまでありとあらゆる人が
「既知のレプティリアン」としてリストに乗っていた。

世界で20%の人がレプティリアンの実在を疑わなくなった際には、
財団はヘレフォード(Hereford)・プロトコルというものを実行するとしていた。
これは「世界で20%の人がレプティリアンの実在を認識した際にレプティリアンは十分に殺せる程度に弱まるため、
そのときにレプティリアンを同時多発的なクーデターで暗殺しようぜ」という殺伐極まりないもの。
財団は2011年か2012年にこれを実行しようとしていた。

だが、レプティリアンと信じられていた一人が自然死し、その遺体を解剖すると…まあ普通の人間だった。
どうやらSCP-2013の報告書を書いていた人はレプティリアンを信じるミームに影響されていたようだった。
そのため、SCP-2013は「レプティリアン個体群とスキンスーツ」ではなく、
「レプティリアンの実在を信じるルナール(Renard)クラスのミーム媒介」を指すようになった。
世界にレプティリアンなんてものを流布しちゃったので、その対処に追われているのが現在である。


この情報を受け、我々はヘレフォード・プロトコルの中止措置を行っている。;SCP-2013に関する新たな収容手順が作成された。-O5-2

めでたしめでたし。



SCP-2013 - The Reptilian Meme
by Ihpkmn
http://www.scp-wiki.net/scp-2013
http://ja.scp-wiki.net/scp-2013
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さあて、奴はどっか行ったな。

…まあめでたくはないんだが。

確かに、以前のSCP-2013は間違った情報である。そんなトカゲ宇宙人なんていないし、
潜伏してなんかいやしない。

だが、「レプティリアンが実在するか?」と言われたら、Yesだ。

このレプティリアンというのは、トカゲの宇宙人ではない。

昔話をしようか。

財団は昔、金に困っていた。結成当時はまだ財団は色んな国に協力を要請できなかったんだ。
その当時財団は金策を模索していて、ある海底から引き上げた死んだ卵を孵化させようと試みた。
そのひとつが成功して、レプティリアンは孵ったわけだった。
彼らはとても賢く、人間の言葉を模倣することすら可能だった。
素早くいろんなことを覚え、財団に対しても従順だった。

一方、財団はあまり余所ものが歓迎されない土地における変装用スーツの研究をしていた。
どんな爺でもこれを着れば可愛い女の子だ。もちろん他の世代のものもあるぞ。
より爺さんになることだって可能だった。

財団は金に困っていた。だから、少ない人数で任務をこなすしかなかった。
そうだ、レプティリアンをスキンスーツに入れて、世界中に送り出したんだ。
そして彼らは、女王、政治家、ミュージシャン、教授…まあ多分野で成功を収めた。
大統領は17人中5人はレプティリアンだったし、英国女王だっていまやレプティリアンだ。
カオス・インサージェンシーの構成員にすらレプティリアンは入り込んだ。
こうして彼らによって金は集まったわけだが、彼らが核分裂・核融合を用いて錬金する方法を身につけると、
もはや財団がレプティリアンを有する必要はなくなってしまった。
だってそれで金を生み出して、財団の運営資金にすればいい。

だからレプティリアンを集めて処分した。はずだった。
根絶やしにしたと思っていたレプティリアンは、なんと世界オカルト連合にまで浸潤していた。
更にとある選挙区の候補者全員がレプティリアンだった。
そうして世界は3/4未満がレプティリアンの統治する国になっていた。

彼らはほぼ不死であったが、人に認識されればされるほど弱まるという謎の反ミーム性を有していた。
だから希望がないわけではなかった。

しかし、やがてSCP-2013とは、悪質なミームにすぎないという話が広められてしまった。

そして現在のプロトコルに至る、というわけだ。


メタからの解説

このオブジェクトは2000コンテストのために書かれた、「SF」をテーマにしたオブジェクトのひとつであり、
レプティリアンもSFではお馴染みの題材の一つである。

簡単にいえば、レプティリアンは既に財団上層部まで浸潤していて、どうしようもなかったというオチである。
レプティリアンが途中で一度「根絶やし」にされているが、これに対する報復が「今のSCP-2013」なのか、
それともそもそも「根絶やし」自体が自分たちの存在を歴史から隠すための自作自演だったのか。
どっちみち既にSK-クラス:支配シフトシナリオが起きてしまったことは否定できない。

なお元ページではある博士の手記という形をとるが、博士はこのあと、誰かが君のところに来るだろうねと残している。



――真相を知ったあなたは逃げ切れるのか、それとも――






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最終更新:2024年02月17日 12:01