星のカービィ スーパーデラックス

登録日:2009/11/09 Mon 00:07:56
更新日:2024/02/26 Mon 17:53:21
所要時間:約 11 分で読めます






星のカービィ スーパーデラックス』(Kirby Super Star)とは、1996年3月21日に任天堂より発売されたSFC用ゲームソフト。
開発元はHAL研究所
星のカービィ」シリーズの第7作目にあたる作品。略称は「SDX」や「スパデラ」など。

2008年11月6日にはニンテンドーDS用ソフトとして『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』(Kirby Super Star Ultra)という名称でリメイクされた。


概要

「さて…久しぶりにプレイするかな…」

フーフー ガシャ ガッ

…ピコーン!

♪テレテレッテレーテレテレッテレー
♪タラッタータランタラララーララータラララー




\ドンッ/

0% 0% 0%




( ^ω^)……。



と……このように、SFC版はセーブデータが非常に消えやすいゲームとして有名。
起動中に本体に衝撃を与えたりしようものなら、まず間違いなくデータはきれいさっぱり跡形無く消え去る。
なんなら衝撃を与えていなくても、久々に起動してみると何故か消えていたりする。
ただゲーム自体が「難易度はお手軽でテンポがよく楽しい」「慣れてくると2時間程度で簡単に攻略できる」ということもあり、
本来のゲームなら一度クリアしたら忘れてしまうような部分を何度でもプレイする羽目になる。そしてまた消えて再スタート。
このデータの消えやすさが笑い話になっているのは、本作のゲームとしての完成度の高さと難易度のお手軽さゆえでもあり、
特に2人プレイが前提だったチビッ子たちにはとても思い出深いゲームに仕上げてくれた。まさに怪我の功名。
最近ではRTAなどでプレイを追体験できるようになっているが、そういうものと縁がなくてもコピーのもとや洞窟大作戦のお宝の位置を結構覚えている……という人も多いのではないだろうか。
消えてしまったものはしかたがない。諦めて「はるかぜとともに」から再スタートだっ。

ちなみに、この原因は演出を派手にするために使ったチップがすっっっっごいデリケートだったため。*1
下手すればドラクエより消えやすい。
実は接触不良でも起こる場合がある。この場合はデータの呼び出しが失敗しているだけなので、実は開始せずにすぐさま再起動させれば復帰する可能性がある。ゲームをそのまま開始してしまうと、進行度0のデータが上書きされてしまうので手遅れ。ドラクエよりは再起動の猶予がある(あちらは例の曲に合わせて消去する処理がある)だけマシだが。
なお、本作には特定の操作を行うと確実にフリーズするバグがあるが、これによるデータ破損はROM版・移植版問わず発生する。

余談だが、自分でデータを消す時は「セーブデータを消しますか?」→はい→「ほんとうにいいですね?」→はい→「こうかいしませんね?」としつこく確認される。
ちなみにHAL研究所お馴染みの「後悔しませんね?」の初登場なのだが、実際には上記の通り(実機では)後悔以前に勝手に消えることがほとんど。


本作のおもな特徴

基本的なゲーム性はこれまでのアクションゲームのカービィとだいたい同じ。よく『星のカービィ3』と比較される。
夢の泉の物語』から搭載された「コピー能力」システムを受け継ぎつつ、
能力・技がさらに多彩化し、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめるゲームデザインになっている。
本作ではプレイヤーの体力を示す表示がゲージ形式になり、受けたダメージによって体力の減少量がより細かく異なるようになった。
そのほかの本作の特徴は以下の通り。


ヘルパーシステム

本作の最大の特徴がこれ。
カービィがコピー能力をもっているとき、その能力をそのまま使用出来る「ヘルパー」を生み出すことができる。
ヘルパーはCPUが操作するが、コントローラーがもうひとつあれば2Pがヘルパーを操作可能。つまり『2人同時プレイ』ができるのだ。
ある場面を除きヘルパー役は下手くそでも問題ないので、接待ゲーやゲーム初心者の友達のお供としても最適。
やり方は、カービィが使用回数に制限のあるもの以外のコピー能力を所持している状態でAボタンを押すだけ。
なお、ヘルパーを登場させるとカービィは能力を持たないすっぴんの状態になる。
また、どちらかが回復アイテムを取った直後、お互いに近づくと「くちうつし」でもう片方の体力を回復することが出来る。チュゥ……
このときのSE(効果音)がなんかいやらしい。これがボンカースとだと……
また、すっぴん状態のカービィがAボタンを押すと「すっぴんビーム」を発射でき、これをヘルパーに当てると解除が出来る。

このヘルパーシステムは元々マリオを2人でプレイする計画が原型である。
任天堂の宮本茂氏が「複数人でマリオがしたい!」と考えたはいいが、1990年代のゲーム機のスペックではマリオの複数人同時プレイは不可能だった。*2
しかし「マリオよりスピードが遅いカービィならいけんじゃね?」と考えた宮本氏は「2人でプレイ出来るカービィ作ってみろ」と課題を出す。その結果が本作である。
今ではお馴染みのコピー能力帽子も、元々はヘルパーシステムの導入に合わせて個性付けのために作られたものである*3
その後、『Newスーパーマリオブラザーズ』ではなんとかVSモードだけだが2人同時プレイが可能になり、次作Wiiで漸く複数人でマリオがプレイ出来るようになった、という背景がある。
現在は激しいアクションやエフェクトが飛び交うスマブラが8人同時対戦で遊べるのだから、ビデオゲームの進化はとても早いものである。


オムニバス形式

本作はいわゆるオムニバス形式が採用されている。
ルールや内容が異なる様々なゲームが収録されており、ゲーム選択画面で遊びたいゲームを自由に選択できる。
はじめは一部のゲームだけプレイできるが、ゲームをクリアすると新たに遊べるゲームが増えていき、難易度も少しずつ高くなっていく。
★の数が多い程難易度が高い。


【はるかぜとともに】難易度★

あきれかえるほど平和な国プププランドの食べ物が一晩のうちにデデデ大王に奪われた!
おなかがすくのはこまります。
そこで立ち上がったのがわれらがカービィ。新たな冒険のはじまりです。

初代『星のカービィ』をリメイクしたゲームで、全4ステージを順番に攻略していく。カブーラーなんていなかった。いいね?
難易度は低く初心者にもやさしい、これぞ『星のカービィ』といえるゲーム。初心者はまずはこれで操作に慣れよう。

後に桜井政博氏が語ったところによれば「このモードだけコピー能力が一切使えない」という仕様にする(もうちょっと初代に寄せる)予定だったものの、任天堂からの要望で渋々使えるようにしたとのこと。その名残か、「白き翼ダイナブレイド」のチュートリアルでは改めてコピー能力の解説が行われる。


【白き翼 ダイナブレイド】難易度★★★

怪鳥ダイナブレイドが山からやってきては作物を荒らす。
家や草木を切り裂いて飛んでいく姿はまさに「かまいたち」のよう。
とにもかくにもやめさせないと、プププランドは切りキズだらけだ!

このゲームではワールドマップがあり、ステージをクリアするとつぎのステージへのルートがつながっていく。
つながったルートを移動してプレイするステージを選択する。
あるしかけを作動させると、能力をおためしできる隠しステージもあったり。
「はるかぜとともに」より難易度はやや高いが、初心者でもぜんぜんクリアは可能。
ラスボスのダイナブレイドは数秒で倒せるテクニックがある


激突!グルメレース

おいしい食べ物であふれている大果樹園グルメット。
噂を聞きつけたカービィは果て無き道のりを経て、やっとの思いで到着した。
しかし、そこに待ち受けていたのは宿命のライバル、デデデ大王。
奴にだけは負ける訳にはいかない…
伝説の戦いの火蓋が、今、切り落とされる…!

道中に配置された食べ物をたくさん食べつつ、デデデ大王より早くゴールをめざす短編タイムアタック。
ほかのゲームとルールが大きく異なっており、ミニゲーム感覚で楽しめる。
BGMはいまや「カービィ」シリーズを代表する音楽の一つとなった。


洞窟大作戦

ピクニック中のカービィがおっこちた穴の中は巨大な洞窟だった…
ここは危険と誘惑がいっぱいの古の洞窟『マジルテ』。
宝を集めて地上へ脱出せよ!

難易度は★★★★。複数のエリアで構成された広大な洞窟を探索し、脱出を目指す長編ゲーム。
このゲームでは各地にいろいろな宝が隠されており、それを集めるやりこみ要素がある。
60種類全ての宝を集めなくてもクリアは可能(特に途中をごっそり飛ばせるステージもある)だが、
入手するのに特定のコピー能力やちょっとしたテクニックが必要なお宝もあり、コンプリートするのは一苦労。


メタナイトの逆襲

「堕落に満ちたプププランドをこの手で変えてくれる…」
仮面の騎士メタナイトが部下と共に巨大戦艦ハルバードでプププランドの征服を開始した。
俺が止めなきゃ、一体誰か奴を止めるんだ。
カウントダウンは始まった。もう、後には引けない…!

『洞窟大作戦』をクリアすると解禁される。難易度は★★★★。
このゲームでは各ステージに制限時間があり、制限時間内にゴールできないと1ミスとなる。
が、モタモタしないかぎりは特に気にしなくても大丈夫。
ラストでメタナイトに追いかけられるパートで慣れてないと時間切れになる程度。


銀河にねがいを

太陽が大ゲンカしたためプププランドでは昼と夜がめちゃくちゃに!
魔法使いのマルクはポップスターのそばにある星々をつなげることで大彗星を呼べば解決すると教えてくれました。
ポップスターを救うため、カービィが星の海へと旅立ってゆく…

『洞窟大作戦』と『メタナイトの逆襲』をクリアすると解禁される、メインゲームとしては最後になるモード。難易度は★★★★★。
このモードではなんと、敵を飲み込んでも能力をコピーできない*4
そのかわりに「コピーのもとデラックス」と呼ばれるアイテムが各ステージに隠されており、
これを入手すると以後、好きなときにそのコピー能力を呼び出して、使用できるようになる。
ステージはワールドマップから選択する形式。はじめからラスト以外のすべてのステージを好きな順番で攻略できる。
ラスボスはSDX全体を締めくくるだけあって随一の強さ。


格闘王への道

上記の全てのゲームをクリアすると出現する、ホントの最モード。難易度は★★★★★★。
これまで戦ってきた全てのボス達を相手に勝ち抜きタイムアタックの大チャレンジ。
目指せ優勝、目指せ100%!!
ボスは19人勝ち抜き制で、許されている回復アイテムはマキシムトマト5個のみ。
このゲームをクリアすれば『サウンドモード』が出現。


【サブゲーム】

「カービィ」シリーズ恒例のおまけゲーム。どちらも2P対戦が可能。

  • かちわりメガトンパンチ
画面の表示に合わせていいタイミングでAボタンを押し、チカラをためる。
最後は地面に向けてメガトンパンチ。そのチカラの強さを競う。
フルパワーでなぐって、ポップスターをえいやっとかちわるべし。

画面に「!」マークが出たらすぐにAボタンを押すだけの、シンプルなサブゲーム。
より早くボタンを押せたほうの勝ちだが、フライングするとおてつきとなる。


■リメイク版『USDX』の追加・変更点

リメイク版では、主に以下のような追加・変更点がある。

<新たなゲームの追加>

【大王の逆襲】

デデデ大王がカービィにリベンジを挑む。より強くなった敵たちをカービィは倒せるか!?

『はるかぜとともに』を初代エクストラモード&『メタナイトの逆襲』風にアレンジ。
一部懐かしい敵の差し替え、カブーラーの大復活、敵や罠の配置などが嫌らしい道中もさることながら、
雪辱を誓うデデデ大王本人も大幅にパワーアップしてカービィを迎え撃つ。

ある意味、ここからがUSDXの本番。今までと同じだと思っていると、けっこうタイヘンよ?

メタナイトでゴーDX

メタナイトは己を鍛えるべく修行の旅に出る。銀河最強の戦士と戦うために…

メタナイトを操作して既存5ゲームのマップを次々クリアしていくタイムアタックモード。
ラストは銀河最強の戦士が新ボスとしてお相手。結構強い。

ヘルパーマスターへの道

任意のヘルパーで『格闘王への道』を戦い抜く。
全ヘルパーでクリアするのは一苦労。
ただし最終戦が『洞窟大作戦』ラスボス→その強化版との連戦に変更。体力も攻撃力も桁違いに。

真 格闘王への道

USDXの追加ボス10体との連戦に挑む、最後の追加モード。
これをクリアしてこそ真のカービィマスター!
これまた最後は限定の追加ボス。かなり強い。いろんな意味でみんなのトラウマ。

タッチパネル仕様の以下のサブゲームも新たに追加された。原作のサブゲームは条件を満たすと解放。
  • タッチ!刹那のカルタ取り
  • 爆裂コンベアタッチ!
  • タッチ!早撃ちカービィ


<変更点>


本作に登場するキャラ「カプセルJ」は、その姿形がコナミの某縦スクロールシューティングに出てくる青い機体にそっくりだったため(かどうかは不明だが)、
USDXでは「カプセルJ2」となり姿形が変わった。まあこっちもこっちで 某新幹線ロボそっくりだけどな!
それを隠すためか、ヘルパーが集合している場面では唯一登場していない
ちょっと可哀想な上に姿形があまり印象に残らないのもまた残念である。

「洞窟大作戦」では下画面に簡単なマップが表示され、宝が集めやすくなった。

ボス「ワムバムロック」の外観が大幅に変更された。

ダイナブレイド等の一部のボスの楽曲が変更された。

一部ヘルパーに新技が追加された。

「銀河にねがいを」のエンディングBGMのキーが下がった。


<余談>

桜井政博氏は「開発途中までちゃんと計画されていたもののスケジュールと容量の都合で没になったモード」があると後に語り、その企画書もちゃんと残っている。
「邪悪な魔法使いのかけた呪いによって口を封じられたカービィが、コピー能力を(恐らく吸い込み以外の手段で得て)アイテムに見立てて使い、呪いを解くために、館を探索するRPG風ホラーシナリオ」というのが大まかなシナリオだったようだ。

『ウルトラスーパーデラックス』のパッケージではシミラの顔がCERO:Aのマークで隠れてしまっている

25周年を記念して行われたカービィオーケストラコンサートでは、最初に「0% 0% 0%」の演出が使用された。
ゲームのあるあるを公式がやるという前代未聞の演出に、視聴者は驚きを隠せなかった。


【コピー能力一覧(括弧内はヘルパー)】


一発系能力()内は能力を持っている敵
  • クラッシュ(ボンバーorスカーフィ)
  • マイク(ウォーキー)
  • コック(コックカワサキ
  • ペイント(ガメレオアームの吐く玉orヘビーロブスターの出すスライム的な何か)
  • スリープ(ノディ)





追記・修正は、データが飛ぶことなく100%を達成したものにお願いします。

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  • 1996年
  • 30代ホイホイ

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最終更新:2024年02月26日 17:53

*1 詳しく説明すると、このゲームのカセットにはスーパーファミコンのスペックを補う為にCPUと似たようなチップが内蔵されていたのだが、そのチップが電池の消費などに影響してセーブデータが消失、破損しやすかったというもの。

*2 『スーパーマリオワールド』は2人で『交代しながら』のプレイであり、厳密には同時プレイではない

*3 スーパーマリオ64にある「固定カメラモード」も、2人で遊べるようにする没モードの名残という説がある。

*4 回数制限がある能力(クラッシュ、マイク、コック、ペイント)は吸い込んでコピー可能。