うたかたの…(ウルトラマンティガ)

登録日:2011/08/22(月) 14:39:48
更新日:2018/11/17 Sat 16:24:42
所要時間:約 6 分で読めます





死ぬのが……




死ぬのが、





怖くないわけ、ないだろぉー!!






「うたかたの…」は、『ウルトラマンティガ』第28話のエピソード。



【登場人物】

GUTSの隊員であり、ウルトラマンティガ。
ティガとして、人間として「なぜ戦うのか」に悩み、答えを探そうとする。
ちなみにティガの名前を叫んで変身したのはTVシリーズではこの回だけだったりする。

  • ヤナセ・レナ
GUTSのエースパイロット。人間のせいで怪獣になったクリッターをただ殲滅するだけでいいのかと疑問を持つ。
ヤズミのある一言で怒り、ホリイの考えに悩むがダイゴの助言で解決してティガの目的を解釈する。(このことでティガでもあるダイゴはさらに悩むのだが……)

  • イルマ・メグミ隊長
GUTS隊長。
今回はずっと作戦指令室にいるが(基本そうだが)、巨人やユザレのタイムカプセルからわずかながらも情報を得る。

  • ムナカタ副隊長
GUTS副隊長。クリッターに対してはダイゴ達の言い分を理解しつつも、GUTSの使命として戦う。

  • ホリイ
今までクリッターとはコミュニケーションを試みるなどしてきたが、今まで考え抜いた結果――考えることをやめた。

  • シンジョウ
平成ウルトラマンによく出て来る人。
人々を守るには戦わなければならないと考えており、少し妹とギクシャクしてしまった。

  • ヤズミ
今回の主役。
人類が生き残る為には強くなって、どんな脅威も滅ぼさなければならないと考えている。
(ヤズミらしくないという意見もあるが、そこはまあ置いておく)
オペレーターなのだが、今回は隊長命令で現場へ出撃、現実の戦場を知る。

  • シンジョウ・マユミ
シンジョウの妹でTPCのナース。(兄のコネで……)
武器を捨てれば、怪獣は出て来ないと考えている。
以前、ガゾート(電磁波の影響で突然変異して怪獣になったクリッター)によって恋人を失っている。


【登場怪獣】

●甲獣 ジョバリエ
身長 63メートル
体重 5万3千トン
クリッター殲滅作戦の最中、住宅街の丘陵地から現れた怪獣。全身の爪と角、頑丈な皮膚により、高い戦闘力を誇る。
ぶっちゃけたまたま出現のタイミングが作戦と被っただけでクリッターとは無関係。
着ぐるみはムザン星人とアトラクション用レッドキングを改造した物。

空中棲息生物 クリッター
身長 不明
体重 不明
謎に包まれた伝説の生物。
電離層に棲み、高度な知性を有しているが親愛の情を持った相手を食べる習性を持つ。
赤ん坊の笑い声のような鳴き声を発する(結構怖い)。
大量の電磁波やマイクロ波が電離層に流れるようになって変異し、怪獣ガゾートと化してしまっていた。


【ストーリー】

GUTS上層部は、突然現れた怪獣ジョバリエの対処に追われていた。


……遡って一週間前。
GUTSでは、電離層にあるクリッターの巣を焼き払うクリッター殲滅作戦が開始されようとしていた。
この事は作戦指令室のGUTS隊員にも取り沙汰される。

人間達が使う電磁波によって怪獣と化したクリッター達をただ殲滅してしまえばいいのかと疑問を抱くダイゴとレナに対し、ホリイは

「それは俺も考えた。何の対策も取れへんかったから未だに事故も絶えへんしな。で、考え抜いた結果――考えんのをやめた。現代社会で電磁波は止められへんから」

「そらな、電磁波を止めろとか、減らせとか言うのは容易いで? ……ほな、それを使わないで生活できますか?と言う事や。人は一度便利なものを覚えると後戻りできへんで」

と現実的に割り切る。

また、ヤズミは脅威になる対象を減らせば人類は生き残れるとし、GUTSやTPCはもっと強くなるべきと発言。レナを怒らせてしまう。

クリッター殲滅作戦にはホリイ、シンジョウ、レナが参加。
一方、ジョバリエにはムナカタ、ダイゴ、そしてヤズミが当たることになった。

久しぶりに会ったシンジョウ兄妹。
最初はお互いの近況を話していたが……

「早く怪獣なんか出ない世の中になればいいのにね。そしたら……」

「その為に、TPCやGUTSは強くなっていくんだ。平和を守っているんだぞ? 俺達は」

「平和……? 今が平和? お兄ちゃん達が戦うのをやめれば、神様も怪獣を出すのを止めるわ……きっと」

レナとダイゴはまだホリイの言葉に悩んでいた。

「電磁波問題は仕方がないって話か。俺もあれから考えたんだけどさ……多分、レナが言いたいのは、みんなで共存できないのかって事じゃないのかな? 地球は人間だけのものじゃないからな」

「……そうか! そういう事か! 地球上の生き物は皆、互いに尊重しあって共存するべきなんだ」

「俺達の仕事はさ、人類を守るんでなくて、地球を守る事なんだろうな……本当は。難しいけどさ……。怪獣に話は通じないし、宇宙人なんて出てきた日には、もう」

「……ティガは、それをやろうとしているのかな? きっとそうだよね。……あーあ、なんかちょっとスッキリしちゃったなぁ! ダイゴ、早く行かないと」

「あっ、ああ」

「ダイゴ!」

「はい!?」

「……ありがと」

ジョバリエに攻撃を開始するも全く効かず、攻撃は中止。
隊員の断末魔がスピーカーを通じて響く……。

現場でマユミに治療されるヤズミ。

「死ぬの、恐くないの?」

「平和を守る……為なら……この仕事は常に危険と隣り合わせ……」

「……好きな人、いる?」

「話をまとめろよ!」

「……死んじゃうとね……好きな人と会えなくなるんだよ……」

「……今は……今は非常時なんだ! そんな甘い事……」

「『平和になってから話せばいい』? どうせ誰かの受け売りでしょ? まったく子供なんだから! 皆が武器を捨ててみるといいわ、怪獣なんて出なくなるから!」

部屋を出るマユミ。
残されたヤズミは一人こぼす。

「そ……そんなに簡単な問題じゃないんだぞ! そっちこそ子供みたいな事言うなよ、何なんだよアイツ……人を子供扱いして……いくつも違わねえじゃねえか……」

動き出すジョバリエ。

マユミの言葉を思い出し、死を怖れながらも立ち向かうヤズミ。

スパークレンスを見つめるダイゴ。


「ティガよ……何故戦う? 何のためなんだ……ティガァァァァッ!!」

ジョバリエに抱きしめられ、動きを封じられるティガ。
その時、ティガの脳裏に“みんな”の顔が浮かび上がる。


「これが答えなのか? この人達を守る為なのか? 仲間だから? ……“みんな”が、好きだから……!!」

ティガの体が赤熱した。
跡形もなく吹き飛ぶジョバリエ。
そして空を見つめるティガ……


ついにクリッター作戦は決行されたが、攻撃が効かない。
再度、攻撃を仕掛けようとするが緊急通信で攻撃中止の命令が下る。

クリッターが大気圏外に出ていってしまったのだ。レナはこれを、クリッターが人々に愛想を尽かしたと解釈した。


戦いが終わって、資材を運ぶが落としてしまうマユミ、それを拾うヤズミ。
二人の握手で物語は終わる。



この回は何故怪獣は現れ、怪獣を人間が殺していいのか?という大変真面目で重苦しいテーマを扱った作品。
怪獣に破壊された悲惨な戦場、本格的に軍事組織となっていたGUTSの描写など戦争映画の様にも見える。今回はGUTSにも民間にもかなりの死傷者が出た珍しい話。

また、演出でもミニチュアのガッツウイングのキャノピーにコックピットのセットを合成する等、芸が細かい。





ちなみに『ウルトラマンダイナ』ではこの回の続編「うたかたの空夢」がある。
詳しくはマウンテンガリバー5号の項目にて。


追記・修正は、死ぬのが怖くないわけない人と、なぜ戦うのか悩んでいる人でお願いします。



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