ブルースワット

登録日:2012/09/24(月) 23:29:41
更新日:2024/01/28 Sun 02:59:42
所要時間:約 25 分で読めます





画像出典:ブルースワット
© 1994 テレビ朝日・ADK・東映


1994・人類滅亡!?
運命を変えるのは俺達だ!


ブルースワットとは、1994年に製作された特撮ドラマであり、東映メタルヒーローシリーズの第13弾である。
テレビ朝日系列で朝8:00から8:30に全51話が放映された。


【概要】

内容は今までのメタルヒーローとかなり違い、それどころか東映のあらゆる特撮ヒーローの中でもかなり異色な作品である。
主な理由は、何と言ってもそのリアル路線を徹底した作風であり、例を挙げると、

  • 主人公達が変身の際に特別なアイテムなどを使わず、ユニフォームの上から直接強化装甲を着用。非常に軽装で、手首等の一部素肌が露出している。
    身体能力を強化する機能があるわけでもないため、『月光仮面』など怪人登場前夜の特撮作品と同じ条件で戦っていると言える。 *1
  • 変身後のコードネーム(ヒーローとしての名前)が存在しない。*2シリーズで本作以外に変身前後で呼称の違いがないのは『巨獣特捜ジャスピオン』ぐらい*3
  • 主人公3人のアーマーの色が違うだけで装備が共通しており、固有装備による差別化が図られていない(後半でショウだけ強化されるけど)
  • 敵側であるエイリアンも没個性的であり、不気味さ・得体の知れなさを強調して描かれている
  • 武装が自動拳銃やミサイルランチャーなどの銃火器のみであり、配色もリアル志向の地味なもの
  • コンピューターによる情報戦、ハッタリの応酬、秘密裏に開発された新薬など、シビアな題材を取り扱ったシナリオ
  • 熾烈な戦闘の合間合間に小粋な軽口を叩いたりするなど、硬軟を併せ持つ大人びた雰囲気の掛け合い
  • サブタイトルがカタカナ英語のみ(「ビギニング!!」「グッドバイ…」「E.Tベイビィ」等)

こんなことをしたのは勿論、対象年齢を引き上げて従来よりも高年齢層の視聴者をターゲットにするためであり、実際に一部の小学校高学年〜中学生あたりにはウケていた。子どもと一緒に番組を観ていた親御さんからの評判も上々だったという。
しかし、言わんこっちゃ無いがこれまでのメイン視聴者である低年齢層からのウケがいまいちであり、玩具の売上も振るわなかったため、13話(1クール)を過ぎて14話で「極悪スター誕生」というサブタイトルが出てきたのを皮切りに、

  • サブタイトルに日本語を使用(しかも「突撃爺ちゃん魂」「進め凸凹探偵団」等、脱力系のサブタイトルも混在)
  • ギャグのセンスがベタになる
  • エイリアンが人間臭くなり、コミカルな言動を取る個体も登場するようになる
  • 明確な敵組織の設定が登場
  • スマートさを重視した路線から熱血路線へとシフト
  • これまで銃撃戦主体の戦い方だったのが、パンチやキックを使った格闘戦も積極的に取り入れられるようになる
  • またエイリアン側もなどの武器を使うようになる
  • 日本刀最強説(詳しくは後述)
  • 子供絡みのエピソードを増加
  • 金の仏像

等、低年齢層を意識した設定を盛り込み大幅なテコ入れが行われた。序盤の頃の作風が維持されなかったことを惜しむ声は今なお多い。

なお、これだけ見ると1クール目を境にいきなり別物化してしまったかのように見えてしまうが、あくまでもサブタイトルの変化が分かりやすすぎるだけで、通して観ると一応違和感が無い程度には漸次的な路線変更である。2クール目以降もシリアスなエピソードは少なくない(第18話など)。
また、作品の根幹をなすような基本設定は殆ど改変されておらず、原型を留めなくなるくらい改変された番組が他にもあることを考えると恵まれていると言えなくもない。
現在では、良くも悪くも「メタルヒーローの異色作」という評価で落ち着いている。

ナレーターはバラエティ番組のナレーションや、東映特撮では『鳥人戦隊ジェットマン』『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のナレーションを担当している垂木勉氏*4
そのナレーションも、19話までは冒頭のサブタイ読み*5、次回予告以外はほとんどなかったが、20話以降頻度こそ少ないが本編でナレーションが挿入されるようになった*6

劇伴担当は前作『特捜ロボ ジャンパーソン』に引き続き若草恵氏。一部で『世界忍者戦ジライヤ』・『ジャンパーソン』の劇伴が流用されている。因みに46話ではオールスター感謝祭でおなじみのあのBGMが使われている*7
オープニングの「TRUE DREAM」は特撮ヒーロー物のOPとしては珍しいバラード曲となっており、ヒーローの名前が一切出てこない*8
一方でエンディングの「HELLO THERE!」は陽気な曲調となっている。OP/ED両方とも長調が使われているのはメタルヒーローでは初。作詞・作曲を同一人物*9が手掛けたのはメタルヒーローでは唯一。
歌唱は『ウルトラマンパワード』の主題歌を歌った前田達也氏。ちなみにOPのクレジットでは「主題歌」とのみ書かれており、タイトルは書かれない。
22話では主題歌のテンポを上げてロックアレンジした劇伴がエイリアンを錯乱させる作戦で使われた。

この作品からテロップの書体が全面的に変更されている*10
サブタイトルの出し方も本編冒頭にブルーバックに「BLUESWAT」の文字列2行が表示された後にサブタイトルが表示されるこれまでと違うものになった*11
本編最後の「つづく」に当たる部分ではブルーバックに「BLUESWAT」の文字列2行が表示された後*12に「To Be Continued」と表示される*13
この形式は次作『重甲ビーファイター』でも取り入れられた。


【ストーリー】

エイリアン集団「スペースマフィア」に対抗するため作られた秘密組織、ブルースワット。
しかし、エイリアンが攻撃セクションの主任・不破に憑依(インヴェード)して乗り込んできたため壊滅させられてしまう。
そこの隊員であったショウ、サラ、シグの三人は辛うじて生き延びたが、ブルースワットもエイリアンも世間には秘密にされてきた存在であるため、もはや誰にも頼れない。
しかも、新聞には「研究所が謎の爆発事故を起こした」という事実とは異なる記事が載り、彼らは既に死んだことになっていた。
三人は後ろ楯を失いながらも、組織の意思を継いで地球の平和を守るべく、スペースマフィアに孤独な戦いを挑む。


これらの設定からも分かるように、ブルースワットとエイリアン(スペースマフィア)の戦いは基本的に世間には認知されておらず、メンバーもそれを踏まえたうえで戦いを続けていたが、物語が進むにつれて一般人を事件に巻き込んでしまうことが増えた(しかも、事件の解決に貢献してくれる地味に優秀な一般人も多かった)。
そのため、徐々にエイリアンの存在を世間に認知してもらおうとするアクションも起こすようになった。

ブルースワットは次作『重甲ビーファイター』の特別編にもゲスト出演。
ジースタッグこと片桐大作は彼らのことを全く知らず、ショウはそのことに対して激怒していたが、仲裁に入ったシグが「無理もありません」と自分たちが今までずっと人知れずに戦っていたことを改めて説明した。

また、カブトが遊園地でヒーローショーを開催することを提案した際には、先述の件で機嫌を損ねていたこともあり、ショウは「どうせ俺たち有名じゃねえし」と色んな意味で自虐的に答えていた。


【登場人物】

●ブルースワット

ショウ
演:正木蒼二

フルネームは鳴海翔。隊員No.153のブルースワット隊員で、アーマーの色は青。
時代が時代なのでJリーグが好きであるらしく、手首にミサンガ(プロミスリング)を巻き、サッカーにまつわる用語をしばしば口にする。
また、「OK」を「オゲッ!」と発音するのも特徴。
元トライアスロン選手であり、各地の大会で優勝を繰り返して賞金を荒稼ぎしていた実績を買われてブルースワットに入隊した。
子どもっぽいお調子者な性格で、組織が壊滅して報酬がチャラになった時は真っ先に脱退しようとする*14など、当初は金に執着するドライな一面もあった。
しかし物語が進むにつれて徐々にブルースワットとしての使命感を強く持つようになり、性格もいつしか血気盛んなものへと変わっていった。他二人がシリアスになりがちなので、持ち前の明るさで仲間を励ますような場面も多い。
洞察力に優れており、敵の作戦の真意を見抜いた際などには真っ先に行動を起こすが、そのぶん独断専行が目立ってしまい仲間からたしなめられることもあった。
後半にはハイパーショウへとパワーアップを果たし、パワーアップ中は仲間からも「ハイパーショウ」と呼ばれる。なんだかオーラバトラーみたいだが気にしてはいけない。


サラ
演:白鳥夕香

フルネームは美杉沙羅。隊員No.0071のブルースワット隊員で、アーマーの色は紫。
ちょうどショウにとって先輩格にあたる隊員で、射撃の達人。お調子者のショウにとっては良いお姉さん役。
レオタード、タンクトップ、腕や脚からの頻繁な出血、足技主体のファイティングスタイルなど、体を張ってニッチなエロスを視聴者に提供してくれるセクシー要員で、自分でも自分のことを美人だと自負しているのか、普段はクールなのに容姿に関する話題が出てくると妙に喰いついてくるお茶目なお姉さん。子どもなどの弱いものに対してはメンバーの中でも特に優しい。
日頃からよく射撃訓練に勤しんでおり、ショウ曰く「サラはああやってブッ放さないと気がすまねえんだ」だそうだが、別にトリガーハッピーというわけではなく、純粋に訓練をやっているだけである。
というのも、彼女は元ロサンゼルス市警特殊火器戦術隊(スワット)の女性メンバーであり、現地でテロリストTR-99に憑依したエイリアン・皆殺しのザイバーと戦い、その際に自身の過失から同僚を失った過去がある為。
スワットにいられなくなった彼女は、愛用の銃を片手にアメリカ各地を放浪した後、最終的にブルースワットへスカウトされた。
普段は勝気に振舞っているが、そのトラウマは今なお尾を引いており、精神的なショックで銃を撃てなくなることもあった。
射撃の達人という設定であるが格闘戦も妙に強く、幹部クラスの強敵を相手に一対多の状況まで追い込まれても徒手空拳だけで奮戦していたほか、ビーファイター特別編で誤解からビーファイターと拳を交えた際も、その肉弾戦の強さは明らかにビーファイター側を上回っていた。なんなんだこの人。
ちなみに、彼氏いない歴は22年であるらしい。

シグ
演:土門廣

フルネームは不明(後述の理由から、一部の資料では広瀬剛と紹介されることも)。隊員No.0011のブルースワット隊員で、アーマーの色はガンメタル。
ショウ、サラより年上であり、三人の中では実質リーダー的な存在。ブルースワット設立にも尽力した。
性格は生真面目で冷静沈着。紳士的な態度を崩さず、話すときはいつも丁寧語である*15
ちょっと前に映画で主役を張った仮面ライダーのような風貌をしているせいか謎の頼もしさを醸し出し、暴走しがちなショウをサラと一緒によく抑えている。

実は、その正体は元スペーススワット隊員のエイリアン(血の色緑色だが、アンデッドでも改造人間でもない。あくまでそういう体液を持つ種族*16)。
スペースマフィアに仲間を全滅させられた過去を持ち、彼らを追って地球へと飛来。その際、十年前に交通事故で意識不明(とシグは説明しているが後述の経緯から脳死状態だったらしい)となり、冷凍保存されていた「広瀬剛」という肉体を借りてしまっている。
3〜4話で怪我をした際、緑の血が流れエイリアンであることが発覚した時には、ショウとサラに敵視され銃口を向けられたが、上記の全滅させられた事情を説明し、それ以降は結束が一層強くなった。
地球人以上の聴力を持っていたりテレパシーが使えたり、ある程度なら敵のエイリアンや宇宙語の知識を持っていたりと色々ハイスペックであり、そのおかげでピンチを切り抜けることもたびたびあった。
全体を通してストーリー的に目立つ機会が多く、人によっては彼がこの作品の実質的な主人公のように見えていたかもしれない。

ビーファイターの特別編に登場した時も丁寧語でショウとサラの帰還を祝福し、その際にはヒゲを生やしていた(宇宙刑事シャイダーにおけると同じ理由)。

ひとりだけ日本人らしい名前をしていないせいで、先述の新聞記事には思いっきり「シグ」と名前が書かれ、これには視聴者も盛大にツッコんだ。

セイジ
演:田中優樹

自称ブルースワットのサポーターの天才青年で、フルネームは宇佐美星児。コンピューター技術に精通しており、ハッキングや盗聴の腕にも長けている。初回から登場するが合流するのは2話から。
一般人なら知りえないはずのブルースワットやスペースマフィアの極秘情報を盗んでくることを密かな楽しみにしていたが、そのことがきっかけでブルースワットの仲間に加わる。
パッと見だと三枚目キャラのように見えるが、ブルースワットの各種装備品を管理しているのは彼であり、その他にも情報収集、索敵、装備の改良・開発など、あらゆる方面でサポートをこなせるチート要員。彼がいなければブルースワットは詰んでいたのは間違いない。
戦闘能力は無いのに、たまに前線に出てきてピンチに陥るのは御愛嬌(序盤は「自分は頭脳労働専門だから」と実戦に参加することを頑なに拒んでいたが、次第に考えを改めたらしく、自分から進んで体を張る場面も増えていった。)。
後から入ったメンバーながら他のメンバーとは対等に接しているが、サポートが有能なためかその辺は特に突っ込まれていない。スミレに対してだけ「スミレちゃん」と呼び、他は呼び捨て*18

スミレ
演:干潟智子

2話から登場。組織を壊滅させられたブルースワットが、情報収集と資金調達のために設立した探偵事務所「ブルーリサーチ」*19にアルバイトで採用された女子大生。フルネームは麻生スミレ。
ショウから「爆弾娘」と称されるほどのアホの子であり、もちろんブルースワットやエイリアンのことなど知らないため、当初は事件が起こるたびに勝手に事務所を留守にする他メンバーに振り回されてばかりのギャグ要員でしかなかったが、1クール目が終盤に差し掛かる頃にはいくらなんでもおかしいと気付き、図書館で情報を調べ、遂に自力でブルーリサーチの正体を突き止める。
以後は、彼女も戦闘のサポートに加わった。
アホの子ではあるものの、セイジよりも思い切りの良い性格をしているため行動力があり、意外にも単なるお荷物には終わっていない。その上、後述のSS17の隊員教育プログラム「ブライアン」の課題も短期間でマスターしており、学習能力は意外と高い。
ストーリーが進むにつれて心身ともにたくましく成長していったが、いったい大学はどうしていたのだろう。
こちらも後から入ったメンバーながら他のメンバーとは対等に接しているが、ショウ・サラに対してはさん付けで呼ぶ。

ゴールドプラチナム
声:てらそま昌紀(現・てらそままさき)

23話から登場した金色の戦士。後半の路線変更の象徴
自ら“時空と空間の全てを超えられる”と豪語する超越的な存在で、古くから宇宙の平和を維持することに貢献してきた。
ショウの夢枕に現れて助言を送り、以後は彼の怒りの感情に呼応して時空の彼方から駆けつける。
なので、中盤以降は「(絶対に)許さねぇ!」が本編におけるお決まりのセリフとなった。たまに「ショウも分かってて言ってるんじゃないか?」と言いたくなるような展開になることもあり、「大飯食らいで足が臭い」と言われた怒りで呼び出された事さえあった。
決して誰かの泣くに連想する言葉に反応してインヴェードせえへんで。
戦闘の際には光線銃グラビオンをはじめとする圧倒的なパワーで活躍するほか、ショウには強化装備であるシルバニック・ギアとドラムガンナーを授ける。
当初は流星のような光とともに登場していたが、唐突に専用マシンである「スターフォートレス」に乗り込んで駆けつけるようになった。
見た目的はまんま金の仏像といった感じであり、放送当時しょっちゅうネタにされた。特徴的な容姿は漢字の“金”を模ったもの。それ何てキングレンジャー
後の『テツワン探偵ロボタック』に「ゴールドプラチナ社」という名の企業が登場しているが、恐らくコレが元ネタと思われる。


エイリアン(スペースマフィア)

ゲル状になって人間の体内に入り込み、対象を操る「インヴェード」という能力によって人間社会に紛れ込み、ひっそりと暗躍する。
当初は過去のメタルヒーローでちょこちょこ見たことがあるような一般人に擬態したエイリアンがごくごく小規模なコロニーを形成しているくらいで(この頃にリーダー格として振る舞っていた者は、ゾドーのように終盤までレギュラーとして定着した者もいる)、雑多なエイリアンがそれぞれ単独で破壊工作を行なっていたが、2クール目になって後述のジスプやクイーンが登場したことにより、彼らを総轄する「スペースマフィア」の全貌が明かされた。
スペースマフィアは宇宙各地から追放された様々な悪のエイリアンの混成部隊であり、これまで様々な破壊・略奪行為を繰り広げてきたほか、地球人の隷属化も企んでいる。
ワルそうな奴はだいたい友達であり、コネのある殺し屋に連絡を入れてはブルースワット抹殺のための刺客としてけしかけて来るが、それゆえに様々な星と軋轢を生んできたらしく、中盤以降は彼らに人生を狂わされた被害者のエイリアン達のドラマも頻繁に描かれた。

インヴェード状態から離脱する時は膨大なエネルギーが放出される。

ジスプ
演:笠原竜司(ムッシュJ) / 声:小峰裕一

11話から登場したスペースマフィア地球攻撃指揮官。
地球では広瀬の息子・ザジ(演:佐野茂)に憑依し、「ムッシュ・ザジ」として破壊活動を行っていた*20
19話より、自ら前線に出撃するようになる。
両手から火炎放射を行うなど他のエイリアンとは桁違いの戦闘力を有しているほか、広瀬の体を借りているうちに徐々に父親としての自覚が芽生え始めたシグの心を惑わし、手出しが出来ないのを良いことに攻撃するという卑劣かつ画期的な戦法でブルースワットを大いに苦しめた。またインヴェードしている相手にもダメージを与えることが可能なスーパーウェポンを所持している。

ブルースワットにザジの身体を奪われた後、しばらくの間は元の姿で指揮を執っていたが、37話で唐突に別の人間に憑依し、以後はムッシュJを名乗るようになる。

至近距離からのディクテイターでフルボッコにされてもギリギリ耐え抜く程度には頑強だったが、流石にドラムガンファイヤー相手には分が悪かったらしく顔の判別が付かなくなるほどの深手を負ってしまい、治療を兼ねた強化改造手術によってもはや別物に変貌する。
自らの地位を脅かすクイーンのことは快く思っていなかったようで、彼女の登場以後は謀反的行動を繰り返し、急速に小物化が進行していった。
なお、ビーファイター特別編ではジャグールにちゃっかり取り込まれていた。

声を演じた小峰氏は前作の主人公・ジャンパーソンを演じており、ビーファイター特別編ではジャンパーソン役でブルースワットと共演することになる。

ゾドー
演:佐藤信一

ジスプの側近。3話から登場し人間にインヴェードして作戦の指揮を執っていたが、19話でエイリアンの姿を現してブルースワットと直接対決する。刀身が透明で光線を発射するが武器で、口からビームを吐いて攻撃する。その他にインヴェード時には銀色の光線銃を使うこともある。

リーガ
演:中井信之 / 声:西尾徳(第31話)

19話から登場。ゾドーと同じくジスプの側近。電気鞭が武器で、ゾドー同様に口からビームを吐いて攻撃する。インヴェード時にはゾドーとは形状が異なる銀色の光線銃を使うこともある。

クイーン
演:長門美由樹

37話で登場したラスボス。いつも二人の侍女を引き連れているスペースマフィアの最高権力者で、「マドモアゼル・クイーン」とも呼ばれる。
普段は流麗な銀髪の女性の姿をしているが、月影先生よろしく顔の半分が醜悪な老婆のような見た目になっている。
どんな物騒な作戦もわざわざ得意気に口に出して説明してくれる、視聴者にとってはありがたい存在。
強力な念動力や、両手からの光線、更に特殊な個体しか持たない無機物へのインヴェード能力を武器とする。
エイリアンとしての真の姿は本作屈指のキモさを誇るが、同時に戦闘力も圧倒的であり、初登場時はハイパーショウとゴールドプラチナムの合体攻撃をも跳ね除けた。

女性幹部エイリアン
演:小栗さちこ

第1クールのみ登場。名前は特にない。特別救急警察隊に所属する表向きは喫茶店のマスターの秘密捜査官によく似た女性にインヴェードしている。
ただし、正体が暴かれないまま、いつの間にか登場しなくなる。

一般エイリアン
序盤から登場し、初期はストーリーのメインとして行動していたが(1体で)、途中から戦闘員的な立ち位置に降格した。中盤までは名前も不明だった。
口が触手のようになっている青い個体が「レト」、口から牙を剥いている赤茶色の個体が「ボナ」、呼吸器をつけたような緑色の個体が「ケル」、レトの触手が短い「クイ」、処刑担当エイリアンの「ゴア」が存在する。
同じ種類であっても回によっては能力や形状が異なる。
前述の通り、中盤からはハイパーショウに倒される雑魚要員に成り下がった。
基本的にセリフはないが、稀にセリフがある場合もあった*21


【ブルースワットの装備】

BW-01 ディクテイター
本作を象徴する装備であるブルースワットの制式自動拳銃。シグが持ち込んだエイリアンの技術で作られたビームガンを参考に開発された。
装填数は10発(ロングマガジンで32発)であり、弾丸はチタニウムコーティングされた人工ルビーで出来ている。
銃身に付いている特徴的な赤と緑の球体は弾丸をエネルギーでコーティングするユニットであり、そのため作中では実体弾と光線銃を折衷したような描写がなされている。
的確にウィークポイント(弱点)を突けばエイリアンに致命傷を与える事が可能。
第一話から最終回まで終始出ずっぱりで使用され、数多のエイリアンを葬ってきた。

ギミックがかなり精巧に出来ており、演出の力の入れようも半端ではなく、
弾を撃ち切るとスライドが下がった状態でロックされたり、レーザーマーカーが付いていたり、実銃のごとく分解が可能。
スペースマフィアの偽ブルースワット作戦により装備や武装が制限されての移動を余儀無くされた際には、分解してバイクの隅々に隠して警察の検問をかわし、現場で組み立てを行った。

『重甲ビーファイター』の特別編では、舞がサラから借りて使ったこともある。

本作では後半登場したドラムガンファイヤーを除き、必殺技の名前を叫びながら攻撃するような場面は基本的に出てこないが、『ビーファイター』で他のヒーローたちと共闘した際には、ショウ達も周りに合わせたのか「ディクテイター!」と叫んで攻撃していた。

BW-02 プラグローダ
対エイリアン用マルチショットライオットガン。回転式弾倉に様々な弾丸を装填することで多彩な用途に使える。
ショック弾で憑依された肉体を気絶させてエイリアンを締め出したり、ワイヤーネット弾でエイリアンを捕獲したり、冷凍弾で動きを止めたりと使い道は様々だが、直接的な攻撃に使われる機会は少なく、エイリアンにとどめを刺したことはあまりない。
中盤以降は、セイジがこれを使ってブルースワットのピンチを助けるような場面が増えた。

ミサイルランチャー
二連装式の破壊力抜群なミサイル砲。“点”ではなく“面”で攻撃できるというブルースワットの武装の中では貴重なものであるため、エイリアンがUFOで襲ってきたときに対抗できる最後の切り札。また、敵のアジトを爆破したり、エイリアンに直接とどめを刺す際にも使われる。
その割には、ブルースワット以外の一般人にも割とアッサリ使えてしまうくらいお手軽。17話ではスミレが使い方を知らなかったためか、誤って逆向きに発射してしまい、訓練中のショウたち3人を危うく殺しかけた*22
どこで使い方を習った?」「説明書を読んだのよ。

フレイムスローワー
火炎放射器。10分間の連続照射が可能。牽制には使われるが決定打にはならない。

レーザーライフル
赤いレーザーを放つ大型の光線銃。ディクテイターより威力はあるようだが、こちらも決定力不足で用途は牽制。
フレイムスローワーと共に、後半ひっそりと姿を消した。

グラビオン
ゴールドプラチナムが使う次元振動銃。
その威力はこれまでブルースワットが苦戦していたエイリアンの軍勢を一瞬で全滅させたほか、フルパワーだと惑星を破壊できるチート銃。
バリってるスーパーロボットは関係ない。
玩具ではライト・サウンドの他、擬似的にリコイルショックが体感できる振動ギミックがある。

日本刀
要所要所で登場するまさかの切り札。
銃火器などの間接攻撃が通用しないエイリアンに対してシグが使用し、絶大な効果をあげた他、終盤にもディクテイターが壊されてしまった際の一時しのぎとして3人同時に使用。今までブルースワットを散々苦しめてきた幹部級のボスを討ち取るという快挙を達成する。
パッと見だと明らかに作風にそぐわない武器だが、EDでシグが居合い斬りを披露するシーンがあることを考えると、訓練だけなら日頃からしていたのかもしれない。

ハイパーショウ
中盤以降から登場するショウのパワーアップ形態。
ゴールドプラチナムの光線を浴びることによってプロテクターが「シルバニックギア」にパワーアップし、敵の怪光線などの攻撃を跳ね返すことが出来るようになるが、攻撃を跳ね返すごとにプロテクターがだんだん元に戻っていく。
なので、敢えて敵陣に突っ込んでいき、攻撃を喰らいまくって豪快に装甲を使い捨てにしていくという攻撃的な戦法を取ることが多かった。
ドラムガンファイヤー登場後はそういったシステムを廃止された模様*23
純粋な身体能力も向上するらしく、ハイパーショウになっている間は肉弾戦でもエイリアン相手にかなり優位に戦えるようになり、プロレスのようなマッシヴな技を繰り出して戦う。
通常はプラチナムに力を与えられることによって変身するが、最終話ではプラチナムの計らいで独力での変身が可能となったため、次作『重甲ビーファイター』の特別編ではショウ単体でハイパーショウに変身している。

ドラムガンナー
ゴールドプラチナムがハイパーショウに与えた専用の大型光線銃で、左腕に装着して使用する。強力だが反動は強い。
なお、ディクテイターと合体させることによって、ディクテイターの薬莢をそのままエネルギーに変換・増幅して放つ、必殺の「ドラムガンファイヤー」を放つことが出来るようになる。
『ビーファイタ―』特別編でも破壊神ジャグールに対してスーパーブルービート、ジャンパーソンの必殺技と共に使用し、ダメージを与えた。


【ビークル】

ストライカー
車体をフレームバンパーで強化した自動車で、ショウが乗用。ガルウイング式ドアが特徴。
途中でエイリアンとの戦闘により壊れてしまうが、これを機に「ブルーストライカー」へと修繕されパワーアップ。増設されたビームカノンの威力は非常に強く、これでロケットランチャー無しでもUFOに対抗できるようになった。
改造元の車両は90年代の名(迷)軽スポーツカーと名高いマツダ・オートザムAZ-1……のOEM車であるスズキ・キャラ。

インターセプター
サラとシグが乗るバイク。後部にプラグローダのコンテナを載せ、フロントカウルにプラグローダをマウントできる。
赤いフレームのサラ機、黄色いフレームのシグ機の二台が存在。

ガバナー
高性能コンピュータとブルースワットの装備を搭載した大型車で、実質的なブルースワットの秘密基地。主にセイジが運転する。
車体上部からビームを発射する機構を備えるが、訓練でしか使用せず戦闘では使われない。

SS17
かつてブルースワットが打ち上げていた人工衛星。ステルス機能を持ち、観測データをガバナーに転送するほか、ガバナーからの操作を受けて衛星起動からのレーザー爆撃も行う。
組織が壊滅して以降、その高すぎるステルス性が災いして長らく行方不明になっていたが、スミレが偶然発見した。
訓練生に教育を施すための仮想人格「ブライアン」が搭載されていたが、メモリーの占有率が高かったためにステルス機能に支障をきたすようになり、このままではスペースマフィアや日本政府に発見されてしまうのも時間の問題だったため、やむをえず消去された。

ブライアンの指導の元、スミレはこっそりブルースワットの養成訓練を受け、コツコツ勉強してかなり良いセンまで急成長していたことがある。ブライアンもスミレをブルースワットの一員と認め、最後には自らの削除を彼女に託した。
ちなみに、ブライアンが最後に指導したブルースワットの正規隊員は実はショウだったそうである。


【余談】

番組放送当時に発売されたディクテイターの玩具には簡易版(スタンダード版)とDX版の2種類があり、特にDX版はその異常なまでのクオリティの高さから伝説の逸品として有名。
電動ブローバックと排莢ギミックが実装されていてマニア向けのモデルガンに匹敵する精密さを誇り、パッケージのデザインもモデルガンを意識したものになっている。対象年齢も7歳以上とやや高めに設定されている*24。ちなみに、同じ銃アイテムのプラグローダのDX版も対象年齢5歳とやや高め。

定価も7,980円と、玩具の銃にしては高めだった……が、モデルガンとして考えれば、これだけの品質の物がこのお値段というのはむしろ安いくらいだったりする。 
あまりにも出来栄えが良いので、本編でもこのDX版の玩具を撮影用の小道具として普通に使っていたことが何度かあったらしい。

が、排莢ギミックがアダとなり、薬莢の弾詰まり(いわゆるジャム)が多発するというアクシデントが起こったため、初回生産分の玩具は店頭から回収されてしまった。
バカスwwwと侮るなかれ。実はこのトラブル、本物のオートマチック拳銃でも起こりうる現象である。

状態の良い美品は今なお高値で取引されるほどだが、簡易版とは違い発光とサウンドのギミックは備わっていない。
姉妹品である専用トランシーバーのこともたまには思い出してあげてください。
DX版・簡易版ともにドラムガンナーの玩具と連動可能*25


本作には劇場版が存在するが、『忍者戦隊カクレンジャー』などと同時上映された短編映画であり、内容は新規ではなく第一話と第二話をまとめたもの(確かに内容的にはいちばん美味しいところではあるのだが…)。
スクリーンの中を、自重しないクオリティで大活躍するブルースワットを観てみたかった視聴者は多かったものと思われる。2018年に『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason1 覚醒&Season2 輪廻』が公開されるまで、ブローアップを含む特撮再編集映画は、東映特撮劇場版作品と日本特撮界としては、最後の作品であると同時に東映特撮全体と日本特撮界全体での最後の再編集映画であった(メタルヒーローでは唯一)。


プロテクトギアは『超光戦士シャンゼリオン』最終回のもう一つの世界におけるS.A.I.D.O.C専用隊員服に流用されている。

1989〜1996年はテレビ朝日系列の開局ラッシュだったが、この作品が放映されていた期間は開局した系列局はゼロだった*26



ハーリー・アップ、ブルースワット!!
ネクスト・ステージ、「追記・修正」!!


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最終更新:2024年01月28日 02:59
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*1 もっとも、この辺は描写が曖昧で、建物の2階くらいの高さから飛び降りても普通に着地できている場面が何度かある。まあこの辺は現実でもぎりぎりできそうだが。

*2 放送当時に市販されていたソフビ等では、便宜上「スワット○○(○○は装着者の名前)」と呼称。

*3 「ジャスピオン」はコードネームなどではなく本名。他作品だと宇宙刑事「ギャバン」もバード星人としての本名だが、日常生活の際は地球名「一条寺烈」と使い分けているので該当しない。

*4 20・22・28話を除きノンクレジット。ただし22話でナレーターではなく宇宙人の声としてクレジットされている

*5 17話以降

*6 冒頭での前回のあらすじや、29・30話のシルバニックギアの解説など

*7 元々は『世界忍者戦ジライヤ』の「渦巻く妖気」

*8超人機メタルダー』の「君の青春は輝いているか」以来

*9 伊藤薫氏。代表曲は欧陽菲菲の「ラヴ・イズ・オーヴァー」など

*10 クレジット・サブタイトルの書体は東映不思議コメディーシリーズの末期に使われた写研のナールに、作中のテロップはこれまでの写研ではなくモリサワのゴシック体が使用されている

*11 また、16話まではサブタイの読み上げもなかった

*12 OPと動きは逆

*13 最終回では「THE END」と表示された

*14 第2話より。まぁ結局エイリアンの悪事を放っておけず元の鞘に収まったが。

*15 ただし、敬語だけしか使わないわけではなく、戦闘中や感情が昂ぶった時、ザジとの会話の時、人間の子供との会話の時は敬語を言わない場合もあった

*16 シグの本来の姿は広瀬剛にインヴェード時の光って見える場面のみで、スペースマフィア構成員のいずれかと同族なのか同じ能力を持つ異種族なのかはっきりしない。

*17 なお、臓器を取り出されたはずの剛の肉体がどうやって生きていたのか未説明だったが、そもそも脳がやられていてもシグが取り付いていることで活動できていた以上、シグの力で何とかなっているのかもしれない。

*18 ただし、2話で合流前に初めて作戦に参加したときはさん付けで呼んでいた。

*19 東急東横線代官山駅付近の東急東横線とJR山手線の交点そばの東急の高架下にある設定。ちなみにこの付近の東急東横線は2013年に地下化されている

*20 広瀬にはフランス人の妻がおり、ザジはその間に出来たハーフの息子。10年前のある日、一家は交通事故に遭ってしまい、妻は即死したうえに広瀬は脳死、ザジもコールドスリープされ永らく昏睡状態が続いている

*21 レト役は森篤夫氏・依田英助氏、ボナ役は篠田薫氏・桑原たけし氏、ケル役は新井一典氏・桑原たけし氏、クイ役は山中一徳氏、ゴア役は阿部渡氏がそれぞれ務めた

*22 その後はUFOを撃墜させるまで使えるようになったが

*23 クイーンと初めて対決した時に明らかに攻撃を食らっているが、元に戻る様子は見られなかった

*24 簡易版は3歳以上

*25 簡易版は付属する専用アタッチメントを装着する必要がある

*26 愛媛朝日テレビが1994年10月の開局を予定していたが、次作『重甲ビーファイター』の序盤の1995年4月にずれ込んだ