特救指令ソルブレイン

登録日:2012/09/30 Sun 23:23:37
更新日:2024/04/07 Sun 21:34:23
所要時間:約 5 分で読めます






犯罪が高度化した時代。

人の命と心を救う為に、自らの青春を懸けて立ち上がった若者達がいた。

それが、特装救急警察である。

(※番組オープニングナレーション(ナレーター:桑原たけし)より)



『特救指令ソルブレイン』は、メタルヒーローシリーズ第10作目であり、レスキューポリス三部作の第2作目である。

放送期間:1991年1月20日~1992年1月26日
全53話

目次


【概要】

「犯罪者を逮捕するだけではなく、心をも救う」というテーマから、シリーズ前作『特警ウインスペクター』よりさらに戦闘よりも捜査や、犯罪の被害者や加害者の内面描写に比重を置いたストーリーが展開された。
また善良な人物が止むに止まれず犯罪者になってしまったり、改心した犯罪者が死亡するなどやるせない結末を迎えるエピソードも多く、日曜の朝からテレビの前の子供達を陰鬱な気分にさせていた。
詳細は伏せるが、最終回も事実上ソルブレインチームの敗北ともとれる結末を迎えている。

この手のシリアス系特撮の宿命か視聴率は前作より下がったが、一般の刑事ドラマと比較しても遜色の無いエピソードも多く、大きな路線変更も無く「心を救う」というテーマを描ききった点で、知る人ぞ知る名作として評価されている。
もちろんレスキューシーンや前作主人公ファイヤーの再登板など、燃え要素でも前後2作になんら劣る点は無い。

子供向け特撮番組の常としてこの作品も複数の児童誌でコミカライズされている。

劇中の音楽担当は前作・前々作の挿入歌も手がけた瑞木薫。
東映テレビ特撮として初めて女性が劇伴を担当している。初めて劇伴を担当したためか、前作で目立った楽曲の流用が挿入歌を除いてほとんどない。シリーズ次作の『特捜エクシードラフト』で多数流用されるのは内緒。



【あらすじ】

ICPOからの要請を受けて特警ウインスペクターがフランスへ渡った後、正木俊介は以前の事件を教訓として、人の命と心を救う事をテーマとした新たなるレスキューポリス組織である「特装救急警察ソルブレイン(Super.Rescue.Solbrain)」を設立した。
ソルブレインは、更に高度化した犯罪に立ち向かっていく。



【登場人物】

【特装救急警察ソルブレイン(SRS)】

ウインスペクターは警視庁の内部にあったが、今回は独立した建物を持つ。

警視正。(建前上の)主人公。
特装救急警察ソルブレイン隊長。
かつてFBIで訓練を受けていた過去があり、優秀な生徒だった。
オールバックの髪型、ゴツい体格&容姿、襟元を開けた服装がデフォなど見かけはややチンピラっぽいが、極めて真面目
ただでさえキャラの濃い正木本部長が続投しているに加え、前作主人公の竜馬先輩もレギュラー復帰した為、「主人公の立場は?」とネタにする視聴者も多いが、何だかんだで魅せ場はある。

  • ソルジャンヌ/樋口玲子(演:森みつえ)
警視。
メタルヒーローシリーズヒロインとしては3年振り(姫忍・恵美破以来)、そして、レスキューポリスシリーズのヒロインとしては初の変身ヒロイン。
医学にも長けている。
彼女の主役回は主に昔馴染みの知り合いが事件に巻き込まれることが多いが、ハッピーエンドで終わる時と誰も救われない話の両極端で落差が非常に激しい。
頭が臭かったので岡元次郎からドラム缶に頭を突っ込まれ、ダイナミック洗髪をされたこともある。
エンディングでは、プールで泳ぐ玲子さんが見られます。

警視監。真の主人公。
特装救急警察ソルブレイン本部長。何気に前作から制服のデザインがマイナーチェンジされている。
OPで毎度お目に掛かる、ヘリコプターに乗る場面が印象的。
前作「ウインスペクター」の時点でその傾向はあったが、昔馴染みの仲間と久々に再会したりするとそれだけでフラグが立ち、幾つもの哀しみを背負う羽目になるなどこの人もこの人でかなり不幸。
一時期、宮内氏の事情の為、出番がソルブレイン本部内のシーンばかりになった時期があった。
本作の主役3体と前作の3体のソフト人形をセット販売した「レスキューメンバー7」には、正木本部長のソフト人形が同梱されていた。
着ぐるみではない隊長クラスが玩具化されることは珍しく(過去には、『ジャッカー電撃隊』のジョーカーがソフト人形で販売されている)、正木を演じた宮内氏も放送当時行われた京本政樹氏との対談において、「僕も驚きました」と語っている。

  • 増田純(演:井浦秀智)
警部補。大樹の弟分のような存在
主に捜査面のサポートと災害現場での避難誘導担当。
それなりの戦闘力はあるが、しばしばケアレスミスをするほか、相手が悪すぎてピンチになることも多い。
っていうか、あまりにもピンチに陥る機会が多いので「コイツも変身させてやればいいのに」と思った視聴者も多かったのではなかろうか。
彼の初主役回は、皮肉にも、本作初&屈指の鬱回でもあった
ドクターマン息子では無い。コンボイのリーダー格でもない。

  • 戸川亀吉(演:小野寺充)
警部。
メカニック担当。
一度熟睡モードに入ると中々起きない。
一時期のオープニング字幕スーパーでは、“戸田亀吉”と誤表記されていた。

  • ソルドーザー(CV:加藤精三)
警部。不整地走行モード・ドーザークローラーに変形する能力を持つロボット。2話から登場。
前作の二人同様感情を持ったロボットだが、文字通り「生まれたて」で社会経験などが無く、巨体の割りにやや幼く繊細な心の持ち主。加藤氏の太い声で悪く言えば世間知らずの子供そのもの、よく言えば微笑ましい事ばかり言うドーザーは必見。悪の首領役が多い加藤氏としては珍しい善人側の役である。
自分も警官なのに迷子になって交番に保護され、大樹たちが慌てて飛んで行ったり、機械扱いされたくないがためにドーザークローラー形態への変形に抵抗したり、落語に影響されたりした事もある。
犯人と対峙する時以外は基本的に丁寧な口調で話す。
EDでは間違って自転車を壊したり、ダンスを踊ったりと前作の凸凹ロボコンビ同様の大活躍(?)。

人工知能を搭載した自動車と恋に落ちた事もあったが……。

  • 矢沢武(演:河合要)
警視正。大樹の先輩。
巨大母艦・ソリッドステイツ―Ⅰのキャプテン。中盤から母艦と共に出番が無くなる。

  • 相川みどり(演:入江まゆこ)
情報担当官。警視。
第1話では字幕スーパー付きで紹介されたにもかかわらず、第3話を最後に出演しなくなった。

  • クロス8000(CV:てらそままさき)
マスターコンピューター。
事件発生を知らせたり、情報分析を担当。
マドックスより小型化されている。
プリキュアの父親イマジンとは無関係。


特別救急警察隊ウインスペクター(WSP)

かつて正木俊介が指揮していたレスキューポリス組織。
前作 最終回でフランスへ旅立った後、第21話で再登場した。
藤野純子は未登場。

  • ファイヤー&ナイトファイヤー/香川竜馬(演:山下優)
特警ウインスペクター隊長。(建前上の)前作の主人公。
パワーアップしてナイトファイヤーとなってからは、ソルブレイバー以上に活躍する回も。

  • バイクル(CV:篠田薫)
ウインスペクターの一員のサポートロイド。

  • ウォルター(CV:平井誠一)
バイクルと同様にウインスペクターの一員のサポートロイド。

バイクルとウォルターは竜馬が日本に帰国してからも子供絵本のイラストや『特救指令ソルブレイン超全集』の「ウインスペクター・ソルブレインを作った男 正木本部長独占インタビュー」でヨーロッパで活動していることが明かされている。


【その他の人々】

  • 鶴岡則夫(演:立川三貴)
自転車店「鶴岡レーシング」を経営。
元ロードレースコーチ。
男手一人で息子(浩)を育てる。


【主な犯罪者】

  • メサイア(演:堀田真三)
第21話~第23話に登場。特命戦隊ではない。
パリから竜馬達が追ってきた犯罪者……いや、正確には人ではなく、NATOが事故死した日本人旅行者・松原の脳を使って製造された諜報用の生体ロボット。
5年前に開発された有機性シリコン・F2コラーゲン製でコンピュータと連動して、性別・体格・年齢を問わずあらゆる人間に変身する能力を持つ。
その目的は「家族に会いたい」。ただそれだけだったが、制御を外れてから一定時間が過ぎると高性能爆弾自爆するようにされていたため……
「俺は人間でもない。ロボットでもない――ただの化け物だ」

  • 高岡隆一(演:寺杣昌紀)
34話から登場した悪の天才科学者。
幼少期のある事件で両親を死に追いやった人物への復讐をソルブレインに阻止され、逆恨みして復讐の矛先を彼らに向け、何度も挑戦を仕掛けてくる。
プリキュアの父親イマジン、森羅高校の教師とは無関係。
演じた寺杣は前述のクロス8000の声のほか、前作『ウインスペクター』の第13・14話に植物博士の助手*1役で出演している。
また、次作『エクシードラフト』の中盤からナレーションを担当しており、結果的にレスキューポリス3部作全てに関わった*2

  • 金属人間
34,35話に登場。アメリカでトラブルを起こした元プロレスラー・ボンバー本間こと本間タダオ(演:ぶるうたす)が高岡にそそのかされて金属生物を注入されたもの。
銃弾も通さない体になり更に途中から全身金属の体に変貌をとげ、やがて体から金属製の触手が何本も生えた異形の姿になってしまう。
亀吉曰く「人懐っこくて子供からの人気が高かった」との事で高岡の復讐相手の子息の誘拐を実行させた事に無言で反抗的な態度をとり、子息にジェスチャーで食事を勧めたり手品を見せる等の交流を深める
最期はソルブレインに倒されそうになるも、高岡の手から離れた子息から「どんな姿になってもおじさんの事が好き」と言われた直後に過剰成長の影響で命が尽きてしまった。
着ぐるみは『仮面ライダーBLACK RX』に登場した、怪魔ロボット・スクライドの改造。次作『エクシードラフト』では第21話に登場した産業スパイロボットとして流用された。



【ゲーム】

1991年にファミコンソフトとして発売されている。
…が、ハッキリ言ってソルブレイン要素がほとんどなく、キャラゲーとして違和感だらけのシロモノ。

それもそのはず、本作はSHATTERHAND(シャッターハンド)と呼ばれるアメコミ風な雰囲気の2Dアクションの国内版だからである。

なお海外版がシャッターハンド、国内版がソルブレインというだけで、発売は同時期であり移植とかそういう話ではない。
単にシャッターハンドとして開発されたものが急遽エンジェル(=バンダイグループ)によって一部差し替えられたものが国内版なのである。
タイトルやデモ・主人公のグラフィック・ステージ(+ボス)の一つが異なる以外はほぼ同一。
そんな経緯のためファンからはコレジャナイ評価を下された不遇のゲームとなってしまった。

…が。

シャッターハンド自体は優れた完成度の作品であり、ほぼ同一の国内版も悪いゲームなどとは口が裂けてもいえない。

というか今見ても実によくできたアクションゲームである。
アイテム購入要素やオプションの組み合わせの追求、ステージギミックもボスも個性的で挑戦し甲斐があり、効果音も音楽も良い。

ストーリー設定としては本編の前日譚で ソルブレインが正式に配備される前の時期
AIが暴走したロボットたちが破壊行為を始めたため
やむを得ずスーツのみ完成して専用兵器がまだ調整できていないソルブレイバーが
ロボット兵器たちを 格闘で鎮圧していく というものである。
敵は人間っぽい奴も混じってるが暴走ロボットばかりなので説得する暇もなく破壊するしかないということと
臨時に用意したオプション兵器はあるが基本は 殴って 倒していくというゲームの理由付けがされている。
ウインスペクターを呼び戻すべきだというのは禁句

…「ソルブレインとして見なければ」という但し書きはつくが。





(・o・)(・o・)(・o・)<追記し~ろ♪ソルブレーイン♪激し~く~♪

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最終更新:2024年04月07日 21:34

*1 実は犯人のスパイだった。

*2 宮内氏はもちろんの事、他には主に中田譲治氏、小山力也氏、前述の堀田真三氏らや、前作の準レギュラーだった佐藤信一氏、2年後の主役の声を担当する小峰裕一氏もレスキューポリスシリーズ全作に関わっている。