登録日：2011/09/11(日) 21:50:51
更新日：2023/04/02 Sun 05:13:14
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「組織ってのは、剣術と同じだ」
時は幕末の動乱期、後に新選組副長となった土方歳三の半生を描いた長編小説であり、同氏の『竜馬がゆく』に並ぶ幕末小説の金字塔的作品。
美化された部分もあるが、この作品から土方歳三、ひいては新選組のファンになった読者も多いことだろう。
ドラマ版が3パターン存在し、昭和45年に放送された栗塚旭版は、原作者・ドラマ版キャストが共通する『新選組血風録』(ドラマ版は昭和40年放送)と合わせて人気を博した。
2021年には岡田准一主演により映画化。
◆登場人物
主人公。
「石田村のバラガキ」とあだ名されるやんちゃ坊主だが、人を統率する才に長け、ただの浪人集団に過ぎなかった新選組を当時最強の組織へと作り上げていく。
試衛館時代から「位の高い女しか抱きたくない(＝農民や町人の女なんて抱く気がしない)」という贅沢な趣味をしており、最終的にお雪を選んだのもその延長線上と言える。
佩刀は京に行く直前に捜し歩き、最終的に
錆びた状態で渡された「二代和泉守兼定(之定)」。研ぎ直したら立派になったので死の直前まで装備することに。
このカッコいい演出と史実佩刀が「十一代和泉守兼定(会津製の新刀)」だったことの整合性を取るため、後続の作品の中には「諸事情で之定から十一代に持ち替えた」なんて描写を入れるケースがあったり。
新選組が崩壊した鳥羽・伏見の戦いと甲陽鎮撫隊、近藤との永遠の別れとなった流山屯集の後も、単身(旧新選組陣も一部ついてきていたが)で旧幕府陸軍・海軍と合流し会津若松、函館五稜郭を渡り歩いた。
後の新選組局長。
土方とは義兄弟の盃を交わした仲。
涙脆く義理堅い性格の好漢だが、今作では局長という役職にのぼせ上がり、愚行が目立つ。
土方に言わせれば「時流に乗って初めて英雄になれる男」。
言わずと知れた天才剣士。後の一番隊組長。
土方とはなにかと行動を共にする場面が多く、兄弟のように仲が良い。さらに女性と見紛う美形…という近年のイメージは概ね本作で作り上げられた。
試衛館食客で三番隊組長。
本作では通説の「会津に留まり土方と別れる」ではなく箱館戦争直前まで土方と行動と共にし、松前城陥落時に土方と同郷の「松本捨助」と共に松前藩主夫人護送任務を託され退場した。
また
斎藤一諾斎と混同されたのか戊辰戦争期「諾斎」なる雅号を名乗っていたり、明治後の名前が「山口五郎」(油小路以降の名「山口二郎」と明治期の名「藤田五郎」の混同か)と誤記されていた。
当代従四位下(じゆしいのげ)の位を持つ宮司「猿渡佐渡守」の妹。
歳三が祭礼で彼女に出会った事が、歳三の運命を大きく変転させる事になる。
今作オリジナルの人物で、土方が京で知り合った武家の未亡人。
伊東甲子太郎一派や七里研之助との戦いの中付き合いを深めていき、土方の最愛の女性となる。
甲源一刀流の剣客。
猿渡家に食客として迎えられている。
武州随一の達人と謳われていたが、物語序盤で歳三に斬殺される。
史実には登場しない今作オリジナルの人物。
同じく今作オリジナルの人物で、六車宗伯の同門。
元々は六車の仇討ちのために歳三をつけ狙っていたが、後に攘夷浪士となり、長きにわたる歳三の宿敵となる。
原作では分倍河原の決闘で死亡するが、2021年版の映画では戊辰戦争まで生き残り、お雪と邂逅している。
水戸天狗党の残党で、新選組結成のために近藤ら天然理心流派と手を組む。
が、生来の酒癖の悪さと横暴な振る舞いが災いし…
後に発表される新選組の創作物に強い影響を与えた作品で、
特に沖田総司の「色白の美少年」「土方とは兄弟のように仲がよい」「得物は菊一文字」などの設定は、今作の沖田の影響が強い。
『
銀魂』の作者、空知英秋は今作を愛読書として挙げている。
『
るろうに剣心』の作者、和月伸宏は今作に代表される「闘争本能の塊で死ぬまで戦い続ける」土方のファンであると発言している。
『
ラブひな』では、青山素子がダウンしている景太郎の為に住人が読み聞かせを行う事になった際に袴の裾から取り出した。
追記・修正は局中法度書に則ってお願いします。破った者は切腹で。
- これで読書感想文書いた高一の夏 -- 名無しさん (2014-07-19 17:12:36)
- 私にとって「青春のバイブル」ですねっ！ -- 名無しさん (2014-09-02 23:13:47)
- オリキャラ結構いたの初めて知った、お雪さんとか七里研之助とか。七里とか存在に全然違和感なかったから実際いた人なのかと思ってたわ。 -- 名無しさん (2020-05-16 18:44:42)
最終更新：2023年04月02日 05:13
