オニドリル

登録日:2011/07/02 Sat 01:44:31
更新日:2024/04/16 Tue 23:32:23
所要時間:約 6 分で読めます





ポケットモンスターシリーズに初代から登場するポケモン

■データ


全国図鑑No.22
分類:くちばしポケモン
英語名:Fearow
高さ:1.2m
重さ:38.0kg
タマゴグループ:飛行
性別比率:♂50♀50

タイプ:ノーマル/ひこう
特性:するどいめ(命中率を下げられず、相手の回避ランク上昇も無視する。手持ちの先頭にするとレベルが5以上低い野生ポケモンの出現率が半分になる)
隠れ特性:スナイパー(攻撃が急所に当たった際のダメージを1.5倍から2.25倍に増やす)

HP:65
攻撃:90
防御:65
特攻:61
特防:61
素早さ:100
合計:442

努力値:素早さ+2

オニスズメがレベル20で進化する。


■概要


長い嘴と首を持つ鳥ポケモン。
高い継続飛行能力を持ち一日中地上に降りなくても大丈夫なほどの体力を持つ。

好戦的な性格でその長い嘴や首は最大の武器であり予想以上のリーチを誇る。
その細長い嘴は土の中の虫を捕らえるのに便利で器用に獲物をつまむ。

一気に飛び上がりそのまま急降下する攻撃と「オウムがえし」が得意技。

一方で警戒心も強く危険を感じるとすぐに空に飛び立ってしまう。
ポケモンの世界では割りと昔から存在する種族らしい。


■ゲームでのオニドリル


進化前のオニスズメは22番道路等の序盤に登場し、初代ではポッポと対を成す序盤鳥の一匹。
ポッポと比べて出現場所が限られている為かあまり目立たない。

たがストーリー攻略用としては全体的にポッポよりも優秀。
種族値が攻撃寄りで初期技が「つつく」、さらに「そらをとぶ」と違ってタイムラグが無く命中安定の「ドリルくちばし」を覚える点等が魅力。
エリカ戦でもくさタイプの弱点を突ける技を「ひのこ」ぐらいしか覚えていないであろうリザードブースターよりは遥かに使いやすい。
より強力なドリルくちばし持ちであるドードリオサンダーを捕獲できるのはかなり後半なので活躍の期間は長い。

しかしライバルアニメの影響もあってか、使用率ではピジョットに押され気味だった。
「そらをとぶ」は移動用としてほぼ必須かつ戦闘でもそこそこ使えるため、「ドリルくちばし」がそこまで評価されていなかった面もあるかもしれない。
ガチ対戦ではドードリオ、さらに利便性のみで評価するなら「そらをとぶ」と「いあいぎり」を併用できるカモネギもいる。
よって、ノーマル/ひこう組でオニドリルが一番影が薄いという結果に…。

金銀では昼にのみホーホーと入れ替わりで登場する。
夜に木へ「ずつき」をすると眠った状態で落ちてくる事も。

また35番道路には31番道路へメールを送る為のポケモンとしてオニスズメを一時的に預かる事が出来る。NNは「ひきゃく」
普通にイベントを進めると「ひきゃく」は引き取られてしまうが、別のポケモンにメールを持たせて31番道路のイベントを進めれば手持ちに残せる。
貰ったポケモン扱いな為成長が早く使い勝手はなかなか。

因みにポケモンスタンプのコンプリート景品として、「ネコにこばん」を覚えたオニドリルとギャロップが配布されたことがあった。
ポケットモンスターSPECIALでも、ポケモンだいすきクラブ会長のこの2体が使っている。


XYではチャンピオンロードの外部のエリアに登場。
特定のエリアに来ると丸い影が現われ、付近に近寄ると戦闘に入る。


■対戦でのオニドリル


種族値は激戦区である素早さ100とそこそこの攻撃90を誇るが、耐久や特殊火力は壊滅的。
物理速攻アタッカーという鳥ポケらしい能力と言える。

初代では唯一のまともな飛行技「ドリルくちばし」を持つが、似たような能力でありながら攻撃種族値で20も上回るドードリオがいた為人気は出ず。
強いて言えばこちらは「オウムがえし」を覚え、ドリルくちばしと両立できる唯一の存在だったが、本編はまだしも対戦で活用するのは難しかった。

しかし、何故か初代ポケスタではノーマル/ひこう組で唯一使用可能だった。
参加可能な40匹の選定基準は「過去の公式リーグで活躍したポケモン」に加え「全てのタイプが揃う」ような追加を行った……とのことなので、98カップにおける真っ当な飛行技が使える最終進化系のひこうタイプということで白羽の矢が立ったのだろう。
(伝説の鳥ポケモン達は勿論、リザードン、ピジョット、ドードリオもLv30以下での入手が不可能である)
これら他のひこうタイプが出場できないレベル30以下限定ルール(98カップルール)ではドリルくちばしもオニドリル専用となっている。
…ただ、98カップの強ポケのうち飛行が弱点のものはナッシーぐらいしかいなかった。

DPtではドードリオ以上に洗練された能力値や特性、技を持つムクホークが登場し劣化具合に拍車がかかってしまう。
しかも他の鳥ポケモンには強力な「ブレイブバード」が追加されたのに何故かこいつには与えられないままで相対的に火力不足が深刻化。
何故明らかに羽が無いドードリオがブレイブバードを覚えるのにこいつは覚えないのか……。
火力のインフレが進む中、未だに威力80の通常攻撃でしかないドリルくちばしが主力技なのはコイツぐらいのものだろう。
ちなみにオニドリルのドリルくちばしの火力はスバメやムックルのブレイブバード以下である。

初代のわざマシン及びエメラルドFRLGでの教え技で習得可能な「すてみタックル」なら火力だけは「ブレイブバード」並になるが、弱点を突けない。
またレート環境では使えないので「おんがえし」か「やつあたり」で代用せざるを得ない。

他の鳥ポケとの差別化要素となり得る技も「とんぼがえり」こそマシだが、他は上述のオウムがえしのほか「ゴッドバード」「ダメおし」といった微妙な技ばかり。
本格的に劣化臭が漂う不遇ポケモンであり、埋葬級に数えられることも……。

しかもHGSSではゴッドバードが教え技化、ドードリオがオウムがえし習得と数少ない差別化手段も没収される始末……。
その残念さは序盤鳥達の中ではかつてのケンホロウと並ぶ。

しかしBWでは他の鳥ポケモンが覚えない地面技「ドリルライナー」を習得。
一致技との相性補完としてかなり有用であり、他の飛行タイプとの明確な差別化要素に。
更に隠れ特性として「スナイパー」を習得。
新たに取得したドリルライナーと相性が良くゴッドバードとも相性が良い特性である。
さらに「ピントレンズ」+「きあいだめ」+「ドリルライナー」で確定急所コンボも可能。

ただ、それでも素の能力の低さからやはり使いづらさは否めない。
ドリルライナーについても、自身の攻撃種族値も技の威力もやや低めなため、4倍弱点の相手ですら一撃で倒すのが難しい。
具体的に言うとオニドリルの性格がようきだとHP無振りヒードラン確定耐えされる
スナイパーも所詮運ゲに過ぎない上、急所ダメージの上昇率も世代を追う毎に低下している。

SMではZワザの恩恵を受けて多少使い勝手が良くなった。
特にオウムがえしは「つるぎのまい」と同じ攻撃2段階上昇後にコピーした技をZ技として放つという強力な性能となる。
「おいかぜ」もZワザとして使うと本来の効果に加えて「きあいだめ」の効果を得られる。
ゴッドバードも溜めなしで威力200の飛行技として機能し、主力技ドリルくちばしの貧弱さをある程度カバーできる。
問題は耐久力のなさをどうするかだが。そしてドードリオも「オウムがえし」「ゴッドバード」に急所率UPのZ「つぼをつく」がある始末

USMではドードリオが「じだんだ」を習得したため、「ドリルライナー」のみで差別化するのは厳しくなった。
ドードリオの技構成ではじだんだの効果を狙うのは難しいのだが、あちらはSMで「とびげり」も習得しているのでいよいよオニドリルの立つ瀬がない。
一方でオニドリル自身は悪タイプの新技「じごくづき」を習得したことにより、ゴーストタイプや音技使いとは若干戦いやすくなった。
ただ、環境にいるゴーストが軒並み地面弱点なので需要はイマイチ。

ドードリオにはない「とんぼがえり」や「ふきとばし」も他の殆どの鳥ポケモンが覚え、地獄突きは火力だけならドードリオの「はたきおとす」で代用が可能。
実質上他の鳥ポケとの差別化はできなくなり、本格的に埋葬級に転落してしまった。
「ねっぷう」は鳥ポケの中でも貴重な技だが、CS特化ひかえめホノオZ型ですらHD特化なまいきナットレイを確1にできない始末である。

この手の不遇ポケモンにありがちな種族値の上方修正やリージョンフォームの追加すら未だになされていない。

依然として状況は厳しいまま、第8世代以降連続で内定をもらえない状況が続いてしまっている。
まあ、同期も同じ状況に陥ってしまっているので、オニドリルだけの問題ではないのだが。
……ドードリオが藍の円盤で「ドリルライナー」を習得してしまったせいで、本当に差別化点が「とんぼがえり」くらいかなくなってしまった。果たして彼(彼女)に未来はあるのか……。



■その他のオニドリル


あまりにも不遇すぎたせいで、なんとまったく別のゲームの公式サイトFAQで
Q.オニドリルはなぜこんなにも冷遇なのですか?
A.ドリルくちばしは使えるよね。遺伝用に一匹は作っておくでしょ?
なんてのが出る始末(当時は第四~第五世代)。


不遇なことこの上ないポケモンだが、そういったポケモンほど別メディアだと活躍するのがポケモンというゲーム。
ほぼ同期のポケモンだと、たとえばこの時期ならアニメのキングラーヨルノズク、ポケスペのスピアーデリバード、ポケモンカードのプクリンメガニウムなど。
埋葬級の他のポケモンだとアゲハントはアニメでレギュラー入り、ラブカスはポケダンで強ポケ化と真っ当に優遇されている。
しかしオニドリルはどうかというとそういう話がまったくないまま20年以上の年月を経ている。不遇の時期があまりにも長い。一番輝いているのが冷遇エピソードの数々を語るサイトという始末である。*1
ただしアニメのコミカライズである電撃!ピカチュウではサトシの手持ちとして登場。
家出したピジョンの代わりに鳥ポケモン枠として活躍した。
最初に捕まえたこともありサトシの中ではピカチュウに次ぐエースのような扱いがされており、おの先生の動物的な書き方も相まってとてもかっこよく描かれている。


しかし実はたった1枚だけ、オニドリルが現在でも第一線で活躍できるスペックのゲームが存在する。
ポケモンカード(旧裏)の「わるいオニドリル」、ポケモンカードGB2の攻略本についてきたオマケカードである。

HPは60と低いが、無色2エネで40ダメージを出せるというのは当時としては破格。ただ、あのゲームをやった人だとさほど印象にないだろう。
しかしポケモンカードはGB2の環境の後も進化を続けているので、「悪エネルギー」や「ロケット団のアジト」など、紙ならではの相性のいいカードはたくさんある。
加えて「にげる」にエネルギーを使わない点や、「たかくとぶ」による火力の底上げで「突風」などでベンチのポケモンに80~100ダメージの強襲をかけたりとかなり柔軟な動きをできることから、
ポケモンカード旧裏環境では令和の現在も強カードの風格を漂わせている。

なお当時このカードを持っていた人は知っての通り、このカードは下部に
このカードは公式大会では使うことができません。
という但し書きが赤字で書かれている*2。結局不遇なままである。そもそも旧裏って20年くらい前に終わってるんですけど……*3




「僕が一番くちばしを上手く使えるんだっ!!」

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最終更新:2024年04月16日 23:32

*1 真面目な話をすると第七世代の本編では乱入バトル要員として手軽に用意できるという長所がある。スペックそのものはと言うと「みねうち」「はねやすめ」を覚える上に特性「するどいめ」で「すなかけ」「ちいさくなる」などを無効化できる。あくまで入手の手間の割に使えるというだけで、コイツである必要性はない。

*2 上述の話はこの「大会使用禁止のカード」を使用できるルールでは猛威を振るうという意味で、現在の旧裏コミュはこのローカルルールが主流の遊び方である。逆に言えばこのカードが使用禁止になったのは、ゲームのオマケにもかかわらず環境に与える影響がかなり大きいことを危惧されたのだろう。

*3 ポケモン本家が第二世代と第三世代で互換切りされたように、ポケモンカードも2回、完全な互換切りを受けている。そして互換切り前の世代に残ることを選んだ人がいるように、ポケモンカードにもそういう勢力が存在する。