キルゲ・オピー

登録日:2012/09/06 Thu 19:36:53
更新日:2023/12/14 Thu 20:26:50
所要時間:約 9 分で読めます







お前達には速やかに
死んで貰い(ます)




“ J ” キルゲ・オピー        
Quilge Opi

[職業]滅却師
[所属]見えざる帝国「星十字騎士団」

 [誕生日]9月1日(おとめ座)
 [身長]178cm
 [聖文字]“ J ”
 [能 力]The Jail ― 監獄(ザ・ジェイル)
  ― 相手を閉じ込める檻を形成する
 [完聖体]「神の正義(ピスキエル)
 [CV]山寺宏一


漫画『BLEACH』の登場人物。

目次

 概要



最終章「千年血戦篇」における敵対組織『見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)』に所属する滅却師(クインシー)の一員であり、『星十字騎士団』の構成員であると同時に虚圏(ウェコムンド)狩猟部隊(ヤークトアルメー)の統括狩猟隊長も任されていた。

ビジュアルは右半分が長い特徴的なおかっぱ頭と眼鏡が印象的な男性。
石田雨竜を始めとする滅却師らの例に漏れず、白を基調とした白装束が特徴だが、組織の規定として白い軍服を着崩すことなく身に纏っている。
完聖体発動後は目がシャッターのような複数の縦線の紋様になっていた。
五条勝に似ているとか言ってはいけない


 人物



その性格は冷血にして残虐。部下であっても怖気づいた者は即座に斬り捨てる。
ふざけたような敬語口調だが、内心では男らしい話し方で思考している。

その速やかな判断力と物事を的確に推測する観察眼・実力をユーハバッハから信頼されている。
虚圏での破面回収の全権と大部隊の指揮を一任されており、ユーハバッハに「特記戦力である黒崎一護もキルゲと戦っているならしばらくは動けない」とまで言われている。
親衛隊ほど圧倒的な強さはないが、実際に一護を足止めさせるほどの力を見せた。

内心他の星十字騎士団メンバー同様ユーハバッハのことを恐れており、虚圏での任務中に「援軍を要請するか?いやしかしそんな事をすれば───」と考えていた。
また、一護に「卍解が怖いのか?」と言われた際には冷静さを完全に忘れて激高してしまう一面を見せた。

 活躍


「千年血戦篇」における今回のこの戦争開始のため、陛下から「特記戦力・黒崎一護を全力で倒すこと」を任命される。
虚圏の虚や破面の徴収を行っていたが、あっさり降伏しようとする破面たちを試験と言う名で槍で刺し殺す苛烈な行為をしていた。

「隊長…ほんとに破面回収する気あるのかな」

「ねえよあの人は。そもそも虚圏に興味ねえだろ」

連行した中に(身体検査したにもかかわらずどこかに)刀を隠し持っていたロリ・アイヴァーンとメノリ・マリアの不意討ちにもサーベルで蹴散らし、彼女たちの気骨を認めて配下にしようとしていた。

直後にハリベルの部下のアパッチらの急襲を受け、多数の部下が殺されるも『3獣神(トレス・ベスティア)』のアパッチ、ミラ、スンスンを撃退。
そして現場に駆けつけた一護に『滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)』の解放し、一時は優勢に対応していた。

しかし3獣神が召喚したアヨンを見くびった挙句にボコボコにされ、上半身が地面に埋まるまで叩き付けられ腰から下がひょっこり出てるシュールなシーンを披露してくださった
やっぱりギャグキャラじゃないですかーやだー。

…と思いきや完全に折れている首を手で平然と戻し(※頭は虚・破面・死神ですら急所です)、『聖隷(スクラヴェライ)』の発動によってアヨンを霊子化、吸収してしまう。
聖隷でアパッチら破面どころかチャド達も霊子化で分解して殺害しようとしたが、一護の卍解による不意打ちで『聖隷』に必要な光輪(ハイリゲンシャイン)を破壊される。

天鎖斬月が星章化(メダライズ)できないこと、速度の差と相性の悪さとが相まって苦戦を強いられる(しかもよく見ると天鎖斬月によって静血装の状態でも斬られている)。
更に一護の言葉に激昂して『静血装(ブルート・ヴェーネ)』を解除してしまったことで、浦原喜助に背後から不意打ちで撃ち抜かれた。


が、実は瀕死ながらも生きていた。
乱装天傀(らんそうてんがい)で自分の身体を無理やり動かして自身の能力を発動。
尸魂界に向かう一護を黒腔(ガルガンダ)内に封じ込め、もうひとつの命令「命を賭してでも黒崎一護を足止めすること」を、完遂するには至らなかったが長時間による戦闘行動と合わせて成し遂げた。
同時に不意打ちでその場の全員に攻撃を仕掛け、重傷を負わせた。

この時は止めを刺しきれていなかった浦原のミスもあったが、尸魂界がこの場より遥かに逼迫した状況でありそちらへの対応に追われていたため、ある種仕方ない所だろう。
乱装天傀に関しては使用者が殆どいない技*1だったので、さすがの浦原も予測できなかった。
空気を上手く読んだキルゲの頭脳勝ちに近い。


その後も止めを刺そうとするもその直後に現れた何者かの刃によって不意打ちで斬り捨てられ、今度こそ本当に死亡した。
だが彼の一護を大きく足止めしたことで陛下率いる本隊は尸魂界に侵攻、大規模なダメージを与える結果を得ることが出来た。
一護との勝負には勝てなかったが、彼の功績は非常に大きいと言えよう。
(不意打ち多数・多対一と正々堂々とした戦いではなかったが…まあキルゲも多数で虚圏に奇襲をしかけて虐殺してたのでお互い様)


ちなみに彼と交戦している際に一護が(キルゲの矢を)石田の矢より強いと評したのに対して「そんな筈はない」と返す場面があり、
その点について言及されるもすぐに口を閉じてしまったことから、石田について謎が深まったのだがよく分からないことに。
後に判明することだが、純血統の滅却師ではないのに聖別の影響が無かったと思われるところだろうか…。
他の多くの団員達が当初石田が一体何者なのか知りもしなかったのを考えると、彼は騎士団の中でもかなり情報に精通している部類なのかもしれない。



 能力




軍勢ゆきゆきて喇叭を吹く

耳鳴り止まず星屑のごとく

軍靴の轟き雷鳴のごとく

(BLEACH56 MARCH OF THE STARCROSS より)



作中に出て来た滅却師の基本技能は一通り習得しており、基本的な弓射術である「神聖滅矢(ハイリッヒ・ブファイル)」による射撃や、剣による斬撃を主な攻撃方法としている。
飛簾脚と圧倒的な硬度を持つ血装(ブルート)で他の追随を許さない。

イロモノっぽい言動と見かけによらず中々の強敵であり、その後登場する騎士団の団員達と違い神聖滅矢、乱装天傀、霊子の集束など滅却師らしい戦い方をすることや、
  • 滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)
  • 聖隷(スクラヴェライ)
  • 血装(ブルート)
  • 情報(ダーテン)
  • 星章化(メダライズ)
といったオサレワードのデパートぶりから一部ファンに高い人気を誇っている。
補足するとこれらは聖文字を貰っている連中からすると基本技だと思われ、必要に応じて平然と使いこなしている(特に神聖滅矢や滅却師完聖体)。
彼が授かった聖文字が戦闘能力を強化する恩恵が一切ない上に同族の滅却師には全くの無意味な能力だったことも踏まえて、多分キルゲは基本技の精度と練度を徹底的に磨き上げて実戦に耐えうるものにするタイプなのだろう。
実際、超高等技術である乱装天傀を習得して実戦投入していた騎士団メンバーはキルゲ1人だけであった。
※ただしこれを必要とする状況に陥ったメンバーはキルゲ以外にはそう多くないため、他の者も誰一人として習得していないわけではないと思われる。

そしてユーハバッハに特記戦力として指名されていた浦原の裏をかいて彼の動きを矢で封じたことにより読者からチート扱いされている彼に「まっ…待て…」と言わしめるほどに焦らせた数少ない人物でもある。


◇─ 監獄(ザ・ジェイル)


聖文字“J”の能力。
特殊な矢を放ち、その矢を媒体に相手を閉じ込める檻を形成する。
霊圧と外部との連絡を完全に遮断するらしく、一護の出番と霊圧が消えた原因になり、一護も浦原や阿近に連絡しようとしたが遮断されて互いに状況が掴めずにいた。
『BLEACH』の拘束系能力としては珍しいことに素晴らしく頑丈で、卍解状態の月牙天衝でさえびくともしない強度だった。
更に死後も継続するためその捕獲能力はかなり高性能。
滅却師の力でないと絶対に開けることが出来ないらしい…は言い過ぎな気がするが、この時の一護ではどうしようもなかったことは事実。


◇─ 完聖体「神の正義(ピスキエル)


キルゲの滅却師完聖体。発動時の霊子の色は水色。
天使の持つ光輪と猛禽類のような二対の巨大な翼、右手には軍刀(サーベル)を有した雄々しい姿。
この姿に変身した時に石田宗弦が伝えた滅却師最終形態を「脆くて200年前に死滅したもの」と称している。
石田竜弦は滅却師最終形態を使っても能力が残る感じの口ぶりだったため、実力や才能さえあれば問題無い様子。
他にもこれらの流れから察するに、滅却師は弓に拘っているという話も過去の話ないしは石田家や現世に残った滅却師独自のものと思われる*2


その霊子従属能力『聖隷』の力は凄まじく、その完成された霊子収束によって放たれる巨大な霊子の一撃は…

さあ!その身に受けなさい!
我が完聖体(フォルシュテンディッヒ)神の正義(ピスキエル)」の、力を!!!

突然の顔面パンチ(※被弾)


◇─ 「聖隷(スクラヴェライ)

天使の光輪に見立てた頭部の光輪(ハイリゲンシャイン)から、周囲の霊子を隷属・吸収する「霊子の絶対隷属」能力。
滅却師の基本的な能力である「霊子の集束」を極限まで高めた絶対隷属であり、
あらゆる霊子構成体を見境なく吸収し、際限なく取り込んだ対象の霊圧に比例して自身を強化していく。姿も変わったりする。
この能力によって吸収するたびに取り込んだ対象によって自身の身体や翼も変貌し、特に滅却師の敵である虚(アヨン)に対しては使いたがらなかった。
ちなみに彼の完聖体はその異形さと変化した瞳で不気味であり、一護から「キモチ悪ぃ格好」と侮辱された。

後に出た滅却師と虚の関係性から「アヨンを吸い取って大丈夫か?」と思わなくもないが、
「滅却師にとって毒性のある虚でも肉体を破壊し、完全に霊子に分解して取り込めば問題ない」と後日談の小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』で明かされている*3
アニメ版千年血戦篇-訣別譚-第16話では、浦原喜助が「虚圏に卍解奪略を防ぐヒントがあるという事をこの目で見たからッス。きっかけは(ホロウ)をとりこんだキルゲ・オピーと対峙した時でした。彼は虚を吸収した瞬間に大きく姿が崩れた。力を扱いきれていないと感じたんです」というセリフが追加され、小説版と少し違う形で補完された。

ちなみに吸収する基点となっている頭部の光輪が弱点であり、この部分を破壊されると聖隷の発動はできなくなる。


◇─ 「血装(ブルート)

『星十字騎士団』全員が持つ戦闘術のひとつで、自らの血管に霊子を流し込むことで攻防双方の能力を飛躍的に上昇させる、いわゆる身体能力強化術。
攻撃用血装動血装(ブルート・アルテリエ)と防御用血装静血装(ブルート・ヴェーネ)を戦局に応じて切り替え、
攻撃に転じれば隊長格の卍解をも上回る力を発揮し、防御に転じれば鋭き刃をも通さない皮膚へと硬質化することができる。
しかしこの二つは別々の霊子回路で構成されているため、どちらか一方に血装を集中するともう一方に対応することができなくなってしまう。

キルゲが一護に圧されていたのは、天鎖斬月の能力が超速戦闘能力であったため、
速さに対応しきれなかった彼が常に静血装を全開にして攻撃を防戦一方で受け続ざる得なくなり、動血装に切り替えて反撃する隙を見つけられなかったから。
この血装をバランス良く扱うことは星十字騎士団にとって生命線といえる。
この能力の影響で、星十字騎士団に始解で対応出来る死神はほとんど居なかった。

一護の卍解と言えば破面編にてグリムジョーウルキオラらに大苦戦していたが、特記戦力にも選ばれていたように死神の力を取り戻した後の卍解は大幅にパワーアップしていたようで、小説版『BLEACH Can't Fear Your Own World』では一護が渡り合い撃破した銀城空吾は実は相当な実力者と描写されていた。
そのため防戦一方ながら瞬殺されなかったキルゲもかなりの実力者であったといえる。


◇─ 「乱装天傀(らんそうてんがい)

糸状に形成した無数の霊子の束を自分の身体の動かない箇所に接続し、自分の霊力で己の身体を傀儡のように強制的に動かす超高等技術。
手足が麻痺しても骨が砕けても霊力の続く限り動き続けることができる。
作中での使用者が非常に少ない技で、他は石田が『尸魂界篇』でマユリ様と戦った時に使ったのみ。
キルゲの場合は石田のそれと比べて、身体を吊り上げる霊子の形状が長い操り糸状の物となっており、より傀儡らしい姿になる。


 台詞



『ハイハ――イ!静粛に――!!
これより、“生きるか!?死ぬか!?虚・破面混合大センバツ大会”を開催いたしまぁす!!』

『今の説明で分からない人はこんな風にぃ!こんな風に…こんな風にぃ…死んでもらいまあす!!』

『遅いですよう、「隊長!」までの反応が』

『…貴女方に一つ提案をしましょう。降伏しなさい』

『妙ですねぇ…そんな筈は無い』

『おっと、多弁は銀、沈黙は金。少々喋り過ぎました、ご容赦を』

『ちゃんと狙って斬ったらどうです』

『不気味だと言いましたね。私のこの姿を。正しい反応です。
貴男方死神の如き悪虐の輩の瞳には、聖なる執行者たる我々の姿は不気味でおぞましきものと映って然るべし!!!』

『さあ!その身に受けなさい!我が完聖体「神の正義(ピスキエル)」の、力を!!!』
無慈悲なる顔面パンチ

『貴方の様な化け物に、我が完聖体が敗れる訳が(ry』
問答無用の顔面パンチ

『お前達には速やかに死んで貰い(ます)

『できれば使いたくなど無かった。聖なる翼が(よこしま)ナルモノで穢れて仕舞(ます)カラ』

『…隠れましたか。流石(けだもの)、危機には(さと)い』

『良い判断です、だが“力の差”が計算から抜け落ちてい(ます)

『こうして藻掻く姿を目にする度、私は認識を新たにします。弱者の死する様とは斯くも無様な物なのか…と。
見るに堪えぬ…死になさい』

『くッ……そオオオオオアッ!!やはり駄目かッ!!!』

『(卍解させてはならないという情報(ダーテン)は来ていた、奴の卍解は星章化(メダライズ)できぬからと。だがそれだけ、それだけだった筈だ。
なのに何故、何故奴は完聖体(フォルシュテンディッヒ)となりあの化物までも吸収したこの私を…)』

『(厄介だ…攻撃力もさることながら、何よりあの速度が厄介だ!!
静血装(ブルート・ヴェーネ)を常に全開にしていなければ、あの斬撃速度には対応できん!
だが静血装を全開にしている状態では動血装(ブルート・アルテリエ)に回す事ができん!!
そして動血装無しの攻撃では卍解した奴には歯が立たん!!)』

一護「もしかして、お前ら卍解が怖いのか?」→『そっ…そんな訳があるか!!!!我ら見えざる帝国に怖れるものなどある訳(ry』
腹に大穴

『貴方の敗けだ黒崎一護。貴方はその(くら)い檻の中で尸魂界の滅亡を只為す術も無く待つのだ』

『…さて…では吸収したあの化物の力が消える前に…貴方たちも消しておきますかねえ…』
直後、何ムジョーかに真っ二つに斬られ退場。退場間際の断末魔は「がはっ…」。




不気味だと言いましたね。私のこの姿を。正しい反応です。

貴男方荒らしの如き悪虐の輩の瞳には、聖なる追記・修正者たる我々の姿は不気味でおぞましきものと映って然るべし!!!


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最終更新:2023年12月14日 20:26

*1 涅マユリが200年間に捕まえた2661人の滅却師も誰一人として使える者がおらず、文献でのみその存在を確認していた。

*2 ただし、こだわってはいないだけで弓自体は今でも滅却師の基本技能であると思われる

*3 ただし、これを使えるのは完聖体かそれに匹敵する実力を持つ滅却師だけなので、本編後に扱えるのは聖別を逃れた石田と竜弦のみらしい。