キカイダー01

登録日:2009/12/07 Mon 14:47:39
更新日:2024/04/17 Wed 20:38:28
所要時間:約 8 分で読めます





チェンジ・キカイダー!ゼロ・ワン!!


『キカイダー01』とは、特撮ドラマ『人造人間キカイダー』の後番組、もしくはその番組に登場する主人公名。

1973年5月から1974年3月までNET(現:テレビ朝日)系で放送された。


概要

人造人間キカイダー』の好評を受けて企画された続編で、主人公が完全な良心回路を持っているのが大きな特徴。
メインライターは前作と同じく長坂秀佳、サブには後に『スーパー戦隊シリーズ』を9作続けて手がけた曽田博久などが参加している。
ストーリー前半では、前作の主役・ジロー/キカイダーと協力しながらハカイダー部隊と戦い、
後半では新組織・シャドウとの戦いを中心に、キカイダー兄弟とビジンダー、ワルダーといったロボット達による群像劇が展開された。
が、後半に差し掛かった頃には特撮ヒーローブームが峠を越えたことや、オイルショックによる予算不足といった要因が重なり、影法師ロボットや浪人武士ロボットなど、露骨な低予算ぶりが目立つ敵怪人が顕著となっていった。
人気そのものはなかったわけではなく続編も検討されていたが、土曜8時の放送枠が無くなってしまいシリーズが終了した。


登場人物

  • キカイダー01
キカイダーより先に製作された人造人間
完全な良心回路を持っており、弱者を抑圧するものに対して迷いなく戦う正義の戦士。
この為ジローと違い相手が悪人であっても人間には危害を加える事は出来ない。
頭部にある太陽電池で活動し、そのため太陽のある場所ではキカイダーよりも強力だが、日没後や海底など太陽光が届かない場所では出力が1/10になってしまう。
また太陽エネルギーを取り入れやすくするため内部機械の露出部位が多く、キカイダーとは逆に右半身が赤く、左半身が青い
パワーはキカイダーに勝るが、聴力、視力はキカイダーに遅れをとる。
太陽電池は頭部のほんの一部分に収まるほどの大きさしかなく、当時どころか現代の技術力でもあんな太陽電池でロボットを動かせるわけがないのだが、70年代当時に風力と太陽光という二大自然エネルギーでヒーローを戦わせたという石ノ森章太郎先生の先見の明には素直に目を見張るべきであろう。
ゼロワンドライバー、ブラストエンドが必殺技。また両手を交差させ破壊光線を発射するブラストアタックも使用可能。

  • イチロー 演:池田駿介
キカイダー01の人間体で、子どもや迷える人に手を差し伸べる優しさと自らの身を省みず悪と戦う正義感の持ち主。
トランペットを吹きながら登場する。
太陽光の届かない場所では変身できないが、改良したのか夜中でも変身して光線技を使用する。
苦しむビジンダーを見かねて、不完全ながらも良心回路を取り付けてあげた事もある。
漫画版では主人公がジローのまま連載が続いていたため、イチローは良心回路を持たない暴れん坊として描かれていたが、
そのことについて、イチロー役の池田駿介は「テレビ版と原作では設定も異なるので、テレビのイチローは自分なりの完璧なヒーロー像を演じた」と回想している。
前作「キカイダー」にて、ジローは光明寺博士の実の息子であるタローをモデルにしているという発言があったが、それゆえにこのイチローは誰がモデルになっているのかイマイチ不明。

  • ダブルマシーン
キカイダー01が乗るサイドカー。
地上、空中、水中、地中、宇宙まで可能な万能マシン。
最高時速は地上では500キロ、空中では800キロ。
エネルギーがあれば地球と月も行き来可能。
自動操縦も可能。
サーチライトは太陽光と同等であり01のエネルギー補充も可能である。
ベース車はジローのサイドカー後期タイプの改造である。

  • ビジンダー
30話から登場。大犯罪組織シャドウが、女子供に弱い01の性格を分析して作り上げた悪の人造人間。
背中にハープを背負っており、これを奏でて花畑を発生させ、その中から現れる。
結構頑丈で、胸からビジンダーレーザーを発射し飛行可能。
31話でイチローによって「せめてジローと同等の心を持ってほしい」という事で、イチローの作った不完全な良心回路を備え、01と共にシャドウに立ち向かう。
専用マシンはピンク色のビジンダーマシン。

  • マリ 演:志穂美悦子
ビジンダーの人間体。後半は彼女が実質上の主役であった。
マリとしての人格はビジンダーとはやや異なっているようで、良心回路を搭載する以前から女性らしい慈愛の心を持つ。
寒さには弱いのか上着無しで寒い冬に一晩さらされるとエネルギー転換装置が耐えられず、停止してしまう。
その胸には小型水爆が内蔵されており、ブラウスの第3ボタンを外すと起爆装置が作動する。
しかも迂闊に水爆を外すと命に関わる。
誤爆防止の安全装置も内蔵され、シャドウ基地から遠隔操作できるようになっている。
体内に激痛回路が内蔵されており、シャドウ基地から遠隔操作されると周囲の者に「胸を緩めて」と頼んでしまう(ボタンを外させて水爆を起動させるため)。
演じた志穂美悦子は、後年アクション女優として一躍大スターとなった。

  • アキラ 演:五島義秀
ハカイダー部隊に狙われる少年。
実は、プロフェッサー・ギルの次男。
背中には、ジャイアントデビルの心臓部の設計図が刷り込まれている。
図面は水に反射させたを当てる事で現れる。
後にヒロシとも違和感なく兄弟として接している。

  • リエコ 演:隅田和世
アキラを影から守る女性。
ダークではアキラの教育係をしていた。変装の名人。
最後は自分がロボットである事を明かして爆死した。
(しかし19話で人造人間用のトラップを「人間だから」という理由で作動させずにくぐり抜ける等、ロボットという設定と矛盾するエピソードが存在する)。

ヒロシ 演:石井聖孝
15話から登場したギルの長男。
弟のアキラと同じく、背中にジャイアントデビルの設計図を隠し持つ。
アキラより男らしい。

ミサオ 演:松木聖
ヒロシと共に登場した女性。
ダークではヒロシの教育係として働いていた。
ダーク壊滅後はスリをして彷徨っており、「金持ちか悪人からしかスラない」というポリシーの持ち主。
リエコの死後は、アキラの世話もするようになる。

  • 百地頑太
甲賀忍者百地三太夫の子孫とぬかすフリーカメラマン。
特ダネをものにしようとカメラを持ち歩いているが、いつも失敗しているドジな男。
イチローやアキラからは「がんも」と呼ばれ、そう呼ばれると怒る。
服部半平の後継キャラクター。後に降板。

  • キカイダー
前作の主人公。3話から登場。
イチローの弟として製造された人造人間。
01のピンチには度々登場し、キカイダー兄弟として活躍する。
当初から準レギュラーで登場することが目玉の1つだったが、後にジロー役の伴大介が『イナズマン』の主役・渡五郎役に決まり、番組を掛け持ちすることになったため、後半では出番が減っている。
01の太陽電池の弱点を度々救った。
キカイダーもギルハカイダーの笛の弱点を01に救って貰うなど、持ちつ持たれつの兄弟である。
修理能力にも長けており01の修理も行なう。

  • ジロー 演:伴大介
キカイダーの人間体。
ギターを持って颯爽と現れる。

  • 光明寺博士 演:伊豆肇
キカイダー兄弟の生みの親。
帰国後にギルハカイダーに拉致られた。


ハカイダー部隊

ハカイダーがプロフェッサー・ギル頭脳を頭部に納められ復活した姿。別名ギルハカイダー。
ダークの最高科学者3人の脳を埋め込み生まれたレッド、ブルー、シルバーの3体のハカイダーを従え、ハカイダー部隊を結成。
顔のイナズマ模様が異なり、胸部の四つの十字マークがある。
サブローにはならず、変身能力を駆使して他の人間に化ける事が出来る様に成った。 雑誌「テレビランド」などの記事では、「サブローは処刑された」と説明されている。
性格に変化は生じているが、記憶や人格はハカイダーと同じであり、ギルの人格は持っていない。
脳が変わったことで、クールでニヒルな性格から傲岸で残忍な性格へと変貌、ジャイアントデビルによる世界征服とキカイダー兄弟の抹殺を目的とする。
ハカイダー部隊壊滅後はシャドウに加入するが、01打倒を意識するあまり組織の命令に逆らうことも。
ビッグシャドウの手によって蘇生・洗脳され、以後はシャドウに忠誠を誓う。ギルの悪魔笛も使用可能。
シャドウ幹部になってからは、通り魔殺人したり、殺犬したり、石油ショックで不足していたトイレットペーパーを購入しようとしてパニック状態になったスーパーマーケットでトイレットペーパーが備蓄している倉庫を暴いたりなどアホになった。
最期はキカイダー兄弟とビジンダーによるトリプルサークラインを受けて爆死した。
詳細は上記項目参照。

  • ハカイダー三人衆
ハカイダー部隊の幹部でミサイルボウガンを使うレッド、電磁鞭を使うブルー、電磁棒を使うシルバーの三名からなる。
三名とも好戦的な性格でハカイダーとは仲が良くない。

  • アンドロボット
工場で大量生産されるハカイダー部隊の戦闘員。若葉マークのような顔で稲妻型の武器を使う。

ダーク基地と運命を共にしたが、
死後その脳がハカイダーの頭部に組み込まれることでハカイダーは復活。
野望成就をハカイダーと二人の息子に託した。
14話でビッグシャドウによってハカイダー頭部の脳から記憶が呼び出された際は、ビッグシャドウの脅しに対してうろたえる姿を見せた。
のちに執念を亡霊と化し、現世に現れた際にはハカイダーを改造し、三倍にパワーアップさせている。


大犯罪組織シャドウ

  • ビッグシャドウ 演:八名信夫(20話から)
9話から登場した大犯罪組織シャドウの首領。
その正体は不明。最期は光明寺の策にはまり基地と運命を共にした。

  • シャドウナイト 声:今西正男/清川元夢(17話より19話まで)/渡部猛(23話より27話まで)
8話から登場したシャドウの大幹部で西洋風の甲冑と巨大な単眼が特徴。
が武器で、時には何本も投げつけることもあった他火花を出して爆発を起こすレッドインパルスという技を使う。また単眼から眼力殺人光線を発射する。
人間に変身して行動するときもあり、人間体はシルクハットにアイマスク、カイゼル髭の姿。
27話でザダムが計画した「地獄の罠作戦」で01を倒そうとするも失敗し、最期は01のブラストエンドに敗れ爆死。

  • ザダム
25話でビッグシャドウが月面基地から呼び寄せた最高幹部で超能力ロボット。
2体の悪魔型ロボットが横並びで合体したような姿をしている。両腕に金色のトライデントを持つ。強力な念力を使い、初戦では01を苦しめたがその後内山博士が開発した念力遮断回路を娘のカツラによって組み込まれたことで通用しなくなった。
太陽光の下では3分前後しか活動できないはずだったが、改良したのか後半では昼間でも長時間行動している。
最終決戦では「ザダム分離術」で2体に分離して戦うも、キカイダー兄弟とビジンダーのトリプルサークラインを受けて爆死した。

37話から登場。01を破壊するためにビッグシャドウが雇った謎の侍ロボット。
黒い陣羽織を着用し、頭部に殺人回路を持つ剣術の達人。
38話ではビジンダーに惚れておりラブレターを送ったりも。
マリもワルダーに返事を返すことで、二人のやり取りは文通に発展。青春だ。
善悪の判断ができないため、「悪い奴に吠え、泥棒に噛み付き、善悪の判別をするもの」としてに苦手意識を持つ。
専用マシンのワルダーマシンを持つ。
武器は機関銃や先が尖った分銅を発射するにもなり、も仕込まれている超槍銃。
また、ワルダー家に先祖代々伝わるという刀・雷神村雨と風神村雨を持ち、風神村雨は45話で浪人武士ロボットに苦戦するマリに渡した。
エネルギー転換装置を二つ装備しており、一つは40話で転換装置の壊れたビジンダーを助ける為に譲った。
エネルギー回路を失なうと1週間しか生きられなくなる。
最期はビジンダーに助けられた01に最後の勝負を挑み、「同じ殺されるのなら貴様の他に殺されたい人がいたぞ」と言い残して爆死した。

シャドウ殺人部隊
シャドウが作り上げた殺人ロボット。識別のために背番号がついているが(赤面ガメはNo.13、幽霊女はNo.7、化け猫ロボットはNo.44、など)、13話のシャドウロクロのようにないものも存在する。

ジャイアントデビル 声:大宮悌二
17話でギルの残した設計図を基に科学者たちを総動員して作り上げた遮光器土偶型の巨大ロボット。
自らの意思を持ち喋ることが可能で、また頭部を分離して飛行可能。
手始めに夜に頭部だけで街を破壊した後、身体を動かすための心臓を所望したためにシャドウはアキラを拉致し、設計図をコピーし心臓を作り出そうするもキカイダー兄弟が基地に潜入し戦闘となる。目からの破壊光線や頭のデビルミサイルで攻撃するも、合成エネルギーを腕から発射するダブルブラザーパワーであっけなく破壊されコピーした設計図も焼失してしまった。

シャドウマン
シャドウの戦闘員。アンドロボットと姿が酷似しており、後継機と思われる。
「ギラッ!」と叫びながら稲妻型ので攻撃する。
26話では赤い爆弾槍を使用した。36話ではシャドウ忍者部隊に化けて行動し、38話では郵便局員に化け、手紙爆弾や前輪から発砲する自転車や、燃える自転車の車輪を投げて攻撃した。最終話では短機関銃で攻撃した。
アンドロボット同様に人間に変身でき、人語をしゃべるが口数はアンドロボットと比べ非常に少ない。


追記・修正は太陽電池に光を当てながらお願いします。

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最終更新:2024年04月17日 20:38