モスラ(昭和作品)

登録日:2011/06/30 Thu 23:07:29
更新日:2024/01/24 Wed 01:16:34
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画像出典:『モスラ対ゴジラ』(1964年4月29日 公開)より
制作・配給:東宝株式会社


モスラは東宝怪獣映画に登場する怪獣である。本項は昭和作品に登場したモスラを扱う。

平成以降のモスラはこちら、平成3部作のモスラはこちらへ。

●目次

【シリーズ】

◇「モスラ」に登場したモスラ

本作で銀幕初登場。また昭和作品で羽化を描いているのは本作のみである。


◆幼虫
体長は最大180m。インファント島の卵が小美人と島民の祈りで誕生し、小美人を求めて日本に向かう。
太平洋で防衛隊に妨害され行方を眩ますが、東京近郊のダムに突如出現しダムを決壊させる。
その後横田基地を経由し東京を蹂躙し、東京タワーに繭を作った。
創作史上初の東京タワー破壊シーンである。

幼虫は当時最大のスーツを作り、最大8人で動かしていた。
夜間は体が淡く発光する。また、当初は国会議事堂に繭を作る予定だったが、政治的な意図が強くなるため東京タワーに変えられた(後に「ゴジラVSモスラ」で実現)。
まあ国会議事堂は初代「ゴジラ」でとっくに壊しているから、二番煎じを避ける意味でもよかったかもしれない。

◆成虫
繭から羽化した姿。繭に対して原子熱線砲で攻撃し炎上したが、無事に羽化した。むしろ熱線砲で温められて羽化が促進されたとの説も。
小美人が連れ去られた先のロリシカまで太平洋を越えて渡り、ニューカーク市上空を飛行し衝撃波と暴風で市街地を破壊した。
その後は無事に小美人を取り戻し、共に島に帰還した。

ミニチュアに使われた複眼の作り方は、後に仮面ライダーの複眼にも応用された。また、ミニチュアは最大2mの大きな物も作られた。


◇「モスラ対ゴジラ」のモスラ

本作では成虫と幼虫が登場し、「モスラ」と違い成虫が先で幼虫が後に登場する。
初めてゴジラに勝った怪獣となった。(2対1だが)
また、本作でモスラの卵は土中で成長することが明らかになった。

◆成虫
前作『モスラ』に登場した個体が引き続き登場。
使用したミニチュアと大まかな設定は「モスラ」と同じだが、最後の攻撃として鱗粉による攻撃が追加された。

最初は卵の返却を求める小美人の送迎役で登場した。その後インファント島で寿命が尽きるのを待つだけだったが、酒井達の願いを聞き入れゴジラと戦う。

突風と素早さを利用した戦略、ゴジラを引きずり回すパワー、そして切り札の毒燐粉で戦うが、寿命による限界とゴジラの熱線を喰らい敗れ、卵を守るように力尽きた。

◆幼虫
成虫が力尽きた後、小美人の歌とインファント島島民の祈りで孵化。双子(目の色が青か赤かで区別可能)であり、孵化してすぐに岩島へ上陸したゴジラを追って上陸した。
島でゴジラと戦い、岩陰に隠れながら糸を吹きかけていき、最後はゴジラの身動きを取れなくさせて勝利した。

本作では着ぐるみでなく、ギミックを仕込んだミニチュアで表現された。また、孵化シーンでは手で動かすギニョールが使われた。


◇「三大怪獣 地球最大の決戦」のモスラ


本作では幼虫のみが登場。前作との間に一体はゴジラの尻尾にかみつきゴジラが振り払おうと何度も岩にぶつけられたことによる怪我で死んでしまったらしい
生き残ったのは目が赤い方。

キングギドラの襲来に対抗するため、日本からの要請でゴジラとラドンの説得のために上陸した。

ゴジラとラドンを説得するが交渉は決裂し、キングギドラと単独で戦うが苦戦する。
2匹の言い分は実に最もだが結果的に幼虫は一匹でキングギドラに立ち向かい嬲られる目に合う。
わかりやすく言うと幼女リンチされてる。ギドラェ……

しかし、それを見てとうとうゴジラとラドンが参戦し、共同戦線でキングギドラを撃退する。
前作でゴジラに有効だった糸はキングギドラにも有効だった。

金星人を演じた若林映子さんはモスラを可愛いと言って、モスラちゃんと呼んでいた。
そのせいか、本作のモスラは真面目な学級委員長に見えてしまう。可愛い。


◇「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」のモスラ


本作では成虫のみ登場。上記の幼虫が成虫になった姿と書かれている書籍もある。
本作ではインファント島で眠りについていたが、レッチ島に連れ去られたインファント島民達を救出するために登場した。

タイトルに名前が出ているが今回は救出が目的なため他の怪獣との絡みは、ちょっかいを出したゴジラを牽制した程度である。
昭和モスラの成虫の出番は本作が最後である。


◇「怪獣総進撃」のモスラ


本作では幼虫のみである。怪獣ランドに他の怪獣共々住んでおり、小美人が登場しない。
キラアク星人に操られ、北京で鉄道を襲撃した。東京ではモノレールの駅を壊しながら登場した。
その後のキングギドラとの戦いでは、糸を吐いたくらいで目立った活躍ではなかった。


【小美人】

モスラに付き物といえばインファント島の妖精の小美人である。
「モスラ」〜「地球最大の決戦」はザ・ピーナッツ、「南海の大決闘」はペア・バンビが演じた。

演じた2組はどちらも双子の歌手であり、作中で歌を披露している。
そのためかモスラと小美人が出る作品は、他の怪獣映画より華やかさがあると筆者は思う。
担当した作品の関係で、作曲者は古関裕而氏、伊福部昭氏、佐藤勝氏と豪華である。


◆「モスラ」の小美人

インファント島への日本・ロリシカ合同調査団が発見した。日本側の調査団は島民共々そっとしておこうとしたが、ロリシカのネルソンが後日上陸し、捕まえてしまう。

その後ネルソンに見せ物にされ、福田達が救おうとしたが、モスラ上陸の混乱に乗じてネルソンにロリシカへ運ばれる。
しかし、モスラがロリシカへ上陸したのを機にネルソンは殺され、救い出される。その後はモスラと共に島へ帰った。

演じたザ・ピーナッツは素直に演じたため、本多監督も演出しやすかったらしい。また、小美人用に実物大巨大セットを作ったり、巧みな合成で会話させたりしている。


劇中歌 「モスラの歌
    「インファントの娘」

◆「モスラ対ゴジラ」の小美人

静の浦に流れ着いたモスラの卵を返してもらうために日本を訪れるが、悪徳興行師には話しが通じず、逆に買われそうになった。

その後モスラと共に島に戻るが、島に来た酒井達の話しを聞いてモスラがゴジラと戦うために日本に向かう話しがまとまったため、酒井達と日本に向かう。
その後はモスラの戦いの解説や、モスラの孵化を歌で促した。
ゴジラがモスラに倒された後はモスラと共にインファント島へ帰った。


劇中歌 「モスラの歌」
    「マハラ・モスラ」

◆「地球最大の決戦」の小美人


日本人とはすっかり仲良くなったようで、テレビに招かれており、歌を披露した。その後は帰る予定だったが、金星人の予言を聞いて日本に留まる。

その後はキングギドラ対策にモスラを呼び、モスラ、ゴジラ、ラドンの会談を通訳していた。
キングギドラを追い払った後はモスラと共に島へ帰った。

劇中歌 「幸せを呼ぼう」
少しだが「聖なる泉」も流れる。

◆「南海の大決闘」の小美人

本作では上述の通りペア・バンビが演じている。
今回はインファント島で暮らしており、モスラを島民と共に目覚めさせた。

演じた人は違うが、本作でも歌を披露している。

劇中歌 「モスラの唄」(歌ではない)







【余談】

モスラの多くは性別はであるらしい。また、温和で人間よりの守護神である故に女性的に感じる方も多いだろう。
そもそも名の由来がモス(の英語名)とマザー(母親)の合成であるとされる。






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最終更新:2024年01月24日 01:16
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