ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風

登録日:2010/10/13 Wed 18:00:14
更新日:2023/12/23 Sat 21:47:55
所要時間:約 20 分で読めます




 敵のスタンドを暴いて倒せっ!


◆概要

2002年7月にカプコンからPS2用ソフトで発売された、漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』のゲーム化作品。
タイトルの命名は荒木飛呂彦
2007年にはベスト版が発売された。

◆ゲーム性


ジャンルは黄金体験アドベンチャー。
操作性は一部ゲーやアイズオブヘブンに近いが3部格ゲーのように本体モードとスタンドモードと切り替えられるのが特徴。

アクションパートの原作再現度の高さや、当時としては再現度が高かったキャラ造形、作品の雰囲気にマッチした音楽・キャスト、
明らかに(良い意味で)間違った部分へやたら力が入っている細部へのこだわりなど原作愛はそこかしこに感じられるキャラゲー。

しかし3部格ゲーを作ったカプコンという事で発売前の期待値がかなり高かったこともあり、
ひたすら敵を無駄無駄アリアリとタコ殴りにすることになりがちなゲームバランスや、
原作のストーリーをかなり端折りいくつかのエピソードが紙芝居式のサウンドノベルになってしまった
ボリューム面などに関しては不満を持つプレイヤーも多い。
(まぁ一部スタンドはゲームのシステムに落とし込むのが難しいのもあっただろうが。)


ただしスタンド切り替えとステージギミックを活かした戦闘は中々にスタンドバトル気分を味わえるので、第1部ゲームとは違う方向で原作愛に溢れているゲームである。

中には原作を知っていても気づきにくいようなアクションも。
歯とか歯とか歯とか…

また、終盤に登場するポルナレフのテーマ曲は3部格ゲーのアレンジであり、ファンにはたまらない演出だった。

ちなみにゲーム全体の難易度は意外に高め。
ギアッチョに車を破壊され、ノトーリアスに押しつぶされ、セッコにボゴボゴにされたりと地味に苦い思いをしたプレイヤーも多いはず。


◆モード紹介

●スーパーストーリーモード

原作をなぞって進むモード。
シーンを選択してデモを見た後に敵と戦う。
原作再現の隠しミッション(シークレットファクター)を達成することで能力レベルが強化される。
シークレットファクターの解放と残った体力が多いほど高評価になり、より多くのジョジョアビリティポイントが手に入る。

●アナザーストーリーモード

スーパーストーリーモードで高評価を獲得したシーンを別のキャラで使用する事が出来るモード。
具体的にはアバッキオでブチャラティを蹴飛ばしたり、エアロスミスでボスを蜂の巣にしたりできる。
こちらでもジョジョアビリティポイントが手に入るが、シークレットファクターは無いため評価は残り体力のみ。
ランダムで多彩な戦闘中台詞が流れて楽しい。中には相当マニアックなネタ台詞も。

●ギャラリー

BGMを聞いたり、キャラモーションを見たりするモード。
本編には登場しなかったキャラのボイスが聞けることも。
持っているジョジョアビリティポイントが多い程要素が解放される。
モーションを入れ替えるカオスなモードもある。

●オプション

そのまんまのオプションモード。
難易度変更をしてもジョジョアビリティポイントが増えたり減ったりとかは無いので
どうしてもクリアできないステージは気兼ねなく低難度で挑める新設設計。




◆登場人物

本作では喋るスタンドや別人格は全て本体と同じ声優が演じている。

●プレイヤーキャラ



主人公。
攻撃・拘束・反射となんでもござれな万能タイプ。このゲームにおいては破壊力:Cとは何だったのかというくらい近接も強い。
唯一の無意味技・テントウムシ探知は何故かレクイエム化で技が変わっても据え置き。
機会は少ないがステージオブジェクトを蛇に変化させ敵を自動追尾させたりもできる。
空港でアルバイトをしていたら涙目のルカに絡まれ即死2コマで倒す。アルバイト内容は割愛。
ベイビィ・フェイス戦等が無いので中盤の戦闘回数が減っており、主人公なのにブラックサバス撃破後はチョコラータ戦まで出てこない。
中の人は後のジョジョ格ゲーで声が初めて出会ったスタンド使いになった。
アナザーストーリーモードの戦闘中の台詞の一部で一人称「オレ」と言っている。


声:櫻井孝宏
スタンド:スティッキィ・フィンガーズ

もう一人の主人公。原作通り戦闘回数多め。
攻めてよし逃げてよしの能力を持っているが、ジョルノに比べると近接技にややクセがある。
ジッパーによる移動技が豊富で高速移動の他地面に潜ったり壁に張り付く事もできる。
操作ステージに範囲攻撃やら時間耐久やら特殊なものが多いので意外と重要。
終盤にレクエイムで肉体がディアボロの状態で操作する事になるのだが、性能は同じながら声がちゃんとディアボロになっているという細かい仕様。ボスの声で「アリーヴェデルチ!」とかノリノリで言ってくれる。
中の人は後に杜王町の漫画家になった。

ちなみに、彼が敵として登場するステージには「地面に落ちたブチャラティの歯を蠅に変えて、一般人に隠れた彼を追尾させる」
というシークレットファクターがあるのだが、歯が小さすぎて非常に場所が解り辛い上にこれを利用しなくても

  • 蠅の代わりにジョルノの技・テントウムシ探知で追尾できる
  • ジョルノの生み出した蛇に自動追尾させられる
  • そもそもスタンドモードになれば自動でブチャラティが隠れている一般人の方を向く仕様

などいくらでも見破る方法があるため、スルーされがちなネタミッションとなっている。

声:瀧本富士子
スタンド:エアロスミス

本作のPC最強候補。
出番は少ないが、エアロ・スミスの殺傷能力のヤバさが分かる。
ナイフ攻撃や連続蹴りのおかげで本体モードでも強い。
ボスに速攻で始末されたのも納得の強さ。
さらにレーダーで地面に潜っているセッコすら探知する追撃の鬼

ちなみに連続蹴りは最後まで放つと足を痛がるモーションが入る原作再現が細かい仕様。
また戦闘中台詞で小説版のネタまで拾ってくる徹底振り。


声:ヘルシー伊藤健太郎
スタンド:セックス・ピストルズ

サーレー戦はサウンドノベル、ペッシ戦はカットされ戦闘はギアッチョ戦から。
ギアッチョ戦後やレクイエム時の熱演は必聴。(アッー!担当とか言わない。)
スタンド性能は優秀で、追尾弾、急角度弾、吹っ飛ばし弾の使い分けに
ピストルズ反射の追撃ダメージを上乗せしていくテクニカル型。プレイヤーの腕前が光る。
だが、担当ステージの相手が悪い(ホワイト・アルバム車上戦、セッコと鬼ごっこなど難ミッション多し)。
アナザーモードで大暴れしよう。
中の人は後に盲目の敵スタンド使いになった。

ちなみに相手の近距離では通常攻撃がスコリッピ戦の銃底殴りに変化する、残弾が4発になる度に特殊戦闘中台詞が流れるなど、
こちらもスタッフの原作愛が強いキャラクターとなっている。


声:三浦祥朗
スタンド:パープル・ヘイズ

原作通り、出番は少な目。
「ド低脳が!」とフーゴが叫ぶのは本作だけ!
本体はプッツン状態にモードチェンジ出来て技の特性も変化する。
スタンドモードは獰猛なスタンドらしくPCキャラ中最強の攻撃力を誇り、難易度によっては10割コンボも可能。
弱点として操作が遠隔型仕様で一定距離を離れると原作通り体を擦りだして動かなくなる。
中の人は後に1部ゲーでスト様になったりアイズオブヘブンで皆のアイドル常秀くんになったり何かとジョジョゲーとの縁が多い。


声:稲田徹
スタンド:ムーディー・ブルース

裏設定どおり、本体の格闘能力は随一。
スタンドはゲームオリジナル解釈によりアバッキオの動きを録画→再生したりリアルタイムで追跡して同時攻撃したりできる。
だが、その為の録画動作が隙だらけになる為、本体のヤクザキックに頼りっぱなしになりがち。
もうスタンドモードでは通常パンチと掴みボコりだけで戦った方が早いかもしれない。
こちらもジョルノと同じく破壊力:C(人間並み)とは何だったのかというくらい強いが人間=アバッキオ基準と考えると納得するしかない。
尺の都合でアバ茶は出ない。
フーゴだけではなくアバッキオも「ド低脳が!」と叫ぶ。
中の人は後にイギリスでゾンビ騎士になった。
アバッキオを操作出来るゲームは「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトルR」のDLCで参戦するまで本作のみだった。*1


声:夏樹リオ
スタンド:スパイス・ガール

パンツ担当紅一点。
ジョルノを近距離特化でマイルドにしたようなオラオラ系スタンド。
だがどこからともなく鉄パイプを持ってきてぶっ刺す、ヒールで踏んづけるなどのダウン追撃、
ゲームオリジナルで地面を柔らかくしての飛び蹴りなどジョルノには出来ない技も多い。

残念ながらシルバー・チャリオッツ・レクイエムでミスタと精神が入れ変わっても、ミスタの身体を嫌がるシーンはなし。


声:根岸朗
スタンド:シルバー・チャリオッツ

車椅子を器用に操りつつ、サーベルを繰り出す。
車椅子の回避判定が曲者で、他のキャラに比べてノーダメクリアが難しい。
また怪我人故スタンドと本体の連携もできず、難易度高めなキャラ。
しかし全キャラで唯一本体との連携無しで連打技をコンボにできるのは、光さえ断つ神速の剣士の面目躍如といったところか。

カメナレフも出るよ!
残念ながら声は3部ゲーと違うが、技名は全て3部ゲーから引き継がれている。操作ステージは3部ゲーのテーマが勇壮なアレンジで流れプレイヤーのテンションを高める。
上手くいけば原作以上にディアボロの動きを読める。

●敵キャラ


  • 涙目のルカ 
声:伊藤健太郎

即死2コマ。でもしっかり3Dモデルモードにはいる。


声:岸祐二
スタンド:ブラック・サバス

岸氏の演じ分けが光るキャラクター。
なお、後述の通り康一はいないのでサシで勝負する。


声:岸祐二
スタンド:リトル・フィート

能力が「斬った相手を時間経過でだんだん小さくし、ホルマジオが解除しなければ元に戻れない」だった原作から、
ゲームに合わせて「斬った相手を一瞬で小さくできるが短時間で元に戻る」に変更された。グェス?
縮小化戦の迫力ある演出は見もの。
またゲームオリジナル技として縮小化して隠し持っていた家具家電を投げつけてくる。
シークレットファクター面ではネズミに乗って逃げる彼を追撃する必要があるが小さいレーダー画面で見分けるのは結構大変。
流石に蜘蛛と戦うくだりはカットされているが途中まで予定はあったらしく「8個もあるお目目で見てるぞ」のセリフが収録されていたり没ステージにビンの中があったりする。


声:根岸朗
スタンド:マン・イン・ザ・ミラー

鏡の世界で左右の操作が逆になるというプレイヤーへのダイレクト攻撃を行う。ぼけっと突っ立っていると「掻っ切れ!」でいきなり現れてダメージ。
人によってはセッコの次くらいに厄介という声も。
終始声優さんの熱演がすごい。

声:うすいたかやす
スタンド:グレイトフル・デッド

みんな大好き兄貴。ブッ殺すと心の中で思ったなら~のくだりもムービーでバッチリかましてくれる。
尺の都合で色々話が変わっており、ジッパーで列車から放り出すことで特殊勝利が発生し即死させることが出来る。


声:西村朋紘
スタンド:ビーチ・ボーイ

尺の都合でマンモーニから急に覚醒したりゲス化したり忙しい。
戦闘では兄貴の支援と遠距離攻撃が噛み合って中々の強敵。
亀の中に逃げ込むくだりはカット。後のアニメ版も同様。


声:西村朋紘
スタンド:ホワイト・アルバム

前からの攻撃は完全ガード。原作と違い後ろの空気穴にはちゃんと攻撃が通る。
突撃攻撃と2種類の氷結攻撃を操り、本作の敵の中でもかなりの難易度。
柱に刺せば撃ち放題だが、タイミングがかなりシビア。

逃亡戦では戦闘中台詞で「根掘り葉掘りってよぉ~」「ヴェネチアってよぉ~」共にギアッチョ節をフルで喋り倒す原作再現振りを披露してくれる。



本作最凶スタンドの一角。
ちび形態は慎重さが求められるのは原作通りだが、スピード展開ゆえ恐怖感は薄め。
巨大形態は時間耐久だが広範囲・高威力・回復無し・時間経過で迫ってくるなど厄介な相手。


声:根岸朗
スタンド:メタリカ

「ジョルノ達視点のみのゲーム」ということで登場した時には既にボスとナランチャに殺されていた不遇すぎるリーダー。
というわけで声はギャラリーのみ、お姿は3Dモデルモードのみ収録。


声:石野竜三
スタンド:グリーン・デイ

ゲス野郎。角砂糖のシーンが無駄に3Dムービーでバッチリ見られる。7ページ無駄無駄も。
逃亡戦・直接対決共に地味にスタンドがウザイ。
怪物のような下半身はこのゲーム用に荒木先生が描き下ろしたものだが、アニメの際には普通の人型に変更された。


声:うすいたかやす
スタンド:オアシス

本作ぶっちぎり最強キャラ。ノーダメクリアの障壁。トラウマメーカー。
原作通りの高性能近距離技・拘束技・飛び込み技・ガー不&追尾遠距離技・土中奇襲技・土中避難など、厄介な技が目白押しで難易度がエグ過ぎる。
(一応原作再現でプレイヤーが一定時間何もしないでいると見失って土中から無防備で出てきたり、
土中にいるときにタイヤの破裂音でダメージを与えられたりと付け入るスキがないわけではないが・・・)
シークレットファクター面でも、鼓膜を破るのに苦労した人は多いはず。
ヒントはブチャラティの台詞にしかないのも難易度アップの一因。
※ただし鼓膜を破ると逆に強化されます。センサー破壊されて暴走とかどこのロブスターかと。


声:宮本充
スタンド:キング・クリムゾン

ラスボスだけに強い。スタンドの突進攻撃や通常パンチからガー不掴みにつなげるコンボが強力。
時飛ばしは単純にスローモーション化という形で再現されたので回避は結構簡単。

教会地下での影ボスは別キャラ扱いなのだが、こちらでは時飛ばしがワープ技として使われているので
本家より強いとの噂も・・・

今の所ディアボロとドッピオを同じ声優が演じている唯一のディアボロ。
宮本氏の演じ分けは見事の一言。
ついでにレクイエムでブチャラティと魂が入れ代わったディアボロの肉体も宮本氏が演じている為
1人3役で同じ肉体の全く違うキャラクターを演じ分けるという無双ぶりを見せている。

●その他



わざわざ第4部までの説明も本編のナレもちゃんとしてくれる親切なナレーション。
でも全体的に端折りまくっているのでよくわからないのはご愛敬。



◆ギャラリーのみの登場人物

康一は開発時のゲーム誌の記事では紹介されていた。
開発中映像でもしっかり映っていたのだが、製品版では「物語はジョルノのみ視点で進行させる」という理由で没キャラクターになった。
同じ理由で死体のみの登場となったリゾットとどっちがマシなのだろうか?
おかげでジョルノの出生はOPでサラッと流される程度になったがまぁ仕方ない。



ストーリードラマのみ登場。
ズッケェロは謎解きメインで直接対決は最後の一撃のみ、サーレーは足場が悪いので仕方ない。


スタンド:ベイビィ・フェイス

ストーリードラマのみ登場。
戦闘の内容が追い詰められた末に新しい能力の活用法を思いつくというものなので仕方ない。



ストーリードラマとサントラのドラマCDにのみ登場。
スクアーロはジョルノ持ったクラッシュの出現位置に先回りとゲーム的に考えてもかなり難易度が高く、ティッツァーノはそもそも戦闘向けではないから仕方ない。
こちらも予定はあったらしくクラッシュの没CGがあったり、ナランチャの没音声にこの時の台詞が数多く存在する。



ストーリードラマのみ登場。
そもそも敵じゃないから仕方ない。


※※※


承太郎、康一、リゾット「う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!!!」





違うね!……追記・修正するのはぼくの項目を見るおまえの方だな

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最終更新:2023年12月23日 21:47

*1 アイズオブヘブンも最終選考まで残っていたらしいが、アクションを落とし込めず泣く泣く没になったとのこと