グルメスパイザー

登録日:2011/09/11 Sun 21:54:45
更新日:2024/04/20 Sat 20:08:03
所要時間:約 9 分で読めます




ポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!
グルメスパイザー!!!
シャカシャカシャカシャカ
ポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!
グルメスパイザー!!!
シャカシャカシャカシャカ
ポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!
うまそぉ~~!


菓子粉砕機 グルメスパイザー!!!


グルメスパイザーとはアニメ『トリコ』に登場する赤い腕の形をした重要アイテム。
後にバンダイから玩具として発売され、各方面で大人気となった。
玩具版の正式名称は「トリコ 菓子粉砕機グルメスパイザー」

『トリコ』はモンスターと戦うだけでなく、倒したモンスターを美味しく食べる事をコンセプトとした異色のバトルアニメ。
グルメスパイザーはその劇中に登場する、どんなものも粉砕してスパイスにできるアイテムだ。
もちろん、玩具のグルメスパイザーも劇中の機能とアクションを完全再現!
「食」をテーマとしたアニメと、現実の「食」が繋がる、斬新なコンセプトの玩具だッ!!

使い方はかんたん。
ポテトチップスやカールやクッキーなど様々なお菓子をこのグルメスパイザーに入れてポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!するだけで、お菓子を粉状のスパイスとして様々な食べ物に振りかける事ができるぞ。
かける側のお菓子と、かけられる側の食べ物の組み合わせにより、無限大の味のバリエーションを生み出せる、遊びと実用を兼ねたまったく新しい玩具、それがグルメスパイザー!!

2011年のバンダイの業績のカギを握る商品ともっぱらの噂だッ!!


追記・修正はパッパッパ!とよろしくなッ!




料理人の方は美食會による誘拐に注意!




















     *      *
  *     +  一部うそです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *






このグルメスパイザー、確かにアニメ版トリコで使われていることは使われている。
しかし、このアイテムは原作漫画には存在しない、アニメオリジナル要素である。

もちろん、アニメ化に際して原作から様々な設定変更を行うのは珍しい事ではない。
忍たま乱太郎」の原作にヘムヘムは居ないし、ゲームの「ポケットモンスター」でタケシカスミは仲間にならない。
漫画には漫画、アニメにはアニメに合った表現があり、アニメオリジナル要素を入れる事自体は決して悪いことではない。


ではこのアイテムはどうだったのか。
アニメ第10話にてトリコが使用したのが初登場。12話では、「拳の部分を回して外し、腕部分に食材を入れ、再び拳をセットして、後部のレバーを前後させる」という遊び方を、小松がまるで視聴者の存在を意識しているかのごとくやたら懇切丁寧に説明する。
その後もことあるごとに登場しては使い方を説明するかのような台詞があるわ、BBコーン編では重要アイテムになるわと、商品販促がやたらと激しい。(何度も言うが原作には一切出てこない)
そして販促期間が終了するとぶつりと出番は消滅。全く登場することはなくなってしまった。

要するに、これは玩具メーカーが玩具を売るためにブッコミを要求してきたアニメオリジナルアイテムであり、その出し方と登場頻度が極めて不自然なのである。
古い例だが、アニメ版聖闘士星矢に登場した鋼鉄聖闘士(スチールセイント)と言えば分かる人には分かるだろう。

アニメ版『トリコ』は、近年稀に見る原作ストックの消費の速さや一部の変更点から原作ファンからの評価がイマイチな作品*1だったのだが、
特に評価を下げている要因として真っ先に挙げられるのが、アニメオリジナルキャラクターであるティナ(CV:水樹奈々)の出番が妙に多いこととこのグルメスパイザーだったりする。
誰が呼んだか原作粉砕機

ちなみに、グルメスパイザーが初登場したアニメ10話の放送直後、『トリコ』原作にポケットフードプロセッサーなるアイテムが登場。*2
なんと中に入れたものを何でもふりかけにできる…ってグルメスパイザーじゃねえか!
どう見てもグルメスパイザーより小型で高性能だが、しまぶーこと島袋光年先生が狙って笑いを取りにいったのか偶然の一致なのかは不明。

グルメスパイザーその販促の歴史


  • 10話「無敵の領域を持つ男!その名はサニー!」
宝石の肉(ジュエルミート)」編の開幕と同時にグルメスパイザーの歴史も始まる。
黒草にココアマヨネーズ(ココマヨ)をかけて食っていたトリコが更にもう一味足そうとリュックから唐突に取り出したのが初登場。
見たことないポータブルスパイス調理器だとにトリコは飴玉みたいな謎の食材*3ポン!クラッシュクラッシュ!してココマヨをかけた黒草にパッパッパ!する。
するとトリコが「欲しいならやるぞ」「料理人のお前が持ってる方がいい」と小松に渡し、小松は礼と共に「これでトリコさんに美味しい料理を作っちゃいます」と受け取る。
小松が出所を尋ねるとトリコは「知らないけど研究室に置いてあった」と答え、リンが「多分研究中の試作機だし」と補足、ティナが「勝手に持ってきていいの?」と疑問を投げかけたとこでこの回の出番は終了。

なお小松はグルメスパイザーを初めて見た際「見たことないポータブルスパイス調理器…グルメスパイザーですか?」と言っている。
第18話でもモブのシェフに「そのグルメスパイザーは何ですか?初めて見ました」という台詞があることから、どうやらアニメ版『トリコ』の世界では「ポータブルスパイス調理器」全般を「グルメスパイザー」と呼び、特に小松の持っている腕型のものは珍しい形状であるらしい。

  • 12話「魔のゲーム!デビルアスレチックをクリアしろ!」
いにしえの沼地を越えたサニー&小松組がこれまた唐突に菓子の樹というグルメスパイザーの販促のために作られたとしか思えない樹を見つけ、
小松はここでマッシュルームフォレストで採取したフカヒレタケを皿に盛ると、
「腕のパーツを外して、菓子の実を入れます。再び腕のパーツを取り付けたら、レバーをしっかり持って、二種類の実を潰し……(劇中のセリフ原文ママ)」
やたら丁寧にグルメスパイザーの使い方を呟きながらフカヒレタケに菓子の実のスパイスをかける。
皿を持たされていたサニーが小松に勧められるままこのフカヒレタケを一口食すや否や諸手を上げて「ウメェーーーー!!」「プルプル食感キノコに、二種類の味のオリジナルスパイス!二つの味がより調和してるっ↑!ヤバすぎっ↑!キノコの栄養も豊富だし、いい食材だ!これいい!グルメスパイザー、スバラシー!」と絶賛する。(原作のサーロインキノコのリアクションに近い)
その様子に小松は少し引いていた。お前が食わせたんだろ。
余談だが、この回はあまりに唐突なグルメスパイザーのねじ込みもさることながら、デビルアスレチックでリンがスーパーリラクゼーションやサンダーペパーミントを充填するシーンが妙に美少女戦士モノっぽいところもポイント。


  • 15話「強靭なる美学! サニー、男の闘い!」
サニーを残しリーガルマンモスの体内のさらに奥へ進むトリコ一行。
トリコがしばらく何も食べていないことに気付いた小松は、体内に自生していたオレン塩とツクシナモンをグルメスパイザーでスパイス化して何か食材に使ってトリコに食べさせようと考えるが、トリコとリンに急かされそのままに。
少し間を置いての登場だが、出てきただけで何もクラッシュ!クラッシュ!していない。
ここで何か食わせたらスタージュンロボ戦でオートファジー発生しないしね……だがここで登場した食材は17話に再登場する。


  • 16話「リン、最期の願い! 覚醒せよ、超トリコ!!」
スタージュンロボの攻撃の前にリンが倒れ、トリコも吹っ飛ばされ、ティナも行方知れずとなり、腰を抜かしてしまう小松。
散らばった小松の荷物の中にグルメスパイザーを見つけたスタージュンは小松が料理人だということに気付き、グルメスパイザーを放り投げる。
その後は原作通りに小松の命である包丁を持ち去ろうとするスタージュンロボに小松が必死の抵抗で覚悟を見せる。

原作ではこの直後に覚醒トリコがスタージュンロボを初の10連釘パンチで破壊するところまで含めてジュエルミート編屈指の名シーンであり、
この場面に販促をねじ込んだことは原作ファンに多く批判されるところである。
なお、「小松の包丁が存在抹消されグルメスパイザーに取って代わられてる」と誤解している視聴者も少なくないが、実際はグルメスパイザーはポイ捨てされてるし、その後の包丁をめぐってのやり取りはしっかり描かれている。正しい判断というかなんというか…
この誤解が広まったのは、グルメスパイザーを捨てられた時に小松がトリコにこれを託された時のサニーの触覚並にうっすい回想シーンが挟まれたせいで、まるで包丁以上の重要アイテム感が出てしまったせいだろう。
それにしても包丁ならまだしもこんなものでよく小松が料理人と分かったものである。

しかし、後述するブームの中で、販促をねじ込んだことへの批判より、そんなもの知ったことかと言わんばかりにグルメスパイザーを投げ捨てたスタージュンが悪役なのに良心的に見えるという風潮が広まっている。


  • 17話「超トリコ、怒りの拳! これが最強の釘パンチ!」
グルメスパイザー発売翌日に放送の回。
ジュエルミートを無事研究所に持ち帰った一行が実食していると、小松がリーガルマンモスの体内から持ち出したオレン塩とツクシナモンをグルメスパイザーでクラッシュ!クラッシュ!する。
このスパイスをかけたジュエルミートを食したトリコは「カーニバルをさらに盛り上げるサンバのリズムのようだ」と評し、その体はさらに強く発光した。
1年後にアニメEDがサンバになったのもグルメスパイザーさんのおかげじゃないか!

その後のトリコの溜息が「こんな案件受けるんじゃなかった…」というように聞こえるのは気のせいか。まさか中の人のメタ込みなアドリブだろうか


  • 18話「DNAに刻まれた味! トリコ、BBコーンを探せ!」
BBコーン編は原作ではトリコとテリーのウージャングル二人旅が描かれていたが、アニメではグルメサミットに出席のロト共和国ドヘム大統領(グルメコロシアムでベイのGTロボに成り代わられてた人)をホテルグルメで接待すべく食材を探しに小松がウール大陸に向かうサブストーリーが追加されている。なんやかんやでココにサニーにティナに〇ンゲも出てくる。
そして既に玩具が発売されてるグルメスパイザーも怒涛の販促を見せる。
冒頭、ホテルグルメでのシーンに登場。トリコからもらった特別なものと聞かされた小松の部下*4は驚き、
ツクシナモンとパルメ山椒のスパイスをかけた肉料理にウーメン梅田もィ()ンパクトが増したと喜んだ。
さらにココとの別れ際の回想で「失敗しても、その失敗はきっと役に立つだろう」と助言されたことで重要アイテム化する。失敗…別に販促のことではないはず


  • 20話「テリーの為に! 灼熱で弾けろ、BBコーン!」
ティナと共にIGOのヘリでウージャングルに来て、たまたま先に来てたゾンゲとその手下たちと合流した小松。
採取した明太小麦を持参したパルメ山椒とクラッシュ!クラッシュ!してみたが、味見したゾンゲが悶絶するほどに辛い失敗作になってしまった。
しかし猛獣アロエリマキトカゲに襲われた際、ココの台詞を思い出し、口の中でこのスパイスをパッパッパ!したことでアロエリマキトカゲは小松を吐き出し九死に一生を得る。
ついに戦闘面にも出しゃばってきた。
この時のクラッシュ!クラッシュ!しながら「特製旨辛スパイスー!」と必殺技のように叫ぶ小松はややシュール。
確かに失敗が役に立ったのかもしれないが…


  • 22話「狂気の圧力! グリンパーチ対トリコ!」
ドヘム大統領の好物バブリートロにかけるスパイスとして、ウージャングルで採取したウールスターソースの実と、トリコが持ち帰ったウール火山灰をクラッシュ!クラッシュ!
この一品により接待は成功、法案が無事に可決したことで、グルメスパイザー主役回とも言えるアニメ版BBコーン編は幕を閉じる。


  • 23話「食事の遊園地! 満腹都市グルメタウン!」
トリコがグルメタウンの屋台で串ごと買った怪鳥ゲロルドのケバブに、小松がウールスターソースの実をパッパッパ!したことで、トリコは屋台と同じくらいのサイズという原作よりはるかに巨大なケバブ串をあっという間に完食してしまった。
大きさから考えたら絶対スパイスの量足りてない。
その後グルメデパートで大量に売れ残ってるシーンが出てくる。

そしてこの後25話「出会いの酒場! 群雄割拠の美食屋達!」から新アイテム「グルメスティックセンサー」の販促期間に入りグルメスパイザーは姿を消した。
小松がこのお荷物をアイスヘルまで持って行ったのか節乃にでも預けたのかは不明

グルメスパイザー、発売!


そんな多くの販促と皮肉を経て、2011年7月30日。グルメスパイザーは満を持して発売されてしまった。
定価2200円(税込)。

使い方はアニメでもやたら丁寧に描写された通り、

1:お菓子をグルメスパイザーにポン!と入れる
2:レバーをピストン運動させて、お菓子をクラッシュ!クラッシュ!する
3:粉砕したお菓子をパッパッパ!とパスタ、サラダ、ご飯などに振りかける

というシンプルなもの。みんなもグルメスパイザーで料理をアレンジしよう!
なお、アニメでは握りこぶしが開いて手のひら形になり、そこから光と一緒にスパイスが散らばるが、玩具では握り拳の第二関節と第三関節が蓋になっておりこれを外して振りかける。

だが、グルメスパイザーを語る上で外せないのはやはりやたらノリのいいCMだろう。
この項目の冒頭にも全文書かれているポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!というフレーズをドラムとギター演奏に乗せたCMは大きなお友達の中でもかなり話題になった。
えっ観たことない?今すぐ「グルメスパイザー CM」で検索して観てこい15秒で分かるから。
アニメ本編のゴリ押しの強烈さとこのCMのお陰で、当時の視聴者の間でグルメスパイザーはネタアイテムとしてそれなりに愛されていたのであった。

グルメスパイザーの評価

肝心のグルメスパイザーの評価であるが、子供たちはともかく 保護者からの評判が悪い
グルメスパイザーはスナック菓子という脂っこい食品を扱う性質上、一度使うたびに分解&丸洗いが必要である。
だが、この玩具なぜか異常に部品数が多く、分解するとなんと 19パーツ になる。
そのため、子供がポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!するたびにお家の方がいちいち 19パーツ に分解し、 19パーツ を洗浄し、 19パーツ を再度組み上げなくてはならない。
え?子供にやらせろ? 難しすぎて無理だよ。そもそも子供向けなのになんでこんなに複雑なんだよ。
この有様なのにバンダイ公式サイトでは「簡単丸洗いOK!」と紹介されている。簡単とはいったい…

あと親がお堅い性格だと(どんな形であろうが)そもそもお菓子を料理にかけて食べること自体おかしい・許してくれないという場合もあったのではないだろうか。

また、グルメスパイザーは意外と強度がなく、ポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!できるのは概ねスナック菓子、せいぜいクラッカーくらいの硬さのものが限度。
せんべいなどをポン!するとグルメスパイザー!クラッシュ!クラッシュ!するぞ!
わざわざ取説にもせんべいは入れるなとか書いてあるし。
「ばかうけ」程度の硬さで壊れたとの報告もある。

ちなみに、バンダイのライバル企業のタカラトミーが全く同じコンセプトの商品「おかしなフリカケ」をグルメスパイザー!よりもっと前に発売している。二番煎じでは?
こちらも丸洗い可能だが、こちらは3種の替刃含めてもパーツ数5つなので簡単に分解洗浄できる。そこは真似しろよ。
グルメスパイザーが「ピストンを前後して菓子を粉砕する」のに対し、おかしなフリカケは「プラスチック製の刃を用いて胡椒挽き機のように回してすりつぶす」仕組みであり、この点が部品数に致命的な差を生じたようだ。
グルメスパイザーは対象年齢8歳以上、おかしなフリカケは15歳以上であり「グルメスパイザーは対象年齢を下げたせいで刃をつけられなかったのでは?」とグルメスパイザーを擁護する声もある。
…が、後述する「ふりかけメーカー」は対象年齢8歳以上で刃がついているため、刃がついていないのは対象年齢の問題ではないようだ。

なお、おかしなフリカケはせんべいも砕ける。
「複数の菓子をミックスしてスパイス(?)にする」という面白調理アイテムとしての機能もおかしなフリカケに負けている。
さらにおかしなフリカケは定価1260円、大きさも高さ半径共に約90mm前後と片手でも持てるサイズであり、全長約260mmのグルメスパイザー!とは比べるまでもなく扱いやすい。

えっ、グルメスパイザーを買っちゃったけど、せんべいをポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!したい場合はどうすればいいかって?

いやね、最初からこれ言おうと思ってたんだけど…


手で砕けば良くね?

ちなみにグルメスパイザーザーにも手(?)が付いているのでそこで砕いた方がクラッシュ!クラッシュ!するよりもいいと思われる*結論
…という訳で、このグルメスパイザー
  • アニメでは浮いている
  • 耐久性がない
  • 死ぬほど洗いづらい
  • 圧倒的に優れた先駆者がいる
  • そもそも手でいい
  • 褒められるのはCMのノリだけ
  • 完全上位互換がいる
という、なんとも微妙感のただようアイテムなのであった。

「お菓子を使って子供が新しい料理を開発する」というコンセプトは、かつてコミックボンボンで連載されアニメ化もした漫画『OH!MY!コンブ』に近く、子供と料理を結びつける上でド定番である。
また、『トリコ』放送終了から数年後、バンダイは『ポチっと発明 ピカちんキット』の関連商品としてほぼ同じコンセプトの「ふりかけメーカー」を販売しており、グルメスパイザーのコンセプト自体は決して悪いものではなかったことがうかがえる。
原作付きアニメでやるにはあまりに販促が浮いていた事、玩具としてのビジュアルと調理器具としての機能を両取りしようとして結局どっち付かずになってしまった事(と、やたらテンションが高くて耳に残るCM)が、ネタアイテムとなってしまった主因であろう。

『トリコ』は主人公はじめほとんどのキャラクターが徒手空拳で戦う漫画であり、劇中のバトルと絡めた玩具が非常に出しづらい。
スポンサーがバンダイである以上玩具を売らなければならないので、このようなアイテムを出すことはある程度やむを得なかった面はある。
その後もバンダイは2011年10月に「グルメスティックセンサー」2012年8月に「ペロットリーダー」と劇中アイテムの玩具化を続けたが、幸か不幸かあまりこの路線は芽が出なかったようで、その後は2014年3月の放送終了まで販促アイテムがアニメに登場することはなかった。

余談

Amazonのレビューではこのグルメスパイザーの長所と短所をユーモアを交えながらかなりの長文で真剣にレビューしている猛者もいたりする。
既に手にしてしまった方もこれから購入する人もネタアイテムとして見てる方も是非一度見てもらいたい。

2011年9月16日、テレビ東京の「サキよみ ジャンBANG!」でこのグルメスパイザーを使用した料理バトルの模様が放送された。

あろうことか他局の番組であるヒルナンデスに話題の商品として紹介されてしまった。
スタジオの空気はお察しください。

ちなみに『ピカちんキット』の「ふりかけメーカー」は結構売れたようで、『クレヨンしんちゃん』とタイアップしたチョコビカラーが存在する他、同形状ながら中の部品を取り換えた事でグミを作れる「グミグミメーカー」などバリエーションも多い。
また部品数は10点未満とグルメスパイザーの19パーツから大幅に簡略化された。
グルメスパイザーの反省が生かされたのだろうか?

菓子粉砕機業界はバンダイ・タカラトミーの2社寡占かと思いきや、亀田製菓がオトナ向け商品を販売している。
その名も柿の種専用ふりかけマシンFURIKAKIX(フリカキックス)。グルメスパイザー以上に用途が狭い謎アイテムである。

更に、100円ショップのダイソーからも「ふりふりチップス」というスナック菓子を砕いてオリジナルのふりかけを作る同じコンセプトのアイテムも発売されている。
これに関しては、煎餅やアーモンドも簡単に砕ける上にパーツも二つだけで分解洗浄も簡単。手で砕くよりも細かく綺麗に砕ける上に、何よりここまで紹介した同コンセプトのアイテムの中でも最も安価でリーズナブルという良いことづくめなアイテムである。
価格が20分の1のアイテムに全てにおいて劣っているグルメスパイザーがショボいのか、価格20倍のアイテムを軽く上回るふりふりチップスが凄いのか…











そして時は流れて2020年の秋。
既にトリコはアニメ、原作共に過去の遺物となりグルメスパイザーの存在も忘れ去られたと思われていたある日…

そいつは突如としてブームを巻き起こした!

空前のグルメスパイザー!ブーム

Twitterを中心に空前のグルメスパイザーブームが巻き起こった。
原因については一説によると、DX日輪刀のCMが放送された時期と近いため、そちらから連想された可能性が高いと思われる。
グルメスパイザーを小馬鹿にするツイートや、ネタなのか本気なのか大絶賛するツイートがここぞとばかりに大量に投稿され、
メルカリで不良在庫と化していたグルメスパイザーは飛ぶように売れ、
挙げ句の果てには「あの頃買っておけばよかった」とまで言われる始末。おいバカやめろ早まるな

グルメスパイザーのあまりの使い道のなさにネット民が爆笑し、すぐさま「グルスパ」「プラゴミ」といったあだ名ができ、
トリコ連載終盤当時に流行ったコピペ*5がなぜか再び流行り、
はたまた(グルメスパイザーと関係ない)トリコのOPを改変した 「釘を食えトリコ」 も流行るなどと、ブームに乗って派生ネタも多く生まれた。*6

Twitterはグルメスパイザーの宣伝写真やCMのキャプを使ったコラ画像で溢れ返り、
9年前にYouTubeに投稿されたはずのCM動画は1日に視聴回数が数万…酷い時には10万以上も増える異常事態となり遂には100万再生を記録*7
ニコニコ動画では「グルメスパイザー」と検索すると2020年投稿のグルメスパイザーのCMをフリー素材としたコラMADがこれでもかと並び、
どいつもこいつもポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!するというおぞましい凄まじい事態となった。

更に極め付けとして、2020年10月8日のアニヲタwikiの人気ページランキングに於いて、トップページと右メニューに次ぐ3位(よっぽど捻くれたユーザーでもない限りまず最初に見られる場所なので実質1位)に並み居る新規項目を差し置いて2011年に建てられた当項目がランクインするというとんでもない事が起こってしまった。
更に翌日も4位に留まったままであり、その翌日の2020年10月10日に再び3位に返り咲き。更に翌日再び4位となるという、4日連続で人気ページの実質的な1位と2位を行き来するというこれまた異常事態となってしまった。
どうしてこうなった…
続けて16日には閲覧数が10万回を突破、一週間以上も人気ページランキング上位に居座ることに。
どうなってるんだこのランキングは
結局、本項目が人気ページトップ10から落ちたのは10月27日の更新であり、その間じつに18日もの長きに渡ってトップ10に居座り続けていた事になった。丁度この日の近くに同じジャンプ作品の鬼滅の刃の映画が公開され、おそらく無惨様など鬼滅関連のワードが上がった関係でランキングから押し出されたのだろう。
まぁ鬼柱もグルメスパイザー以上にランキングに居座っているが

まさかの9年越しでグルメスパイザーは再評価された……のか?


ちなみに、このブーム以前にも、他の玩具がネットミームになる現象が起こっている。
2019年にはあたしンちの玩具「あたしンちグラグラゲーム」を当時の日本の国債である1103兆3543億円というとんでもない売却価格にしたコラ画像が出回ったことがあり、翌20年4月にグラグラゲームのcmを使った音madが多数作らるなど、グルメスパイザーと似たような広まりを見せた。
ブームに近い時期の20年8月には鬼滅の刃を元にする玩具「鬼滅の刃 DX日輪刀」が発表され、そのニチアサ感あふれるデザイン*8からこちらもネタにされることに。グルメスパイザーと違い原作で主人公達が使う武器がモチーフだが、原作の雰囲気に合わない玩具を無理矢理押し進める点は似てるものがある。ただしこちらは玩具として出来は上々で、子供人気が高まる中全うに需要を満たしているため案外評判は良い。わざわざアニメ内で販促する必要もなく原作通りに進められたことも大きいか。そもそもあまりの人気に原作の雰囲気に合わない商品コラボがそこかしこで頻発していたので今更浮くも何もないのだが
グルメスパイザーのブームもこれら別のミームに触発されたものだと言われることがあるが、憶測の域を出ないため実際の原因は不明。まあネットミームの原因なんて大体はよくわからないものである。

グルメスパイザーブームは他作品にも波及。
おそ松さん3期の10話ではなごみ探偵おそ松がグルメスパイザーを使用するシーンが登場。
円満解決!閻魔ちゃんではエマがグルメスパイザーで粉砕した菓子をカップラーメンにかけて食べている。


とはいえ、流石に数ヶ月も経てばブームも落ち着いていった。
……今度は22年前に発売されたマイナークソゲーがYouTubeから似たような流れで一躍大ブームとなったのはまた別の話。ポン!クラッシュクラッシュ!パッパッパ!グルメスパイザー!



かくして、10年越しのブームも完全に過ぎ去り再びグルメスパイザーは過去の産物に戻った…



……かと思われた。



しかし、ヤツは不死鳥のように再び蘇った!!



まさかのブームから数年が過ぎた、2023年7月
何の前触れも無しにその情報は突如告知された。


Twitterトリコ公式アカウント
\ガッツガッツリガッツ!!/
  どんな夢も食える
菓子粉砕器『グルメスパイザー』が
お昼寝クッションになって新登場だ!!
(原文ママ)


バンダイでは無く、ムービックからグルメスパイザー型のクッションが発売決定された。
もはや菓子粉砕要素なんて影も形も無いとか言ってはいけない

案の定、Twitterは予想外の展開に大いに盛り上がり、再びグルメスパイザーがトレンドに躍り出るという異常事態が数年越しに訪れた。

なお、完全受注生産で1万2千円

どうしてこうなった…


しつこいようだが、グルメスパイザーは原作には一切出てこない。
公式アカウントからグッズが宣伝されてはいるが原作には1ミリも存在しない。





追記!修正!修正!パッパッパ!
アニヲタWiki!!!
シャカシャカシャカシャカ

この項目が面白かったなら……\ポン!

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最終更新:2024年04月20日 20:08

*1 とはいえ日曜朝に3年も放送を続けており、メイン視聴者層であろう小学生はちゃんと観ていた事を補足しておく

*2 アニメ10話放送が2011/6/5、ポケットフードプロセッサーが登場する原作144話の掲載されたジャンプの発売が2011/6/13

*3 トリコいわくサクサクのスナック類。普通スナック"類"とは言わないので、「スナックルミ」もしくは「スナックの実」の空耳である可能性大

*4 この時の問答から、料理人でもグルメスパイザーが使われていること、そして物珍しそうな言い方からそこまで流通していないことが窺える。

*5 最終回が「暴走したトリコを小松が泣きながら調理する」という、明らかにおかしい内容の嘘バレネタ

*6 ちなみにしまぶーの次回作『ビルドキング』では、主人公が第一話で釘を食うシーンがある。(正確には単なる釘型のチョコ)このネットミームを基にしたのかは不明。

*7 アップから8年半かけて2万再生ほどしかなかった動画がそこから僅か半月で100万再生を超えたと言うとその異常さが分かりやすいはず。

*8 というかニチアサでCMを打っていた。