ホーム・アローン2

登録日:2010/12/25(土) 02:01:56
更新日:2023/12/24 Sun 21:16:14
所要時間:約 9 分で読めます




1992年に公開されたアメリカの映画。
監督はクリス・コロンバス。

前作ホーム・アローンの直接の続編で、主だったスタッフやキャスト(端役の親戚に至るまで)がそのまま続投している(理由は不明だがケビンの長姉・リニー役のみ交代している)。

【概要】

この頃のファミリー向け映画によくある、「2作目は前作の流れを踏襲する」パターンが出ており、
クリスマスにひとりぼっちになってしまう、クリスマスを台無しにしようとする泥棒との戦いといった大筋から、
目が合うと思わず逃げ出してしまう怖い人、影絵トラップ、ビデオトラップなど細かいところでも前作の要素が再び使われている。

ただし今回はケビンの成長要素は前作より少なめで、ドタバタ痛快コメディバトル要素が強くなっている印象を受ける。
またケビンが親のクレジットカードを分かった上で悪用・豪遊し、それに対し至極正当な対処をとろうとするホテル従業員から悉く逃げているのも本作の評価を下げる要因となっている。

興行収入は前作より若干落ちたものの、こちらも娯楽大作として評価は高い。

作中、ケビンが在りし日のワールド・トレード・センターの屋上に登るシーンがある。
そのせいか、アメリカ同時多発テロ翌年に本作が放送された際はその辺りのニューヨーク観光シーンがカットされた

吹き替えではハリー・ライム役の青野武とE・F・ダンカン役の宮内幸平はトップハムハット卿の声優を務めており、ハット卿同士の競演となった。


【あらすじ】


前作から1年。
マカリスター家はフロリダでクリスマスを過ごすことになっていた。
去年に続いて再び寝坊騒ぎになり、今回はケビンもふくめて全員無事出発したものの、
空港で急ぎで慌てていたのがたたってか、ケビンだけがニューヨーク行きの便に乗り間違えてしまう。
憧れの大都会ニューヨークに着いたケビンははぐれてしまった事も開き直って大はしゃぎ。

しかし時を同じくして、刑務所を脱走したあの泥棒コンビがニューヨークにやってきていた……



【主な登場人物】


前作から引き続き主人公。
クリスマスツリーの無いフロリダでのクリスマスを渋っていた。
相変わらずと出発前夜にバズと喧嘩し意地を張って屋根裏行きになるが、
家族に面と向かって言い返したり、屋根裏送りになっても出発に遅れないなど、言われっぱなしだった前作より成長の兆しが見える。
買ってもらったばかりのボイスレコーダー遊びに夢中になっている(このレコーダーは映画オリジナルの小道具だが、後に実際に商品化された)。
本作では空港に急いで向かう際、レコーダーの電池を慌てて入れ換えてるうちに家族を見失い途中で父親と似た人物の後姿を追ってしまったため、1人誤ってニューヨーク行きの飛行機に乗ってしまう。
そこで運悪く泥棒コンビと再会してしまうものの、立ち寄ったおもちゃ屋で病気の子供たちに寄付される大金を狙う泥棒コンビに正義怒りを燃やし、再び戦いを挑む。

  • ハリー・ライム(演:ジョー・ペシ)
泥棒コンビの1人。
前作でマカリスター家とその周辺の住宅街で空き巣を働き逮捕されるも、今作で刑務所暴動に乗じて脱走した。
脱走してすぐに大金を入手する計画をたてたり、ケビンのトラップにも用心深くなったりと頭脳派だが、やはり短気な性格が災いし、次々とトラップに引っかかる。
頭上の注意力が弱い。
前作の苦い経験からか、目先の金よりもケビンへの復讐を優先させようとする。
ちなみに実は小学校中退。
去年に頭にが付いて感覚が麻痺してしまったのか(ヤケドの後遺症?)、頭に火がついているにも関わらずを見るまで気づかなかった。

  • マーヴ・マーチャント(演:ダニエル・スターン)
ハリーの相棒。
相変わらず頭が悪く、騙されやすい性格。
今回はくっつき泥棒に鞍替えし、手に粘着テープを巻きつけて寄付の小銭や通行人の防寒具をかすめ取っている。その手癖は完全にスリのプロである。
前作以上にバカさに磨きがかかっているのでケビンのトラップに次々と引っかかる。足下の注意力が弱い。

  • 鳩おばさん(演:ブレンダ・フリッカー)
ニューヨークの公園によくいるホームレス。名前は不明。
鳩を身にまとわりつかせており、その不気味な人相とフンだらけの服からケビンに怯えられる。しかし実際は優しい人。
以前は家族もおり、職にも就いていたが、付き合っていた男から捨てられたことが原因で他人を信じられなくなり、いつのまにかホームレスにまで落ちぶれてしまったという。
ケビンと語り合ったことで人を信じる心を取り戻し、最初の一歩としてケビンと友達になるのだった。

  • ヘクター(演:ティム・カリー)
ニューヨークのプラザホテルのホテルマン。
弱いものに強く、強いものに弱い典型的なヘタレ。
勘が鋭く、1人でホテルに来たケビンを一目見て怪しみ、ケビンが親のクレジットカードを悪用して泊まっている証拠をあの手この手で突き止めようとする。
アニメに負けない顔芸と、「ピッツァ☆」の印象的な発音の持ち主。
ケビンを捕まえようとして独走した結果、夜の治安最悪なニューヨークに子供を放り出す大失態を犯してしまい、ママのビンタを食らって涙目になる羽目に。
なお顔が似ている殺人ピエロや、タイムマシンで過去改変したら変な感じの日本?に攻められたソビエトの書記長とは関係ない。念のため。

  • セドリック(演:ロブ・シュナイダー)
プラザホテルのベルボーイ。
チップ大好き。
でも貰ったのは噛んでないガムと噛んだガム。

  • ストーン(演:ダナ・アイヴィ)
プラザホテルのフロント係の女性。
仁王立ちするも、ケビンの股下スライディングくぐりに敗れる。
ちなみに外見が似ているためしばしばマクゴナガル先生役の人と間違えられるが、そちらの演者はマギー・スミスであり、別人である。

  • クリフ(演:フレッド・クラウズ)
プラザホテルの警備員。
ヘクターのおホモダチではない。

  • E・F・ダンカン(演:エディー・ブラッケン)
ニューヨークにある大型玩具店「ダンカンのオモチャデパート」のオーナー。
オーナーでありながら自らレジに立ちケビンに丁寧に接客したり、クリスマスイブの売上を全額病気や恵まれない子供たちに寄付する子供好きの優しい大人。

  • ピーター・マカリスター(演:ジョン・ハード)
ケビンの父。
今回の寝坊の原因はこの人。旅行前夜、誤って目覚まし時計の電源プラグを抜いてしまった。
財布をケビンに渡したままはぐれてしまったため、現金やクレジットカードがケビンにニューヨークの滞在費として使われる。
ホテルのルームサービス分だけで967ドル(当時のレートで約12万円相当)、
さらに街でのお買い物でも約33ドル(&後でケビンが立て替える予定の20ドル)は確実に使っており、
その他タクシー代や観光費などを含めると恐らく1100ドル近くは使い込まれている。
まあケビンのおかげでプラザホテルでの宿泊費はチャラになっているし、ダンカンさんから贈り物を貰ったのだが。

  • ケイト・マカリスター(演:キャスリン・オハラ)
ケビンの
前作の件からか多少はケビンに理解を示すようになったが、やはり感情的になりやすい。
ヒステリー癖も相変わらず。

  • バズ・マカリスター(演:デヴィン・ラトリー)
のケビンをおちょくる癖は相変わらずで、クリスマス会での合唱でケビンにイタズラしたため、ケビンからの反撃でクリスマス会がおじゃんになるも、反省している振りをして親たちを騙す口達者なところも見せる。
そんな彼だが、終盤においてはケビンを褒めるシーンがあり、彼なりにケビンのことを想っていることが感じられる。

  • フランク・マカリスター(演:ゲリー・バンマン)
ピーターの兄。
相変わらず一家揃って旅行についてきており、今回は公然とケビンからタカリ屋呼ばわりされた。
空気の読めないダメな大人なのも相変わらず。
風呂場ではシャワーを浴びながらノリノリで歌っていた。
自分の下半身の大きさに自信を持っているのか、ケビンに「お前が自信を無くすから風呂を覗くな」と忠告した。

  • フラー・マカリスター(演:キーラン・カルキン)
フランクおじさんがいればこいつもいる。
おねしょ癖がまだ治っていない上に、コーラ中毒が悪化してコーラが手離せない。
まだサンタを信じているお年頃。

  • ブロンズ像
無事スルーされたかと思いきや、ついにご臨終された。

  • ジョニー(演:ラルフ・フーディー)
ケビンが部屋で見ていたバイオレンス映画に登場する、相変わらずのトリガーハッピーなマシンガンジャンキーで、愛人とヘクターに尻軽疑惑をかける。
「血だらけのメリークリスマスだ、いい年がくるぜ」

  • ロブおじさん
ニューヨークに住んでいるケビンの伯父。劇中には出てこない。
ピエロの浮き具をプレゼントするセンスのない祖父母やドケチなフランクおじさんに比べると、お小遣いをくれる気の利いた親戚らしい。
自宅を改装中なため留守にしており、そこをトラップハウスに改造された。

  • ロビーを通りかかった紳士(演:ドナルド・トランプ)
プラザホテルに入ったケビンにフロントの場所を尋ねられ、その場所を教えてあげた。出番数秒のチョイ役。
後のアメリカ合衆国大統領にもこんな下積み時代が・・・! というわけでなく、
トランプ氏は当時プラザホテルのオーナーだったために実現したカメオ出演。
監督によれば「私を出さなければホテルを使わせない」と言ったんだとか。


【ケビンの仕掛けたトラップ】

今回は設置に3時間かかっており、泥棒撃退中に平行して仕掛けたものもある。

  • オモチャ屋の前に即席シーソーを置く
  • ビルの屋上から1階の泥棒目掛けて赤レンガを連続で投げつける
  • 玄関にステープルガンを仕掛ける
  • ハシゴに潤滑ゼリーを塗り飛び乗った瞬間滑落させる
  • 玄関の扉を開けてすぐの、吹き抜け状態の大穴をふさいでいた板を取っ払った落とし穴
  • 裏口の上に重い金属工具のぎっしり入ったバッグを仕掛け、扉とロープで連動させ中身が落ちてくるようにする
  • 地下室に潤滑液を撒き滑らせる
  • 水道の蛇口に発電機を接続し感電させる
  • 電球のスイッチにガスバーナーを連動させる、消火に使わせると見せかけて便器に引火性の液体を満たしておく
  • 屋上から石灰袋に繋げたロープを垂らし、体重をかけると落下してくるようにする
  • ハシゴに切れ込みを入れ、大人の体重で折れるようにする
  • ペンキ缶に紐をつけて投げる(前作同様)、避けて油断した所にロープをつなげた鉄の配管を投げる
  • 更にそのロープを切って配管を落とす
  • 階段に通じる扉のノブに、階段の上に置いたキャビネットを繋げる
  • 屋上から灯油を染み込ませたロープで脱出、そのロープで追ってきた所にマッチで火をつける
  • ロープからの落下地点にペンキ缶を積み上げる

……などと、前作よりも全体的に殺意がマシマシになった。
これで死なないとかターミネーターかよ、ハリーとマーブ。
その後運悪く転んだケビンを捕まえ公園まで連れていくも、これまでのドタバタで持っていた拳銃が使い物にならず、
その場に現れた鳩おばさん(+多数の鳩)の支援攻撃を受け、ハリー達は文字通り鳩の餌となり、事前にケビンが通報していた警察がかけつけ御用となった。


前作の撃退劇は当事者以外誰にも知られることはなかったようだが、
今回は警報を鳴らす為に仕方がなかったとは言えダンカンの店の窓ガラスを壊してしまい、その事に対する謝罪の手紙を残しておいた事から、
ケビンの活躍がダンカンの知ることとなり、
(どういう経緯でケビンの滞在先を知ったかは不明だが*1)クリスマス当日にダンカンさんからお礼のクリスマスツリーとプレゼントが贈られ、
ケビンはダンカンさんから聞いていた話を思い出し、命の恩人となった鳩おばさんに鳩の模型をプレゼントし、友情の印とするのだった。

【余談】

ホーム・アローンシリーズはこの後5まで作られるが、3と5はマカリスター家とは無関係の物語となっている。
4は本作の後日談となっているが、旧作から俳優陣が一新されているため、3がわりと好評だった事を考えても正直マカリスター家に設定する意味はあったのか謎な作品である。




追記・修正は泥棒からおもちゃ屋を守ってからお願いします。

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最終更新:2023年12月24日 21:16

*1 手紙がプラザホテルのメモ用紙に使われていたことから、そこにケビンが宿泊しているという可能性が高いと思われる。