北朝鮮によるミサイル発射実験(2012年)

登録日:2012/04/13 Fri 21:13:21
更新日:2023/11/05 Sun 17:10:37
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北朝鮮によるミサイル発射実験(2012年)









朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)政府が、平壌時間の2012年4月13日(金)午前7時38分55秒にて国連決議に違反してまで行った実験。


北朝鮮西岸の黄海に面したトンチャンリ(東倉里)ロケット発射台から、人工衛星と称する事実上の大陸間弾道ミサイルを打ち上げたというもの。
「違反」と先述した通りこれは国際社会の要請を無視して行われている。

なお、ロケットは打ち上げて1分程で爆発した後、空中分解を引き起こし韓国西方沖の排他的経済水域内に落下した。
このミサイル発射にかかった経費約300億円が海の藻屑となった瞬間である。


表面上では2012年2月にアメリカと北朝鮮による合意がなされ、ミサイルの開発と発射の凍結、核開発の凍結が取り決められて、
北朝鮮はこの条件を飲む代わりにアメリカから「カロリーメイト」的な補助食品の提供を受けると約束していたのである。

しかし、合意から10日も経たないうちに(勿論、指示である)、北朝鮮は「2012年4月12日から16日の間に、人工衛星を打ち上げる」と発表。

その結果、日韓と北朝鮮が対峙することとなった。更にロシアまで非難を強め、北朝鮮は孤立を深めてしまったように見え、作戦は成功。



ところで、北朝鮮の国内ではこの実験に際して多数の外国人関係者を招待していた為ミサイルの打ち上げ成功を確信していた。





実際の実験結果は先述した通りであった。打ち上げから1分後、一段目のロケットを切り離そうとしたあたりで燃料に引火して爆発、
韓国の西の海上に墜落してしまったのである(韓国国防省とアメリカ軍調べ)。





北朝鮮側はロケットを打ち上げる4日前、西側東側問わず、各国メディアにロケット本体と、搭載する衛星を見せていた。


が、


  • まだ衛星を積んでいないのに、搭載するはずの先端にカバーがかかっていた
    (二度手間でしかない)

  • 公開されたロケットの部品がその辺で売っている螺子で止められている

  • 公開された衛星にあるはずのカメラがなかった他、ボルトがやはりその辺で(ry


…と、突っ込みどころ満載のミスやら恥を晒し、各国の宇宙開発の責任者から失笑を買った。


使用したエンジンはノドンミサイルを束ねて推力を上げた単純なものだったらしい。一応、イランからの技術提供を受けていたはずだが、無残な結果に終わった。


一方、近場ということで緊迫状態にあった日本政府の話。

北朝鮮から(人工衛星という名目だが)ミサイルが発射された場合、危険が及ぶ可能性がある沖縄県宮古島と石垣島に一報が入るはずであった。

しかし事が起こってみれば早い段階でミサイルが爆散してしまった為、政府は不要と判断し各島に連絡をしなかったという。

これについては石垣市と宮古島市が激怒、沖縄県を通じて、経緯を説明するよう政府に求めた。
官房長官は「日本に飛来しないとわかった段階で、情報は原則流さない」と釈明したが、「今後、連絡伝達方法に問題がなかったか検証する」とした。



ここからは余談。


平壌に呼ばれた各国報道陣は、朝鮮中央テレビで打ち上げの失敗が伝えられたあと、現地の責任者からツアーの参加を呼び掛けられたが、

「行き先は私達でもわからない。場所は平壌からとてつもなく遠いところとしか聞いていない」

と言われ、各国メディアが「それは命を奪うということなのか」と詰め寄った為に、平壌の責任者が右往左往する事態となったという。


その後、行き先は金日成首席と金正日総書記親子の銅像の除幕式であると伝えられ、報道陣はずっこけたという。


韓国の排他的経済水域内に落下した為、事件後は韓国海軍と在韓米軍がミサイルの破片の捜索に当たっている。
しかしこれに対し、北朝鮮は「回収したら宣戦布告とみなす」と述べているという。
とはいえ国際海洋条約で「自国から二百海里内に漂流するゴミ及び遺失物は、回収、廃棄または落とし主への返還を行う権利がある」と決まっている以上、
北朝鮮の言い分はやや過剰なきらいがある。
無論ミサイルの破片は北朝鮮のものなので、「速やかに返してくれ」と他国に要求する権利も北朝鮮にはあるのだが。


インドネシア元大統領スカルノ氏の妻である、タレントのデヴィ夫人によると、
平壌の人々は今回の打ち上げ失敗を「失敗」とは言わずに「自爆」と言っているという。
原因は専門家が調査しているようだとしているが、「自爆」であれば、調査する必要はないため「誘爆」という表現の方が正しいのではないかと、夫人は語っている。




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最終更新:2023年11月05日 17:10