カイガラムシ

登録日:2011/04/10(日) 05:07:54
更新日:2021/10/03 Sun 23:14:59
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カイガラムシ
カメムシ目・ヨコバイ亜目・腹吻群・カイガラムシ上科に属する昆虫の総称。
身近なとこではアブラムシなんかに近い種。

熱帯・亜熱帯を中心に分布し、基本的に植物のある地域に見ることができる。
というよりも植物があるならば、何らかのカイガラムシも居ると考えて良いぐらいの分布・繁殖力を誇る。

基本的には植物に針のような形状の口を射し込み、養分を吸って生活する。
その為か色々な部位が退化し、虫としては珍しく一生の大半をほとんど動かず過ごす種も多い。
ただそれらにしても、少なくとも最初期の幼虫の間は餌に移動するために動けることが多く、
その後動けなくなっても、交尾などの都合で雌雄のどちらかが成虫になると羽や足が生えたりするなど、全体通して全く動かないわけではない。


これらの特性からかどちらかの性別の成虫はほぼ交尾のための形態で、寿命が数時間~数日と言った種が多い。


また、ロクに動けないのはカイガラムシ全体の中では一部の科で目立つ程度であり、
積極的に動こうとはしないだけで動ける種も意外と多い。
動けそうかどうかは大抵見た目で分かる。


動けないカイガラムシに関しては根絶は難しくとも、餌を離すなり餌ごと切り落とすなりすればそれで死滅する。
特にこれらの種は無理やり引きはがすと口(口吻)が植物側に残り、やはり死んでしまうというケースが多い。
一方、動けるカイガラムシの場合は言わずもがな、これらだけでは対策は不十分で別の所に移ってしまうことが多く、
植物保護の観点からすると非常に厄介な存在である。

しかも農薬に強い種が多い上に積極的に狩る虫が少なかったりして、これまた実に厄介。






植物から養分を吸っているため、必須養分(リンとか色々)を摂取しようとすると、どうしても糖質・水分が多くなってしまう。
そこで、体内で糖質だけをろ過して蝋みたいにして体外に出している。
それが固まると貝殻のように見えることから、カイガラムシと呼ばれている。
なおこの殻には排泄物も含まれている。
以上のことを踏まえた上で

以下食事中注意








この殻、甘いのだ。
甘露と呼ばれている。
旧約聖書に出てくるマナという名の食べ物はこれらしい。
まぁ糖質が主成分だから当たり前だけど。

以下さらに閲覧注意










突然だが、
コチニールという赤色系色素をご存知だろうか。
現在、ジュースや酒、お菓子から加工肉、口紅にいたるまで、多数の製品に使われている。
ph値で発色が変わるが、赤やオレンジ、黄色っぽい着色された食べ物があったら、添加物表示に高確率で「コチニール色素」とか「着色料(コチニール)」とか書いてあると思う。商品名としてはカルミンレッドKとかナチュラルレッド4とか言われる。
気が向いたら調べてみて欲しい。



………実はこの色素、

天然由来

である。



天然と聞くと何だか良さげに聞こえるが、ホントのことを言おう。
コチニールとは、コチニールカイガラムシの名前からつけられた名なのだ。
他にもラックカイガラムシやケルメスカイガラムシなども使われる。

作り方は簡単。

コチニールカイガラムシのメスをすり潰して乾燥させる。

まぁ現在使われているのはすり潰して干した後に煮たりしてコチニールを抽出してるから。
安心してほしい。
ちなみに色素を絞ったあとの虫の死骸は家畜の餌になる。結局間接的には俺らの口に入るんじゃないか
ただ昔はそのまま布の染色などに使ってたらしい。
さらに金と同じ価値だったらしい。


追記・修正はコチニール食べてからお願いします。


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最終更新:2021年10月03日 23:14