ライディングデュエル(遊戯王)

登録日:2010/02/24(水) 18:54:58
更新日:2024/03/21 Thu 01:23:03
所要時間:約 12 分で読めます





『デュエルモードオン、オートパイロットスタンバイ』

「「ライディングデュエル! アクセラレーション!!」」



ライディングデュエルとは遊戯王5D'sに登場するデュエル方式である。


遊戯王5D'sでのライディングデュエルの概要


「D・ホイール」と呼ばれる、ライディングデュエル用のバイク型デュエルディスクに乗って走りながら行う非常に危険なデュエル。
その危険性については作中でも認識されているようで、ライディングデュエルを行うにはライセンス(免許)が必要となっている。
そうしたD・ホイール乗りのことは「D・ホイーラー」と呼ぶ。
なお、ライディングデュエルが行われる際には専用のフィールド魔法《スピード・ワールド》が発動される。詳細は後述。

おい、(普通に)デュエルしろよ」と突っ込むのは御法度。
(一応、D・ホイールに乗らないで行う「スタンディングデュエル」をする時もある)

作中ではネオドミノシティの他、世界中で流行している人気のデュエル方式であることは盛んに描写されるが、「バイクに乗ってデュエルする意味」は作中で一度も説明されていない。
単純に面白いからなのか……まあ、このアニメのジャンルは「遊戯王」だから。
一応、モーメントのエネルギーを最大限発揮するためという理由があるらしいが…。

一応、基本はオートパイロットになっており、深影さん曰く「通常のライディングデュエルでは絶対に事故は起きない」との事。

だがしかし、描写の都合上事故が発生する事はよくある。
初めて事故を起こしたのはフォーチュンカップ決勝戦でのジャック・アトラス。さすが元キング。

その後もジャックはライディングデュエル中にしょっちゅう転倒している。不動遊星クロウ・ホーガンが重傷を負った事もあった。
他にも、勢い余って道路から飛び出したり、転倒したりといった事故はしょっちゅう発生し、怪我をする事は多い。

つまり、通常じゃないライディングデュエルが通常のように行われる
逆に通常のライディングデュエル自体はほとんど皆無。
というか、牛尾さんの試験でのセリフからすれば「物が落下するぐらいでは事故にすらならない」という事に……。
まあこれも死と隣り合わせな、一種の「闇のゲーム」なのかもしれない。

余談だが、現実におけるスキーのジャンプなども重傷者が出ても競技が続行されるスポーツなので、
上記の牛尾さんの言葉が現実に全く則していない5D's世界特有の常識、と言うほどでもなかったりする。

クロウによると、マニュアルモードも使用可能でテクニック次第で相手の攻撃をかわせるらしい。
そのためデュエル前に地縛神の攻撃をかわそうと考えていた。また、遊星は鬼柳との初戦でオートパイロットが祟って地縛神に(比喩ではなく)殺される寸前まで追い込まれている。

また、下記のデュエルボードにおいて、ルチアーノ龍亞龍可の三つ巴デュエルでは、
龍亞へのダイレクトダメージを龍可が庇って引き受ける描写があるが、ルール上どう扱われるのか不明。

ネオダイダロスブリッジ完成後の第2期では、
WRGPの宣伝も兼ねてライディングデュエルが推奨されるようになり、道路がライディングデュエル用と一版車両用の道路を分割するように変形するギミックが公道に搭載された。
色々おかしいが遊戯王ではよくあること

変形シーンはカッコいいが、退避させられる一般車両にとってはいい迷惑である。

『デュエルが開始されます。デュエルが開始されます。ルート上の一般車両はただちに退避してください。繰り返します…』

『レーンセレクション、使用可能な最適レーンをサーチ。デュエルレーン、セントラルに申請。AUTHORIZATION』

実際に最終回で一般市民(遊星の知り合い)から文句を言われていた。やはり迷惑な事は迷惑らしい。
ちなみに実際の対戦は専用のレーンで行われるため、道路の変形はレーンに向かうD・ホイールが一般車と接触しないようにする一時隔離の意味が強い。

ダイダロスブリッジ完成と同時に《スピード・ワールド》が《スピード・ワールド2》にパワーアップした。

物語中盤には、スケートボードとデュエルディスクを連動させ、
Dホイールとライセンスを所持していなくても簡易的にライディングデュエルが可能となる「デュエルボード」も登場した。
(遊星は龍亞に頼まれて、一晩でデュエルボードを作った事も。さすがメ蟹ック)

登場当初は当然物議をかもしたが、原作者高橋和希氏発案のアイディア。
というか、原作古代篇、3000年前に王様が盗賊王バクラと馬に乗ってのディアハ(モンスターの精霊同士を戦わせる古代のデュエル)を行っている。
原作にもライディングデュエルの源流はあるというか、これが元祖・発想の元の一つなのかもしれない。

放送を通じて熱い演出・ストーリーも相まって受け入れられていき、
次回作「遊戯王ZEXAL」発表時には「デュエルなのにバイクに乗らないのはおかしい」
どうしてバイクに乗らないんだ…」という意見まで出るほどまでになった…。


ライディングデュエルとスタンディングデュエルの基本ルールの違い

  • 「ライディングデュエル! アクセラレーション!」のかけ声でデュエル開始。
  • 第1コーナーを取った決闘者が先攻となる。(マニュアルモードの場合)
    つまり、マニュアルモードの場合先攻/後攻決定までは単なる二輪レースである。まあ遊戯王だから仕方ない。
  • フィールド魔法《スピード・ワールド》後に《スピード・ワールド2》がデュエル開始時に発動される。除去したり無効にはできない。*1
  • 従来の魔法カードは使用できず、代わりに「Sp(スピードスペル)」という専用魔法カードが存在する。スピードカウンターの個数や消費が条件になっている。

  • 相手に周回差をつけるごとに「スピードカウンター」が1つ増える。(スピードカウンターについては後述)
    • スピードカウンターが最大値の12になると、代わりに相手のスピードカウンターが1つ減る。
    • スピードカウンターが一方が12、もう片方が0の時、更に周回差をつけられると棄権と見なされ敗北となる。
      要は、特殊決着条件として「一定以上の周回遅れ」がある訳である。

  • コースアウトした者は失格となる。
  • 走行中の決闘者に触れると失格となる。
  • Dホイールから脱落した者は失格となる。
  • Dホイールの破損、不具合による事故が発生した場合、そのデュエルは無効となる。
    • つまり「決闘者に責任がある原因でデュエル続行不可能になった場合は失格」「単なるマシントラブルにより続行不可能になった場合はノーゲーム」。

  • タッグデュエル時は片方がコースアウトなどにより失格となってもデュエルは続行される。
  • バトルロイヤルモードの場合、ターン開始時「オレのターン!」と宣言したプレイヤーのターンとなる。

  • 通常走行している決闘者にライトを数回点滅(パッシング)する事はデュエルの申し込みサインである。
    「首都高バトル」のバトル申し込みを連想してもらえればいいか。ちなみに実際のモータースポーツでもパッシングは挑発の意味合いがあったりする。

スピードカウンター

《スピード・ワールド》の効果によって溜まり、「Sp(スピードスペル)」と名のついた魔法カードの発動に必要なカウンター。
先攻1ターン目を除くお互いのスタンバイフェイズごとに1つ増え、連動してDホイールが加速する。
しかし、一度に1000以上のダメージを受けた場合、1000ダメージ毎にスピードカウンターが1つ減り、連動してDホイールが減速する。
スピードカウンターが12個乗った状態では、時速250km前後のスピードを出す事が可能。

また、「Sp」以外の魔法カードを発動した時、「スピード・ワールド」の効果で2000ポイントのダメージを受けるアニメの初期LPの半分である。
前述の「従来の魔法カードは使用できない」というのは、厳密にはこのダメージにより「一度の使用でも致命傷となるため事実上使用不可能」という意味と思われる。
そのため、作中でライディングデュエル中に通常の魔法カードが発動された事はない。
だが、クロウの手札に通常魔法《シンクロキャンセル》の存在が確認されていたり*2
特定の永続魔法を召喚コストに要求する《ヴォルカニック・デビル》*3などの姿が見られた事から、
2000ポイントのダメージをも厭わずに使用するキャラクターもいるのかもしれない。

魔法カードに発動の制約が加わっているため、スタンディングデュエルに比べてデュエルスピードやソリティアプレイは少し弱まっている。
ライディングデュエルを実装したDSゲーム版が顕著。


《スピード・ワールド2》

《スピード・ワールド》に新ルールが加わった強化版。基本は1と同じだが、1000ダメージごとのカウンター消滅がなくなった。
カウンターを取り除く事で、以下の効果が使える。
  • 4個→手札の「Sp」の数×800ポイントのダメージ
  • 7個→1枚ドロー
  • 10個→フィールド上のカードを1枚破壊
このルールの追加によってより戦略的・攻撃的にSpカウンター数を運用・利用していけるように修正されたと言える。
「相手のスピードカウンター4個以上」「ライフ800以下」はデッドゾーンとなり、よりスリリングになった。

……はずだが、いかんせんスピード・ワールド2のダメージで勝負がつくと絵的に地味なので、
ライフが800未満になると対戦相手が魔法カードを引かなくなるなどといった怪現象が発生するようにもなった。

チーム太陽の例*4やアニメならではのビートダウン思考があるとはいえ、正直800ダメージ(アニメ版初期ライフの1/5)は調整ミスレベル。
ゲーム「WCS2011」では少し調整され、効果の使用に手札のSp1枚を見せる必要があり、ダメージ効果も手札のSpの枚数に関係なく800ダメージと設定されている。

また破壊効果も条件の難しさや温存もあってそれほど使われず、スピードカウンターは専ら第2の効果のドローに費やされる事が多い。


D・ホイール

デュエルディスク内蔵バイク。遊星粒子をエネルギー源とするモーメント機関で駆動する。
「ダイン」という、クラッシュタウン産の鉱石がパーツに含まれる。

最終的には決闘者とD・ホイールがシンクロする。

ちなみにライディングデュエルにおける平均的な時速は150km前後
チーム5D'sは遊星の開発した新型エンジンにより時速350km前後まで加速できる模様。
デュエルボードもこの速さで走る事を考えたら、江戸川コナンさんもビックリである。

代表的なDホイールの名前と所有者(漫画版含む)

  • 遊星号
所有者:不動遊星
全体的に赤を基調としており、エンジンからディスクまで全てが手作り。
ライディングとスタンディングの両方が行えるハイブリッドタイプ。
崖から落ちても、爆発しても無傷。名前は本編では言及されないが、タッグフォースなどでは普通に使用されている。
WCSではクリア後のレースゲームをやり込むことで入手できる。
手作りではあるが生っ粋のメ蟹ックの手で作られるだけあり性能はトップクラスで、特に加速性能がいい。
WRGP編から前述の新型エンジンを搭載した「ボルガニック遊星号」にパワーアップ。
ついに光を超えた。あと、飛んだ
事故率も低く、鬼柳との初戦でリアルダメージに耐えかねてクラッシュしたのみ。
ちなみに強化前の本機とブラック・バードは乗り手の手製ということもあり、本体にはモーメントとデュエル機能がなく、デュエルディスクを接続することで賄っている。

  • ホイール・オブ・フォーチュン
所有者:ジャック・アトラス
全体的に白を基調としており、モノサイクルという一輪バイク。
ハムスターがカラカラ回すヤツをイメージしてくれればいい。
通常と同じ速さでバック走行ができる。岩を粉☆砕しても無傷。
WCSでのレースゲームでも遊星号と同様にクリア後に使用できる。
最高速度が非常に高い上に機体の横幅が狭く、横移動で発生する慣性が小さい(滑りにくい)ので全機体中ブッチギリで安定感が高い。
現実でも同じコンセプトの物が存在しているためそれがモデルと思われる。(もちろん前が見にくいため速度はかなり限定されてるが)*5

  • ブラック・バード
所有者:クロウ・ホーガン
全体的に黒と橙を基調としており、乗り手であるクロウ本人も存在を知らなかった《ブラックフェザー・ドラゴン》が隠されていた。
翼を展開して短時間の飛行が可能だったり、ワイヤーアンカー内蔵だったりと多機能。恐らく「伝説のD・ホイーラー」の機体をリスペクトしたものだと思われる。
よく事故る
WRGP編から遊星号と同じく新型エンジンを搭載した「ボルガニックブラック・バード」にパワーアップ。
WCSでのレースゲームでは上述の通り滞空時間が少し長いという特徴があり、旧ハイウェイ等の不安定なコースで中々役に立つ。
ホイール・オブ・フォーチュンとブラック・バードの上記二機体は後述のARC-Vにも登場しており、
見た目はほとんど変わっていないがディスク部分がARC-V仕様になっている。

  • ブラッディー・キッス
所有者:十六夜アキ
遊星とクロウ、カウルの塗装はジャックの手によるハンドメイドマシンであり、アキのライセンス取得テストの日に三人から贈られた。
中古のジャンクパーツを組み合わせたリサイクルモデルであり、ボルガー&カンパニー製の新型エンジンも搭載していないため、遊星・クロウ・ジャックの3機に比べると馬力が小さい。
その代わり、クラッシュや接触等を考慮してかアキを守るようにアームガードが大型になっている。
ターンバックを連続して行えるなどかなり取り回しがいいみたいだ。
そのため、アーククレイドル侵入の際には他のD・ホイールに後れを取る描写があった。
スピードカウンターがハート型になっていたりと妙なところが凝っている。誰がこのような仕様を望んだのかは密に、密に。
チーム・カタストロフによって事故らされて大破するなど、結構酷い目に会う。

  • ギガントL
所有者:鬼柳京介
ボマーのDホイールほどではないがかなり巨大で全体的に黒と青を基調としたデザイン。
遊星曰く「輝いていた頃」の満足さんが乗っていた。ちなみに漫画版満足さんも使用。
同型モデル「ミネルヴァ(旧名:ギガントR)」も存在する。こちらの所有者はカーリー渚
「WCS2010」では大量のスターチップと引き換えで入手できる。

  • T・666(テリブル・オーメン)
所有者:プラシド
白を基調にした、近未来的デザイン。
「これがD・ホイールの最終進化形態だ!」のかけ声と共に持ち主と合体する。

  • グリーフ・ヘカトンケイル
所有者:ホセ
ホセのD・ホイール。1軸2輪駆動の珍しいD・ホイールであり、やはりというべきか搭乗者との合体機能を有している(ホセ獣輪態)。
なお、そのままの状態ではどう見てもD・ホイールとして使用できそうにない。合体ありきなのだろうか……?
なお、ホセ自身はこのD・ホイールと同じ速度で自走する事ができる。

  • アンバー・クツァルカートル(A・ファヴニール)
所有者:ルチアーノ
スキエルのような青い装甲が特徴的な、ルチアーノ専用の大型D・ボード。クツァルカートルとはケツァルコアトルのことである。
スタートダッシュでホイールオブフォーチュンを追い抜くなどD・ホイールと変わらない速度を出すことができる。
あまり気づかれないが、案の定搭乗者との合体機能を有している。
TF6ではアポリアから何故かA・ファヴニールと呼ばれていた。

  • トリニダード・ウロボロス
所有者:アポリア
三皇帝のDホイールが変形合体したアポリア専用機。
グリーフ・ヘカトンケイルがベースになっているためシートが存在せず、アポリアが直接合体することで操る(アポリア無双態)。
地味に四輪であり、バイクというより自動車に近い。

  • デルタイーグル
所有者:謎の覆面D・ホイーラー
前輪が存在しない斬新なD・ホイール。*6見た目はもろ修正テープ。
ゲーム「WCS2011」では同型モデル「オメガホーク」も存在する。こちらの所有者は謎の女性D・ホイーラー。

  • マシン・デイ・ブレイク
所持者:チーム太陽
チーム太陽が使ったDホイール。
ハンドメイドタイプで全体的に黄緑色でデュエルディスクは黒*7
元々はチームリーダー・太郎の父が使っていたもので、お下がりのこれを空き缶、ハンガーなどの廃材で壊れた部分を修繕したオンボロバイク。
後にプラシドに壊され、エンジンすらかからない状態になったが、メ蟹ックたちによって完全修理され、そのスピードは相当早かった。*8
ちなみにこれ1台しかないためチーム太陽はこれをノーマルカード、ヘルメットと共に使い回している。
巷では特殊能力を持ってない一般的なものでは一番早いと評判。
余談だがデイ・ブレイクは「夜明け」を意味する言葉。

  • パラドックス機
所有者:パラドックス
パラドックスが使用しているD・ホイール。正式名称は不明。
白を基調としたカラーリングで、直列3輪である点はT・666を、先頭のカウルのデザインはT・ウロボロスを髣髴とさせる。
さらには加速することでタイムスリップすることができるというデロリアンの如きタイムマシン機能まで備えている。
スタンディングデュエル時には変形して宙に浮く。特に意味があるのか不明だが、ある意味一種のハイブリッドタイプと言えるだろうか。

  • モーメント・コア・フライホイール
所有者:Z-ONE
Z-ONEの専用機。
コピーの遊星号に改造を重ねたなれの果てで、車輪がなくなっているが、バックレストの形状はそのまま。
手足が壊死したZ-ONEにとっては文字通り体の一部であり、浮遊機能に加えて専用の石板サイズデッキホルダー+巨大なマシンアームが用意されている。
ちなみに漫画版ではセイバルにこれの同型が存在。

  • デステニー・クラウン
所有者:イェーガー
漫画版イェーガーのD・ホイール。機首に顔がデザインされている。
最新の加速装置「Dブースト」を装備。

  • レクス専用機
所有者:レクス・ゴドウィン
アニメと漫画でそれぞれ違う機体。
アニメ版の方はクロウの語る昔話の中で「伝説のD・ホイーラー」の専用機として登場しており、バックレストのない赤い車体が特徴。
後輪周りにブースター、車体中心に滑走翼がある。レクスがダイダロスブリッジから飛んだ際に失われた模様。

漫画版の方はなんと3機あり、一つは決闘神官時代に使っていたモーメント・コア・フライホイールの同型機、2機目はホイール・オブ・フォーチュンの同型機。
3機目は天空城セイバルに埋まっていたオーパーツで、デフォルトで飛行可能な搭乗型。こちらは究極幻神と同化した際に失われている。


クラッシュタウンやナスカまでD・ホイールで行っている事から、常識に捕らわれない走りが可能なようだ。

なお、
  • 走行中の相手のD・ホイールを蹴り飛ばす
  • 走行中の相手のD・ホイールに故意に接触する
などもライディングデュエルのラフプレイとして存在している。ルールどうした(あくまでグレーゾーンではあるが)。


※実際にバイクに乗りながらデュエルを行う行為は、道路交通法違反で罰せられます。絶対にするなよ!!

World Champion Ship

DSのWCSシリーズではこのルールが実装されておりストーリーの一部ではこのルールでデュエルしなければならない。
当然ながら疑似オートパイロットであるためデュエルをしながらD・ホイールの操作をするという場面は存在しない。

ちゃんと専用の「Sp」の魔法カードも存在し、それのみを収録したパックもある。ライディングデュエル専用の罠も一部存在する。
デッキも専用のものとなり、デッキ編成で「Sp」以外の魔法カードは入れられない。

2009は《スピード・ワールド》のルールで、2010と2011が《スピード・ワールド2》のルールとなっている。
2009では《スピード・ワールド》の仕様上カウンターを貯めて使う「Sp」が使いにくく、罠ゲーと化していた。
2010および2011の《スピード・ワールド2》では「Sp」が使いやすくなったが、アニメの通りバーン効果が大変優秀であり微妙にバランスを崩している面がある。

ゲーム版の「Sp」は《Sp-エンジェル・バトン》《Sp-シルバー・コントレイル》《Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム》などのアニメオリジナルのものから、
Sp-死者蘇生》《Sp-ブラック・ホール》《Sp-禁じられた聖槍》《Sp-地砕き》《Sp-封印の黄金櫃》《Sp-収縮》などのOCGのカード、

《Sp-ソーラー・エクスチェンジ》《Sp-地縛旋風》《Sp-ミラクル・フュージョン》
《Sp-剣闘訓練所(グラディアルトレーナー)》《Sp-真炎の爆発》《Sp-終焉のカウントダウン》と言った特定のデッキ専用のカード、

果てにはSp-サンダー・ボルト》《Sp-苦渋の選択》《Sp-強引な番兵》と言った禁止カードまで存在する。

アニメオリジナルカードは一部効果とコストが調整されており、
《Sp-エンジェル・バトン》はスピードスペル消費7とかなり重くなった。さすがに重すぎると判断されたのか、後に4に緩和されたが。

効果が強力なカードほどコストが高く設定される傾向があるため、
《Sp-サンダー・ボルト》は例え三積みしてもコストが重いため、結果的に腐る可能性が高くなる。

その他の部分も一部再現されており、D・ホイールを使ったレースのミニゲームも存在。
自分でDホイールをカスタマイズすることもできる。

ただし、ライディングデュエル中はD・ホイールの性能は関係ないため、
最高速をいくら高めてもスピードカウンターが溜まりやすくなるといった恩恵を受けることはできない。

だが、2011では「最初のコーナーを曲がった方が先攻」と劇中の要素が再現されており、
一部の対戦相手には実際にこの方法で先攻後攻を決定することになる。
ある程度強化していればほぼ確実に先攻を取れるが。

2011ではストーリー後半WRGPに参加することになるがここでの勝ち抜きチーム戦も再現されており、
勝ち残ったプレイヤーはLPとフィールドと手札の状況が引き継がれる。
つまりエクゾディアを揃えると……

余談だが、タッグフォース3に登場した三沢氏は自転車で行うサイクリングデュエルを考えていると発言をしていた。
※自転車乗りながらデュエルしても「危険運転」扱いのため、道路交通法違反で罰せられます。



漫画版遊戯王5D'sのライディングデュエル

設定が根幹から違うため、《スピード・ワールド》の代わりに「フィール」がメインの要素となっている。そのため「Sp」も無く、実際のルールに準じる。

あと、基本ノーヘル。
例外がオリキャラの伊集院セクトと、骸骨騎士ことルドガー。

読者がすっかり麻痺していたのか、フィールの存在が明らかでなかった初期には「バイクに乗っただけ普通のデュエル」とか言われていた。


フィールは、正式には「仮想立体触感(バーチャル・ソリッド・フィール)」といい、
かつてサテライトの最古島でレクス・ゴドウィンの主導で開発された技術。ジャックと鬼柳はこの研究開発を行っていたラボの出身である。

ソリッドビジョンを利用した疑似触感システムであり、後のARC-Vで零王が「開発」したリアル・ソリッド・ビジョンに近い。
モンスターの攻撃時、D・ホイールを加速させることで実際の衝撃を生み出して対戦相手に叩きつけるという物騒なものであり、基本的には衝撃による減速が主眼。

だが、加速力とモンスターの攻撃力によっては物理的ダメージを伴い、クラッシュに繋がることも多い。
一部の決闘者が使う「闇のフィール」は破壊力が尋常ではなく、肉体的ダメージどころかD・ホイール自体が木端微塵になる程の威力を発する。

ゴドウィンがフィールとその発生デバイスたるD・ホイールを開発し、
サテライトから全域に広めたのは結構最近のことであり(少なくとも10年は経過していない)、ライディングデュエル自体も歴史はかなり浅い。

フィール発生装置の正体は、本作のキーカードである「決闘竜(デュエルドラゴン)」達がカードになる前の力を再現するためのシステムである。
その意味では彼らを浸食する闇の瘴気による「闇のフィール」、その大本たる究極神のフィールこそが、本来のフィールと言える。

ちなみにこの世界ではサテライトとシティが最初から分かれている*9のと歴史が浅いため、迷惑機構はない。
そもそもこの世界観におけるライディングデュエルは、10000年前の超古代文明期、魔術師や神官によって行われていた儀式である「決闘疾走」が本家で、
当時の人間であるゴドウィンがそれを現代の技術で蘇らせたものである。

また、スピードに命を懸ける者達のことをこの世界では「決闘疾走者(ライディング・デュエリスト)」と呼ぶ。

ルールも簡素であり、
  • 相手のライフを0にする
  • 相手がライブラリアウトする
  • 相手のD・ホイールが走行不能になる
  • 相手より先にゴールする
  • 相手がコースアウトする
のいずれかを満たすと勝利。双方のライフが同時に0になった場合は走行時間が長い方が勝利だが、空中に投げ出されるなどの時は生存した方の勝利となる。
この世界ではフィールという物理攻撃が常識であるためこんなルールになった模様。
走行不能については原因の如何を問わず「止まったら負け」というものであるが、フィールで空を飛ぶのはOK。両者共に飛行している場合、墜落した時点で走行できなければ負けとなる。



遊戯王ARC-V


D・ホイール…
デュエルディスクを進化させたそのマシンを駆使し戦う「ライディングデュエル」は、
スピードとスリルに溢れた最高のショーであり、
自由の象徴であった

遊戯王アニメシリーズ第五作目であるARC-Vにて再登場。
主にシンクロ次元編で行われるが、D・ホイール自体はスタンダード次元編にて先行して登場している。

シンクロ次元にある「シティ」で行われており、
上記の5D'sとほぼ同じ仕様の一般人大迷惑なデュエル優先公道も当然のごとく存在。

本作では下級階層であるコモンズがバイクに乗ってデュエルした結果流行した様子。彼等にとっての自由の象徴だった。
しかし、本編開始時点ではトップスのためのショーと化しており、バイクことD・ホイールに乗ってデュエルするのも
ショーやエンターテイメント性の追求によるもので、デュエリストのためというよりは観客のために発展していったようである。

迷惑システムも少し変更されており、5D'sのそれよりは多少マシになっている。
デュエルガ開始サレマス、デュエルガ開始サレマス、ルート上ノ一般車両ハ避難シテクダサイ。
ちなみに5D'sと違いデュエル中にコースのルートを変更する事ができる特徴がある。

《スピード・ワールド》は新たに《スピード・ワールド-ネオ》となっている。
5D'sの問題点であった「スピードスペルとそれ以外の魔法カード」に関するルールが消滅しており、
テキスト量はなんとあのアクションフィールドすら下回る簡素っぷりで

「(1):このカードは破壊されない。」の一文のみ。

故にスピードスペルが存在しないも等しい状態(アニメ版5D'sと漫画版5D'sのデュエル方式を足して割った感じ)。
まあ、ネオ以外のスピード・ワールドだとペンデュラムを使う遊矢や沢渡達のデッキが機能しなくなるので仕方ないが。
とはいえ、訓練された視聴者からは「結局普通のデュエルじゃん」「ライディングデュエルである意味がない」とあまり評判は良くない。
OCGプレイヤーからはマジックカードが普通に使用可能となったことで5D's時の問題が解決されたので上々のようだが。

フレンドシップカップでは赤馬零児の要望を聞き入れた行政評議会によってルールが改正され、アクションフィールドが急遽導入されている。
アクションフィールドは《クロス・オーバー・アクセル》。まさか、ライディングデュエルにアクションカードを持ち込むとは……。

アクションカードはやはりコース上に設置されているので、取るためにはD・ホイールの操縦テクニックが重要になり、「デュエルをバイクでやる意味」に説得力も増した。



遊戯王ARC-V(漫画版)


ライディングデュエルこそ

運動神経 動体視力 反射神経 集中力 直観力

その全てを兼ね備えなければ頂点を極められない

究極のアクションデュエルだ!!


漫画版ARC-Vでは最初からアクションカードを使用するアクションデュエルの一種として登場。
あとやっぱりノーヘル。 普通のバイクにはヘルメット付けて乗ってるのに

アニメとの相違点はコースは1本道の場合は対戦相手より前に出ないとアクションカードが拾えないこと。
またアクションカードは手で直接拾わず、レースゲームのパネルのようになっているアクションカードを踏むことで手札に加わるようになっている。


作中の最高クラスのD・ホイーラー「蓮」によれば、複雑なコースを最高速300キロ以上のスピードで走りながらデュエルをするライディングデュエルこそ、
全てを兼ね備えなければ頂点を極められない究極の「アクションデュエル」とのこと。
そこまで理解しててノーヘルなのか……。

アクションカードの使用が前提であるためアドバンテージを稼ぐ以上は相手の前に出なければならず、
(通常のアクションデュエルと違いモンスターによる妨害行為はできないようなので)基本的には走行技術の差が勝敗に繋がることになる。
とはいえ、某満足集団のように手札の枚数を一定数で維持しなければいけないデッキの場合は無理に前を走ると効果が使えなくなる場合もあるが。

また、「複雑なコンボで相手のライディングへの集中を削ぐ」のがライディングデュエルの上級テクニックで、プロの世界では常套手段らしい。
ソリティアしろと申すか

遊戯王デュエルリンクス

一部イベントで特殊ルールとして実装。使用できるキャラは5D'sとARC-Vのキャラのみ。
基本的には「ライディングデュエルグランプリ」として行われる対人戦が基本だが、後にフリー対戦でも選択できるようになった。
スピードカウンターのルールが適用されているが仕様が異なり、

  • 使用するD・ホイールは事前に選択可能。なのでWOLに遊星が乗るということもできる
  • スピード・ワールドはなく、D・ホイールごとにスピードカウンターが管理される
  • スピードカウンターはお互いのスタンバイフェイズ(先攻含む)で1、モンスターの通常召喚で2、シンクロ召喚成功で3つ増え、モンスターが破壊されると1つ減る。最大12
  • スピードスペルはなく、スピードカウンターはD・ホイールごとに設定されたEXスキルのコストとして使われる
  • EXスキルはデッキにセットしたスキルと併用可能*10

という感じ。EXスキルは全て「Sp-●●」という名称になっている。




『「スピード・ワールド2」、セット!』

『追記・修正!アクセラレーション!!』

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最終更新:2024年03月21日 01:23

*1 これらのフィールド魔法はDホイールの画面上に表示されるデータとしてのみ登場する場面が大半だが、作中世界には実物のカードとしてもちゃんと存在している。

*2 作画埋めのために適当な普通の魔法カードが描かれていただけの可能性もあるが。

*3 後に永続罠であるマガジンが登場したことで違和感は薄れたが

*4 召喚に合計20ターンもかかる強力モンスター召喚のためのカモフラージュとして手を繋ぐ魔人、スクラム・フォースと共に使ってる。もっともカモフラージュのこの戦法だけでチーム5D'sまでの戦いを制していったようだが。

*5 ホイール・オブ・フォーチュンにはカメラが搭載されているのか、モニターに前の様子が映し出されている。ライディングデュエル中も同様に背景に映っている

*6 実は機体中央に申し訳程度の前輪がある。全く接地しないが

*7 もらった当時は青でデュエルディスクは黄色だった。

*8 ジャックのDホイールとの先攻争いをあっさり制しており、ジャックは「遊星とブルーノの奴、あのオンボロに何をした!と愚痴ってたが元々あった性能か、遊星たちの改造のおかげかは不明

*9 というかサテライトの方が先にあり、D・ホイールとライディングデュエルもそこが発祥

*10 実装当初はデッキスキルを上書きする形だったが、アップデートで修正された。