ガンダムヴァサーゴ/ヴァサーゴチェストブレイク

登録日:2009/12/17 Thu 23:41:21
更新日:2024/04/17 Wed 22:35:02
所要時間:約 6 分で読めます






世界が我らを黙殺するから、
我らは世界を滅ぼすのだ!!






◆ガンダムヴァサーゴ

型式番号 NRX-0013
分類 高出力型MS
所属 新地球連邦軍
頭頂高 17.8m
重量 8.1t

武装
メガソニック砲
ビームサーベル
ストライククロー×2
クロービーム砲×2
ストライクシューター×2



第七次宇宙戦争終結後に、連邦政府再建委員会が次世代型ガンダムを模索して開発した高出力型MS。
最新型の高性能機で多くの実験機による試験運用結果をふまえ、ニュータイプ対応装備として操縦系統にフラッシュシステムを搭載しているが、ビットMSは製造されていない。
機体の色は血のような紅。

高出力型ジェネレーターと強力なスラスターを装備し、火力と機動力に重点を置いた機体。
パワーウェイトレシオの面で過去のガンダムタイプを凌駕する、優れた高機動戦闘力を発揮する。
腕部は折り畳まれたフレームが展開し延伸することで、変則的な攻撃が可能。
最大の特徴は腹部に搭載された大口径メガ粒子砲「メガソニック砲」であり、超火力の集束版と高出力弾を放射状にばら撒く拡散版の使い分けが可能で、初使用時にはバルチャー達から「バケモノ」と称される程の破壊力を持つ。
武装の構成もあって遠近距離を選ばず白兵格闘も重火力砲撃も可能な極めて高い戦術的汎用性を持つ。

背中に巨大な折り畳み式のウィングバインダーを装備している。これは高い機動性と機体の運動性を高めるのみならず、メガソニック砲発射時に発生する熱を放出するラジエーターの役割も果たしている。
大気圏内の高速飛行も可能。長距離に及ぶ場合はMA形態のガンダムアシュタロンに捕まって移動する事もあった。
ヴァサーゴの名称はソロモン72柱の内の1柱である「ウァサゴ」に由来する。

この機体は同時代の一般的なMSを遥かに超える圧倒的性能を持っており、これは戦後15年が経過し、復興した世界のMS開発技術が戦前と同等以上に回復した事を表している。

最新機という事もあり主役機より万能な機体なのだが、いかんせんそのシルエットとデザインがエグすぎるため(内蔵武器だけでも腕は伸縮自在だわ前腕部には可動可能な鉤爪がついてるわ腹部は縦に分割されて砲身が出てくるわする)、
ウィッツからはアシュタロン共々「ゲテモノガンダム」というそのものズバリな渾名で呼ばれていた。


【武装】
  • ストライククロー
両腕部に装備された大型のクローユニット。特殊合金製でMSの装甲を容易く切り裂く破壊力がある。また折り畳み式の延伸腕は伸縮や可動が自由自在でトリッキーな攻撃が可能。
ちなみにカラー画稿でないと分かり辛いが延伸腕の肩アーマー側との接続部分は球体間接(プラモで言う所のボールジョイント)になっている。
黄色いクロー部分は模型やゲーム作品では曲がった鉤爪状態で固定された再現が多いが劇中では角度が可変していたり爪のみでの握り潰し描写が有り、関節式で角度変更が可能なのが分かる。

  • クロービーム砲
クローユニット基部中央に内蔵されたビーム砲。クローユニットのみを展開した腕が縮んでる状態でも使用可能。
ビーム砲としての機能的には標準的な物だが、伸びる腕と相まって非常に強力かつ、変則的な攻撃が出来る。
また、ビームを薙ぎ払う様に照射する事も可能でアニメでは飛来するミサイルを纏めて破壊するシーンもある。

  • ビームサーベル
緑の刃を放つビームサーベル。グリップ部デザインは本機オリジナル。
ガンダムエックスの大型ビームソードより出力は劣るが本機の高い運動性と併せ接近戦では互角以上の性能を発揮する。

  • メガソニック砲
腹部に内蔵されたジェネレーター直結式大型メガ粒子砲。
サテライトキャノンのような外部電源を用いる事なく内部電源のみで凄まじい破壊力を生む新兵器であり、非常に威力が高く一撃で多くのMSを薙ぎ払える程。
ちなみに砲そのものがコクピットの真下にある。
発射時には腹部が上下に分割展開し砲身が露出、ウイングバインダーをラジエーターとして広げ地上では腕をアンカーにして固定、発射を行う。
反面、消耗は威力相応に激しいらしく作中では一度エネルギーを使い果たして撃てなくった描写が在る。
集束と拡散に出力を使い分ける事が出来、劇中本編でも拡散版を撃ってるシーンいくつかあるが、ゲーム作品ではもっぱら集束版ばっかり採用される。
拡散と収束の使い分けを再現したのはA.C.E.3のみの状態である。
ちなみに「プラモや立体トイなどでメガソニック砲発射体勢の再現ができないのは腕(ストライククロー)が短いせい」という主張があるがこれは間違い。
劇中画面と比較すると実際は股間・脚部関節の可動域が足りないので身体が下がりきっていない状態*1であり
「股間や脚部の可動域が狭くて下半身が下がりきっていないので設定通りの腕の長さでも足りなくなる」が正解。

  • ストライクシューター
3つのビーム砲と爪を合わせた武装。二丁を連結して一斉発射も可能。
劇中では完全に手が塞がった状態になるのでビームサーベル等は使えなかったのだが(これが1話だけしか出なかった理由の一つであろう)ゲーム作品ではどこかに仕舞われてる扱いになっているのか他の攻撃手段も取れる。


【劇中での活躍】

フリーのMS乗り「フロスト兄弟」の兄、シャギア・フロストの機体として登場。

ティファを狙うアルタネイティブ社に雇ってもらうため、社の保有するMSをたった一機で破壊し尽くした。その際社長が発した「捕らわれのクイーンに、ナイトのお出ましというわけか」というチェスの駒と掛けた台詞に対しシャギアは「私の愛馬は凶暴です」と返している。

壊滅後は執拗にガロード達を狙い、弟のオルバのガンダムアシュタロンと共に何度も襲撃した。

後にシャギアたちは新連邦のエージェントであると分かるが………



◆ガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク

型式番号 NRX-0013-CB
分類 高出力型MS/改修型(サテライトシステム搭載機)
所属 新地球連邦軍
頭頂高 17.8m
重量 8.3t

武装
トリプルメガソニック砲
ビームサーベル
ストライククロー×2
クロービーム砲×2
サテライトランチャー(アシュタロンHC連結時)

搭乗者:シャギア・フロスト


ガンダムヴァサーゴが更に強化・改修された機体で、出力や推力等の基本性能の大幅な上昇に加え、特に武装面が大幅に強化されている。
機体も新型ウイングユニットや脚部のバーニア追加等、原型機より更に高い運動性・機動性を発揮するよう改良されている。
機体はシルエット含め、より禍々しさが増したデザインとなっている。

切り札であるメガソニック砲も腹部の他に胸部に新たに二門のメガソニック砲を追加した「トリプルメガソニック砲」となった。
その威力は三門の一斉射撃ではサテライトキャノンにも匹敵する超火力となっている。
腹部を上下に割り開き、胸部装甲を左右に展開して巨大な光芒を放つその姿は、あたかも顔面を削ぎ落とされた悪魔の断末魔を思わせ、「チェストブレイク」の名もそこに由来する。


背中の羽は六枚になり、以前よりも大型化したことで機体に更なる高機動性を与えた。
普段は一枚に纏めて折り畳まれているが展開する事でトリプルメガソニック砲のラジエーター、空力制御や運動性能強化の為のバインダー、更にマイクロウェーブの受信用リフレクターとしても使用される非常に多機能な装備。
ROBOT魂では外側から順に下へ開くという誤った再現がされているが実際は、外側の羽が下、真ん中が上、内側(機体側)が真ん中というちょっと凝った開き方をするのが本来の設定である。

同じく強化されたガンダムアシュタロンハーミットクラブの搭載する砲身と合体することでサテライトランチャーも発射可能。
しかしカテゴリーFの2人にはサテライトシステムへのアクセスは出来ないため、月面基地に配下の特殊突入部隊を直接潜入させてマニュアルモードに切り替える事で承認を得た。


【武装】
  • ストライククロー
強化改良された大型クローユニット。フレームから装甲が撤去されスラスターが増設、延伸部の柔軟化と対ショック能力が格段に強化され、更に伸びる様になりオールレンジ攻撃に近いレベルの多角射撃が可能になる等、更に強力な武装へと進化した。
サテライトランチャー使用時には腕部をコネクトしそこから砲身へエネルギーの供給を行う。重装甲を誇るクラウダを羽交締めにして頭部を引きちぎり、内部にクロービームを打ち込んで撃破したこともある。

  • クロービーム砲
ストライククローの強化に伴いこちらも高出力化された。
更に伸縮するようになった腕部と併せクロー格闘+インコムのような変則オールレンジ攻撃が可能となる。

  • ビームサーベル
本機オリジナルデザインのビームサーベル。ガンダムダブルエックスのハイパービームソードと渡り合う程の高出力を持つ。

  • トリプルメガソニック砲
従来1門だったメガソニック砲を強化した物を更に2門追加し計3門に増幅した超高出力砲。
その破壊力はサテライトキャノンに匹敵する凄まじい破壊力を持つ*2
劇中では腹部砲門のみで改造前から継続した機能である拡散放射も行っていた。
EXVS2やA.C.E.3においてこちらの拡散版も再現され、腹部砲門ではなく胸部を開いた状態でやっているが、設定上腹部以外の胸部砲門でも拡散放射が出来るかは不明。

  • ストライクシューター
劇中では改修前でしか使用していないが機能・デザイン的には本機でも問題なく使用できる為かゲーム作品では本機も使用可能な事がある。


【劇中での活躍】

宇宙でティファを取り返したガロード達の前に立ち塞がり、パーラを人質に取り一旦は敗北させる。

また、国家統一の中途で時期尚早と宇宙革命軍との開戦を渋る新連邦軍の派閥をトリプルメガソニック砲で謀殺。
地球と宇宙との全面戦争を加速させる。

その後、D.O.M.E.での話し合いの為生じた一時休戦の状態を破り戦闘状態の混乱に乗じて月面マイクロウェーブ送信施設を掌握。
ニュータイプになおも執着する両軍トップとフリーデンをサテライトランチャーの放射で攻撃、新革命軍と新連邦軍旗艦は巻き込まれて消え去るが、事前に回避行動を取っていたフリーデンのみ撃沈から免れた。
再びサテライトランチャーの攻撃で戦争を引き起こし、自らを認めようとしなかった世界を滅茶苦茶に破壊しようとするも、
ガロードのガンダムDXが立ち塞がり、同時にツインサテライトキャノンとチャージ未完了のサテライトランチャーを発射。
発生した凄まじいエネルギー波に消えていった。




1/144、HG1/100(改造前のみ)で発売。
両スケール共にメガソニック砲展開機構や腕の伸縮機構が再現されているが、構造上可動は制限される。
HGAWやMGガンダムXの発売に伴い、この機体(チェストブレイク含)の2020年代技術でのHGAW・MG化も期待されている。
ちなみに、腕部延伸ギミックは前作のアルトロンガンダムとほぼ同じ。



□ゲームでの活躍
初登場はα外伝から。割と序盤から登場し、某ガンダムエピオンと見た目が似ている為前作αからのメンバーが初見時に反応するイベントがある。
シャギアのカテゴリーF補正も相まって命中回避が異常に高くあの悪名高いゴーストギンガナム等と共にα外伝の高難易度の原因の一因となっている。
ただ容量の問題らしいがα外伝では後継機のチェストブレイクは登場せず、最後まで素のヴァサーゴのままである。

Zでは逆に最初からチェストブレイクで登場。終盤ではまさかの射程無限の合体MAP兵器サテライトランチャーを装備して登場。
何も知らずにホイホイ突っ込んだプレイヤーは地獄を見た。


ライバル機と言う事もあり、基本的に高性能機体。シャギアの能力も相まって、プレイヤーにトラウマを植え付ける。
特にMAP兵器のメガソニック砲、トリプルメガソニック砲は脅威の一言。
また、忘れた頃にちょくちょく出てくる。
武装バランスが良く強力な機体で自軍で使っても有用な戦力となる。が変形できる上に最終的にサテライトランチャーをピンで使えるようになるので多少見劣りはするが、あっちが強すぎるだけで本機も十分最後まで使える程強い。
ちなみに作品によってはサテライトランチャーを使うと演出で登場する。
Fではフラッシュシステムを装備しているのでガンダムX達のビットMSを使うことが出来る。


GP2000機体で参戦。
クローから放たれる格闘と射撃はトリッキーだが、足が遅いので初心者にはやや扱い辛い機体となっている。
ただ、長いリーチの格闘やメガソニック砲という切札も持ち、さらには特殊格闘で「弟」ことアシュタロンを飛ばして相手を行動不能にできる。
アシュタロンが掴んでいる敵をアシュタロンごとメガソニック砲で撃ちぬくなんて事しちゃいけないぞ!

NEXTからはネクストダッシュで諸々の硬直をキャンセルでき、豊富な射撃武装をもつことからゲームシステムとマッチしている。
だが相変わらず重い。
またアシストがD.O.M.E.ビットからドートレスに変わったものの性能に大差はない。


今度は後期仕様のCBで登場。だがコストは2000のまま。
ほぼ全能力が少しずつ変わったため、前作で使い込んだプレイヤーほど戸惑う。
特格の弟もHCにパワーアップ。当たり判定もデカくなった。(味方ごと拘束したり、敵の攻撃を喰らって破壊されやすくなったのは内緒。)
覚醒技も追加され、念願のサテライトランチャーが使用可能に。

EXVSFBにも参戦し、コストが2500に上昇。
サブ射撃の弾数追加や格闘性能強化。使い勝手の良い射撃CSが追加された。
そしてとうとう弟が味方を捕縛しなくなり、ある程度遠慮なく飛ばせられるようになった。
トリプルメガソニック砲の色は家庭版に続きオレンジ色。
コストアップした影響で若干だが曲げる事ができるようになったので、原作のように薙ぎ払うような射撃も可能。

さらに前述のCS時のボイスの「そんな必要はない!」が他のキャラのボイスとやたら噛み合うためネタにされている。
「極・限・進・化ぁ!」
「そんな必要はない!」

「お前の腹も切り裂いてやろうか!」
「そんな必要はない!」

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では遂にDXと並ぶ最高コストに昇格。全体的に強化された点が多い。
腕で薙ぎ払う後格闘やスタイリッシュな機動で唐竹割を行うBD格闘など優秀なものとなった。
特殊射撃のトリプルメガソニック砲は太さや回転率が改善され、ようやくビームの色も赤色に戻された。レバー入れで拡散も選べ、こちらはメイン射撃でそのまま落下ルートに入れるので中近距離で扱いやすい。
「そんな必要はない!」の台詞は後格闘に回された為、今までのようにシャギアがうるさいということはなくなった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは、多少の微調整が入る。
トリプルメガソニック砲の弾数が個別化され、格闘CSに弟ゲロビが追加。弟ゲロビは発射後にそのまま変形移動に移行できる。
ただし下方点が多く、機動力減少、ロック距離の短縮、サブ射撃のよろけ時間短縮、下格闘の範囲縮小、変形メイン射撃の個別弾数化と性能調整、変形格闘CS(旧変形射撃CS)のチャージ時間加など、とにかく強さを削がれている。
ただし下方点の多くは本機が悪いというより、運営が機体性能のインフレ抑制を目的として行った点が多い。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 OVER BOOSTでも調整が入る。
前格闘が新規のダウン拾い系格闘に、格闘CSが弾数制になったものの威力が上昇しスタン属性に変更された。
更に本作の緑ロック補正追加に伴い、前作後期に貰ったN特殊射撃の無限赤ロック射撃が何のペナルティも無く真価を発揮できる稀有な武装に昇格した。
後者は多くの後衛向け機体が前へ出なくてはならない要素として懸念されている調整なので、それを無視して高威力の砲撃を叩きこめるチャンスを狙える本機にはかなり追い風となった。


□余談

  • デザイン決定前の仮名称はクラーケンガンダムだとか。
    ちなみに「ゴーストガンダム」は文章設定にのみ存在するバルチャー界隈間でのあだ名で所謂「俗称」の類である。

  • デザイン公開時にカラーリングなどが前作のガンダムエピオンに似ているとして少し話題になった。
    その辺りのネタを拾ったのかVSシリーズなどでエピオンと間違われる台詞ネタが有ったりする。




「私の項目も凶暴です」

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最終更新:2024年04月17日 22:35

*1 劇中でのメガソニック砲発射体勢時には下半身は相撲や剣道などでいう「蹲踞(そんきょ)」の体勢となっている

*2 いくつかの資料ではツインサテライトキャノンに匹敵するとも記されている