ジェネシス(CCFF7)

登録日:2010/02/03 (水) 22:49:53
更新日:2024/04/19 Fri 16:26:31
所要時間:約 7 分で読めます




深遠の謎。それは女神の贈り物……


「ジェネシス」とは、ゲーム『FINAL FANTASY Ⅶ』の関連作品群『COMPILATION of FINAL FANTASY VII』の登場人物。
本名「ジェネシス・ラプソードス」。
初登場はFF7本編の3年後を描いた作品『DIRGE of CERBERUS FINAL FANTASY VII』。
その後『CRISIS CORE FINAL FANTASY Ⅶ』(『CCFF7』)で本格的に登場した。

DCFF7

条件を満たすと視聴できる隠しエンディングで、水牢から解き放たれる姿が確認できる。
この時は異端のソルジャー・Gとして紹介され、なんとGackt本人の実写である。

ゲームのムービーと並べて違和感のない人間というのもそうそういるまい……
おまけにDCFF7の主題歌はGacktが担当している。

なお、後のCCFF7のジェネシスは当然CG。声はGackt本人が当てているが。

余談だが、DCFF7の打ち上げの際、既に製作が決まっていたCCFF7についてスタッフが話しを持ちかけると、
「俺が主役で歌うんだよね?」
などとのたまったらしい。凄い男だ……

このときは目的も何もわからない謎の存在だった。


概要(『CCFF7』)

年齢:不明(セフィロスたちと同年代なので25歳前後)
職業:ソルジャー・クラス1st
身長:不明
体重:不明
生年:不明
血液:不明
出身:バノーラ村
声優:Gackt

セフィロスに次ぐ実力と美しい容姿を備え、独自の美学にのっとって生きるソルジャー・クラス1st。

セフィロスに比肩する程の人気と実力を誇るが、彼自身は親友であるセフィロスとアンジールにしか心を開かない。
所謂偏屈なタイプで単独行動が多かったらしい。
しかし、セフィロスには友人故の親愛や英雄への憧れ、その立場を奪いたいという嫉妬など様々な感情を持っている。
セフィロス、アンジールとは3人で「遊び」と称した訓練をトレーニングルームで行っていたようである。
しかしセフィロスは単に親友というだけでなく、ジェネシスにとっては超えるべき壁、ライバルであった。そのため訓練にかこつけて本気で殺しにかかってくることもあったそうだが、セフィロスからはなんだかんだで信頼されていた様子。

古典叙事詩「LOVELESS」の愛読家であり研究家。
そらで謳えるほどに熟読しており、セフィロスからは「毎日聞かされていれば、嫌でも覚える」とまで言われていた。
現在は自分を「LOVELESS」の登場人物に投影しており、話す際にもまず「LOVELESS」のフレーズから話すことが多く、その真意はとても分かりにくい。
ぶっちゃけ、何も知らないと電波にしか見えない。
一方で激情家な面もあり感情の起伏は意外と激しい。

出身はアンジールと同じ「バノーラ村」。
実家は村の地主でとても裕福だったらしい。
この両親はジェネシスのファンクラブにこっそり資金提供しているなど本当にジェネシスを愛していることがわかる。
ジェネシスは自分が子供のころからすでに活躍していたセフィロスへの憧れからソルジャーを目指すようになる。
真の英雄…セフィロスに村の名産物のリンゴ「バノーラホワイト」を食べてもらいたいという素朴な夢も持っていたという。
関係者によると今はそうは見えないが昔はとてもいい子だったらしい。

彼の「LOVELESS」研究をまとめた本がベストセラーになったり、子供のころバノーラホワイトのリンゴジュースで表彰されていたりと意外と多芸な男でもあったりする。

名前はラテン語で「創世主」「創世記」などを意味する「Genesis」が由来。
苗字は「吟遊詩人」の「Rhapsodist」か。

神羅とウータイの戦争の末期、大量の兵器と下級のソルジャーを引き連れて失踪してしまう。





CCFF7の重要なネタバレがあります。
未プレイの方は注意。



正体

ジェノバ・プロジェクトのプロジェクトGによってアンジールと共に生み出された存在。

胎児期にジェノバ細胞を持つアンジールの母ジリアンの因子を埋め込まれ誕生した。*1
しかし、生まれてきたジェネシスは普通の子供でありプロジェクトGは失敗とみなされた。

その後、この失敗を経て胎児に直接ジェノバ細胞を植え付ける宝条主導のプロジェクトSが始動され、こちらは子供のころから驚異的な性能を発揮した。
これにより生まれた成功作がセフィロスであり、彼はジェネシスを参考に生み出された為、ジェネシスはセフィロスのプロトタイプとも言える。
失踪したガスト博士に変わり、プロジェクトSの成功により宝条は科学部門の責任者に出世。
一方、失敗したプロジェクトGの発案者ホランダーは閑職に追いやられてしまった。

失敗作と見なされたジェネシスは赤ん坊の頃にバノーラ村へと送り出され、神羅関係者の地主夫婦の下で育った。
つまり、彼らは実の親ではなく育ての親。
実家が裕福だったのは彼らが神羅から口止め料込みの資金提供を受けていたため。
しかし一緒に暮らす内に情が移り、実の息子のようにジェネシスを育て上げる。
ちなみに彼がセフィロスに憧れ、ソルジャーになることを決めたのは完全に偶然。
特にそのような教育はされてなかったが、村は神羅関係者が作ったため神羅に好意的であったそうなので影響はあるか。

ある日、いつもの「遊び」と称した訓練の最中、ジェネシスはセフィロスに一対一の戦いを挑む。
二人の戦いは神羅ビルさえ破壊しかねない勢いだったが、アンジールの制止による終了。が、その際にジェネシスは左肩を負傷してしまう。

その治療の為にジェネシスはアンジールから輸血を受けるが、治療に当たったホランダーはジェネシスは他者へ自分の情報をコピーする「コピー」という現象を発現したことを知る。*2
同時にジェネシスは、コピーの弊害として身体能力や代謝機能が次第に低下し、やがて死へと至る「劣化現象」も発現してしまう
これは自分の情報を流出させ取り込むことができないため起こると考えられている。

かねてより宝条と神羅への復讐を考えていたホランダーから、ジェネシスは劣化現象の治療を条件に神羅への復讐計画を持ちかけられる。
同時にホランダーから自身の出生の秘密を聞かされ、絶望したジェネシスはそれを承諾。
誘拐した大量のソルジャーに自身の情報をコピーし、ジェネシス・コピー軍団を生みだし神羅に反旗を翻したのだった。

ただし彼のG細胞はモンスターをコピーにできるアンジールの物と異なり人間にしかコピーにできない。
さらに完全なコピーはソルジャーのみでソルジャーではない人間は身体のある程度の強化と片翼、劣化現象程度しか受け継いでない中途半端なコピーとなってしまう。


本編での活躍

ウータイ攻略戦後、アンジールに対して出生の秘密を打ち明け、協力を要請する。
しかしアンジールはそれを拒否。ジェネシス説得のために神羅を抜け別行動をとるようになる。

主人公ザックスとはバノーラ村にて初邂逅。
この時は「子犬のザックス」と軽くあしらい、召喚獣バハムートを呼び出して相手をさせる。
ザックスの「誇り」という言葉に対して、
俺たちはモンスターだ
と言い放ち、後のセフィロス同様に漆黒の翼を生やして飛び去った。

尚この時、既に両親をその手にかけている。
ジェネシスにとっては自身の正体を隠し神羅から金を受け取っていた両親は「裏切り者」以外の何物でもなかった。
とはいえ、彼なりに両親への想い入れは残っており、彼らを殺した後も自分で墓を作って弔っている。

逆にアンジールの母ジリアンを殺さなかったのは「プロジェクトG関係者で劣化を直す方法を知っているかもしれない」という面もあったが、神羅から頑なに金を受け取らなかった彼女への敬意もあったのだろう。

その後もホランダーに協力、遂には神羅本社にまで襲撃をかけるが、ザックスやアンジール、セフィロスたちの介入もあり失敗。
肝心の劣化を直す方法もホランダーは見つけられず。
遂には拠点としていたモデオヘイムに乗り込んできたザックスと戦い敗北。
奈落の底に落ちていった。

ジェネシスが死んだことで後ろ盾を失ったホランダーは逮捕され、アンジールも自らの死を望みザックスによって討たれ事件は終結した。





…かと思われていたが実は生きており、数ヶ月の後に復活。
ジェネシス・コピー達を使い、捕らわれたホランダーを開放し、再び神羅に戦いを挑む。
ただし、この時点でジェネシスはホランダーに劣化は直せないと見切りをつけており、彼に致命傷を与え自分の細胞を植え付けコピーに変え、劣化での死の恐怖を味合わせることで以前と異なり無理矢理協力させる関係になっていた。

自らの劣化を癒す「何か」を叙事詩LOVELESSの中に登場する「女神の贈り物」になぞらえて探していたが、その内に「贈り物」は成功体であるセフィロスの細胞…S細胞だと考え始め、ニブル魔晄炉にてザックスとセフィロスの前に姿を現す。

セフィロス、助けてくれ。俺の劣化が止まらないんだ
自身の存在に疑問を抱き、嘆き苦しむセフィロスに出生の秘密を突き付けた後にそう懇願するが、「朽ち果てろ」と冷たく拒絶する。
態度故に誤解されそうになるが、これはかなり切実な頼みだったのである。もっと真面目に頼め。

挙句セフィロスもザックスとクラウドの手によって倒されてしまう為、ジェネシスは5年の歳月を治療法探しに費やすが、結局見つからずじまいだった。
シナリオ上では描写されないがクラウドたち以外のセフィロス・コピーの細胞も採集したがうまくいかなかったらしい。
なおシナリオの都合とは言え、この5年間も普通に生きて戦う際にも元気そうなため、劣化で死ぬなんてのは考えすぎだったのではと思わないこともない。

しかしザックスとクラウドが脱走した事により、二人が埋め込まれたであろうS細胞を奪う為に行動を始める。
だが元々ソルジャーだったザックスに埋め込まれたS細胞は変異してしまっており、細胞を取りこんだジェネシス・コピーは異形の怪物になってしまった。
その後、一般人だったクライドの中のS細胞を狙うもザックスやアンジール・コピーとなり裏切ったラザードに邪魔されこれもうまくいかず。

最後の手段として、ジェネシスはライフストリームに希望を託す。
バノーラ村の地下で噴き出したライフストリームと一体化、巨大な怪物「ジェネシスアバター」と化してザックスと戦う。
モンスターの姿になりソルジャーの誇りを捨てようとするジェネシスにザックスはアンジールやセフィロスの姿を思い出し吠える。

もっと聞かせろよ!言葉を捨てるなよ!モンスターになりきってんじゃねえよ! この野郎

激戦の果てにジェネシスアバターは倒れる。
その時、ライフストリームに住まう女神「ミネルヴァ」によって浄化を受け元の姿に戻る。
分かりにくいがこのとき劣化現象を克服している。

最後のけじめとして、ジェネシスは人間の姿のままソルジャーとしてザックスに最後の戦いを挑む。
なお、ラスボスだが設定的にもゲーム的にもそんなに強くない

ザックスに敗れた後、ジェネシスはバノーラホワイトの木の下に連れてこられる。
そして、ザックスはジェネシスにバノーラホワイトを渡し自身もバノーラホワイトを手に取り食べる。
その様を見てジェネシスは「アンジール 夢がかなった」と呟いている。

ジェネシスはセフィロスの細胞をその身に持つザックスがバノーラホワイトを食べたことで幼少期の夢がかなったことを悟ったのだ。

ザックスが去った後、ディープグラウンドソルジャーであるヴァイスとネロに回収され、ディープグラウンドへの協力を要請される。
が、ザックスとの戦いでソルジャーの誇りを取り戻したジェネシスはこれを拒否。
自分の因子を回収され、ディープグラウンドソルジャーの強化に使われてしまうものの、自らは地下水牢へと封じ、星の危機が起きるまで眠りに付いた。
つまりDCFF7での登場は不穏なものではなく「これからはジェネシスも世界を守るために戦う」という希望を感じさせるシーンだったのだ。
ジェノバ戦役の時に起きろよ!などと突っ込んではいけない。



ちなみにジェネシスの声は凄いハマりっぷり(ある意味本人だから当然だが)。
「Gacktって声優でもやってけるんじゃねーの?」と思ってしまうレベルなので、未プレイの人は是非とも聞いてやって欲しい。


毎度登場する度にLOVELESSをそらんじるその様は、いっそ厨二病を超えた何かすら感じさせる。
本編での行動には支離滅裂な点が多く、両親をその手にかけておきながらわざわざ墓を作ったり、セフィロスに対抗心をむき出しにしながらすがったりと、あまり情緒が安定していない。
自身の出生を知ってからの、いっそ狂気とさえ言える行動は後のセフィロスの行動にも通じるものがある。

とはいえ、実はその目的は存外シンプルで「劣化を直したい。死にたくない。」というだけ。
LOVELESSの朗読もよく聞くとちゃんとその場面にあったものを読んでいる。
ブレブレに見えるのは本人の心情が複雑なこと(決して情がない男でもなければ、かと言って人道的でもない)、劣化の治療法が彼にもわからないため最終目標までの方法がコロコロ変わること、ホランダーと途中で主従が変わるため神羅への復讐がどうでもよくなってしまうこと、その一方でセフィロスを超えることやセフィロスにりんごを食べてほしいなど少年のような夢をまだ持ち続けているなどが原因。


DCFF7のムービーは次のコンピレーションへの伏線なのか、はたまた投げっぱなしで終わるのか……

名言集

「騒々しいな、子犬のザックス」

「ふたりは俺を裏切り続けた。俺がこの家に来た時からな」

「俺も英雄になるんだ……」

「英雄の役は俺か?お前か?」

「この美しい詩を理解できないとは……気の毒だ」

「親友の再会が果たされたわけだ」

「女神の贈り物、か……」

「夢が、叶った」

「眠りにつくのはまだ早い。共に終焉を奏でよう……弟よ」



「優しいだけの言葉なら 追記、修正できない」

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最終更新:2024年04月19日 16:26

*1 誤解されがちだが、あくまで因子を埋め込まれただけなのでジリアンは実母ではない

*2 なお、セフィロスたちの正体を知っていたホランダーはセフィロスからジェネシスへの輸血を断っている。