∀ガンダム(MS)

登録日:2009/06/22 Mon 22:39:02
更新日:2024/04/18 Thu 13:38:53NEW!
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地球は戦争をする所じゃないでしょう!?



(ターンエー)ガンダムとは、アニメ『∀ガンダム』の主人公機。
機体名にある「∀」とは数学論理学全称記号のことであり、そこから「全てを内包する」という意味で、このコードネームが名付けられた*1


スペック

型式番号
System∀-99(WD-M01)
全高 20.0m
重量 28.6t
出力(推定) 27.000kw(±5000)
装甲材質 FE型
動力源 DHGCP(不連続超振動ゲージ場縮退炉×二基)

搭乗者
ロラン・セアック
ソシエ・ハイム
ジョゼフ・ヨット
メリーベル・ガジェット
テテス・ハレ

概要

地球に少なく見積もっても数千年単位で眠っていた正体不明のMS。
ビシニティで行われていた成人の儀式である宵越しの祭の最中に、月よりやって来たムーンレィスの攻撃に反応して“ホワイトドール”像の中から起動。
以降は、主に起動の際に近くにいた成人の儀式の参加者であり、実はムーンレィスであることから機械に明るい少年であるローラ・ローラロラン・セアックに運用され、
地球側のMSとして、ムーンレィスに対抗していくことになった。
数千年単位で放ったらかしにされていた為に、色々と機能が発揮出来なくなったりこそしていたものの、
機体自体は生まれたばかりのようにピカピカ、性能もどうやらムーンレィスの運用するMSより高そう……等、
牧歌的な番組初期の雰囲気の裏側で主役機にもかかわらず異質さを感じさせる描写が丹念にされており、その辺の秘密は後述のように徐々に明かされていった。

正式名称は“∀”(ターンエー)と思われるが、この辺りは実は曖昧。
というのも、後述のように“∀”とは、このMSの本来の運用目的であるSystem∀の一部という意味かも知れないため。
尤も、番組を離れて他のシリーズの“ガンダム”と並べた場合には“∀ガンダム”が正式名称であるし、そう呼ばれることに問題もない。
というか他のシリーズでも番組内での正式名称に“ガンダム”が付かない“ガンダム”は珍しくない。

メタ的にも過去の『ガンダム』達とは異質な見た目をしていることから、姫様直々に「ガンダムにお髭はありますか?ありません!」等と言われているが、
概ねの見た目が似ていることから、対するムーンレィス側からも「宇宙移民をイジめぬいた白いMS」に似ているとして“ガンダム”と認識されるようになっていき、
特に軍曹からは明確に“ガンダム”として憎悪を向けられていた。

一方、起動前は北アメリアのイングレッサ領ビシニティ北部のマウンテンサイクルにある、
自然に出来た(と思われていた)人型に似た大岩を彫って象られた巨大な石像の中で眠っていたことから、
ムーンレィス側の苦労や歴史を知らない地球側では、“ターンエー”の呼び名が明らかになる以前には、
その石像の名前を引用して“ホワイトドール”、または顔の見た目から“白ヒゲ”と呼ばれていた。
特に“白ヒゲ”は見た目からの連想もあり、このMSを“ガンダム”かも知れないと思ったムーンレィスも基本的には“白ヒゲ”と呼んでいた。

尚、彫像としてのホワイトドールとは、∀本体から零れ落ちて積もりに積もったナノマシンのカス*2が∀を覆った姿であった。
そこで、現地の人々がヒゲを生やした人型っぽい岩に顔とか彫って祀ってたら、
本当にヒゲを生やした機械人形が出て来てビックリ!というのが∀の物語の始まりとなったというわけである。
補足すると、設定資料や劇中でのさらりとした会話等も併せて考えると、
元々役目を終えた∀が眠った場所であったビシニティには∀に関する何かしらの秘密が伝わっており、
それを神話や信仰という形で後代に残したのだと考えられる。

これについては、∀のパイロットをモチーフにしたと思われる“印”が、
ホワイトドール像の前で行われる成人の儀式の“聖痕”として使われていることからも、それが想像出来る。
信仰とすることで∀本体から目を背けさせるという目的もあったのかもしれない。
因みに“白い悪魔”と言えばガンダム(とアムロ・レイ)の通り名として知られ、その後のガンダムにも適用されることがあるが、
元々は『機動戦士ガンダム』本編には登場していない*3二次創作、後付けが発祥であった。
そのため、そうしたメタ的な事情も含めると、『ガンダム』シリーズにおいては実は∀こそが、
上記の伝説に絡める形ではあったが、初めて公式で“白い悪魔”と呼ばれたガンダムだったりする。

その“白ヒゲ”の正体とは、かつて『月光蝶システム』を使い、地球の文明を滅ぼしたとされる禁忌のMSである。
禿御大の示したコンセプトはガンダム版イデオンだったり。やべぇ。

イデオン自体ならもう十年前に出てる? 何のことかな……


デザイン

頭部は、従来の“ガンダム”の様にお馴染みのブレードアンテナが額に付いたデザイン……ではなく、
口元を覆うチークガード付きのヘルメットのような形状をしている。
このチークガードが位置的に髭にしか見えないことから番組内でも通称は白ヒゲである。
因みに、後に制作されたスタッフも共通する『ガンダム Gのレコンギスタ』の主役メカG-セルフの、
“前方に突き出た”アンテナブレードは、デザイナーの安田氏曰く“ヒゲ”への変化の途中というイメージらしい。
番組内でも皮肉を込めたかのように“白ヒゲ”呼ばわりされている甲斐もあってか、
ファンからもアンチからも“ヒゲ”で通じ、その特異な見た目は否定的に語られることが多いものの、
アニメやゲームで動く姿を見て見方が変わる人間が出る程に動きやデザインが考えられている巨大ロボットでもある。
棒立ちの状態でもよく見ると頭が小さく脚が長い等、実はグッドプロポーション。さすがにちんコクピットはどうかと思うが。
アニメでは目にハイライトが入れられる等、ヒゲ呼ばわりされる反面、色々と可愛く描かれている。

デザインは『ブレードランナー』の映画美術でも知られる工業デザイナーのシド・ミード氏が
“リアリティー”というか“リアル”さを目指してスタッフにやんわりとダメ出しされつつ試行錯誤して出来上がったものだが、
後に当人が『もっとアニメっぽくすればよかった(意訳)』と発言してたり。
本人も従来の位置にアンテナを付けたくないという理由でデザインしたのが元だったので後で悩んだそうだが、
親交のある村上克司に相談した所“ヒゲのある”ゴッドシグマを見せられて安心してそのままにしたとのこと。
尚、これでも譲歩したそうで、最初にデザインした時はリアルな人型兵器の記号過ぎてスモーガンダムと呼ばれる代物だった。
流石にガンダムに見えないということで∀が描かれたが、没デザインを元にスモーが誕生している。

発注した禿御大も『カッコ悪いのは解っているが今の自分にはこれ以上のデザインが手に入れられない』と番組開始前に言ってたりする。*4
ロラン役の朴璐美にも、わざわざ「このデザインは人気が無い」と説明した程だったそうだが、
現在では朴も∀のデザインはダサイものだと理解しつつも、本作の世界観には合った特別な物として理解するに至っている。*5

尚、ミード氏が本作に関わるデザインで一番のお気に入りとなったのは、
上記の“リアル”さに“アニメの“ケレン味”を加えることに成功したターンXなのだとか。*6


性能

∀の製造過程については謎が多いが、一説によると太陽系外部からの侵略者にそなえ作られたという。
ちなみに、この太陽系外の敵とは外宇宙に出ていったニュータイプの子孫達のことであり、
彼らが作ったと思われるMSが地球圏に漂流し、地球のMSとはまさに格が違う超高性能ぶりに怯えた地球圏の人々が、
彼らが攻めてくると思い込んでその機体を解析してコピーしたのが∀……ということらしい。*7
建造時期は宇宙世紀に換算すると7800年頃らしい。

ちなみにこの当時、地球では遥か過去に起きたDG細胞事件を契機としてナノマシンの研究は封印されていたのだが、
流れ着いたターンXとそれを作り出した技術への恐怖は全ての枷を取っ払ってしまい、
結果誕生したコピー機にして恐らく最強のモビルスーツ・システムがこの∀ガンダムである。

設計・運営思想は【究極的な単機による作戦行動】。
より正確に言えば、地球全域をカバーする戦術システムであるSystem∀構想の運用実行機であり、本来の型式番号はそれを示したもの。
単体、或いは多く見積もったとしても師団程度までで完結する従来の“兵器”の運用思想を越えた理論による運用を意図して完成されている。

それゆえ一般的な兵器には当然のように見られる機能の特化や、制御不能になることや甚大な破壊を危惧して、
かけられるべき開発上の制約を捨て去り、全てに対しオールマイティーか、それ以上の性能を誇っている。

ただし、作中で発揮した能力は、メインスタッフで番組内でのメカニックの設定とデザインのリファインを担当していた重田氏曰く、
メンテ不足と経年劣化により満足に動けなかった序盤は勿論、
番組終盤でギンガナム艦隊による整備を受けて驚異的な性能を発揮していた状態でも、実は「5%程度」だったとのこと。
つまり、月光蝶を発現させた状態でも1割以下の性能だったということになる。
そこから逆算するとムーンレィスの使用していた兵器すら僅か数%の性能しか発揮していないヒゲ以下ということに。
……尤も、重田氏曰く「黒歴史時代でも想定の2割程度」の性能しか発揮していなかったとのことなので、
前述の設計、運用思想から鑑みても予測値が高過ぎて100%の力を発揮出来ない機械ということなのかもしれない。*8

しかも、劇中で見せているのはSystem∀を除いたMS単体としての姿でしかなく
本来は地球各地に存在するDOC(デバイスオペレーションコントロール)ベースとの連動により、
∀の胸部空洞に戦況に応じた武装の転送を行う事が出来たとされている。
劇中でも∀の武器が至るところで発見されているのがその名残で、
嘗てはここから瞬時に地球各地から空間転送による武器の補充が可能であったと予測されている。
後述の通り∀本体も本来は空間転位(ワープ)が可能であることから、『System∀』とは、
「空間転位を利用して本体が必要な地域に移動しつつ、戦術に応じた兵器をDOCがバックアップする」システムであったと考えて間違いないだろう。

主役ガンダムとしては見た目と設定の時点で一際異彩を放つ機体ではあるが、少なくともアニメ本編での姿に関しては、
ファースト・ガンダムからの伝統であるビームライフル、ビームサーベル、シールドの三種の装備は健在。
一方で、再起動当初の装備の不足と、その頑強な構造から、
不必要な破壊はしたくないというロランの意志もあり徒手格闘での戦闘を行う機会も少なくなかった。
特に使われることが多かったビームサーベルも同じ理由で、ピンポイント攻撃から防御までと多彩な使い方をしていた。

地球、ムーンレィス双方にかつて文明を滅ぼした禁忌のMSとして地球や月の一部で語り継がれており、
特に黒歴史が封印されている冬の宮殿を預かるアグリッパと手の者や、同じく情報を開示されたギンガナムからは当初より警戒されていた。*9
しかし、かつてそんな『悪魔』とまで呼ばれた∀ガンダムも、『∀』本編においては、
メインパイロットであったロランの非好戦的かつ庶民的な性格から戦闘以外にも駆り出され、
橋代わりになったり、手首を回転させて洗濯機にしたり、牛の運搬も行ったりと、平和的な使い方をされていた。
元々、MSに作業用ロボットの理論から兵器に転用されたという設定があることを考えると、
究極の最終兵器として生み出された∀が本来の用途を失った後に、人に使われる機械としての原点に立ち返った姿を描写されたというのは、
何気に『∀ガンダム』という作品のテーマにも沿ったものとなっていると言える。

漫画『月の風』の1コマにおいてはガンダムタイプのお約束通りターンBジムなる量産型が存在していたとされている。

○主な武装


スーパーロボット大戦』の最弱武器として知られる様になった兵器というか技。
原作ではメシェーを人質に取ったウォドムの手だけをちょん切るのに使用。*10
武装が無い為に使用した物だったが、∀の構造が非常に頑健、
かつ機体内部に複雑な構造を抱えていない為に普通に格闘戦をこなせることの証明となっている。
一度しか使用してないが、非常に印象に残る技だろう。
モーションと∀のキャラクターデザイナーから、通称“ガンダム昇龍拳”と呼ぶ人も。

重金属粒子を加熱、プラズマ化して重力場内で刀剣状に固定した斬撃装備。……色々とおかしい。
∀に乗ったソシエが偶然にも見つけ出し、途中で交代したロランが初めて使用した。
∀ガンダムのサーベルラックが如何にも後付けっぽい簡素なものな事やマニュアルにも載っていない事から、
これは∀本来の武装ではないと思われ、事実スピンオフの『月の風』では装備していなかった。
ビームの刃部分が非常に細く、ビームサーベルというよりレーザーのような見た目をしている(後に従来のものと同程度の太さに)。
サーベルの基部自体も掌に収まる位に小型だが、切れ味は極めて高い。*11
左右の掌に展開した二本を一本にまとめて高出力のロングサーベルにすることもできる。
小説版では色調は夕日色とされた。
前述のようにロランが特に多用していた装備で、二刀流回転斬り
果ては手首を高速回転させて弾幕を防ぐ等、歴代でも類を見ないレベルで多用していた。
なお、本編でのターンXとの最終決戦もこの武装で行われているが、
後述のように∀やターンXのIフィールドは互いの使用する高威力のビーム兵器すら無効化してしまう為に、
ロランのクセなどを置いておいても、あの時点で唯一有効だった装備と考察(事実?)する意見も。


  • 7th-GMPT
上記のビームサーベルの部分に本来は装備するつもりだったとも言われる兵器。
7th-GMPTとは第7世代ミノフスキー物理学理論のことである。
宇宙世紀のガンダム世界ではミノフスキー物理学を元にMSや兵器の研究が重ねられていったが、
この7th-GMPTは、そうしたミノフスキー物理学を元に動いている機関や兵器に干渉し、強制停止させる目的で運用される予定だったと言われている。
実装は叶わなかったと言われるが、作中に登場する大型MSウォドムは、本来はこの7th-GMPTを備えた機体であったともされる。


∀の主武装。
シンプルな外見だが、威力は他作品のビームライフルとは一線を画すほどに高く、
長距離でも大気中にもかかわらず光線に減衰(空気中での光の拡散や分散)が見られずに直進し続けるという特徴を持つ。
出力も自在に調節でき、高出力モードも可能。
スパロボ等でもウォドム並のビームを放つ高出力モードが別武装として分けられていたり。
また、本編のロランは逆に銃口を絞って狙撃による局部の破壊に利用したこともある。

最高レベルに設定するとコロニーレーザー級の威力があると言われたりもするが、そのような設定は公式では一切存在していない。
とはいえ、劇中でも最高出力では無いのに山脈を余裕で貫き、尚も光線が直進するという異常な破壊力が描写されていたのも確か。
威力が減衰せずにビームが直進する現象については、普通は光線や陽電子砲の類でも地上の重力の影響を受けるのに対して、
反対にビームの方に地表が引き寄せられている描写があることから、サーベルと同様にビーム自体が重力コントロールされて直進していた可能性もある。
第2話で本体のすぐそばに埋まっていた(携行していた)物が登場したが本体と違い経年劣化が激しく、
自動制御で動き出した∀による高出力モードでの二射で銃身が溶融し使用不能になった。
その後も各地で兵装らしきもの(前述のDOCベースの跡地)が発見されても、見つかるのはやっぱり経年劣化により使えないものばかり……という状況だったが、
ムーンレィスの技師が合流した辺りで漸く使えるライフルが発見されると共に補修され、中盤頃から携帯されるようになった。
当然と言えば当然だがムーンレィスの技術者を加えた後のミリシャでも機構そのものを再現、複製することは出来ていない。

小説版ではリフェーザーライフルとの表記もされており、その名称から考えても、
機構そのものが宇宙世紀やその他の時代のビームライフルとは別物である可能性が高く、更にエネルギー切れや補給の描写も存在しない。
『∀ガンダム』世界と繋がりが深い設定である筈の宇宙世紀の物とは完全に別物で、
宇宙世紀のビームライフル=ミノフスキー粒子をIフィールドを用いて縮退・収束して放つメガ粒子砲とは異なる理論・機構であり、
その威力も、宇宙世紀のソレとは比べ物にならない位に高い。
ビームサーベル同様にプラズマ化した重金属粒子を固有振動で収束して発射する共振粒子砲と説明されている。*12
経年劣化していたことや大量に発掘されていたことからも解るように、
本体とは無関係で幾らでも代替の利く外付けの装備品の一つに過ぎない(ナノマシンによる補修外となる)。


  • シールド
∀本体が隠れてしまうほど大きな。肘にはめこんでも使用出来る。
特に特別な装置の類も無く、攻撃を防ぐ以外の用途に使われる訳でもない。
とはいえ単純に防御力は高く、何十もの層でコーティングされており、生半可な攻撃では破損すらした描写が無い上に、
どの程度のレベルかは不明だが本体同様にナノマシンによる再生機能を持つらしく、劇中でも半分になった状態の時に再生が始まっているのが確認できる。
劇中ではジェネレータを二倍にして倍以上の出力にまで強化されたビームを、盾を中心に広範囲にまで展開したIフィールドにより自軍全体をカバーしてみせた。
∀の防御は頑丈な機体そのものやIフィールド、究極的には月光蝶によっても行えるためか、かつては余り優先して装備されていなかったらしい。
形状はガンダムの装備していた多角形型ではなくゲルググの装備していた流線型の物に近い。
元々は“貝殻”の様な見た目を想定していたとの事だが、上手くデザインに盛り込む事が出来なかったとのこと。


  • ガンダムハンマー
グリップ部から鎖で繋がった巨大な鉄球にロケットモーターを内蔵した格闘・投擲用の武装。
いかにも蛮族が使いそうな見た目だが、かつての時代の同名の装備とは違い、
鉄球部よりIフィールドを発生させ敵機体の駆動系に干渉出来る他、鉄球のトゲ自体を爆発させる機構も内蔵する等、何気に超性能。
劇中では最初に発掘されたものは、経年劣化で鎖がボロボロになる中で受け止めたウォドムの手を破壊しながら頭部の奥深くにまで自らめり込んでいった。
このためハイパーハンマーと紹介されている場合もある。
ビームライフルと同様に、その後も見つかるのは経年劣化でボロボロになったものばかりだったが、宇宙船ウィルゲムの中から使えるものが見つかり補修もされたようで、
その後は流石に普段から携行するような真似こそしなかったものの、装備の選択肢の一つとなる。
戦闘を繰り返したり、ロランが∀の性能を理解し始めたことにより機体の出力が飛躍的に上昇した後半には、
両手に装備したハンマーでポゥの乗るスモーとムットゥーを捕獲して纏めて振り回したりもした。
その姿が余りにも印象的な為か、後述の通りvsシリーズで武装に選ばれたりなんてことに。
また、月での戦闘時にはソシエが持ち出してスエッソンのマヒローに一泡吹かせている。


  • 胸部マルチパーパスサイロ
胸部に存在するがらんどうの内部スペースのこと。
本来はミサイルやビームドライブユニット、マシンガン、近接戦闘用の武装などを装備するための広い空間。
しかし『∀ガンダム』本編ではそのような武装が現存していなかったため、
ミリシャ製の爆弾を装備した他、牛さんの運搬や核ミサイルの隠し場所なんかに利用された。
下記にもあるが、本来は青い狸のポケットの如く状況に応じて必要な道具を取り出すためのスペースである。
元々はこの下部に主砲が搭載されていたとも言われる。
劇中で最初に入れて運んだのは、前述のように


  • 腹部拡散ビーム砲
下腹部に存在する拡散ビーム兵器。
ビームというが、光線ではなく光の奔流をシャワーのように拡散させた。
終盤でギンガナム艦隊に鹵獲された際に取り付けられていたものをジョゼフが使用。
劇中で披露したジョゼフの叫びから、視聴者からの通称は「やったぜフラン砲」である。
因みに記述の通り正式名称は腹部拡散ビーム砲なのだが、ビームドライブユニットと記述されることが多々ある。
あっさりとした演出なので気付かれ難いが、何気に∀と同性能=∀のビームライフルやウォドムのビーム、
果ては核爆発程度は余裕で防げるターンXのIフィールドでも防げない鬼畜兵器であり、実はガンダム世界でも屈指の危険物の可能性がある。
本体からデータを取って再現された正式武装なのか、他の機体の流用品なのかははっきりしていない。


  • コアファイター
幾つかのガンダムではお馴染みの機構で、∀の場合はちんコックピットを中心に前部のスカート部分が変形して翼となって分離する。
簡単な推進機の類しか付いておらず、飛行自体はlフィールドによりグライダーの要領で揚力を得ているらしい。
そうした構造上、歴代のコアファイターよりも小型で単純な変形機構である。
コアファイター自体にはエンジンの類が搭載されていないので長距離航行は不可能らしい(ロラン曰く「長距離が苦手」)。
コックピット部分だけを有線で地面に下ろす事も可能で、乗り降りでも有用。
因みに、コックピットは座席があるだけでレバーやペダルの類は存在せずシートベルトすらも無い。
パイロットが大きな動きに晒された時にはエアバッグの代わりに本当に高圧のエアーが噴射されて座席に落ち着ける機能があるのが描写されている。
操作は後述のようにパイロットの精神とのコネクトにより補われる他、索敵はパイロットの視線や思考に応じて全自動で対応され、
必要に応じてVRメットを介しての三次元による予測再現を行うことも可能である。
ギンガナム艦隊に捕獲された際には機体のコンセプトや機構が似ているスモーのコックピットを代わりに付けて制御していたが、
本来のコックピットで無ければ完璧な機能の発揮は無理だとされる。
また、コックピットが剥き出しの為に防御が低いとか弱点丸出しと勘違いされることがあるが、
∀自体が構造、機能の両面から防御力に優れている上にスカート部分に自動でコックピットを守る機構があったりと実際には非常に堅牢である。

その他、ビシニティのDOCベースには様々な装備が格納されていたがどれも経年劣化で崩れ落ちてしまっており全容は確認不可能、かつ未使用。


自分を捨てて戦える者には!!



  • 月光蝶(げっこうちょう)
背部ベーンよりIフィールドに乗せて射出されるナノマシン。青色に輝くナノマシンは紋様の付いたの羽の様な姿を形作る。
羽をはばたかせ、鱗粉を振りまきながら飛ぶ姿は正に『蝶』の如く。
効果範囲は黒歴史時代なら軽く地球上を覆う程だったが、劇中では見える範囲での空を覆う程にこそ展開されたものの、
黒歴史内の記録映像の様な範囲への拡散や破壊現象までは起きなかった。
それもそのはずで、このことが記載されている資料によればかつての1/10以下の出力だったとのこと。

このナノマシンにより地球の文明は一度葬られ黒歴史が生まれた。人工物を全て分解し砂に変えるとされるが詳細は不明。
合金や化合物を単体の原子に分解してしまうのだろうか?
一部小説内だと地球の物質全てにナノマシンが含まれており、月光蝶のナノマシンがそのナノマシンに触れると自壊プログラムが発動し砂になるとされている。
尚、人工物の分解というのはプログラムの結果でしかなく、実際にはあらゆる物質を分解可能と考えるのが自然との考察もあり、
実際に劇中でも大気組成が分解されたのかイオンを含む大嵐が副産物的に発生して多大な被害を出していた。

また、実体のみならずエネルギーの類いも分解吸収することが可能*13で、高密度で展開した場合には実質的な無敵のバリアーと化す他、
後述のようにターンタイプを除くあらゆる機動兵器の類いは活動不能に追い込まれる。
一応は月光蝶の拡散と同じ要領であるIフィールドバリアーにより直接的な影響を防ぐことも可能……だが、
最終話でのソレイユを見れば解るように戦艦であってもあっという間にエネルギーが尽きて墜落してしまうことになる。
前述の様に出力が本来の1割以下でもこの有り様であったことを考えると、本来の出力ならば同じ方法を用いても僅かでも防げたのかは甚だ疑問である。

性質上、高密度の羽の部分等は触れただけで人口物ならば切り裂かれて(触れた部分が消滅する)しまう等、
限定的な範囲ならば攻防一体で広範囲を一瞬で壊滅させる最強の兵器としても転用可能であり、
これこそが現時点で判明しているターンタイプ最大の脅威と言える。

後作品の『Gのレコンギスタ』に登場するG-ルシファーにも同名の機能が装備されていたが、ターンタイプと同様の性質を持っている描写はされていない。
禿御大は『Gレコ』を『∀』の500年後という想定で制作していたらしく、「有用な技術だから継承されてきた」と何かとんでもないことを言っている。
ただ、これはあくまで御大の想定であり、サンライズ公式の年表では『Gレコ』は『∀』よりも遥かに過去の話である*14
公式年表準拠で考察するのであれば、「実は『月光蝶』という名前の兵器やアイディア自体はターンタイプの建造以前から存在しており、
ターンタイプの代にて、初めてあれだけの規模の破壊が可能な兵器になった」という説もある。

尚、文明世界を抹消する=自然環境の回復の役目もあったのか、
月光蝶で分解された物質のカスとも思われる“黒い粉”を利用することで不毛の地に作物が育つ様になったとの話題が劇中に出てきており、
かなり前半から伏線が張られていたことが解る。



○テクノロジー

∀のIフィールドは従来のフィールドと異なり、「ビーム」はおろか「実弾」「衝撃波」など物理的干渉にも対応しており、
これによって∀は常時バリアーを張っているような状態となっている。
宇宙空間での核爆発に際して、∀と頭だけのターンXに展開されているのを劇中で確認出来る。
前述のようにターンタイプに張られているものは同一機構のスモーとすら比較にならない程に強力で、
スモーでは不可能だった強化型ウォドムのビームや核爆発をも余裕で弾く程。

ただし、ターンXの分離状態からの全方向ビームの連射(ブラッディシージ)は威力が高過ぎたのか、
無傷で凌ぎはしたが一時的にパワーダウン現象を引き起こし、敗北と危機を感じ取ったロランはコアファイターで脱出している。
当初は稼働していなかったようでロランが機能に気付いて以降は常時展開されており、
またIフィールドによる遠隔コントロールを利用したビームサーベルの基部のみを投げておいてからの時間差起動なんて戦法を見せたこともある。
恐らくは名前の通り、機構的には過去のガンダムシリーズの“Iフィールド”と同じなのだろうが、
後述の主機関の生み出すパワーが桁違いな上にエネルギー切れしないので、ここまでの性能になっているのだと思われる。未来人恐るべし
また、∀は「IFBD(Iフィールドビームドライブ)」によって稼働しているため、従来のMSのようにジェネレータや駆動装置に占領される面積が少なく*15
駆体そのものが装甲・構造材を兼ねた構造となっている。
劇中で頭がすっぽ抜けても問題なく稼働してたのはこの為で、中身空っぽの昔のプラモデルとかソフビ人形みたいな構造を想像すると理解し易い。
積み木みたいな各部を目に見えない糸で括って、マリオネット的な感じで操るのである。
同様の構造をしたMSにスモーやターンXがあり、オリジナルとも言われるターンXに至っては全身をバラバラにしてのオールレンジ攻撃を見せた。
スモーはターンタイプのMSとしての機構部分だけを元に生み出された機体シリーズなのだろうが、そうした事実もまた黒歴史の封印と共に失伝されていた可能性が高い。


  • 動力系
推進機は下半身に集中していて、脚部後方にあるスラスターベーン(ゴジラの背板のようなもの)の一枚一枚が、
そのベーンよりもさらにマイクロマシンサイズの極小のスラスターで構成されるというフラクタル構造をしており、
そのスラスター自体を細かくコントロールすることにより推進する。*16
本編開始時にはスラスターにナノマシンの塵が詰まっており全く推進力が得られず、
当然のように空も飛べなければホバーも使えずに歩くか走るかで移動と、お世辞にも良い性能とは言えなかった。
とはいえ、それでも機体の運動性能の高さのみでウォドムやフラットを圧倒してしまってはいたのだが。
コレン・ナンダーとの戦いの中で塵が取れてスラスターが使えるようになってからは、本来の圧倒的な機動力を発揮するようになり、
当初はロランが常識内でのMSの性能しか知らなかった為かホバーや跳躍の補助といった常識的な使われ方をしていたが、
月に登る前段階の辺りでウィルゲムの起動に使われたりと更にパワーのあるMSだと理解されたのか、
スラスターのみで重力下での完全飛行=機体の形状に関係なく重力の影響を脱してしまえる程の驚異の推進力を見せた。
因みに、推進材の類を使用している描写も見られない

そのパワーは、そもそも他のシリーズと比較すると常識外れな性能を持つメカニックが多く登場する『∀』内においても規格外で、
スラスターのパワーのみで本来は木星の超重力圏内で活動することを目的として制作されたらしい発掘MSであり、
同じく大気圏内での完全飛行が可能なムットゥーを吹き飛ばしたり、
単機で大気圏を離脱出来るパワーを持つ戦艦であるジャンダルムを正面から押し返したりと圧倒的なパワーを見せている。
終盤では完全な静止状態からの急加速といったゲッターロボもかくやといった動きをも見せており、
他にこれ程のパワーを見せているのはやはりというか“兄弟”であるターンXのみで、
それ以外では最もターンタイプに近いシリーズと思われるスモーも比較にもならないレベル。

脚部には左右一基ずつ“DHGCP(不連続超振動ゲージ場縮退炉)”と記載される縮退炉超小型ブラックホールエンジンが格納されており、これが∀の心臓部である。
MSとしては考えられないようなパワーを誇るのはこの主機関のため。
これも、無限に増殖するナノマシンを利用して縮退を保っていると考えられる。
縮退炉は周囲の熱を奪うために何重にもブランケットを巻かれているだろう、等とも予想されている。
推察されたスペック上の出力はスモーに劣るが、後半にかけての劇中描写では、
前述の様にスモーはおろか、戦艦相手にも優るパワーを見せつけている為、実際の出力は予想値を遥かに上回ると考えられる。
また、あっさりと描写されていたが有り余る出力からか単機での『空間跳躍』も可能であるとされる等、謎が多い。*17


  • ナノスキン
多数のナノマシンから成る素材で高い自己修復機能を持つ。それにより∀は常にナノマシンにより修復を受けている状態となっている。
ムーンレイスのホレス技師曰く「内部構造までは修復を受けない」らしいが、
これはホレスが現在のムーンレイスでの常識しか知らなかった為で、∀の場合はかなりの破損であっても時間さえあれば完全に復元出来る。
一説によれば小さな欠片からもパイロットを含めて再生可能との噂もある。
……ん?それってつまり、∀をバラバラに分割してほっとくとその部品一つ一つが∀になるってこと?*18
因みに、主に否定派からは流石にパイロットまでは復元出来ないだろうと言われていたが、
2019年のシド・ミードのデザイン典にて本当にそのつもりで設定されていたことが明らかになった。
因みに、最終話にて相討ちとなった二機のターンタイプが繭に包まれたのも、
両機が致命的なダメージを受けたように見えて、実際には即座にナノマシンが修復を開始していたから、との考察も。
また一方では、繭の状態を維持したままとなっているのは、
ロランの意思を汲んだ∀の側のナノマシンがターンXの蘇生を阻止すると共に封印状態に留めている為という考察もある。

尚、ナノマシンの集合体=超高密度で集積した高分子化された物質ということにもなるので、
単純に装甲自体も頑丈であり、生半可な攻撃では傷ついた描写が無い。
また、機体自体も内部に空洞が多くて軽いからか、普通に受け身をとって落下ダメージを無効にするような動きも可能。
月光蝶を生む大元でもあるため、ターンタイプのMSのみは月光蝶の散布下でも問題なく活動が可能と更にチート。
性質上、ナノマシンは無限に自らを増殖するプログラムが基礎的に組み込まれており、
その上で与えられた命令に応じてボディを構成、復元したり、月光蝶として分解プログラムを実行したりしていると思われる。

この能力は、デビルガンダムに非常に似ており、∀とデビルには何らかの繋がりがあると想像されたりしている。
DG細胞のナノマシン技術を更に発展、完全なコントロール下に置いたのがターンタイプのナノマシン技術である……と言うのである。*19
実際、恐らくは文明を残す判断をした側の末裔と思われるムーンレィスからは「地球文明を埋葬した」と負の側面を強調されて語られている∀と月光蝶だが、
前にも触れたように人工物を砂に変えるのと同時に、科学文明の残した汚染をもリセットして地球環境を急速に回復させるという目的もあった。
アニス婆さんのエピソードにて背景の山が都市群に見えるという指摘や、その都市であった土地の汚染をも浄化して肥沃な大地に変える黒い土の話題からも、
デビルガンダム=アルティメットガンダムの本来の目的をもアップデートさせたかのような効果を発揮したと思われるのが過去の世界の∀なのである。
人類の淘汰すら必要ないのだから出会ってたら師匠も大喜びだったことだろう。



その他特性

機体自体も音声入力も込みで電子マニュアルも完備と、初心者にもおすすめのMSである。
マニュアル自体は、第一話でロランが「サバイバルキットみたいな物」と一緒に見つける。外見はファーストガンダムのマニュアルに近い。
尚、マニュアルの内容はムーンレィスであるロランをしても理解しきれないレベルの代物だったようで、それが劇中での段階的な機能の回復、発現として描写されている。
本編では気づいた人間だけが気づけばいいという程度の描写だが、アニメでの設定を活かして描かれた小説版を見れば解るように、
実はサイコミュの類がシステムに組み込まれたニュータイプ専用機の系譜にある機体でもある。
実際、ロランの感情に呼応する形で出力の増強や月光蝶の発現が起きている。*20
本来はパイロットスーツを通じて機体その物と精神をコネクトさせて操るシステム(スパインパルスセンサー)であり、
成人の儀式に於けるホワイトドールの聖人=∀のパイロットと同じ背中の印とは、パイロットと∀のコネクトによって付いた跡のことで、ロランの背中に付いていたのもこれ。
神経システムの接続によりトレースどころか、パイロットの思考に応じて動く為に、
ロランが操縦していないように見えても∀がロランと同じ動きや、ロランのしようとしていることを先んじて実行していたのはこの為である。
機構が似ているスモーもそうだが、パイロットとMSの感覚が共有されているかの様な場面も登場してくる。
後年、∀の雰囲気とは似ても似つかない世界観のガンダム達がどこか似たようなシステムを搭載しているが…
因みに、火器管制システム等は自動でもビームにビームを当てられる程に優秀というか万能であり、最早全自動NTの域。
劇中での最初の目覚めでウォドムに反撃した動きも完全なプログラムによるものであった。
(そんな訳で、番組の裏設定を渡した上で執筆された)一部小説ではマニュアルが行き過ぎて普通に喋る。



ガンプラ

放送当時に1/144と1/100で発売。

後に記念すべきMG100体目として発売された。
プラモデルの機体解説には、劇中では死に設定と化した上記のトンでも設定の情報も記されていたが、始まったのはガンダムの名を冠した名作劇場であった。
また、ROBOT魂でも立体化されており、通常版の他に銀ピカのナノスキンverや半透明の月光蝶verなんかも限定発売されている。

2014年には、HGオールガンダムプロジェクトの一環としてHGCCで発売。
ビームライフル及びビームサーベルとシールドは勿論のこと、胸部マルチパーパスサイロ/胸部拡散ビーム砲を再現する胸部展開パーツや、ナノマシン散布用ベーンの展開も再現。
その一方でハンマーは付属しないため、初代ガンダムなどから流用する必要がある。
稼働域はそこそこで、合わせ目がやや多いのと墨入れをしないとのっぺりとした印象が強いデザインのため、気になる人はかなり手入れしないといけない。
付属パーツには表情豊かな平手が付属し、PC-001Aの白いポリキャップを使用する事で関節部が露呈するポーズでも違和感のないよう配慮がされている。
後にプレミアムバンダイ限定で、『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場した色違いのターンエーガンダムシンと、月光蝶エフェクトが発売した。


○ゲーム中の性能

ZEROから参戦。だが、ZEROの時点ではまだ原作が未完であったためゲスト参戦止まり。
Fでは他の機体と共に本格参戦。攻撃力・防御力はトップクラスだが、何故かターンX共々この頃は飛べなかった(飛行可能になったのはPORTABLEから)。
月光蝶はENにダメージを与えるマップ兵器となっているが、敵機体はENの最低値が決まっていたり、自動回復されてしまうため有効に活きる場面を選ぶ必要がある。
弱くはないが、多段ミサイル全盛期の旧作Gジェネではウリに欠く部分もあった。

スピリッツでは最終話「世界の眠る日」に登場。
U.C作品のみの収録である本作の中で唯一アナザーガンダムからのゲスト参戦であり、本作のラスボス
アニメ版と違って黒歴史全開モードとなっているため、凶悪な性能を誇る。
基本性能もさることながら、ナノスキンやIフィールドを始めとしたチートクラスのアビリティや月光蝶はもちろん、
ハイ・メガ・キャノン並に太いビームサーベル等の強力な武装をそろえている。まさに『お髭様』。
V2ガンダムを始めとした、宇宙世紀でも群を抜いて強力な機体を揃えてやっと対等に戦える。
最終ステージをクリアすることで生産登録される。生産費は超高額であるがオリジナル軍のユニットとして運用するほか、
Fのフェニックスガンダム同様、あらゆる機体と設計できる優秀な素材でもある。
本作以降、ボスとして最大出力の∀が出る事はお約束となっている。

次回作のウォーズではアニメ版仕様のみなので、性能は大分抑えられている。また初期の仕様と後半の能力解放仕様が別の機体となった。
ワールドでは黒歴史仕様がまさかの復活。多少変更はあるが「お髭様」の名に恥じない超高性能機。能力解放も核ミサイルと月光蝶がマルチロック武装となったため強力。
オーバーワールドでは月光蝶が特殊覚醒へと変更。同作のロランは福井版準拠なのかニュータイプを習得可能なので問題なく使えるが、他のNTを乗せた方がいい場合も出て来た。

ジェネシスでは再び黒歴史版がラスボスに。マップ版月光蝶がHPにダメージを与えつつEN・MPにもダメージを与えるという効果になったため使い勝手が向上した。
クロスレイズではDLCで登場。名前には何もついていないが能力解放版である。
マップ版月光蝶が通常ダメージ+攻撃ダウン効果になり、範囲内の6体にランダムにダメージを与えるという効果となったものの、
通常版月光蝶が防御力無視効果となったため、最大火力は高い。


α外伝』においてスパロボ初参戦。中盤までは並の性能であるが、終盤追加されるMAP兵器版の月光蝶が非常に強力。
なお、スパロボでは∀系の乗り換えが宇宙世紀系と共通であるため、ロランが降ろされてしまう場合も少なくない…が、
初参戦の『α外伝』では、ロランのSPの多さや精神コマンド「必中」を習得している事、
ZシリーズではSP回復やロランのエースボーナスとの兼ね合いからロランを降ろさない選択肢も十分考えられる。

Z』にて久々に参戦。∀ガンダムの原作再現も行われており、武装が少しずつ追加されていく。
序盤こそ力不足感が否めないが、やはりというか、月光蝶を解禁してからは圧倒的な主力となる。

第2次Z破界篇』においては、長射程の「ビーム・ライフル(高出力)」や、
弾数こそ少ないが強力な移動後武器である「ミリシャ一斉攻撃」が追加され、月光蝶なしでも十分な戦闘力を持つようになった。
さらに、手刀が無消費で使える技となり、無双や反撃戦法に持ってこいの機体となる。ただし、月光蝶はロランが封印している為に使えない。

再世篇ではブレイク・ピラー事件において、降り注ぐ大量のピラーを止めるべく、遂にロランが月光蝶を開放。以降は単体版・MAP版が解禁される。
ロランもいいが、精神コマンド「加速」、ABに「連続ターゲット補正無効」を持つが、乗機に恵まれてないクワトロを乗せての単騎突撃や、
技量に長け、「再攻撃」で豊富な武装を使いこなせるアムロ、もしくは育成の遅れているパイロットに月光蝶を使わせて育てるのもいいだろう。
最後は、平和な時代には不要な力として埋められたが…。

第3次Z天獄篇』では、ロランとガロードの危機に対して、自らの意思で出土。戦いに加わっていく。
異星人や世界規模の侵攻に対してか、最初から月光蝶が解禁されている唯一の作品。
また、通常兵器やMAP版とは別に、コマンド選択から使える特殊能力版の月光蝶が追加。
Gジェネのようにマップ全体にいる敵のENを吸収する能力となっており、一部のボス敵をほぼ無力化できるため非常に強力。


  • ガンダムvsガンダム
コスト3000の格闘機。νガンダムに並んでデカく、F91と組めばその差は歴然。
射撃武器にガンダムハンマーを持つので、ライフル持ち万能機とはだいぶ使い勝手が違う。隠し味に核ミサイル投擲も使える。
その際にはちゃんと「全員へ!核を使います!」と発声するので、対戦においてはバレバレで実用性は低い……のだが、
基本的に他のゲームの音などでうるさいゲーセンだとその声が聞こえず、気が付いたら近くで爆発してた、なんて事も。
無印では、高コスト機では(ガンダムXほどではないが)やや不遇であった。

しかし、NEXTでは鬱憤を晴らすかのように超絶強化。
素の耐久が高い上に耐久値200以下になると月光蝶が発動、攻撃力が跳ね上がるようになった。
格闘は全体的に高性能で威力も高い。特に横格(レバー横入れ格闘)は範囲広い、発生早い、ダウン奪うの早いの異常性能。
フワキャンと呼ばれる回避テクニックでの変態的機動で相手の攻撃をかわしつつ横格を差し込むその姿は、迎撃手段を持たない機体にとっては恐怖そものもである。
それに加え月光蝶発動中だと横格からのコンボで耐久力が300近く削れる(2000コスト機の体力は平均550くらい)
……と、中々アレな性能なので対人戦では気を付けよう。
もっとも格闘機なので、相方と協力して近づかない・近づけさせないを徹底すれば、2000コスト機でも十分勝ち目はある。



格闘は大幅に変更。
前作と比べて全体的に格闘は弱体化。判定はお世辞にも強いとは言えないが出の早いものが多い。
代わりに射撃面が強化され、メイン射撃のガンダムハンマーは発生が早く使いやすい。
射撃CSにライフル照射が追加。サブ射撃がライフル連射に変更され、レバー入力するかどうかで発射間隔と誘導性能が変わる。
特殊射撃はソシエとメシェーのカプルを召喚。レバーNでミサイル連射。レバー入れだと文字通り『特攻娘』が相手目掛けて突っ込んでいく。

覚醒技は『月光蝶』で、 大きく羽を広げた後に突撃する。
発生が遅く派手な演出なので即応されやすい欠点こそあれど、ヒット判定が非常に大きく技終了までSAが付き単発高火力という優れた部分が目立つ。
横格闘最終段から当てるのが定石だが、そのインパクトから生当てごり押しに使えなくもない。外れた場合の隙の多さはあるが……。

射撃武装全般のリロードがかなり早いため弾幕を張れるが、
銃口補正がどれも貧弱かつフルヒットでしかダウンを取れない、更に威力も大した事ない……と割と散々な性能なので、
あくまで中距離以降の牽制用と割り切った方が良い。
前作に引き続き、強力な銃口補正を持つガンダムハンマーと、依然として強力な格闘を駆使した近距離戦が軸。
武装の性能から、全体的に格闘機に強く、遠距離から射撃に徹してくる機体が苦手な傾向がある。
耐久力が最高の750なので、シャッフルで3000同士で組んでも後衛で戦う選択肢をとれなくもない。

シリーズ二作目以降は高性能な飛び上がり格闘(いわゆるピョン格)が追加されており、立ち回りの要となる。
動きが田植えに似ていることからターウエーガンダムとか呼ばれることも。

なお、二話仕様なのかロランは全裸である。全裸である。*21

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOSTでは、サブ射撃にNEXT由来のミサイル発射が追加。
それに伴ってビームライフル連射が弾数1発になって特殊射撃に、カプル呼出が特殊格闘に配置された。
元の特殊格闘は前格闘と後格闘に配置され、BD格闘は前作前格闘になるなど大胆な改変が多い。
耐久値が800とマスターガンダムやゴッドガンダムに迫る耐久値だが、あちらほど格闘ばかり振る機体ではないのでとにかく硬さが目立った。
新システムのドライヴはFドライヴと相性が良い。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONでは、特殊格闘派生に前作前格闘の巴投げが配置。前格闘とBD格闘がFBのものへ戻った。
射撃面ではサブ射撃の弾数低下と6連射可や自由落下可能、特殊射撃が弾数3発に戻るなどの追い風が吹いている。
覚醒中に月光蝶のエフェクトが背面から出るようになり、視覚的にも分かりやすくなっている。

余談だが、BD格闘は何故か背面に射撃ガードが付与されている。
初段確定まで付いているので照射ビームすら容易に防ぎきるのだが、如何せん背面限定という仕様からか家庭用で検証されるまで誰にも気づかれなかった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では、射撃CSにカプル呼出、特殊射撃にビームライフル照射も爆風がついて統合、
特殊格闘に巴投げとジャンプ斬り復活と移動斬りも追加、後格闘が新規のドリルキック、前格闘が旧来の手刀になるなど改変部分がとても多い。
高い覚醒補正も相まってM覚醒との相性が良く、詰め寄る手段も問題ないので一気に高火力を叩きこむチャンスもあったりした。

本作でロランのパイロットイラストも変更され、常時パイロットスーツを着込むようになった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは大幅な仕様変更と強化がなされた。
長らくメイン射撃に置かれていたガンダムハンマーが格闘CSへ移行。空いたメイン射撃には通常のBRが配置。
射撃CSにビーム照射が復活し、特殊射撃には再度カプル呼出が戻ってきた。
格闘CSはガンダムハンマーになり、核弾頭投擲は後覚醒技に発生強化とSA付きで配置された。
すでに大きな武装変更がなされたが、やはり機動力の増強が一番の強化点と言える。
この機体のBDは他の機体とは仕様が異なりBD硬直が極端に短い。
これは1回のBDで移動出来る距離が短いというデメリットもあるが、BD初速の慣性を慣性ジャンプに乗せれる、
BD硬直中はレバー入れサブ射撃しか出せないがその硬直が短いためレバーNサブ射撃を立ち回りに組み込みやすい、
他武装へのBDキャンセルが早いなどデメリットを補って余りあるメリットを持つ。
稼働当初はBD回数脅威の11回という前代未聞の性能(一般的な3000コスト高機動機がBD回数8回)を誇っていたが、
流石にやり過ぎということで、稼働から2週間ほどで共に脅威だったサバーニャ・Xアストレイとともに下方修正を受けることに。
それでも全機体中最高クラスの機動力を持ち、実質弾数無限の格闘CSを使った降りテクも併せ持つので総合的な足回りは5本の指に入るほど。
低コストは冗談抜きで相性が悪く、自衛力の低い機体は何も出来ずに落とされることもしょっちゅう。
しかし降りテクにはどれも射角調整や事前にチャージが必要なものばかりで操作難易度はレギルスに匹敵する。
両CSのセカインや特徴的なBDに慣れる必要があるのでレギルスよりも難易度は高いかもしれない。
だがもし上記のテクニックを習熟しているプレイヤーが本機を扱った際は圧倒的機動力と実質無限降りテクでじわじわにじり寄って、
非常に強力な押し付け武装である両CS、及び格闘をねじ込んでくる強機体と化す。
一度下方修正を受けたにもかかわらず、そのポテンシャルは未だ高く、2021年12月4日に行われた「EXバトルステージ#2」ではオーヴェロンとのペアで優勝を果たす。
操作難易度の高さからプレイヤーを選ぶ機体ではあるがパワーだけを比較すると本機が最強との声もあり、衰えを見せない強機体と言える。

ちなみに今作の∀シリーズのMSは、釈放され環境上位に食い込んだターンXや、
∀と同じく操作性に難があるがハメ/逃げ性能の高いゴールドスモー、
下方修正を受けたもののコスト帯に見合わないパワーを持つカレンカプル、
同じくコスト帯に見合わないパワーを持つカプル等、∀以外にもかなり優遇されている。
スタッフに∀好きでもいるのだろうか…。

  • GUNDAM EVOLUTION
リリース当初から参戦。
溜め撃ち可能なビームライフルと、一定時間耐久値を継続回復するナノスキン、至近距離にいる敵を拘束し後方へ投げ飛ばす巴投げを持つ。
ビームライフルの溜め撃ちは単発威力が高く、ダメージを負った敵機に対してはすこぶる強い。
またナノスキンによる生存能力の高さや、巴投げによる詰め寄りへの対処法が確立されているのも強みか。
一方で武装の適正距離がバラバラで統一されておらず、射撃戦ではビームライフルに頼りがちなのでダメージレースで負けやすい。
またサザビーやジムスナイパーⅡといった得意距離が明確で不利を背負いやすい敵には圧倒的に不利。
Gマニューバは月光蝶。一定時間飛翔し、通ったルート上に蓄積ダメージを与え続ける。
障害物などを貫通するので遠慮なく使えるが、開けた場所でないと真価が発揮し辛く、機体特性上ゲージを溜めるのが難しいので発動までに時間がかかりがち。
地味だがユニットスキン関係の名称は自然や昆虫類の物が多い。月光"蝶"やらナノスキンの効果的に有機的なイメージに結び付きやすいからなのだろうか。



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最終更新:2024年04月18日 13:38

*1 ちなみにこの記号そのものには読み方はなく、「ターンエー」という読み方は番組オリジナルである。

*2 つまり、常に新しいボディを生み出し続けており役目を終えたナノマシンは垢の如く零れ落ちる。シナリオでも∀の出現を生まれたてのようだと説明されている。

*3 小説版でノイエ・ジールが評されたのが元祖で言われた張本人のアナベル・ガトーが一部ゲームでアムロと対峙すると「"連邦の"白い悪魔」と呼ぶファンサービスが搭載されたが、 敵として戦うアムロがまさに悪魔と呼ぶべき強さなのでアムロの方に定着してしまったという流れ

*4 そうした経緯があるからか思い入れもあるガンダムらしい。

*5 正確には女性なのでカッコいいロボット、カッコ悪いロボットと言われてもピンと来ていなかったとか

*6 とはいえ左右非対称のデザインはセル画で描くのは非常に手間がかかるので登場自体は終盤の数話しかないのだが。

*7 そして、その「流れ着いた外宇宙製と思しきMS」こそが「ターンX」であると、この説ではされている。

*8 この辺は“全部乗せ”の弊害だろう

*9 因みに、ムーンレィス側には『∀』という正式名で伝わっていたようだが、劇中での反応からも、どのような姿なのかまでは伝わっていなかった。一方、現場レベルでは『∀』の正体を知らずとも、寧ろ宇宙移民をイジメぬいた白いMS=ガンダムに似てるとして戦かれていた。

*10 この時に持ち帰った手が後にコレンのロケットパンチとなった

*11 異常な高熱を放っている(本当にプラズマ化した物質を重力場固定しているのなら最低でも数万℃)らしく、ウォドムの装甲を切り裂いた際には装甲が液化して沸騰している描写がある等、単なる溶断では済まない描写が見られる。

*12 この設定の元ネタは御大自身による小説版『機動戦士ガンダム』の設定から。

*13 ミサイル等も分解され熱エネルギー毎に吸収されてしまう

*14 これについては御大自身も「自分にガンダムの全てを決める権限はない」「皆さんなりのガンダム全史のようなものを作って頂くと良いと思う。その時に『Gレコ』を『∀』より未来としてくれたならば嬉しい」とコメントしている。両者には物語における直接的なつながりは皆無なので、一応『∀』より前でも後でも鑑賞する上での問題は特にないし、前述の通りで両作品に関わったデザイナーの安田氏はGセルフをターンタイプよりも遥かに原始的な機体として設定しているために、作品の順番はともかくとして、技術体系的にはターンタイプが究極的な到達点という認識のままで構わないのだろう。

*15 胸部マルチパーパスサイロはその為に存在

*16 つまりは、極小とはいえ数十万〜下手をすると数百万以上ものスラスターを備えているも同然であり、更にそれ等が集積して大きなスラスター(板)に見えているという構造である。しかも、その細かいスラスターの一つ一つが独自に稼働して結果的に変幻自在の起動を発揮させているということとなる。

*17 あまりにも異常な性能を誇る為にファンの間でも議論がされていたが絵コンテにははっきりと“ワープ”と書かれていた。後述のゲームGジェネシリーズでは明確にワープとするばかりか、劇中描写を元に限界性能を想像した描写を採用している。

*18 実際には劇中の様に一体分にしかならないと思われる。

*19 尚、メタ的なネタとして『Gガン』中の事件を指しているのか災害レベルのナノマシンの暴走なんかを乗り越えて制御したなんて説も。

*20 『∀ガンダム』の時代の人間はニュータイプの発生した時代の末裔=全員がニュータイプの劣化した資質を持ち、サイコミュを操れたりニュータイプ能力に目覚める可能性が高い人々であるとのこと。劇中でもロランを初め、かつてのニュータイプのような感応を示している人物が多いのはそのため。

*21 ただし、その後実装された衣装差分ではパイロット衣装が追加された。