イナズマイレブン/イナズマイレブンGO(アニメ版)

登録日:2012/03/09 Fri 04:20:25
更新日:2024/04/06 Sat 20:17:41
所要時間:約 7 分で読めます




2008年10月よりテレビ東京系にて開始した、イナズマイレブンシリーズを原作としたアニメ作品。
監督は秋山勝仁と宮尾佳和が1期ごとに交互に担当。シリーズ構成は冨岡淳広。
脚本の1期~3期は冨岡の他に、樋口達人、大野木寛、山田健一、稲荷明比古、福嶋幸典、十川誠志が参加。
GOシリーズでは富岡、樋口、山田、稲荷、福嶋が続投し、新たに日野晃博社長、神山修一、石橋大助、岡村直宏、宇田川貴広が参加している。

放送開始はゲーム発売の1ヶ月弱からであり(そこ、見切り発車とか言わない)、2期以降はアニメ先行状態で中盤以降に入ってからゲームが発売という形を取っている。
元々はニチアサのゲゲゲの鬼太郎裏番枠での放映だったが、好調ということもあり2期からゴールデン進出を果たした。
2018年4月より放送されたアレスの天秤とオリオンの刻印は今まで原案・監修、GOシリーズで一部の回の脚本を務めた日野社長が総監督・脚本・シリーズ構成を担当した。

◆シリーズ

イナズマイレブン 2008年10月5日~2011年4月27日 全127話
イナズマイレブンGO 2011年5月4日~2014年3月19日 全141話
イナズマイレブン アレスの天秤 2018年4月6日~9月28日 全26話
イナズマイレブン オリオンの刻印 2018年10月5日~2019年9月27日 全49話

◆概要

レベルファイブの方針としてゲームとは同じ大筋を辿っている。
ただし表現媒体の違いにより、細かい描写は原作となる日野晃博社長が描いたゲームのシナリオを時に改良、時に改悪したりと、
「互いの良い点を併せて完成」という状態にある。

方向性としては大味だが熱さと勢いで押し切るのが特徴。また、監督インタビューにより2期からの作風としてはキャラものとして制作されていることが語られた。
尺の都合にによりゲームほど特訓描写に時間が裂けないため、必殺技の完成は試合中に持ち込まれる形となっている。

対象年齢の関係か、2期のリンチ退場シーンが戦意喪失という形での退場に大幅改変されるなど、暴力的な描写は若干控えめになっている。
加えてしばしばゲームのターニングポイントとして起きる鉄塔上でのイベントも軒並み割愛なり場所変更なりがされた。
子供が真似して登らないようにするためだろうか。

ゲームにはないエピソードや人間関係が付加され、時に逆輸入されたりするもの特徴。
特に卑怯集団から面白ヲタ集団へと変貌を遂げた秋葉名戸学園や、100話というキリのいい回のカオスな河童エピソードなどがネット上では人気が高い。
さらに妙に音がリアルなデコチャリなどたまに謎のこだわりを見せたりもする。


1期では初代ゲームからアニメ化に際するに当たって一部キャストの変更と性格の改変が行われており、
ゲーム側も2以降は多少の違いはあれどアニメに準拠する形を取っている。
性格・キャラデザ共にクセの抜けた方向性にアレンジされており、特に性格面に関してはゲームと比べると全体的にかなり毒気が抜けた。

◆キャスト変更キャラたち(ゲーム→アニメ)

  • 栗松(高乃麗→日野未歩)
  • 少林(小桜エツ子→城雅子)
  • 春奈かかずゆみ→佐々木日菜子)
  • 響木(森山周一郎→有本欽隆)
  • まこ(古川絵里奈→倖月美和)
  • 佐久間岸尾だいすけ→田野めぐみ)
  • 源田小西克幸中村悠一
  • 影山(嶋田久作→佐々木誠二)
  • 幽谷(小松史法→倖月美和)
  • 杉森(櫛田泰道→四宮豪)
  • 霧隠(佐藤健輔→小林由美子)
  • 武方勝(久保智史→古島清孝)
  • アフロディ(庄司将之→三瓶由布子

その他大勢にも何人か。
サブキャラに関しては早い話が兼役声優に変更されている。そしてその結果起きたのが3期にて佐久間の予想外なレギュラー昇格。
しかもよりにもよってメイン格かつスタッフがスタメンから外さないことにこだわりを持っていた壁山との兼役状態になってしまったため、田野さんが苦労したとか。
最終的には壁山フル出場にはこだわりつつも、試合中交互にベンチと入れ替えるという措置に落ち着いたと語られている。

キャラ数が多いため兼役数も多くクレジットは基本的に1キャラしかされないため、毎度ダメ絶対音感持ちの人々を奮い立たせている。
ちなみに現状の兼役王は金野潤。明確なクレジット分でも20キャラ以上、さらにダメ絶対音感持ちからもほぼ毎試合名前が挙がる。


OP・EDはゲームが2バージョン商法を始めた2期からは、ゲームの片方の曲を映像は別にアニメと共用する手法がとられている。
GOでは1期のラスト2話にて共用OPがEDに回され、もう一方のゲームOPが映像はそのままにアニメのOPとなった。
さらに、GO2期ではどちらの曲も捨てがたかったという理由で、2種制作の交互放映という目まぐるし変化ぶりを見せている。




◆以下ちょっとした問題点など



上記の通りキャラものとして推し出されているアニメ版だが、その観点から見た場合ゲームとの足並み合わせ進行とも相まって問題点が浮上。
と、いうのもどうやらアニメ制作側がキャラクターを扱い切れていない模様。場合によっては言動がゲームと真逆なこともある。
その結果、ゲームをやっているといないとでは印象大きく変わり、中にはゲームをやってないと印象が悪くなるというキャラまで出てきてしまった。

こうなってしまうのは、そもそもゲーム制作側とアニメ制作側とで連携が取れていないからではないかという見方も大きい。
実際ゲームのエピソードとそこに付随する設定がなかったことにされ、後にそうなったのは「知らなかった」からと公言されたことがある。
ちなみに初代ゲームの口が悪い熱血漢からアニメで寡黙クールキャラに改変した結果、
そのまま空気と化してしまった豪炎寺は扱い切れなかったと明言されている。
そして困ったことに世代交代後も剣城で二の轍を踏みそうな状態。

さらに尺の配分が特定のキャラやエピソードに偏っていることがあり、
特定の箇所に時間裂く代わりに他を削ったり圧縮したり、布石は置くが回収描写は無しなどといった事態が起こっている。

加えて大人キャラは画面に映すが描写にはあまり裂かないということもあり、
2期では瞳子監督の人として成長していく姿が見事なまでに片っ端から削られてしまった。
GOでは大人になった前作キャラがこういった事態に陥っているため、何か起こった時に映るだけ映っての反応の薄さに違和感という声も。

その上、日野社長が直々に脚本を担当した劇場版究極の絆グリフォンでは良く動き喋る剣城に、
試合状況に歯噛みしたり一喜一憂を見せる大人を始めとしたギャラリー陣営など上記の不満点が解決されていた。
こうして単純にゲームとアニメの媒体差による表現の都合というわけでもないことが判明。

このところますます偏り具合が進行していることもあって、日野晃博社長のシナリオ面に関する力量(該当項目参照)を踏まえた上でも、
「なんだかんだでキャラクターを一番扱い切れているのは日野」「まだ日野シナリオの方がマシ」
などといった意見が出始めるようになってしまった。


とはいえ全ての問題点がそのまま放置されているというわけでもなく、
たとえばGO世代に入って試合を間延びさせる原因となっていた化身バトルが少しずつテンポの良い試合運びへとなっていってるように、
着実に改善ないし進歩している要素も存在している。
また、GO2期では1期で激減してしまったことが嘆かれていた必殺技披露頻度も復活を遂げているなど、反省点はそれなりに生かされている模様。

しかし、新シリーズのアレスの天秤/オリオンの刻印では総監督・脚本・シリーズ構成を務めた日野氏のシナリオに賛否両論が巻き起こり、アレスの天秤は旧作1期と同じく2クールという短さかつ試合シーンを重視したことで日常シーンやライバル校の細かい掘り下げなどをカットするというかなりの駆け足気味であった*1
オリオンの刻印に至っては大勢のキャラクターを扱いきれず、特定のキャラクターへの贔屓が随所に見られ、主人公の稲森明日人すら物語途中まで活躍が少ない、旧作からのキャラクターも明らかに(ファンから見れば)違和感が残る行動・言動をとり、扱いが露骨に悪い*2。試合シーンは敵も味方も露骨なラフプレーや(必殺技ではない)反則行為、リンチ退場を当たり前に行ったり*3と世界大会という公の場にもかかわらず暴力的な描写が際立ったりと、旧シリーズとは全くかけ離れた展開となった。
勿論新シリーズでの光る要素や魅力はあるものの、それ以上に視聴者からの不満が噴出する出来となってしまったのは否定できない。
それに加え、2018年夏に発売予定だったゲームも度重なる延期の影響もあり、オリオンの刻印放送終了後、アニメのストーリーを描かずゲームの内容そのものを大きく変更すると発表。結果、イナズマイレブンのクロスメディアプロジェクトを事実上破綻させてしまった。

この一連の騒動や炎上はかなり響いたのか、イナズマイレブンが話題にされる(とくにアレス・オリオン)事も無くなる*4。そして当時批判的だったイナズマイレブンGOがアニメやゲームで再評価される形となる。

「日野がアニメ製作を優先したからゲーム開発が滞った*5」「秋山監督や宮尾監督の方がまだマシだった」と上述とは真逆の意見が出る事態となってしまった。


追記・修正はとりあえず20キャラほど兼役してみてからお願いします。

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最終更新:2024年04月06日 20:17

*1 伊那国・雷門VS世宇子戦と星章VS王帝月ノ宮戦はほぼ同時進行で行われたことで前者がダイジェスト寄り、後者は戦術で強制的に相手チームを棄権させて不戦勝という試合内容だったこともあり批判が噴出した。

*2 アニメ放送前は旧作からのキャラクターの性格は基本変わらないと説明されていた。

*3 味方側はやむにやまれぬ事情で解決策として使っている理由があるが、それでも倫理的に正しいとは言えない。

*4 ただし完全に無かったことにはされておらず、ソーシャルアプリ「イナズマイレブンSD」ではアレス・オリオンのキャラクターが収録されていた他、2021年現在もグッズ展開は細々と続けている。

*5 新シリーズ放送の段階で妖怪ウォッチ シャドウサイドや映画二ノ国のシナリオも同時進行で行っていた。