ハリー・ポッター

登録日:2009/08/18 Tue 23:36:15
更新日:2024/01/30 Tue 22:19:15
所要時間:約 18 分で読めます




Harry Potterは『ハリー・ポッターシリーズ』のホグワーツ魔法魔術学校に通う主人公。

十八番は武装解除呪文。創り出す守護霊は「牡鹿」。

人物像

フルネームはハリー・ジェームズ・ポッター。

見た目はくちゃくちゃな黒髪で額には稲妻形の傷があり、眼鏡をかけた冴えない少年。
ジェームズに生き写しとよく言われるが、瞳の緑だけは母リリーのものと称され、第二巻で「見た目もどこか似ている」とハンサムなトム・リドルが言うのでそれなりのイケメンなのだろう。

性格は非常に友達想いで謙虚。しかし好奇心旺盛で多少向こう見ずなところもあり、覚えてもいない父が立派な人間だと信じこんでいたり*1と思い込みも激しく、名付け親にも通じる自己中心的な一面もある。
また、自分に好意的な人間は善人で否定的な人間は悪人だと考えるやや短気な側面もあり、売り言葉に買い言葉でどんどんヒートアップしてしまうことも*2

所属する寮はグリフィンドール。同寮生のロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーとは仲良し3人組でもある。



魔法使いとしての才能

唯一、史上最高の闇の魔法使いから1歳になったばかりで“生き残った男の子”として魔法界では英雄的扱いされているが、魔法界との接点を全く持たないマグルのダーズリー家で育ったハリー自身は全く自覚がない。

実戦を含めて全般に成績は良好。得意技の「武装解除呪文」もほとんど独学でマスターし、映画版では蜘蛛の撃退用魔法「アラーニア・エグズメイ」を「リドルの日記」の中でトム・リドルが使ったのを一目見て習得した。
才能だけではなく努力を積み重ねる忍耐力もあり、「守護霊呪文」を学ぶ際には何ヶ月も精進。その末に、大人でも難しいとされるこの術を3年生で体得した。
(原作ではどちらかというと努力型で、変身術や浮遊呪文、消失呪文や無言呪文など授業では全く手も足も出ずによく追加練習を命じられるなど、基本的に呪文は努力でじっくり習得する描写が多い。)

「O・W・L(普通魔法レベル試験)」では7科目をパスし、「闇の魔術に対する防衛術」ではハーマイオニーを抜いて学年トップになっている*3

特に箒の才能に非常に優れており、マクゴナガルの贈り物である『ニンバス2000』で、愛箒が木っ端微塵になった後は世界最速の『炎の雷(ファイアボルト)』で寮のシーカーを務める。7巻で喪失した

また、魔法界の知識は並でも、実戦経験を積んでいるためそんじょそこらの大人より強い。
「毒蛇の王」バジリスクを討ち取り、熟練の闇の魔法使いである死喰い人相手でも互角以上に渡り合う。
間違いなく世界最強のヴォルデモートとも相手でも生還してみせた。

ただし、ヴォルデモートに関しては実力以外の要因があり、魔法使いとしての実力は話にならない程の差がある。
わかりやすく言うとヴォルデモートに手も足も出ないのがスネイプ。そのスネイプに手も足も出ないのがハリーである。
もっとも、これは「ヴォルデモートのような強力な魔法使いに成長すること」を誰も望んでいないためでもある。


その他

白フクロウ(♀)のヘドウィグを飼っている。しかし7巻で……

超レアな魔法の品「透明マント」を所有している。その名の通り、着た者を透明にする夢のアイテム。
いちおう透明マント自体は普通に出回っている魔道具の一種なのだが(貴重品ではある。ただ、長く使っていると透明度が褪せてしまうなど、限界がある)、
ハリーが持っているのはどんなことがあっても力を失なわず、見破る手段もアラスター・ムーディの「魔法の目」などごく一部に限られるという別格なもの。
実はポッター家に代々伝わる家宝にして「死の秘宝」の一つでもある。

異性との恋愛関係については、レイブンクロー所属のチョウ・チャンを好きになったのが(本編では)最初。
チョウはセドリック・ディゴリーと付き合っていたためにハリーの想いは届かずにいたが、そのセドリックが4巻で殺されてしまう。
その後、5巻でハリーとチョウは急接近して付き合うこととなったが、ハーマイオニーに対する意識の差*4や、
セドリックの死がチョウの心に癒しがたい傷を負わせていたこと*5(&ヴォルデモートと魔法省とマリエッタ・エッジコムの影響)が原因となってすれ違いが生じ、破局する。
チョウは破局後にマイケル・コーナーという別の男子生徒と付き合いながらも、まだハリーに未練があるような描写があったが、ハリーはヴォルデモートが復活したことやジニーとの関係に意識が向いていたため、縒りを戻すことはなかった。

6巻途中からロンの妹であるジニーと付き合い始め、ヴォルデモートと決着をつけた後に結婚している。
なおこの事に親友でシスコンロンはあまりいい気持ちではなかった様子。

妄想癖があり、よくチョウやジニーとのことを想像している。ヴォルデモートが目の前にいても妄想するほどの重症。

ヴォルデモートと謎の「繋がり」を持っており、彼が強い感情を抱くと稲妻形の傷が痛む。
巻が進むにつれヴォルデモートの感情を読み、更にヴォルデモートやナギニの目から見たものを認識できるまでになる。
5巻ではこれを逆手に取られ、罠に嵌められてしまった。

ダーズリー一家での生活が長かったためマグル産まれのハーマイオニーと同じくマグルの生活に慣れている。本作に於ける魔法使いの多くは地下鉄にも乗れないし、それどころか服装ですらマグル基準ではハチャメチャなので、完全にマグルに馴染めるスキルは地味に貴重。
逆に、魔法界での生活経験が比較的浅いため、そっちの方面で怪しまれることもしばしば。

7巻でアルバス・ダンブルドアから贈られた品は「金のスニッチ」。
ハリーが初めてのクィディッチ試合でキャッチしたもの。

以下、各巻での活躍(ネタバレ注意)

  • 第1巻『賢者の石』
最初の飛行訓練で恐るべき箒の才能を発揮し、ドラコ・マルフォイが投げた思い出し玉をダイビングキャッチ。
これがきっかけで100年振りの1年生シーカーに選ばれる。
「賢者の石」の防御トラップでは、フリットウィック教授の空飛ぶ鍵を攻略。
その後もロンやハーマイオニーの手助けもあって最深部に辿り着き、クィリナス・クィレル(ヴォルデモート)と対峙。
身に宿る母の守護呪文によって、これを打倒した。


  • 第2巻『秘密の部屋』
ドビーのお陰で魔法省から警告されたり、退学にされかけたり、ギルデロイ・ロックハートに腕の骨を抜き取られたりと散々な目に。
また、決闘クラブでの蛇語の一件で「スリザリンの継承者」として周囲から疑われ、校内の全てから警戒されてしまう。

終盤でジニーを救うため「秘密の部屋」へと向かい、バジリスクとヴォルデモートの学生時代の姿“トム・マールヴォロ・リドル”と対峙。
フォークスが運んできた組み分け帽子から「グリフィンドールの剣」を召喚し、瀕死の重傷を負いながらもバジリスクを討伐。
次いでその猛毒の牙を日記帳へと突き立ててトム・リドルを消滅させ、事態を解決へと導いた。


  • 第3巻『アズカバンの囚人』
脱獄犯シリウス・ブラックが両親を裏切ったと聞き、復讐を考えるようになる。
終盤、シリウスと対峙するが自分が誤解していたと知り、和解。
シリウスが捕らわれた際はハーマイオニーと共に時をかけ、バックビークに彼を乗せて逃亡させた。


  • 第4巻『炎のゴブレット』
三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)」の4番目の代表選手としてなぜか選出され、不本意ながらも3つの課題を受けることに。

最後の課題をクリアしたと思った瞬間、ヴォルデモートの下に転送され、自分の血を使った儀式魔法で彼が復活するのを目撃。
殺されかけるが何とか逃げ切った。
またこの年に恩師との奇妙な縁によって、進路として闇祓いを志すようになる。


  • 第5巻『不死鳥の騎士団』
ヴォルデモートの復活を信じないコーネリウス・ファッジ日刊予言者新聞に圧力をかけたことで4巻での一件を世間は信用せず、狂人扱いされるようになる。
また、ヴォルデモートとの絆が深くなったことで情緒不安定気味に陥ってしまい、周囲に当たり散らしてしまうことも。
(というか一種の精神干渉を受けていた。十代半ばで、毒教師パワハラを食らいまくりながら、しかも友人を目の前で殺されてまだ数ヶ月という時期に、よりによって史上最悪の魔法使いの毒電波を浴び続ければ、ストレスで精神に変調を来して当然である)
学校では「ダンブルドア軍団(アーミー)」の団長に就任。魔法省の差し金で骨抜きにされた「闇の魔術に対する防衛術」の補完として、今まで習得してきた様々な魔法を団員に伝授した。

終盤、シリウスを助けに魔法省「神秘部」に向かう。
が、そこでヴォルデモートの罠にかかり、大量の死喰い人を相手にする羽目に。戦いの中で大切な名付け親が命を落とす。


  • 第6巻『謎のプリンス』
卒業するアンジェリーナ・ジョンソンの代わりに、クィディッチのキャプテンに就任するが、トラブルだらけで理想のチームが組めず終いに終わる。
このころには修羅場をくぐりすぎて割とタフになっており、キャプテンのプレッシャーも「今までのストレスに比べれば……」と開き直る一幕も。

「半純血のプリンス」蔵書の魔法薬の教科書を入手し、魔法薬学で一躍クラストップに踊り出る。
が、それに書かれていた呪文の1つ“セクタムセンプラ”でドラコに大怪我を負わせてしまい、泣く泣く手放すことに。
また並行して、ダンブルドアとの個人授業でヴォルデモートに関する記憶を旅し、打倒する方法を探る。

終盤、分霊箱の1つをダンブルドアと共に探しにいくが、既に誰かに盗まれた後であり、無駄足に終わる。
ホグワーツ帰還直後にダンブルドアがスネイプに殺される所を目撃。
全力で彼を追跡するも、圧倒的力量差の前に取り逃がしてしまう。


  • 第7巻『死の秘宝』
ホグワーツを中退し、ロン、ハーマイオニーと共に分霊箱探しの旅へ。様々なトラブルや危険に見まわれるが、なんとか2つ入手し1つを破壊。

ホグワーツ帰還後は最後の分霊箱を見つけるため奔走。
ドラコ一味の妨害に遭うも、バカなクラッブのお陰で破壊に成功する。

スネイプの最期に立ち会い、彼から託された記憶を垣間見ることで自分がこれから執らねばならない行動を知る。
「金のスニッチ」を介してダンブルドアから託された「死の秘宝」の1つ「蘇りの石」を携え、禁じられた森で待つヴォルデモートとの決死の対決に臨む。

死の呪いを受けて自分の中の「ヴォルデモートの魂」を破壊すると同時に死亡した。














……と思われたが、なんと再び生き延びており、謎の空間でダンブルドアと会話の後、現実に帰還する。
+ 生還の秘密
1歳の時、ヴォルデモート襲撃の際に生き残れたのは母が自分の身を犠牲にすることで古くからある守護魔法をハリーにかけたため。
このため、ヴォルデモートや彼が取り憑いている人物がハリーに触れると体が崩れ落ちる。

そこで、ヴォルデモートはそれを見越して4巻でハリー自身の血を取り込んで復活し、守護呪文を克服した。



が、ヴォルデモートの体にリリーの守りが取り込まれた結果、ヴォルデモートが生き続ける限り、ハリーの命を繋ぎ止めるようになった。
これが7巻でハリーが生き残れた要因である。

更にヴォルデモートが一度破滅した際に彼の魂の一部がハリーに取り憑いており、これがハリーとヴォルデモートを繋ぎ、また蛇語の力を与えていた。
つまり、ハリー自身がヴォルデモートの「第7の分霊箱」となっていたのである。
(正確には、制作順ではハリーは六番目。その事実に気づかないまま、ヴォルデモートは本人は六番目のつもりで、ナギニを七番目の分霊箱とした)

最終局面でヴォルデモートと再び対峙。
武装解除呪文で死の呪いを跳ね返し、完全に息の根を止めた。




後年、魔法大臣となったキングズリー・シャックルボルトの要請を受けて闇祓いになると順調に出世し、魔法法執行部“闇祓い局”局長に史上最年少の若さで就任。
あの決戦から一度も敗北していない模様。
一度でも敗北してリベンジもできなかったらニワトコの杖の所有権が移っちゃうからね

その後はジニーと結婚し、長男『ジェームズ・シリウス』、次男『アルバス・セブルス』、長女『リリー・ルーナ』を授かった。
それぞれの詳細はシリウス・ブラックセブルス・スネイプルーナ・ラブグッドの項目を参照。

実子達の他にも7巻中で後見人となったルーピン夫の遺児『テディ・リーマス・ルーピン』の面倒をしばらく見ていたらしく、彼とも家族ぐるみの付き合いをしている。

ダドリーとの仲もある程度良くなり、クリスマスカードを交換したりしているらしい。

第8巻『呪いの子』
魔法法執行部部長に出世する。
本当にスリザリン生となってしまい、更にはドラコの息子・スコーピウスと仲良くなっていくアルバスとの関係に悩む。
終盤では息子と共に黒幕と相対したが、その際に不敗である理由について『今までも、これからも独りで戦うことをしないからだ』と言っている。


余談

映画では“選ばれた男の子”ダニエル・ラドクリフが全作通して演じた。
じつは本来の予定ではある程度成長したら他の役者に交代するつもりだったが、まさかのイケメン化を遂げコレはコレで!ということで最後まで演じた。
また他の三人組とはオーディションを受けた11歳の頃からの腐れ縁である。
吹き替えは二代目ヴァン役にも抜擢された小野賢章で、これ以降ダニエル・ラドクリフの吹き替えをほぼ専属で担当するようになる。
ゲーム版『賢者の石』『秘密の部屋』では矢島晶子、以降は山口勝平が担当。




追記・修正よろしくお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ハリー・ポッター
  • 主人公
  • ネタバレ項目
  • 魔法使い
  • 混血
  • グリフィンドール
  • ダンブルドア軍団
  • ニワトコの杖
  • 仲良し3人組
  • ペベレル
  • 眼鏡
  • 透明マント
  • クィディッチ
  • ニンバス2000
  • 炎の雷
  • ファイアボルト
  • 最終兵器
  • 生き残った男の子
  • 選ばれし者
  • 真に勇敢なグリフィンドール生
  • 翠眼
  • ぼくダンパティいたい?
  • ダニエル・ラドクリフ
  • 小野賢章
  • 分霊箱
  • 三大魔法学校対抗試合代表選手
  • 愛されキャラ
  • みんな大好き
  • イグノタス・ペベレル
  • 稲妻
  • 牡鹿
  • ヘドウィグ
  • 金のスニッチ
  • 闇祓い
  • 結構重い過去持ち
  • 毒家族育ち
  • 孤児
  • シンデレラの少年版

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月30日 22:19

*1 周りが生前の良い点ばかりを挙げ、若い頃のやんちゃっぷりに言及しなかったことも一因ではあるが

*2 8巻に自覚している節がある

*3 これらは元々の才能に加え、3巻で恩師リーマス・ルーピン教授の手ほどきを受けたことと、4巻で課題クリアの為に様々な呪文を叩き込まれたことによると思われる。

*4 ハリーはチョウと付き合ってからも、ロンと同じようにハーマイオニーとも親友関係を続けていたが、チョウはたとえ友達でもハリーが異性と仲良くすることを快く思っていなかった。

*5 チョウがハーマイオニーを過剰に警戒したのも、ハリーがハーマイオニーによって「失われる」ことを恐怖したのだろう。